コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- Erret Crimson〜紅蓮の契約者〜 二話解禁
- 日時: 2011/09/01 02:20
- 名前: だいこん大魔法 (ID: qd1P8yNT)
- 参照: http://loda.jp/kakiko/?id=758.jpg
初めての投稿です!!そして初めての小説です。まだ途中ですががんばって書いていきたいと思います!!内容の細々とした設定は後々追加していく予定ですのでどうかよろしくおねがいします!!そして、初めて書くので全然下手で文章力もないですが、荒しとか、下手だからやめとけとか言わないでください。そう思うならとっとと帰っちまえ!!とおもう所存ですゆえ・・・。^^;
タイトル変更のお知らせ 【紅蓮の契約者】からErret Crimson〜紅蓮の契約者〜になりました^^;オリキャラ募集は引き続き行っています^^;おねがいします〜
参照200突破したので主人公から一言—————「え?は?おまえなにいっちゃってんの?そういうのは作者がするもんだろ?」———いいからいいから———「いいからじゃねーよ!恥ずかしいだろ!?」———いいからやれよ馬鹿!!———「逆切れされた!?」———・・・いつまでもこのヘタレが私に逆らってくるので今回はこの辺で———『一言終了』
参照300突破したのでヒロインから一言—————「こんにちは、エルシャロン・ユアハーツです♪この度は私と裕介のイチャイチャラブストーリーを読んでくださり」———ちょ、エルさん?違う、違うからね?———「・・・はぁ?人間風情が気軽に私の名前を呼ぶんじゃないわよ」———おーい・・・本性でちゃってますよ〜———「ていうかそもそもこれを裕介が見るわけじゃないんだし、一言とか必要ないじゃない」———・・・あー、エルさんが帰っちゃったので今回はこの辺で———『一言終了』
参照400突破したので先生から一言—————「こんにちは(キラッ)髪の毛がワイルドなほどに生えている雉田信之助デスッ(キラッ)」———うそはよくないと思います、先生———「う、うそじゃないもん!!ほんとだもん!!」———きもいんでやめてもらえますか?———「フン・・・キサマはどうやらこの私を怒らせてしまったようだな・・・喰らえ!!ハゲビーム!!」———えー、この先生相手にするのがめんどくさいので———『一言終了』
参照500突破したので西野から一言—————「始めてまして、西野です。鎖牙裕介の友達やってます。好きなことはゲームで趣味はゲームで将来結婚したいのはゲームで」———おいオタク。お前は自己紹介でなにいってやがんだよ———「今発言してきた人は無視してください。ゲームの中の登場人物の声ですので」———おいお前、作者にむかってそんなこといってっと登場させないぞ?———「では、ここらで俺がオススメするゲームを紹介し」———・・・どいつもこいつもまじめな挨拶ができないと私が失望したのでここらへんで———『一言終了』
参照600突破したので昌子から一言もらおうと思ったけどもうなんか前のやつらがとてもめんどくさい反応をしていたのでこの企画はなかったことに———「ちょ、ちょっと作者さん!!私にもやらせてくださいよぉ!!」———えー・・・だってどうせふざけるんでしょ?———「ふ、ふざけないです!!だからお願いします!!」———まぁそこまでいうならやらせてあげないでもないけど———「そうですか?ならもうあなたには用はないのでとっとと帰・・・」———はいはい、強制終了します—————『一言終了』
