コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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Erret Crimson〜紅蓮の契約者〜 二話解禁
日時: 2011/09/01 02:20
名前: だいこん大魔法 (ID: qd1P8yNT)
参照: http://loda.jp/kakiko/?id=758.jpg

初めての投稿です!!そして初めての小説です。まだ途中ですががんばって書いていきたいと思います!!内容の細々とした設定は後々追加していく予定ですのでどうかよろしくおねがいします!!そして、初めて書くので全然下手で文章力もないですが、荒しとか、下手だからやめとけとか言わないでください。そう思うならとっとと帰っちまえ!!とおもう所存ですゆえ・・・。^^;
タイトル変更のお知らせ 【紅蓮の契約者】からErret Crimson〜紅蓮の契約者〜になりました^^;オリキャラ募集は引き続き行っています^^;おねがいします〜

参照200突破したので主人公から一言—————「え?は?おまえなにいっちゃってんの?そういうのは作者がするもんだろ?」———いいからいいから———「いいからじゃねーよ!恥ずかしいだろ!?」———いいからやれよ馬鹿!!———「逆切れされた!?」———・・・いつまでもこのヘタレが私に逆らってくるので今回はこの辺で———『一言終了』

参照300突破したのでヒロインから一言—————「こんにちは、エルシャロン・ユアハーツです♪この度は私と裕介のイチャイチャラブストーリーを読んでくださり」———ちょ、エルさん?違う、違うからね?———「・・・はぁ?人間風情が気軽に私の名前を呼ぶんじゃないわよ」———おーい・・・本性でちゃってますよ〜———「ていうかそもそもこれを裕介が見るわけじゃないんだし、一言とか必要ないじゃない」———・・・あー、エルさんが帰っちゃったので今回はこの辺で———『一言終了』

参照400突破したので先生から一言—————「こんにちは(キラッ)髪の毛がワイルドなほどに生えている雉田信之助デスッ(キラッ)」———うそはよくないと思います、先生———「う、うそじゃないもん!!ほんとだもん!!」———きもいんでやめてもらえますか?———「フン・・・キサマはどうやらこの私を怒らせてしまったようだな・・・喰らえ!!ハゲビーム!!」———えー、この先生相手にするのがめんどくさいので———『一言終了』

参照500突破したので西野から一言—————「始めてまして、西野です。鎖牙裕介の友達やってます。好きなことはゲームで趣味はゲームで将来結婚したいのはゲームで」———おいオタク。お前は自己紹介でなにいってやがんだよ———「今発言してきた人は無視してください。ゲームの中の登場人物の声ですので」———おいお前、作者にむかってそんなこといってっと登場させないぞ?———「では、ここらで俺がオススメするゲームを紹介し」———・・・どいつもこいつもまじめな挨拶ができないと私が失望したのでここらへんで———『一言終了』

参照600突破したので昌子から一言もらおうと思ったけどもうなんか前のやつらがとてもめんどくさい反応をしていたのでこの企画はなかったことに———「ちょ、ちょっと作者さん!!私にもやらせてくださいよぉ!!」———えー・・・だってどうせふざけるんでしょ?———「ふ、ふざけないです!!だからお願いします!!」———まぁそこまでいうならやらせてあげないでもないけど———「そうですか?ならもうあなたには用はないのでとっとと帰・・・」———はいはい、強制終了します—————『一言終了』

参照700突破したのでサブキャラクターみたいな感じになっている佐々木さんから一言—————「う、うぇ?わ・・・わたしですか?」———うん、おねがいね———「う・・・うう・・・あ、あの・・・こ、この物語は・・・ええと・・・あの・・・そのぅ」———緊張しなくていいよ〜、一言いってくれればそれでいいから———「え、あ・・・はい。え・・・と、この作品は、んと・・・」———む、無理しなくてもいいよ?———「ふぇ・・・お、お役に立てなくて申し訳ありません」—————というわけで、一番まともな挨拶をしてくれようとした佐々木さんに盛大な拍手を!!『一言終了』

