コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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Erret Crimson〜紅蓮の契約者〜 二話解禁
日時: 2011/09/01 02:20
名前: だいこん大魔法 (ID: qd1P8yNT)
参照: http://loda.jp/kakiko/?id=758.jpg

初めての投稿です!!そして初めての小説です。まだ途中ですががんばって書いていきたいと思います!!内容の細々とした設定は後々追加していく予定ですのでどうかよろしくおねがいします!!そして、初めて書くので全然下手で文章力もないですが、荒しとか、下手だからやめとけとか言わないでください。そう思うならとっとと帰っちまえ!!とおもう所存ですゆえ・・・。^^;
タイトル変更のお知らせ 【紅蓮の契約者】からErret Crimson〜紅蓮の契約者〜になりました^^;オリキャラ募集は引き続き行っています^^;おねがいします〜

参照200突破したので主人公から一言—————「え?は?おまえなにいっちゃってんの?そういうのは作者がするもんだろ?」———いいからいいから———「いいからじゃねーよ!恥ずかしいだろ!?」———いいからやれよ馬鹿!!———「逆切れされた!?」———・・・いつまでもこのヘタレが私に逆らってくるので今回はこの辺で———『一言終了』

参照300突破したのでヒロインから一言—————「こんにちは、エルシャロン・ユアハーツです♪この度は私と裕介のイチャイチャラブストーリーを読んでくださり」———ちょ、エルさん?違う、違うからね?———「・・・はぁ?人間風情が気軽に私の名前を呼ぶんじゃないわよ」———おーい・・・本性でちゃってますよ〜———「ていうかそもそもこれを裕介が見るわけじゃないんだし、一言とか必要ないじゃない」———・・・あー、エルさんが帰っちゃったので今回はこの辺で———『一言終了』

参照400突破したので先生から一言—————「こんにちは(キラッ)髪の毛がワイルドなほどに生えている雉田信之助デスッ(キラッ)」———うそはよくないと思います、先生———「う、うそじゃないもん!!ほんとだもん!!」———きもいんでやめてもらえますか?———「フン・・・キサマはどうやらこの私を怒らせてしまったようだな・・・喰らえ!!ハゲビーム!!」———えー、この先生相手にするのがめんどくさいので———『一言終了』

参照500突破したので西野から一言—————「始めてまして、西野です。鎖牙裕介の友達やってます。好きなことはゲームで趣味はゲームで将来結婚したいのはゲームで」———おいオタク。お前は自己紹介でなにいってやがんだよ———「今発言してきた人は無視してください。ゲームの中の登場人物の声ですので」———おいお前、作者にむかってそんなこといってっと登場させないぞ?———「では、ここらで俺がオススメするゲームを紹介し」———・・・どいつもこいつもまじめな挨拶ができないと私が失望したのでここらへんで———『一言終了』

参照600突破したので昌子から一言もらおうと思ったけどもうなんか前のやつらがとてもめんどくさい反応をしていたのでこの企画はなかったことに———「ちょ、ちょっと作者さん!!私にもやらせてくださいよぉ!!」———えー・・・だってどうせふざけるんでしょ?———「ふ、ふざけないです!!だからお願いします!!」———まぁそこまでいうならやらせてあげないでもないけど———「そうですか?ならもうあなたには用はないのでとっとと帰・・・」———はいはい、強制終了します—————『一言終了』

参照700突破したのでサブキャラクターみたいな感じになっている佐々木さんから一言—————「う、うぇ?わ・・・わたしですか?」———うん、おねがいね———「う・・・うう・・・あ、あの・・・こ、この物語は・・・ええと・・・あの・・・そのぅ」———緊張しなくていいよ〜、一言いってくれればそれでいいから———「え、あ・・・はい。え・・・と、この作品は、んと・・・」———む、無理しなくてもいいよ?———「ふぇ・・・お、お役に立てなくて申し訳ありません」—————というわけで、一番まともな挨拶をしてくれようとした佐々木さんに盛大な拍手を!!『一言終了』