参照700突破したのでサブキャラクターみたいな感じになっている佐々木さんから一言—————「う、うぇ?わ・・・わたしですか?」———うん、おねがいね———「う・・・うう・・・あ、あの・・・こ、この物語は・・・ええと・・・あの・・・そのぅ」———緊張しなくていいよ〜、一言いってくれればそれでいいから———「え、あ・・・はい。え・・・と、この作品は、んと・・・」———む、無理しなくてもいいよ?———「ふぇ・・・お、お役に立てなくて申し訳ありません」—————というわけで、一番まともな挨拶をしてくれようとした佐々木さんに盛大な拍手を!!『一言終了』
もうすぐ一話終了だっていうことで、ここでひとつ、主人公に一言もらおうと思います、どうでしょう?こんどこそやってもらえますね?—————「よ・・・よし、今度こそはいけそうだ。ちゃんとやってやる」———そうこなくっちゃな、主人公さんよ———「うーん・・・若干作者がうざいけどまぁしょうがねぇ・・・やってやらんこともないぜ」———いいから黙って始めなさいこのヘタレ主人公———「あーあー!!わかったよくそっ・・・えーと・・・なになに?」———プッ・・・セリフも覚えられてなかったのかよこの子———「うぐっ・・・う・・・うるせぇこの駄作者!!ちょっとだまっとけ!!」———といわれて黙る私だとお思いですかな?———「・・・もしかして、最初のやつ根に持ってんのか?」———・・・———「ぷっ・・・器のちっちぇやろうだなぁ」———・・・えーと、では、次回から主人公はこのヘタレ男ではなく雉田先生に———「え?まじ?よっしゃああぁぁ!!この髪の毛がワイルドなほどに生えている雉田信之助様にすべておまかせあれええぇぇぇ!?」———「先生はだまってろ・・・!!」———「なんだと?このワイルドなほどに髪の毛・・・もといワイルドなほどに髪の毛が生えているこの雉田信之助様にただのヘタレのお前が勝てるとでも?ハーッハッハッハ!!」———「・・・ハゲ、育毛剤、つるつる、カツラ、テカテカ、抜け落ちる髪の毛、ワイルドほどになにもなかツルツル頭」———「うわああぁぁ!!ヘタレ男がいじめるううぅぅ!!」———「きしょいんだよこのくそやろう!!くっつくんじゃねぇ!!」———
・・・と、いうわけで、一話終了まじかの一言でしたー、また次回〜———「「っておいなにかってに終わらせてんだこのくそ作者!!」」———そういうところだけはそろうんですね、そしてきしょくが悪いですね、先生———「うわあああぁぁん!!」———というわけで、まぁ・・・最後ぐらいはお前に閉めさせてやるよ、ほら、最後に挨拶ぐらいしときなさい———「ぐっ・・・まぁいい、ていうか一言とかなにもいってないような気がするけど・・・ま・・・いいか。んじゃ、Erret Crimson〜紅蓮の契約者〜の一話を読んでくださりありがとうございました。引き続き、二話もこの駄作者が書いてくださるということなので、期待せず、むしろ作者を罵倒しながら待っていてください、んじゃ・・・というわけで」———一言終了。そして作者から一言
—————————まだエピローグが終わってないんだぜ——————————
最近かいてて思ったこと『別の小説に熱が入ってしまってなかなか進まない・・・』
山下愁様による、この作品の宣伝文です!!なんというかもう神ですね^^小説本編が宣伝文に劣っているという真実が———^^;
↓
————————
「僕は君を——守りたいんだ」
夕日が赤く染める空き地で、少年は少女に『力』を入れられた。
それは、彼女を守る為の能力——。
その日を境に、主人公・裕介の物語は始まった。
それから高校生になった裕介の日常は、至って普通だった。
幼なじみと登校し、
友達と馬鹿騒ぎを起こし、
普通に授業を受けると言うありふれた人生を送っていた。
人生の脇役を演じる裕介の前に現れたのは、
1人の転入生だった————。
そして、その転入生は、裕介が昔好きだったと言う女の子だった。
予測不能なファンタジー小説が、コメディライトにて活躍中!
裕介の未来はどうなってしまうのだろうか?!
