【三次元】運命の人が男と女とは限らない【ナマモノ注意!!】
作者/ 枝豆豆腐

〝自信家でドSな彼がいるんだが、彼は本当は頑張り屋かもしれない〟-4- 視点 小林
「まったく………せめて今日ぐらいは食べてこいよ」
「………やっぱり俺、お姫様抱っこ出来ないくらい重い?」
「俺は設楽をお姫様抱っこする方じゃないから………」
えっ?
お前、もう大丈夫だろ?と素っ気なく言われて降ろされた。
「小林?」
「設楽ってさ、どうして俺には素顔を見せてくれないの?」
「結構見せてるつもりだけど」
「全然だよ。だって俺設楽がダイエットしてるの知らなかった」
「だって恥ずかしいだろう。お前に太ったなって言っといてさぁ…」
久々に小林は
ふくれっ面になっている。
そこまで不満が溜まってたのかって聞きたいぐらい
「たまには設楽のそういう弱い一面を見たいよ。
俺だってめっちゃ見せてるのになんで隠すのかなぁ!!」
「小林………………」
「俺、設楽のこと好きなのに。なにか足りないものでもある?」
まさかだった。
あの素直じゃない小林が気持ちを伝えた瞬間だった。
言った本人は顔から火が出ているぐらい汗ダクダクで
面白いって言ったら怒られそうだから、ただただ笑ってみた。
「それは貴方も同じなのでは?」
「…………………」
「俺は確かに素顔を見せなかったけど
小林は素直を見せなかった。
これってある意味互角の戦いなのでは?」
「でも、お前は「俺は小林に素直な気持ちをここ最近伝えてた」
そう言ってキザなことを言ったあとは
思いっきり小林を抱きしめるだけ。
「愛してるよ賢太郎。だからお前も気持ちを伝えて」
耳元で呟けば、小林は言う。
「…………統。愛してる。だから離れないでね」
全てはこうなることを知っていた。
そしてお互い 熱い熱ーいキスを交わす…………………。
「…………ところでさ、舞台は大丈夫だったの?」
「大丈夫だった。ウケてたし」
小林曰く。
俺のことを米俵抱きして舞台を出るときに
客席は大いに盛り上がったという。
こうでなくっちゃねぇーとか
二人とも仲良しーとか
「……………まぁ、結果オーライか」
「うん。だね」
「でも、俺らの関係バレちゃったな」
「バレてはいないから」
冷静な声でサラッと言われた。
「なんだよそれ、バレたら嫌なことでもあんのかよ」
「……………ううん。全然ないよ」
小林は笑顔で答えた。
end

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