ダーク・ファンタジー小説

I live with ヴぁんぱいあ。【お知らせ】
日時: 2017/09/10 16:37
名前: はるた

「しばらく更新停止します(通常更新です)」 byはるた


 




 初めましてor(知っている人がいましたら)お久しぶりです。
はるたと申します。

 はるたの五作目となる今回の小説のテーマは「ヴァンパイアと人間の少女の恋」になっております。
今回は皆様に少しでも「ドキドキした」と言ってもらえるようなお話にしていきたいと思っています(思っているだけ)ので、どうぞよろしくお願いします。





【参照記念】

 参照300記念小説 >>55
 参照600記念小説 >>81
 参照900記念小説 >>111
 参照1200記念小説 >>112
 参照1500記念小説 >>121








【お客様】

◇ゴマ猫様
◆ひよこ様 
◇雨空様
◆朔良様
◇覇蘢様
◆占部 流句様
◇いろはうた様
◆錦歌赤兎様
◇紗悠様
◆如月 神流様
◇みるく様
◆波璃様
◇星来様
◆蒼様
◇美奈様
◆ゆーき。様
◇戒壇様
◆ことり様
◇顔無し@様
◆村雨様
◇佐渡林檎様
◆Garnet様


【目次】

*Prologue >>09
*Episode01 >>113



【設定資料集】

*「ゆたか&鉋」 >>77
*「八朔&海里」 >>78
*「恭也&庵」 >>104
*「悠真&千影」 >>105





 参照9000感謝です。
 



では、物語の世界へどうぞ。





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Re: I live with ヴぁんぱいあ。 ( No.182 )
日時: 2017/01/20 17:08
名前: はるた ◆OCYCrZW7pg





【 お知らせ 】

 奥さん奥さん、この小説「冬の小説大会」で銀賞でしたわよ。
 というわけで(どういうわけだ)また今回も小説大会で賞をいただきました。ありがとうございます。この作品では三回目の受賞となりますね。うれしい限りでございます。もう二年も書いているのに完結の目途が立っていない現実からは少しだけ目をそらしましょう。
 残念ながら現在、私はネット関係をあまり使えない状況にあります。受験生とかではないのですがね(汗
 三月ぐらいには復活しますので、それまではちょこちょこ書けるときに書いていこうと思います。

 ここからは過去編に入っていきます。鉋とゆたかの昔のお話。
 といっても、ただの「過去」ではありません。
 ゆたかの知らない「過去」のお話です。
 そういえばこの話はファンタジーだったな、と思い出していただけると嬉しいです。そう、ファンタジーなのですよ。
 甘酸っぱい恋愛ものを書きたいと願いつつもこういう話ばかり書いてしまう私を許してください。

 投票してくださった皆様、本当にありがとうございます。
 これからも皆様のご期待に添えるように精一杯頑張っていきたいなと、そんなことを考えながら少し更新スピードを速める努力をしていこうと、そう思っております。
 三月くらいまでは本当にカキコにもツイッターにも浮上できないと思いますので、また帰ってきましたら「あ、いるな」とそんな感じで認識していただけると嬉しいです。


 

Re: I live with ヴぁんぱいあ。【お知らせ】 ( No.183 )
日時: 2017/08/05 20:44
名前: はるた ◆OCYCrZW7pg


 Blood18「虚偽」



 物語の始まりは全部同じだった。
 結局何も変わらない。ゆたかの両親が最低で、最悪で、それでも子供思いの人間で――彼らが悠真に殺された事実も、ゆたかが悠真と両親を失った事実も、何一つ変わらない。

 恭也が失恋したのも変わらないし、彼女が家を飛び出していったことも変わらない。

 何にも変わらなかった。変わったことは、望月鉋が人間として生きていたということだけ。




***


 高校二年生の冬、加瀬祐輔はいつものように部活のエナメルバッグを肩にかけ、サッカーシューズを手に持ち走っていた。
 前日雪が降ったため、車の上には真っ白に輝く雪が積もっており、水たまりには氷が張っている。
 白い息を吐きながら、ただ前だけ見て走る。青い空はサッカー日和である証明だった。

「やっば、遅刻」

 祐輔はただサッカーが好きな少年だった。
 部活に行くのも楽しいし、たとえ無謀だったとしても全国大会を目指すような熱血漢をもった逞しいバカだったのだ。

 この日も、いつものように練習をこなし、監督に怒られ、居残り練習をして帰路に就いた。
 夜も遅い。もう二十一時を回っただろうか。冬の夜空は時間を想像させてはくれない。真っ黒な空に、早く帰らなければという気持ちだけが膨らんでいく。さっきまで無我夢中で走っていたため、もう足が動かない。