Erret Crimson〜紅蓮の契約者〜
「この世界に空気が存在するように、光が存在するように、太陽が存在するように月が存在するように、『これ』も存在するの」
————————
>>6 登場人物紹介&オリキャラ素材
第一話 サブタイトル【邂逅】
プロローグ>>0
一章、始まりを運ぶ者 >>1 >>2 >>3 >>4 >>5 >>7 >>8
二章、再会の意味を知る者 >>8 >>9 >>10 >>11 >>13 >>18 >>23 >>25 >>26
三章、紅蓮の契約者 >>29 >>32 >>33 >>34 >>39 >>43 >>44
四章、幽霊屋敷の能力者 >>47 >>48 >>49 >>52 >>53 >>54 >>55 >>57
五章、孤高の翼をもつ者 >>58 >>59 >>60 >>61 >>62 >>63 >>64 >>71 >>74
六章、孤独の愛する者 >>75 >>76 >>77 >>78 >>79 >>80 >>83 >>84 >>85 >>86 >>87 >>88
七章、結社最初の襲撃者 >>89 >>92 >>94 >>95 >>96 >>97 >>98 >>99 >>100 >>103 >>104 >>105 >>106 >>107 >>109 >>115 >>116 >>120 >>121 >>122 >>123 >>124 >>125 >>126 >>127 >>132 >>172 >>176 >>177 >>180 >>182 >>183 >>184
エピローグ>>186 >>187 >>188
第二話 サブタイトル【解禁】
プロローグ>>199
参照800突破初企画始動 裕介、中学時代のバレンタイン >>133 >>134 >>135 >>136 >>137 >>138 >>140 >>147 >>148 >>149 >>155 >>158 >>162
>>165 >>166 >>167 企画END
魔法の詳細てきなもの>>142
秋原かざや様による小説紹介文>>185
作者自作イラスト(裕介) >>56 >>110 (エル) >>67 >>93 >>189 (リーナ) >>91 扉絵>>0
凡さまの神イラスト>>170
スペシャルサンクス(コメントをくれたお客様) >>67
では、そんなこんなで本編スタートです!!↓
プロローグ、涙とともに消える記憶
「この世界に空気が存在するように、光が存在するように、太陽が存在するように月が存在するように・・・『これ』も存在しているのよ」
なにもない。ただの空き地となってしまったこの場所で、一人の幼くも美しい、それでいて不気味な雰囲気をまとっている少女の声が響く。
夕日に照らされた少女の髪はオレンジ色に染まり・・・顔は、影にかくれて見えない。草が適当なサイズに切られているこの空き地には、もう一人の少年らしき人物がたっていた。
その少年らしき人物は少女の声に聞き入り、うんうんとうなずきながら、少女のほうをみつめている。その少年のほうは影になっておらず、六、七歳の男の子だということがわかる。とくにといった特徴の無い顔、少しだけ長い漆黒の髪、身長はその少女よりも少しだけ大きい。
少女は子供が無邪気に笑っているのとは程遠い、美しい笑みを浮かべながら、その少年のことを見ている。その少女の雰囲気には、まるで愛しい人をみているかのような空気がまとっているようにも思えた。
少年は早く続きが聞きたいのか、早く早く、と少女のことを急かす。少女はニッコリは笑った後、再び声をだす。
「『これ』は使える人には使える。たとえば、それが得意な人にとってはそれが簡単にできて、それが得意じゃない人はそれは簡単にできない。つまりそういうことなの。『これ』は、私のように使える人にとっては簡単に使えて、あなたのように、使えない人にはできないの。わかった?」
首をかしげながら少女は少年に聞く。少年はそんな少女の言葉にガッカリした雰囲気をだしていた。それを察した少女は、慌てて言葉をつけたした。
「あ、あ、でもね、あなたも使えるようになれる方法が一つだけあるよ」
それに少年は顔を上げる。その少女の顔を見ながら少年が感じたのは、疑問だけだった。まだ幼い少年の頭では、理解ができなかったのだ。
だが少女は、やはり愛しそうにその少年を見つめる。見つめながら顔をよせてきて、理解できていない少年の耳元でそっと・・・ささやく。