もうすぐ一話終了だっていうことで、ここでひとつ、主人公に一言もらおうと思います、どうでしょう?こんどこそやってもらえますね?—————「よ・・・よし、今度こそはいけそうだ。ちゃんとやってやる」———そうこなくっちゃな、主人公さんよ———「うーん・・・若干作者がうざいけどまぁしょうがねぇ・・・やってやらんこともないぜ」———いいから黙って始めなさいこのヘタレ主人公———「あーあー!!わかったよくそっ・・・えーと・・・なになに?」———プッ・・・セリフも覚えられてなかったのかよこの子———「うぐっ・・・う・・・うるせぇこの駄作者!!ちょっとだまっとけ!!」———といわれて黙る私だとお思いですかな?———「・・・もしかして、最初のやつ根に持ってんのか?」———・・・———「ぷっ・・・器のちっちぇやろうだなぁ」———・・・えーと、では、次回から主人公はこのヘタレ男ではなく雉田先生に———「え?まじ?よっしゃああぁぁ!!この髪の毛がワイルドなほどに生えている雉田信之助様にすべておまかせあれええぇぇぇ!?」———「先生はだまってろ・・・!!」———「なんだと?このワイルドなほどに髪の毛・・・もといワイルドなほどに髪の毛が生えているこの雉田信之助様にただのヘタレのお前が勝てるとでも?ハーッハッハッハ!!」———「・・・ハゲ、育毛剤、つるつる、カツラ、テカテカ、抜け落ちる髪の毛、ワイルドほどになにもなかツルツル頭」———「うわああぁぁ!!ヘタレ男がいじめるううぅぅ!!」———「きしょいんだよこのくそやろう!!くっつくんじゃねぇ!!」———
・・・と、いうわけで、一話終了まじかの一言でしたー、また次回〜———「「っておいなにかってに終わらせてんだこのくそ作者!!」」———そういうところだけはそろうんですね、そしてきしょくが悪いですね、先生———「うわあああぁぁん!!」———というわけで、まぁ・・・最後ぐらいはお前に閉めさせてやるよ、ほら、最後に挨拶ぐらいしときなさい———「ぐっ・・・まぁいい、ていうか一言とかなにもいってないような気がするけど・・・ま・・・いいか。んじゃ、Erret Crimson〜紅蓮の契約者〜の一話を読んでくださりありがとうございました。引き続き、二話もこの駄作者が書いてくださるということなので、期待せず、むしろ作者を罵倒しながら待っていてください、んじゃ・・・というわけで」———一言終了。そして作者から一言
—————————まだエピローグが終わってないんだぜ——————————


最近かいてて思ったこと『別の小説に熱が入ってしまってなかなか進まない・・・』

山下愁様による、この作品の宣伝文です!!なんというかもう神ですね^^小説本編が宣伝文に劣っているという真実が———^^;


————————

「僕は君を——守りたいんだ」


夕日が赤く染める空き地で、少年は少女に『力』を入れられた。
それは、彼女を守る為の能力——。

その日を境に、主人公・裕介の物語は始まった。


それから高校生になった裕介の日常は、至って普通だった。
幼なじみと登校し、
友達と馬鹿騒ぎを起こし、
普通に授業を受けると言うありふれた人生を送っていた。

人生の脇役を演じる裕介の前に現れたのは、


1人の転入生だった————。


そして、その転入生は、裕介が昔好きだったと言う女の子だった。


予測不能なファンタジー小説が、コメディライトにて活躍中!

裕介の未来はどうなってしまうのだろうか?!


    Erret Crimson〜紅蓮の契約者〜


「この世界に空気が存在するように、光が存在するように、太陽が存在するように月が存在するように、『これ』も存在するの」

————————




>>6 登場人物紹介&オリキャラ素材

第一話 サブタイトル【邂逅】
プロローグ>>0
一章、始まりを運ぶ者 >>1 >>2 >>3 >>4 >>5 >>7 >>8
二章、再会の意味を知る者 >>8 >>9 >>10 >>11 >>13 >>18 >>23 >>25 >>26
三章、紅蓮の契約者 >>29 >>32 >>33 >>34 >>39 >>43 >>44
四章、幽霊屋敷の能力者 >>47 >>48 >>49 >>52 >>53 >>54 >>55 >>57
五章、孤高の翼をもつ者 >>58 >>59 >>60 >>61 >>62 >>63 >>64 >>71 >>74
六章、孤独の愛する者 >>75 >>76 >>77 >>78 >>79 >>80 >>83 >>84 >>85 >>86 >>87 >>88
七章、結社最初の襲撃者 >>89 >>92 >>94 >>95 >>96 >>97 >>98 >>99 >>100 >>103 >>104 >>105 >>106 >>107 >>109 >>115 >>116 >>120 >>121 >>122 >>123 >>124 >>125 >>126 >>127 >>132 >>172 >>176 >>177 >>180 >>182 >>183 >>184
エピローグ>>186 >>187 >>188