 そんなときだった。
 
 こんな夜遅くに人影が見えた。最初は怖がりな祐輔にはそれが「幽霊」に見えたが、そんなわけはない。まだ丑三つ時でもないのに、そんなのが出てたまるか、というバカなりの呼吸を整える方法だ。

 よく見てみると、その幽霊は女の子だった。
 長い黒髪の幽霊。服装はワンピースだろうか、暗いからよく見えないがそのワンピースも少し汚れていて、よれている。
 ふらふらと立ちくらみのような行動を起こすその女の子に、どうしても見てみる振りができず、祐輔は声をかける。

「大丈夫ですか?」


 にこり、と彼女は口元を緩めたが、顔はとても疲れているようだ。
 名前は、とまた尋ねると、少しだけ彼女は顔を伏せて、何かを決意したように言葉を紡いだ。
 アルトくらいの、耳になじむその優しい声に恋をしたような感覚を抱いた。

  ――さがら、ゆたかって、いいます


 のちにわかることだが、彼女がこんなにも汚れているのはただの迷子だったからだそうだ。


***

 方向音痴の彼女、名前を相楽ゆたかというらしい。
 真夜中にふらりと現れた彼女はどうやら「家出少女」みたいで、夜も遅かったために彼女を放って帰ることもできず、祐輔は自分の家に招き入れた。
 母親は看護師のためになかなか家で鉢合わせることはない。その上父親は単身赴任中なので、家出はだいたい一人だ。靴を持たせ、家にあげる。自分と年の近そうな女の子を家に入れたり、部屋に入れたりするのに多少の罪悪感はあったが、見捨てるよりはいいと自分に言い聞かせて部屋の扉を開けた。
 
「あの、……えっと」

 やっぱり男の部屋に入るのには躊躇あるよな、と思って祐輔は咄嗟に「ごめん」と謝ったけれど、彼女は少し顔を赤めて首を左右に大きく振った。

「ち、違うんです。いや、あの、さっき会ったばっかの赤の他人、しかも家出少女にこんな優しくするなんて、変な人過ぎて怖いっていうか……いや、あの、違うんです。あなたが悪いっていう訳じゃないんですよ。私が行く宛もなく家を出てきたのが悪くって」

 彼女が言葉を連ねれば連ねるほど、どんどんと自分を追いつめていっているようだ。
 思わずぷっと吹き出してしまった。

「いや、こっちこそ悪い。なんか罪悪感もあったんだけど、あんな時間にいるし、警察にはいきたくないっていうし、あーでもやっぱり今からでも警察いく?」
「いや、警察は駄目です。絶対に家には帰らないって決めているんで」


 祈るように両手をぎゅっと握って、彼女は「警察にだけは連絡しないでくれ」と祐輔に縋った。
 夜遅くに女の子を拾ってきた、という自分の行為もばれると社会的にアウトだと思って、祐輔は彼女のお願いを聞くことにする。危ない、危ない。
 

「あの、色々理由があるんです、ちゃんと、理由が。ちゃんと話すのでもう暫く私のこと匿ってくれませんか?」

 そりゃ、高校二年生。健全な男子高校生なら、可愛い女の子の頼みは断れないだろう、と。誰かに言い訳をしてそっと彼女の頭を撫でた。
 切なそうな表情から、親と何かあったんだろうと勝手に想像して、祐輔は眠そうな表情の彼女をベッドで寝かせてやった。


 

Re: I live with ヴぁんぱいあ。 ( No.184 )
日時: 2017/08/20 21:50
名前: はるた ◆OCYCrZW7pg

 Blood19「涙色」



 先に目覚めたゆたかに起こされて、祐輔はソファーから起き上がった。時刻は六時、いつも起きている時間よりは三十分以上も早い時間だった。

「もう少し寝かしてくれ」

 と言って二度寝希望を出したが、それは当然のごとく却下された。
 ゆたかは座布団の上で正座したまま、こちらをずっと見ている。祐輔がその前に仕方なしに座ると、彼女はまず、おはようございますと小さな声で言った。
 おはよう、と返しながら頭をかいて外を見る。この季節の朝は真っ暗だ。

「すみません、朝早くに起こしてしまって」

 本当に申し訳なさそうに、ゆたかはぺこりとお辞儀した。確かにそのことについては不満を覚えていたが、男子高校生の心は寛大だ。許してやる、と心の中で言った。
 ゆたかのほうもあまり寝ていないみたいだ。確かに、男のベッドでよく眠れるほうがおかしいなんてことを考えながら、祐輔は頬杖をついて彼女を見つめた。