「そう・・・ひとつだけ。私の力をあなたに入れる。そうすれば、あなたは『これ』を使えるようになる」
「ほ、本当!?」
そのときはじめて少年は歓喜の声をあげた。だけど少女の言葉はまだ続いていて・・・
「でも・・・それをやったらあなたは、あなたの人生は・・・捻じ曲がる。私のような狂った化物しかいない、最悪の人生・・・違う、もう人生ともいえない道を進むことになる・・・それでも、いいの?」
さっきとは裏腹、少女の声には寂しさが宿っていた。それは自分に対する言葉でもあったかのように、少女は寂しそうに顔をゆがめる。
少年はそんな少女の顔を見るのが嫌いだった。少女とあって二ヶ月の間にこの表情を何度みたことだろうか、見るたびに、少年の頭の中にはひとつの言葉が浮かび上がる。————守りたい————と。
それは小さい子供の我が侭な感情なのかもしれない。でも少年は、自分のことなんかどうでもいいから、少女を守りたい・・・と、そう思うのだ。好きな人を———守りたいと、思うのだ。
だから少年は、すぐ近くにいる少女の腰に手を回し、思い切り抱き寄せてから、言うのだ。
「・・・僕は君を、———を守りたいんだ」
その言葉に少女は目を見開き、驚きの表情を見せる。今までに無かった反応に少年は笑いながら、もっと強く少女を抱き寄せる。その細くてしなやかな体を、抱き寄せる。
少女は少年の抱擁をうけいれながら、うれしさに笑顔を見せる。今までに自分に近づいてくる奴は大抵汚いやつばかりだった。『これ』を使おうと自分を利用したりする、汚いやつらだったり、この力を恐れた連中による、自分を殺そうとするものばかりだった。だけど、この少年からはそんな汚いものは見えない。あるのは、自分を守りたいという純粋な・・・気持ちだけ———
「じゃぁ・・・力をいれるよ?」
そう小さく少女が呟く。うれしさを押し殺したかのような声で、そうつぶやく少年はその少女の言葉に返す。
「どうやって?」
少女はやはり、愛しそうに少年の言葉を聞く。だけど、ちゃんと答えてあげないとだめだと思った少女は、少年の胸から少しだけはなれて、目をみて言う。
「簡単だよ〜。ただあなたの手にわたしの力を込めた手を重ねるの」
よくわからない、といった表情をみせた少年だが、一応少女から離れて、両手を前に突き出す。少女は少年の行動の速さに納得して、両手に力を込める。その瞬間、その小さく滑らかな手に黒い幾千の文字が生まれていく。その手を少年の手に重ねるようにして差し出した少女は、こう呟く。
「はい、これで私の力があなたのなかに入った。でも、最後の言葉を交わさないと、契約は完成しないの」
「契約?」
「そ、力を分け与えるための契約の儀式。その段階が今ので、言葉がこれから言わなければならないもの」
「えと・・・なにをいえばいいの?」
「ただ私のことを愛しているといえばいいの」
「え・・・」
「もしも愛していないもの同士が力を共有すると・・・その力は互いを拒絶して、暴走してしまうの・・・あ、あの・・・それで、あなたは私のこと、嫌い?」
「き、嫌いじゃ、ないよ」
「じゃぁ言ってよ、好きだって」
少年の顔が真っ赤に染まっていく。夕日に照らされている今でもわかるほどに、紅く染まっていく。それに少女は笑い、言葉を発する。
「私は、裕介のことが好きだよ」
おそらくその少女の顔は、真っ赤に染まっていたのだろう。わからないのは、影にかくれているからだ。
そして———、少年は言葉を発する。少女を愛しているといおうと、言葉を発しようとする。
そこで———————すべての物語は始まったのだ。ゆっくりと、着実に・・・鎖牙裕介の物語は、始まったのだ。
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40
- Re: Erret Crimson〜紅蓮の契約者〜 【初企画始動】 ( No.146 )
- 日時: 2011/03/29 21:16
- 名前: だいこん大魔法 (ID: IZus4UZf)
月読さま
コメント、再びありがとうございます!!
私も凡sのところに紹介されているタイトルのところに月読さまの執筆されている古本少女があったので、見させていただきました^^・・・ええ、そりゃもう、すごいっすね月読さん。あなたの考えた設定とか文書力とかはもう神きゅu(ry
これからもちょくちょく月読さまの小説のほうにお伺いさせていただきたいと思っているので、どうぞ月読さまも私の小説に足を運んでください、いや、むしろお願いします、!!