第二話  サブタイトル【解禁】
プロローグ>>199



参照800突破初企画始動 裕介、中学時代のバレンタイン >>133 >>134 >>135 >>136 >>137 >>138 >>140 >>147 >>148 >>149 >>155 >>158 >>162
>>165 >>166 >>167 企画END

魔法の詳細てきなもの>>142
秋原かざや様による小説紹介文>>185

作者自作イラスト(裕介) >>56 >>110 (エル) >>67 >>93 >>189 (リーナ) >>91   扉絵>>0
凡さまの神イラスト>>170

スペシャルサンクス(コメントをくれたお客様) >>67

では、そんなこんなで本編スタートです!!↓ 

 

   プロローグ、涙とともに消える記憶

「この世界に空気が存在するように、光が存在するように、太陽が存在するように月が存在するように・・・『これ』も存在しているのよ」

なにもない。ただの空き地となってしまったこの場所で、一人の幼くも美しい、それでいて不気味な雰囲気をまとっている少女の声が響く。

夕日に照らされた少女の髪はオレンジ色に染まり・・・顔は、影にかくれて見えない。草が適当なサイズに切られているこの空き地には、もう一人の少年らしき人物がたっていた。
その少年らしき人物は少女の声に聞き入り、うんうんとうなずきながら、少女のほうをみつめている。その少年のほうは影になっておらず、六、七歳の男の子だということがわかる。とくにといった特徴の無い顔、少しだけ長い漆黒の髪、身長はその少女よりも少しだけ大きい。

少女は子供が無邪気に笑っているのとは程遠い、美しい笑みを浮かべながら、その少年のことを見ている。その少女の雰囲気には、まるで愛しい人をみているかのような空気がまとっているようにも思えた。

少年は早く続きが聞きたいのか、早く早く、と少女のことを急かす。少女はニッコリは笑った後、再び声をだす。

「『これ』は使える人には使える。たとえば、それが得意な人にとってはそれが簡単にできて、それが得意じゃない人はそれは簡単にできない。つまりそういうことなの。『これ』は、私のように使える人にとっては簡単に使えて、あなたのように、使えない人にはできないの。わかった?」

首をかしげながら少女は少年に聞く。少年はそんな少女の言葉にガッカリした雰囲気をだしていた。それを察した少女は、慌てて言葉をつけたした。

「あ、あ、でもね、あなたも使えるようになれる方法が一つだけあるよ」

それに少年は顔を上げる。その少女の顔を見ながら少年が感じたのは、疑問だけだった。まだ幼い少年の頭では、理解ができなかったのだ。
だが少女は、やはり愛しそうにその少年を見つめる。見つめながら顔をよせてきて、理解できていない少年の耳元でそっと・・・ささやく。

「そう・・・ひとつだけ。私の力をあなたに入れる。そうすれば、あなたは『これ』を使えるようになる」

「ほ、本当!?」

そのときはじめて少年は歓喜の声をあげた。だけど少女の言葉はまだ続いていて・・・

「でも・・・それをやったらあなたは、あなたの人生は・・・捻じ曲がる。私のような狂った化物しかいない、最悪の人生・・・違う、もう人生ともいえない道を進むことになる・・・それでも、いいの?」

さっきとは裏腹、少女の声には寂しさが宿っていた。それは自分に対する言葉でもあったかのように、少女は寂しそうに顔をゆがめる。
少年はそんな少女の顔を見るのが嫌いだった。少女とあって二ヶ月の間にこの表情を何度みたことだろうか、見るたびに、少年の頭の中にはひとつの言葉が浮かび上がる。————守りたい————と。

それは小さい子供の我が侭な感情なのかもしれない。でも少年は、自分のことなんかどうでもいいから、少女を守りたい・・・と、そう思うのだ。好きな人を———守りたいと、思うのだ。
だから少年は、すぐ近くにいる少女の腰に手を回し、思い切り抱き寄せてから、言うのだ。