「で、なんで家出したの」

 まず、一番気になる質問はこれだ。
 家出をするってことは、彼女にはそれ相当の何かがあったはずだ。
 祐輔の質問に、答えづらそうに彼女はうつむいた。

「親が死んだんです。弟も意識不明の重体で。――私だけが取り残されました」

 震える声に、ありえない現実を突きつけられる。
 最近ニュースで話題になっている「一家心中」。それは彼女のことではないかと勘繰り始めたのもこの時だった。
 祐輔がそれを尋ねると、彼女は「そうです」と短く答えて、大粒の涙を流した。女の子を泣かせた経験なんてあまりない祐輔は、焦りながらゆたかにティッシュを渡す。

「って、同情ひこうって思ってるの、ちゃんと分かってくださいよ」

 ゆたかが涙を拭いながら、ぼそりと呟いた。

「優しすぎると、いつか騙されますよ」


 別に一家心中に取り残されたことが悲しいことじゃないんです、この涙は真っ赤なウソなんですから。と、付け加えて、彼女は笑った。
 それが本当のことなのか、嘘なのか、そんなのどっちでもよかった。
 震える彼女を助けられるなら、それで良かった。



***


 ゆたかは優しい女の子だった。
 両親がなかなか帰ってこない祐輔の家の事情も、何も突っ込んではこなかった。ただ単に興味がなかったのかもしれない。
 彼女はいつも、誰もいない家のキッチンに立って祐輔の朝食を作る。ご飯に味噌汁、甘い卵焼きに焼き魚。温かい料理を食べるのは久しぶりで、少し感動した。
 一緒に食卓を囲むゆたかが、ふと箸を止めた。
 突然のことで、祐輔も声が出なかった。

「ごめんなさい、違うんです」

 ぼろぼろと涙を零したゆたかを見て、祐輔も何でか無性に泣きたくなった。
 彼女が泣いている理由が、きっと自分と同じなんだろうと思った。

「久しぶりで、誰かと、食べるの。弟は一緒に食べてくれてたけど、そうじゃなくて、そうじゃなくて」

 壊れた家庭で、傷つく弟に何もできなかった自分がどれほど悔しかったのだろう。姉なのに、自分しかこの子を守ってあげられないというのに、ゆたかの感情はもう崩壊していたに違いない。

「俺も」

 好きになったのはいつだったっけ。
 それは思い出せなかった。

「久しぶりに、食べる」

 書置きを残していなくなる母親が悪いなんて思わない。自分を育てるために選ばざるを得なかった道なのだろうと理解はしている。
 それでも、高校生になったからといって寂しいという感情を簡単にゴミ箱に捨てることはできなかった。

 味噌汁から湯気が出ている。
 一口飲んで、これが彼女の家の味なのかなと少しだけ考えた。

 嬉しそうにほほ笑むゆたかに、祐輔も自然と笑みがこぼれた。

Re: I live with ヴぁんぱいあ。 ( No.185 )
日時: 2017/09/02 20:57
名前: はるた ◆OCYCrZW7pg





 Blood20「運命」



 二人が両想いになるまで、時間はかからなかった。
 祐輔の両親も、ゆたかの存在には気づかなかった。それくらい、自分の息子なんてどうでもいいと思っていたのだろう。
 二月になってゆたかが、とんでもない告白をした。
 今まで言わなくてごめんね、と困った顔で笑いながら。

「私ね、もうすぐ死ぬんだ」

 それは自分の気持ちに気づいてしまったとき。
 もう後戻りが出来なくなってしまった状況で、彼女は退路を断った。

「ごめん。私、祐輔くんにお礼もできずに死んじゃう」

 声は震えていた。今にも泣きそうな顔で、綺麗な長い黒髪が揺れた。
 
「ごめん」

 何度も繰り返し、その言葉を紡ぐ彼女にどう答えればいいのか分からなかった。適当に返事なんてできない。
 真剣なその表情に、嘘だろ、なんて言えない。
 マグカップに入っていたココアを少しだけ口に含んだ。ゆたかの入れてくれた甘ったるいココア。でも、感情がぐるぐるで味がよく分からなかった。

 あと少しってどれくらいなんだろう。タイムリミットが近づいてきていたから、だからゆたかは俺に真実を告げた。そんなこと、分かっている。


 いつか、いなくなることは分かっていた。
 自分との出会いは、運命じゃないってことも。偶然、ただ偶然出会って、家に連れてきた、猫のような存在。
 だから言えない。言えないのだ、言ったら悲しくなるって分かってるから。




「私ね、祐輔くんのことが好きだよ」

 外は雪が降っていた。子供たちが雪だるまを作っている光景が窓の外から見えた。
 ゆたかの顔が見えない。早く、自分の顔を隠したい。
 あふれてくる涙を隠すことができる奴が、きっと大人なのだろう。
 けれど、まだ……俺は子供なんだな。