魔王軍元帥
参照900突破・・・ククク、私の目標は参照1000だ。まだだ・・・まだ終わらんよ^^;
お祝いの言葉はうけとっておこう^^;
- Re: Erret Crimson〜紅蓮の契約者〜 【初企画始動】 ( No.147 )
- 日時: 2011/03/31 01:59
- 名前: だいこん大魔法 (ID: IZus4UZf)
愛はそれに一瞬ビクッといったふうな顔になって、うつむく。俺は左手を隠すようにポケットに入れて、愛の答えをまつ。前のことで俺が怒ってないことなんて、もう愛はわかっているだろうから、そんなことはもう口に出さない。今はもう、ただ愛の決断を聞くだけだ。
愛は、うつむいたまま、震えていた。・・・俺がきたと聞いて、なるべくそのことを考えないようにしていたのだろう。たまっていたその恐怖が押し寄せてきて、震えだしてしまっているのだろう。だけど、その小さな体を抱きしめて、大丈夫だ、安心しろ・・・などという言葉を、俺はかけられない。ただ肩に手をおいてやり、無理するな・・・というふうに、言うことぐらいしか、できない。
愛は・・・もしかしたら、俺のために、俺に気遣って、・・・ただの脇役のために、自分の人生を捨ててしまうかもしれない。そうしてしまったらもう俺には、愛になにもいうことができない。だけど・・・もしも、もしも愛がいやだと一言でもいったら、俺に迷惑をかけるかもしれないけど、それでもいやだといったら———俺は、西島を、殴る。
ただの脇役の俺にはそんなことしかできない。脇役である俺は、裏方でいいんだ。愛が承諾してしまえば俺には猛裏方の仕事もなくなる。
だけども、愛がもしもいやだといったら———裏で、西島を打ち殺す。それは俺のためではない———愛のために、主人公のために・・・いま俺が見てきた中でもっとも輝いている主人公のために、やるのだ。
そう、改めて俺が決意を決めたとき———愛が小さく、こういった。
「私は・・・大丈夫だよ」
それはか細くて、本当は大丈夫じゃないのに、無理していっているのが鈍い俺でもわかるぐらいのものだった。愛は笑顔を俺にむけてくる。
一見それは本当に心の底から大丈夫だよと笑っているかのようだが———俺は目を細めて、見つめる。愛の瞳はちっとも笑っていない。愛
の瞳には———小さな、涙の粒がたまっていた。・・・それは、脇役として鍛えぬいた見極める力・・・主人公と脇役を見極める力の応用のようなもので、相手の本心を顔のどこからか確認する・・・といったものだった。
「だから裕介はさ、心配しなくて大丈夫!!こう見えても私は強いんだよ?」
弱弱しくそうつぶやき、精一杯の笑顔で俺のことを助けようとしてくれる愛。愛が大丈夫・・・といったということは、それは俺を助けるために、自分の人生をむげにしてもいいということだ。
———それが分かった瞬間、俺は・・・愛が決めたことには一切口出しするつもりはなかったのに、従うつもりでいたのに・・・どうしてもおさえきれなくて・・・脇役である俺が、かつて空手を失ってなくしていたはずの主人公の心に———打ち負けたのだ。
気がついたとき俺は、もう愛の細い腕をつかんでいた。パジャマ越しにもわかる愛の体温、愛の細くて、力をこめたらすぐに壊れてしまうのではないかというぐらいしなやかな腕・・・それをつかんで、顔を精一杯愛に近づけて、もうすぐで口と口が重なりそうな位置までもってきて———俺はつぶやく。
「・・・本当に、それでいいのかよ?」
今まで、愛に一度も聞かせたことの無いドスの聞いた声。脇役になっていらい一切出すことの無くなったこの声は、一度空手の試合で俺に負けた上級生が、逆恨みで俺のことを殴りかかろうとしてきたときに、ただ、あ゛?といっただけで上級生を泣かせてしまうほどに怖く、妹が俺を本気で怒らせてしまって時はよく使って本気で大泣きさせてしまったというほどに・・・強烈なもので、当然・・・愛はもの声を聞いた瞬間、体を縮こまらせ、腕をつかんでいる俺の手をふりはらおうとして、だけどもあまりの怖さに腰が抜けてしまいその場にへたり込んでしまった。それはそうだろう。一応これでも俺は学校ではやさしいキャラで通っているし、愛の俺に対する印象もそれと代わらないだろう。だというのに、そんなやさしいという印象がある俺が———突然、威張る子も泣いて逃げるほどの声を出したことに驚いてしまっているのだろう。