「・・・僕は君を、———を守りたいんだ」

その言葉に少女は目を見開き、驚きの表情を見せる。今までに無かった反応に少年は笑いながら、もっと強く少女を抱き寄せる。その細くてしなやかな体を、抱き寄せる。

少女は少年の抱擁をうけいれながら、うれしさに笑顔を見せる。今までに自分に近づいてくる奴は大抵汚いやつばかりだった。『これ』を使おうと自分を利用したりする、汚いやつらだったり、この力を恐れた連中による、自分を殺そうとするものばかりだった。だけど、この少年からはそんな汚いものは見えない。あるのは、自分を守りたいという純粋な・・・気持ちだけ———

「じゃぁ・・・力をいれるよ?」

そう小さく少女が呟く。うれしさを押し殺したかのような声で、そうつぶやく少年はその少女の言葉に返す。

「どうやって?」

少女はやはり、愛しそうに少年の言葉を聞く。だけど、ちゃんと答えてあげないとだめだと思った少女は、少年の胸から少しだけはなれて、目をみて言う。

「簡単だよ〜。ただあなたの手にわたしの力を込めた手を重ねるの」

よくわからない、といった表情をみせた少年だが、一応少女から離れて、両手を前に突き出す。少女は少年の行動の速さに納得して、両手に力を込める。その瞬間、その小さく滑らかな手に黒い幾千の文字が生まれていく。その手を少年の手に重ねるようにして差し出した少女は、こう呟く。

「はい、これで私の力があなたのなかに入った。でも、最後の言葉を交わさないと、契約は完成しないの」

「契約?」

「そ、力を分け与えるための契約の儀式。その段階が今ので、言葉がこれから言わなければならないもの」

「えと・・・なにをいえばいいの?」

「ただ私のことを愛しているといえばいいの」

「え・・・」

「もしも愛していないもの同士が力を共有すると・・・その力は互いを拒絶して、暴走してしまうの・・・あ、あの・・・それで、あなたは私のこと、嫌い?」

「き、嫌いじゃ、ないよ」

「じゃぁ言ってよ、好きだって」

少年の顔が真っ赤に染まっていく。夕日に照らされている今でもわかるほどに、紅く染まっていく。それに少女は笑い、言葉を発する。

「私は、裕介のことが好きだよ」

おそらくその少女の顔は、真っ赤に染まっていたのだろう。わからないのは、影にかくれているからだ。
そして———、少年は言葉を発する。少女を愛しているといおうと、言葉を発しようとする。
そこで———————すべての物語は始まったのだ。ゆっくりと、着実に・・・鎖牙裕介の物語は、始まったのだ。

        

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Re: Erret Crimson〜紅蓮の契約者〜 【本編再開】 ( No.176 )
日時: 2011/05/05 11:55
名前: だいこん大魔法 (ID: OkVLMN/u)

俺の炎の鎌鼬、エルの蒼き炎の竜の頭は———どちらも瞬間的な速度でグレンにせまっていき———

「・・・なめんじゃねえよヘドロ以下の価値しかネェ魔術師どもがぁ!!」

まるで、その攻撃を予想していたかのように、グレンはロンギヌスを地面につきさす。その刹那、グレンの半径一メートルぐらいのところに巨大な氷の防御壁が生まれる。それはことごとくに俺の炎の鎌鼬と、エルの蒼き炎の竜を防ぎ、消し去る。だが、その使用時間は長いものではなく、すぐにおさまってしまった。・・・あれが、もしもいつでも使えて使用時間が長ければ・・・おそらく、打つ手はなかっただろうから、今はこれでよしとしておこう。