「――俺も、好きだよ」

 まだ自分は子供で、ゆたかが死ぬことについて、きっと甘く考えていたのだろう。「死ぬ」ということに対して、知識がなさすぎた。
 きっとゆたかは全部わかった上で告白したのに、最低だ。

 何よりも、想いが勝った。ゆたかを誰にも渡したくないという感情が勝ってしまった。

 祐輔はゆたかをぎゅっと抱きしめて、呟いた。

   「ずっとずっと、俺のそばにいて」
   「俺より先に、死なないでくれ」


 その願い事が、叶ってしまったのが運命のはじまりだった。



 
 

***



 恋人同士になって、初めてのバレンタインでゆたかはそわそわしていた。祐輔に「チョコレートどんなのがいい」なんて聞いてきたりして、そんな彼女が可愛くって、愛おしかった。
 冬になっても変わらず彼女を匿い続けた。最初は毎日のようにやっていた女子高生行方不明事件のニュースも、ミーハーなメディアはすぐに捨てた。
 その日は九時からの練習だった。いつもの場所とは違い、隣町のサッカー場での練習試合ということで、ゆたかの弁当を持って外に出た。
 雪の降る、二月九日。

 その日、祐輔の目に映ったのは地面だった。あと、その地面にへばりつく血液。
 頭が痛いなと思って髪を触ると、手のひらにはそれと同じ赤。



 「あーあ、これ……やぁばい、やつじゃん」

 意識がもうろうとする中、トラックの運転手が青ざめた顔でこちらを見ているのが見えた。震える唇と、震える手。持ったスマートフォンが今にも落ちそうだった。
 もしもし、と彼がか細い声で電話に語りかける。人を、轢いてしまいました。






 少しだけ思ったことがある。俺の人生、最後までゆたかの傍にいられないのかって。やりなおしたいなって、この時ばかりはそう思った。


 十七年と九か月。加瀬雄介の人生は、呆気なく終わりを迎えた。

Re: I live with ヴぁんぱいあ。 ( No.186 )
日時: 2017/09/09 19:16
名前: はるた ◆OCYCrZW7pg








【お知らせ】


 こんにちは。秋ですね、読書の秋です。
 久しぶりに図書館に行くと読みたい本がいっぱいで大変でした。
 と、前置きはさておいて、嬉しいお知らせを。

 本作が2017年の夏の小説大会で金賞を頂きました。投票してくださった皆様、本当にありがとうございます。本作はコメライの方で書き始め、その時に銅賞を頂きました。それからこちらのシリダクに来て銀賞を、そして今回初めて金賞を頂くことが出来ました。
 賞のために小説を書いてるわけじゃないのですが、目に見える結果(読者さんがいること)を知ることのできる機会として、私は小説大会がとても好きです。
 趣味の範囲で書いているので「どうしてこんなに面白くない作品が金賞とるの? 私が書いた小説の方が面白いのに」とか言われても「そうですね、私もそう思います」とかしか言えないので悪しからず(笑)

 また「シリダクは今過疎っているから、誰でも賞とれるだろ」って方、本当その通りなので是非シリダクで小説書いてみてください。過疎ってて本当に寂しい。賞とる人も固定になってきてるので、新人さん本当来てください。昔よく見かけたミステリーなんかも絶滅しちゃったし、私書けないので、誰か書いてください。読みたいです。ほんと誰か来てくれ(懇願)
 

 私のカキコ歴も四年になり、それなりに色々あったな、と過去を振り返ることが多くなりました。普通に活動していても誰かしらから恨まれることもあり、まぁ正直言いますと疲れました。
 私の作品が嫌いな人は嫌いでいいし、それなら放っといてくれと思いました。そういう奴です、私は。
 突然のお知らせで申し訳ないのですが、私はこの作品が完結後、もう「はるた」という名義で小説を書くことはやめます。他の作品は既に削除依頼済みですし、この作品が完結したら削除依頼をして終わりにしようと思います。
 長くて短い四年間、たくさんの人たちと関わることが出来て本当に幸せでした。憧れの作者様とも仲良くなることが出来まして、本当に嬉しかったです。
 またいつか、皆様と関わる機会があれば嬉しいです。本当にありがとうございました。
 と言いつつ、まだ本作は終わる気配を見せておりませんので、あと一年ほどはまだふらふらカキコにいると思います。それまで、どうぞ宜しくお願い致します。

 本作は10月1日で三周年を迎えます。長期の連載に関わらず読み続けてくださる皆様、本当にありがとうございます。これからもどうぞ宜しくお願いします。



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