愛の目に恐怖が色濃く浮かび上がる。俺の声は、それはもううちの父親がいうには暴力団の幹部がドスを聞かせてしゃべったときみたいだというぐらいで、女の子には絶対に使うなよとかいっていた。だけど・・・今はそんなの関係ない。今の俺は・・・脇役を一時的に捨てる。
その覚悟がなければ・・・もう一度、でしゃばって主人公に戻らなければ———この優しい心をもつ少女を、救えない。
俺は、腰がぬけてへたり込んでしまった愛に目線を合わせるために片膝をついて愛を睨む。そうだ・・・それでいい。俺が愛に嫌われれば———愛は俺のために自分の人生を投げ出そうとなんてしないだろう。愛は俺のために、自分の嫌いな相手に・・・告白しなくてすむだろう。そう、俺はどこかでこう思っているのだ。どうでもいいと思っていた宮西第二中二年生カップル伝説・・・一生に一度しかないこの絶好のイベントを・・・愛には成功してもらいたいと、そう思っているのだ。そして俺はそう思って始めて気がつく。・・・俺は、愛のことが———倉橋愛という一人の少女のことが———友達ではなく、一人の異性として・・・好きになり始めてきているのだと。
だから俺は、愛に嫌われる覚悟を決める。今の俺は脇役として愛に接してはならない。脇役に戻れば、俺は愛の決意をそのまま飲んでしまうだろ。だけど・・・一時的とはいえ、今の俺は主人公だ。自分の中でだけだけど、主人公になっているのだ。ならば———愛の決意を、踏みにじることも出来るはずだ。
俺は思いっきり愛に顔を近づける。その間にも俺の目つきは普段の数倍以上に鋭くなり、おそらく獲物を射抜く狩人のような目つきになっていることだろう。愛はそれにヒッ・・・と小さな悲鳴を漏らして、俺から遠ざかろうとするがそうはさせない。俺は愛のたよりない肩をガッシリとつかんで、真正面から睨みつけた。
「愛・・・お前は、こんな俺なんかのために自分の人生を台無しにしようって言うのか?」
再びドスの聞いた声。それを聞いて愛は遂に涙を流してしまう。あまりの怖さと・・・見るに、西島に対する嫌悪感から———涙を流す。
- Re: Erret Crimson〜紅蓮の契約者〜 【初企画始動】 ( No.148 )
- 日時: 2011/03/31 02:01
- 名前: だいこん大魔法 (ID: IZus4UZf)
俺はそれに一度納得する。やはり愛は———西島のことが、本当に嫌いなようだな、と。
「俺はお前じゃない。人間っていうのはわが身が一番大切なはずだ。なのにどうしてお前は俺なんかのために自分の人生を台無しにしようとする。お前が西島を裏切れば、ただ俺の悪口が女子の間にひろがるだけだし、そっちのほうが代償が少ない。なのにどうしてお前は自分の人生を代償にするんだ?」
「ふぇ・・・ふええぇ・・・」
愛は俺の目と、声と・・・西島という単語に反応して、遂に幼子のように泣き始めてしまった。声をあげて、怖がっていたはずの俺の体にひしっと抱きついてくる。それを俺は———やさしく抱きしめる。幼子をあやすように、やさしく、やさしく愛の背中を、撫でてやる。
・・・俺は、どうやら愛に弱いようだった。主人公になった俺でも・・・愛が抱きついてきた瞬間、愛をこれ以上怖がらせちゃいけないと思ってしまうぐらいに、だめだった。愛が俺のことを嫌うようにしようと思ったが———それは無理だった。だけど———まだ大丈夫だ。
愛に嫌われるとかそんなんは失敗してしまったらもうどうでもいい。今は・・・愛の決意を、踏みにじればいいだけだ。