「・・・エル!!ローラたちをつれて後ろに下がれ!!その間に魔力の吸収、及び【禁呪】の使用準備をたのむ!!」

「・・・わかった!私が【禁呪】を発動するまでそれなりに時間かかるし———」

「わかってる。ちゃんと俺が守ってやる!!」

そういいながら、俺は地面に着地する。エルはローラたちを意思をこめた小さな炎を飛ばし呼び寄せて、後ろに下がっていく。それを横目で見ながら俺は———単身で、さきほど、あまりの恐怖で逃げ出してしまうほどの力の差があるグレンと———対峙する。
俺は武器をちゃんと持っていることを確認しながら、グレンの真正面に立つ。身長、気迫、魔力、精神・・・そのすべてが、グレンのほうが俺に勝る。それが、魔術という世界を生きぬいてきた主人公と、平凡な人間の世界で脇役に堕ちた俺との・・・差だ。だけども、俺は這い上がった。かつて一度だけ、主人公にもどったことがある。だけどもそれは、誰かのためで、自分のためではなかった・・・だけども・・・今回はエルのため・・・それ以上に、自分のために———俺は魔術という世界でもう一度自分の道を見つけようとしている。だからこんなところで負けてはいけない。年忌が違えども、同じ能力者だ。生きてきた世界が違えども、今は同じだ。だったら———やってやろうじゃないか。まだこの世界に入って間もない俺がどうにかできる相手ではないこともわかっている・・・だけど、やるしかないのだ。それが俺の残された選択肢で———自分が選んだ、道なのだから。
刀から紅蓮の炎が暴れ始める。自らの名前の元となる紅蓮の炎は、俺の決意を察知したかのように———この量を増した。
一方で、グレンのロンギヌスから放出される魔力の量も増していた。それは、グレンが本気になったという証なのだろうか、さきほどまで感じていたグレンの力が———圧倒的に増していた。それと同時に———サングラスを外し、封印が開放されているグレンの瞳は———白目がなくなり・・・その目のすべてが、青に染まっていた。
グレンの周りの空気が、うねりを上げる。水色に染まった空気はグレンの周りでうねり、まるで竜が咆哮を上げているかのような音を上げ始める。空気さえも自らの支配下にグレンは置いてしまった。ロンギヌスの周りにあるもの全ては氷りつく。空気は次第に薄い氷の膜をつけ始め、固まっていく。そう———俺の炎の力でさえも溶けないほどの強さで———凍り付いていく。それは何を指すのかというと・・・

「さあぁてぇ・・・?この結界の中、お前らが息を吸えるのはいつまでだろうなぁ?」

・・・そう、空気の量が、減っている。いや違う・・・空気の量が減っているのではない。空気が氷に支配されることによって———結界の中の空気を、一時的に吸えないものに変わっているのだ。
俺はそれに顔をしかめる。それから後ろをむいてエルたちは大丈夫かと見る。すると、エルのところにはオレンジと赤の間のような色の空気の幕ができており、その影響を受けていないようだった。・・・だとすると、今空気が吸えなくなるという現状で、一番危険なのは———俺か。
だが、そんなのは些細な問題だ。戦いが始まった息をする暇なんてないだろうし、なによりも———コイツ相手に、呼吸なんていうものは、ただのお飾りでしかないからな。

「ハッ・・・、それで勝った気になってんのか?呼吸なんて意識すれば五分以上はいけるもんなんだぜ?」

だから、俺は今もつ魔力をすべて刀に注ぎ込んでいる間に、そう無駄口を叩く。グレンは、それが苦し紛れのおしゃべり、時間稼ぎだとでも思ったのか、ニヤァ、と口を歪めて

「じゃぁ・・・テメェはあれか?空気か完全に凍るまで数十分、そしてお前のいうその五分を合わせて十五分ぐらいで俺をどうにかしようっていうのか?」

それに俺は、同じように口元を歪めて

「ああ」

とキッパリという。だけども、グレンはそれに笑いはじめる。そんなのは無理だといわんばかりに、笑い始める。・・・そうだ。そんなのは不可能だ。エルでも倒せなかったこの男を、俺一人で、しかもたった十五分程度で、倒せるわけがない。だけど・・・まぁそんときはそんときだ。この命はエルから貰った命・・・だったら、最後の最後にエルの役にたって死んでやるさ。それが———俺がエルのためにできる、唯一の償いだからな。

Re: Erret Crimson〜紅蓮の契約者〜 【本編再開】 ( No.177 )
日時: 2011/05/07 09:42
名前: だいこん大魔法 (ID: OkVLMN/u)

「ヒャハハハハ!!オメェおもしれぇなぁ!!なんだ?魔術のこともろくに知らない新米契約者君が、おめぇのご主人、魔術師の世界では知らない者はいないといわれているほどの実力者であるエルシャロン・ユアハーツでも倒せなかったこの俺を倒すとでも!?ヒャハハハ!!なんちゅう笑い話だよおい!!」