「・・・愛、お前はやさしいよ。二年間お前と交友を深めて初めて気がついた点がそれだ。お前は争いを好まない。自分のことよりも他人のこと。たしか———お前はほかの女子がこけて倒れそうになって、たまたま机のかどに頭に行きそうになったところを・・・その女子の前に回りこんで、自分だけ後頭部をぶつけたってことがあったよな———お前はその後になんていったか、自分で覚えているか?」
「うぅ・・・ふぇええ・・・」
ふるふると首をふりながら、愛は泣き続ける。その間も弱弱しく俺にしがみついて離れようとしない。そんな愛に俺は・・・言葉を続ける。
「お前は・・・大丈夫だった?っていって、その後笑ったんだよな。そいつはお前のことを一番に嫌っている奴で、いっつもお前の物を盗んだりなんだりしていたやつだったていうのに、お前は助けたんだよな?だからお前はすっげーやさしい・・・やさしいから、今回も、俺のことを庇おうとしているんだろ?」
愛はまだ嗚咽を漏らしている。もう俺の言葉はあまり聞こえていないようだった。昨日今日でためこんで不安は、俺なんかよりもずっとずっとすごくて、それはもう中学生の女子・・・その中学生より幼い心をもっている愛にとっては、とても耐え切れるものではなかったんだろう。だから———俺に対する恐怖とともに、それが爆発したんだろう。俺は愛の背中から、フワッとシャンプーの香りがただよう愛のサラサラな髪の毛の上に手をおいて、そっと撫でてやる。
「・・・愛はそれが、俺のためになる、とか、自分よりも俺のことをが大事・・・だとか思っているんだろうけど。そんなことはない」
「・・・?」
愛がようやく、俺の言葉に反応して顔をあげる。涙でいっぱいのその顔は、いつも以上に幼くて———なんとしても、守りたいと思うような、感じだった。・・・その瞬間、俺のなくしてしまった記憶、昔から感じていた違和感の中のなにかと・・・愛の今の表情が、一致したような気がした。
「俺はな・・・愛にそれをやられるのが一番迷惑なんだ、それが一番嫌なんだ。愛は俺のためとか思っているかもしれないけど・・・全然俺のためなんかじゃない。俺は・・・自分の身とかそんなんよりも、愛のほうが大切なんだ。なのに愛は・・・そんな俺が大事に思っているものを、無碍にするのか?」
愛の目が、大きく見開かれる。実際俺は、このセリフを言うのが気恥ずかしくてしょうがないのだが、もうここまで来たら一気に畳み掛けるしかない。だから俺は・・・恥ずかしさを我慢して、こう宣言した。
「愛は・・・西島の脅しに屈するな。そのために・・・俺はどんな手助けだってしてやる」
その瞬間・・・再び愛の瞳から、涙があふれだした。
- Re: Erret Crimson〜紅蓮の契約者〜 【初企画始動】 ( No.149 )
- 日時: 2011/03/31 02:29
- 名前: だいこん大魔法 (ID: IZus4UZf)
一日飛んで 〜バレンタイン当日〜
創立記念日を越して、ようやくのバレンタイン当日。宮西第二中学校カップル伝説が、今年も幕をあけることとなった。
昨日俺は・・・愛の家に泊まった。いや、昨日だけではない。二日連続で愛の家に泊まった。愛のご家族は俺たちのことを温かい目で見ていて、年頃の男女が一緒の部屋で寝るというのにそんなのはお構い無しのご様子で、二日間を過ごさせていただいた。
その間に、俺は愛が西島を嫌がる理由とか、それを散々聞かされた。その間にも愛はどうしてか、胡坐をかいて座っている俺の上に座って、真正面から抱きついていたりしたのだが・・・うーん、今思えば、そけは西島の嫌な思いを紛らわすために、わざと恥ずかしいことでもしていたんだろうな、うん。
俺は、愛の愚痴、愛が西島をどうおもっているか、これから学校生活をどう送って生きたいのか・・・そして、西島の脅しに屈するか屈さないか聞いた後———決意した。俺は久しぶりに、主人公になってやると。なまりきったこの体を———本気で動かしてやると、そう決意した。