そして———次の瞬間、表情を一変、まるで親の仇でも見るような目つきになり———

「———さっきはうまくいったからって調子くれてんじゃねぇぞクズが!!」

ロンギヌスをその場で一振り、青い、氷の障壁にような一撃を俺に向かってはなつ。それに俺は、目を鋭くさせて反応する。速度はもう、人間の目では捉えられないほどに早い。おそらく・・・音速と同じぐらいだ。それを俺は見て———見て———感じて———目の前に来た瞬間、刀を横薙ぎに一閃———次の瞬間、氷の障壁は音を立て、ガラスが割れるのと同じように———一気に崩れていく。
だがそれはまだ終わらない。一瞬にして砕けていったそれは、一度全てが地面に落ちる。だがしかし、コンクリートの上でそれは再び形を作り———グレンが持っているロンギヌスとほぼ同じような形の槍が———俺の斜め下から襲い掛かる。
それも俺は、刀を振るって防ぐ。だがしかし、この槍は先ほどの障壁よりも強度が強く、一度俺の刀は弾き返されそうになるが———負けはしない。属性で考えるのならば、魔術師の世界では氷のほうが強い・・・だけども、俺の中の常識では———そんなものはない。俺の中だけにある・・・人間としての記憶から———炎のほうが、強い!!
俺の刀の炎が再び荒れ狂う。その炎は左右に分かれ、そのまま槍を包み込むようにして集まる。槍は完全に紅蓮の炎につつまれ、次第にその力、俺が押さえつけている槍の進行の力が———弱くなる。
氷は・・・溶けていた。属性の理を無視して、溶けていく。エルでさえもその氷を溶かすことが出来なかったといっていたその氷は、俺の【禁呪】の片割れによって、溶かされた。
炎は氷よりも強い———俺が脇役として過ごしていた人間の世界の常識。氷は暑さに弱く、炎はただ水に弱い。だけども、炎は一滴一滴の水では消し去ることは出来ない。氷のように、溶けていくにつれ一滴一滴水をたらしていくようでは———荒れ狂う業火には、かなわないのだ。
・・・人は常識に囚われる生き物だ。それがたとえば、常識により救われるものであったり、常識によって屈することもある。おそらく、ここからは俺の仮説で、エルはこいつと戦ったとき———炎は氷には適わないという魔術師の常識のせいで屈した。だけども、俺は違った。
魔術師の常識ではない・・・人の常識で、俺は———救われた。
炎は氷よりも強し。そう思えるようになり———俺は、少しだけ希望を見出せたような気がした。

「・・・偶然ってわけじゃぁなかったみたいだなぁ?」

さっきの一撃でしとめられるとでも思っていたのか、グレンがそうつぶやく。それに俺は首を振る。首を振って———

「———偶然さ。俺がこの世界にいるのもエルと出合ったのもお前と対峙しているのもすべて・・・偶然の賜物だ」

そういって俺は刀を持つほうの手を前にし、グレンにその切っ先をむける。さきほどの槍はもう完全に溶け切ってしまっていて———再び、対峙する形になった。
グレンが、ゆっくりとロンギヌスを持ち上げる。ロンギヌスの魔力が、動くたびに空気が振動し、グレンの周りが水色に染まっていく。
空気の残量はまだあると思われる。今のうちにたくさん吸っておいたほうがいいのかもしれないが、その深呼吸さえもが今は命取りだ。だから俺は・・・空手の試合で強敵と当たったときのように———真剣な面持ちで、グレンのことを———対戦相手のことを———静かに睨みつけるのだった。

「・・・炎は氷よりも弱い、そういった属性の理で余裕をぶっこいていられない相手のようだな———テメェだけは」

グレンの声色に真剣見が降りる。それはさきほどまでとは違う。歴戦の戦士を思わせる気迫で・・・ついに、こいつの真の姿を垣間見ることが出来たような気がした。
俺は刀を握る手に力を込める。その瞬間に刀に宿る炎が荒れ狂い、俺の周りで踊る。グレンはそんな俺の姿を見て———表情の無くなった、・・・完全に、【禁呪】にその意識を預けているといった風な感じの表情で———こう、俺にいった。

「・・・なぁ、どうして俺が氷翼って言われているかわかるか?」

「・・・?」

その言葉に、俺はピクッと反応する。そういえばそうだ。こいつは【氷翼の魔術師】という名前のくせして、その翼をもっていない。いや———だしていない。それはどうして?それを俺が考える前に———グレンは・・・言った。