俺は朝、教室ので自分の机に座りながら、空手をやめる原因となった、腿の腱をさするようにたしかめる。まだ、思い切り走ったり、ふざけすぎて変な行動をしたりしていると痛むことはある。だけど、こんな痛みはいまは関係ない。期間限定で主人公に再びなった俺は、空手をやめる原因なんかは、気にしない。俺の今主人公になっている意味は・・・愛のバレンタインを、絶対に成功させる。それだけだから———。
あの後、愛は結局好きな人のことを教えてくれなかった。教えてくれさえすれば俺がいくらでも支援するというのに、愛は俺の顔を恥ずかしそうにチラチラとみるばかりで、答えてくれそうになかった。だから俺はむずがゆく思いながらもしょうがないな、と思い、今に至っている。当然のように今日は愛と一緒に登校して、最後の最後まで愛に安心させようと、手をつないで登校してきた。そのことから、いろいろな、なにも事情を知らないやつらはなにか勘違いしているらしかったのだが、愛はもうずいぶんと落ち着いたらしく、机で本を読んでいる。そういえば、昨日愛は俺のことを部屋に十時間ぐらい独りぼっちにさせてとじこめてチョコを作ったらしい。なぜ俺を閉じ込めるのかと問いただしたが、結局は聞けずじまいだったな・・・愛は一体、どんなチョコを作って、誰に渡すんだろうな?
前のように・・・ちょっとばかし昌子のことが好きになった、その瞬間に彼氏を紹介されて、俺はひどくあぶない状況になり、今現在は自分から昌子をさけてしまっている今の状況にならないように・・・俺は昨日のうちに心を固めたはずだ。だからそのことは心配する必要は無い。来たるべくして来る昼休みにそなえて・・・愛が西島の脅しに屈しないで、西島の教室に行かないその時間に、俺はあいつをぶん殴る。喧嘩なんて、それはもう空手をやめていらいやっていない。だけど、いざとなったら俺は・・・俺は———あの感覚を、空手をやっていたときの感覚を思い出して———戦おう。争いごとが嫌いな愛には一言もこのことを言っていない。いってしまったら勿論愛は止めるだろう。だけど、そうなってはならない。だから俺は———あることを歩に伝えている。
・・・当然のように、歩はこのことを知っている。俺は昨日のうち、暇な十時間の間に歩にすべてを打ち明けている。愛も当然歩に話といて欲しいといっていたし、友達として、このことを俺も歩に伝えないわけには行かなかった。
歩は最初こそ怒り、俺のことをなんで早く相談してくれなかったんだと罵ったが、すぐに俺の声色が違うことに気がついたのか、黙って俺の作戦を聞いてくれた。・・・そう、歩に、俺はすべてをまかせている。昼休み、西島にバレないように愛を———図書室に連れて行って欲しい、と。当然歩はおーけーをだした。本当を歩も西島を殴りたいと思っているのだろうが、まずは愛のほうが大切だと思ったのか、ちゃんと誓ってくれた。絶対に西島にバレないようにつれだしてくれると。・・・体格の差がものすごい歩と愛だけれども、当然のように、二人は互いのことを友達として、大切に思っているのだろう。
・・・ってあー、やばい、俺昌子にも麗帆にも歩用のチョコを用意してくれなんていってなかったわ・・・すまん、歩、このつけはいつかかならず返す・・・。
一人の少女の人生をかけた、真剣な話だというのに、どこか余裕な俺は、学校のチャイムの音を聞きながら、時計を普段よりも鋭くした目で睨みつけるのだった。
- Re: Erret Crimson〜紅蓮の契約者〜 【初企画始動】 ( No.150 )
- 日時: 2011/03/31 02:54
- 名前: だいこん大魔法 (ID: IZus4UZf)
・・・ああ、やばい、企画が長引いて全然本編書いてないや^^;
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40
この掲示板は過去ログ化されています。