「それは———俺が翼をだしちまえば———戦いのあとにゃぁ———そこになにも残らないからだ。俺が築いた関係も、俺が生きてきた街もそのすべてが———消え失せる」

Re: Erret Crimson〜紅蓮の契約者〜 【本編再開】 ( No.178 )
日時: 2011/05/11 10:56
名前: メデューサ ◆VJ1bKKwg2E (ID: iEMeE8vl)

名前:烏路 空子(からすじ そらこ)

性別:女

年齢:15歳

誕生日:8月26日

身長:161cm

体重:40kg

能力者:火力を操る能力

性格:陽気で若干バカ気味(熱血ではない)

口調:おしゃべり

その他:名前の由来は東方地霊殿6面ボス霊鳥路空 二つ名は「燃え盛る灼熱マントル」右手にドラ○もんに出てくる空気砲のようなものをはめている(これをはめないとコントロールが利かないらしい) ドレンのパートナー

Re: Erret Crimson〜紅蓮の契約者〜 【本編再開】 ( No.179 )
日時: 2011/05/12 21:05
名前: だいこん大魔法 (ID: OkVLMN/u)

おぉ・・・久しぶりのオリキャラだい、うれしいな!!←


変なテンションで返信すいません^^;

火力を操る能力、ということは、核爆発とかそのあたりになりますかね?炎を操るようなキャラクターは大抵仲間になってしまえとおもわれry


・・・なかなかオリキャラの消化が遅くでごめんなさい!!とりあえず一話終わって二話になったらこれまでいただいたオリキャラを無理矢理消化させていただく予定ですのでしばしお待ちを(だしてもらっているのになんだこの態度www

Re: Erret Crimson〜紅蓮の契約者〜 【本編再開】 ( No.180 )
日時: 2011/05/15 21:02
名前: だいこん大魔法 (ID: OkVLMN/u)

その声には・・・若干の寂しさが宿っているような気がした。・・・そうだ、こいつは今はこんななりでも・・・元は人間の世界に生み出され、自分の力、魔術師の力に気づくことなく、人の世界で生きてきたはずだ。そして・・・その翼は、その・・・こいつが生きてきた人間としての世界を———崩壊させたのだろう。魔術師としての力を目覚めさせてしまったそのとき———必ず人は代償を払う。それが孤独であったり、破壊であったり———いろいろなものが存在する。たとえば、エルとリーなんかでは孤独だ。ローラはよくわからないが、おそらく破壊、蛍とレイはおそらく———孤独。そう、契約者ではない、生粋の魔術師は誰しもが一度、悲しい思いをしているのだ。契約者である俺にはその感じを理解することはできない———だけども、エルたちはその孤独に打ち勝った。その代償に打ち勝った・・・そして、こいつは———その代償に、償いきれていないのだ。自分が翼をだすことでその全てが消える———それは・・・こいつの人間としたの心が、その翼に恐怖しているのだ。少しだけ残る、人間として生きてきたこいつの時間が・・・その翼をだすことを拒んでいるのだ。だから———完全に人間の心を捨て切れていないこの男は———恐怖するのだ。自分の力に。

「だから———消してやろう。お前ら全員だ。お前らが生きてきたこの街も世界もすべて破壊しつくしてやろう。かつて俺が味わった悲しみを———テメェら全員に味合わせてやる!!」

・・・思えば、昔不自然なニュースを見たことがある。今から丁度十年ぐらい前で・・・俺は、そのときのことをほとんど覚えていないが、ひとつだけそのニュースのことを覚えていた。・・・そう、ある街が、未知の力によって破壊された———これは宇宙人の仕業か、それとも人為てきに行われたものなのか———というニュースだ。そして・・・その中心人物が———おそらく、こいつなのだ。いや違う。こい
つなんじゃないかと———思う。
・・・【氷翼の魔術師】、言い換えるなら———【氷欲魔術師】。感情を凍らせてなにも欲さなくなってしまった魔術師。魔術という力の理不尽さに抗うために強くなり、なにものにも負けないように強くなり———やがてその目的が狂い———自らの悲しみを他人に背負わせるためだけの存在となってしまった———孤独な魔術師。それはエルやリーとなんら変わらない・・・だけども、道をはずしてしまった———こいつの、末路。
辺り一体がさらに凍てつく。空気は氷の膜の侵攻を抑えきれず、速度をまして凍り付いていく。だが、まだ終わらない。グレンが両腕を広げ、まるで閉じていた翼を広げるようにして———水色の、凍てついた、竜のような、蝙蝠のような翼を広げた瞬間———氷の衝撃が、俺たちにむかって放たれた。
それを俺はかわしきれない。というか、辺り一帯に広がったそれは、まるで獲物を逃がさないといわんばかりにでかい。いわばグレンを中心に円柱が広がっていっているかのようで、まず最初に屋上のフェンスが壊れる。いや・・・違う、氷りつく。次に、錆び付いたドア、給水タンク、コンクリートの床———辺り一帯のものがすべて凍りついて、距離を置いていた俺に、迫ってくる。
・・・ここで、俺がもしも逃げ出してしまった場合、エルは・・・リーは、ローラは、蛍は、レイは、ルミは・・・どうなってしまう?そんなの———

「わかりきってることだ!!」

そう小さく叫び、大きくうねりを上げ始めた紅蓮の炎を円柱にぶつけるように、刀を思い切り振り下ろす、その次に、振り下ろした刀を斜め上に持ち上げ、横薙ぎに一閃———人の大きさより少し大きな十字型の炎が衝撃波となり、円柱に真正面からぶつかる。

「よそ見してていいのか?」

「———っ!!」

十字の炎を放った瞬間、真後ろから声が聞こえる。感情のこもらない、完全に集中しきったグレンの声が・・・後ろから聞こえる。その声を聞いた瞬間、俺は刀を振り向き様に振り・・・真上にせまっていたグレンのロンギヌスの切っ先を、受け止める。
だが・・・そこで安心はできなかった。さきほど力を放ったばかりであまり紅蓮の炎をその刀身に宿していなかった刀が、グレンのロンギヌスの氷に侵蝕されていっている。それに気がついた俺は、すぐさま刀に意識を集中しても炎を噴き荒らす。その炎はロンギヌスの氷を溶かしつくし、さらにグレンをも飲み込まんばかりに広がっていく。だが・・・グレンはそこで一度ロンギヌスに思い切り力を入れて後ろに跳躍する。———まずい!!まだエルの【禁呪】の準備は終わってねぇ!!

「———我今『アバロンの劫剣』の誓約に従い、主に仇名す者を焼き尽くす!!」

焦ったのと同時に頭に思い浮かんだ言葉を俺はそのまま口にだす。すると、紅蓮の炎はさきほどと比では無いぐらいに肥大化し・・・それは何かを形造るかのように姿を変えていき———人間の数倍以上の大きさの、巨大な炎の手になる。それは俺の言葉に従ってエルたちの目の前に着地したグレンにむかって一直線にせまっていく。グレンを握りつぶさんばかりに———せまっていく。
いける———と思ったのも束の間だった。グレンはすでにそれに気づいていたみたいだった。グレンはエルに力を放つのをやめると、こちらに振り向いて翼を広げる。すると、再び円柱が広がる。いや・・・違う。今度は前、つまり俺の方向に氷の障壁が迫ってくる。その障壁と『アバロンの炎拳』がグレンと俺の間・・・つまり中間あたりでぶつかり合ったかと思うと、互いに———その力を、打ち消しあう。

「・・・まずはお前から殺した方が楽だな」

それを見守っていた俺の後ろから、再びグレンの声が聞こえる。・・・その瞬間、本能で感じ取る。背後でグレンがロンギヌスを振るうのを、・・・そのロンギヌスの狙いが、俺の首だということを、本能で感じ取る。
その瞬間に俺は動いていた。人間っていう生き物は危機を感じ取ったときに、普段の数倍の力を発揮することが出来る生き物だ。俺はその本能の動きにすべてをまかせて———刀を持っていない、左手を首の横に持ってきて・・・ロンギヌスを、素手でつかむ。

「なにっ!?」

その俺の行動に、グレンが驚きを隠せない声を上げる。だが俺はそれどころではなかった。左腕に走ったロンギヌスの衝撃、グレンの近くにいるだけで感じる怖気、体の中に侵蝕してくる氷の粒子———そのすべてを打ち消すために俺は、意識を集中させる。


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