もうすぐ一話終了だっていうことで、ここでひとつ、主人公に一言もらおうと思います、どうでしょう?こんどこそやってもらえますね?—————「よ・・・よし、今度こそはいけそうだ。ちゃんとやってやる」———そうこなくっちゃな、主人公さんよ———「うーん・・・若干作者がうざいけどまぁしょうがねぇ・・・やってやらんこともないぜ」———いいから黙って始めなさいこのヘタレ主人公———「あーあー!!わかったよくそっ・・・えーと・・・なになに?」———プッ・・・セリフも覚えられてなかったのかよこの子———「うぐっ・・・う・・・うるせぇこの駄作者!!ちょっとだまっとけ!!」———といわれて黙る私だとお思いですかな?———「・・・もしかして、最初のやつ根に持ってんのか?」———・・・———「ぷっ・・・器のちっちぇやろうだなぁ」———・・・えーと、では、次回から主人公はこのヘタレ男ではなく雉田先生に———「え?まじ?よっしゃああぁぁ!!この髪の毛がワイルドなほどに生えている雉田信之助様にすべておまかせあれええぇぇぇ!?」———「先生はだまってろ・・・!!」———「なんだと?このワイルドなほどに髪の毛・・・もといワイルドなほどに髪の毛が生えているこの雉田信之助様にただのヘタレのお前が勝てるとでも?ハーッハッハッハ!!」———「・・・ハゲ、育毛剤、つるつる、カツラ、テカテカ、抜け落ちる髪の毛、ワイルドほどになにもなかツルツル頭」———「うわああぁぁ!!ヘタレ男がいじめるううぅぅ!!」———「きしょいんだよこのくそやろう!!くっつくんじゃねぇ!!」———
・・・と、いうわけで、一話終了まじかの一言でしたー、また次回〜———「「っておいなにかってに終わらせてんだこのくそ作者!!」」———そういうところだけはそろうんですね、そしてきしょくが悪いですね、先生———「うわあああぁぁん!!」———というわけで、まぁ・・・最後ぐらいはお前に閉めさせてやるよ、ほら、最後に挨拶ぐらいしときなさい———「ぐっ・・・まぁいい、ていうか一言とかなにもいってないような気がするけど・・・ま・・・いいか。んじゃ、Erret Crimson〜紅蓮の契約者〜の一話を読んでくださりありがとうございました。引き続き、二話もこの駄作者が書いてくださるということなので、期待せず、むしろ作者を罵倒しながら待っていてください、んじゃ・・・というわけで」———一言終了。そして作者から一言
—————————まだエピローグが終わってないんだぜ——————————


最近かいてて思ったこと『別の小説に熱が入ってしまってなかなか進まない・・・』

山下愁様による、この作品の宣伝文です!!なんというかもう神ですね^^小説本編が宣伝文に劣っているという真実が———^^;


————————

「僕は君を——守りたいんだ」


夕日が赤く染める空き地で、少年は少女に『力』を入れられた。
それは、彼女を守る為の能力——。

その日を境に、主人公・裕介の物語は始まった。


それから高校生になった裕介の日常は、至って普通だった。
幼なじみと登校し、
友達と馬鹿騒ぎを起こし、
普通に授業を受けると言うありふれた人生を送っていた。

人生の脇役を演じる裕介の前に現れたのは、


1人の転入生だった————。


そして、その転入生は、裕介が昔好きだったと言う女の子だった。


予測不能なファンタジー小説が、コメディライトにて活躍中!

裕介の未来はどうなってしまうのだろうか?!


    Erret Crimson〜紅蓮の契約者〜


「この世界に空気が存在するように、光が存在するように、太陽が存在するように月が存在するように、『これ』も存在するの」

————————




>>6 登場人物紹介&オリキャラ素材

第一話 サブタイトル【邂逅】
プロローグ>>0
一章、始まりを運ぶ者 >>1 >>2 >>3 >>4 >>5 >>7 >>8
二章、再会の意味を知る者 >>8 >>9 >>10 >>11 >>13 >>18 >>23 >>25 >>26
三章、紅蓮の契約者 >>29 >>32 >>33 >>34 >>39 >>43 >>44
四章、幽霊屋敷の能力者 >>47 >>48 >>49 >>52 >>53 >>54 >>55 >>57
五章、孤高の翼をもつ者 >>58 >>59 >>60 >>61 >>62 >>63 >>64 >>71 >>74
六章、孤独の愛する者 >>75 >>76 >>77 >>78 >>79 >>80 >>83 >>84 >>85 >>86 >>87 >>88
七章、結社最初の襲撃者 >>89 >>92 >>94 >>95 >>96 >>97 >>98 >>99 >>100 >>103 >>104 >>105 >>106 >>107 >>109 >>115 >>116 >>120 >>121 >>122 >>123 >>124 >>125 >>126 >>127 >>132 >>172 >>176 >>177 >>180 >>182 >>183 >>184
エピローグ>>186 >>187 >>188



第二話  サブタイトル【解禁】
プロローグ>>199



参照800突破初企画始動 裕介、中学時代のバレンタイン >>133 >>134 >>135 >>136 >>137 >>138 >>140 >>147 >>148 >>149 >>155 >>158 >>162
>>165 >>166 >>167 企画END

魔法の詳細てきなもの>>142
秋原かざや様による小説紹介文>>185

作者自作イラスト(裕介) >>56 >>110 (エル) >>67 >>93 >>189 (リーナ) >>91   扉絵>>0
凡さまの神イラスト>>170

スペシャルサンクス(コメントをくれたお客様) >>67

では、そんなこんなで本編スタートです!!↓ 

 

   プロローグ、涙とともに消える記憶

「この世界に空気が存在するように、光が存在するように、太陽が存在するように月が存在するように・・・『これ』も存在しているのよ」

なにもない。ただの空き地となってしまったこの場所で、一人の幼くも美しい、それでいて不気味な雰囲気をまとっている少女の声が響く。

夕日に照らされた少女の髪はオレンジ色に染まり・・・顔は、影にかくれて見えない。草が適当なサイズに切られているこの空き地には、もう一人の少年らしき人物がたっていた。
その少年らしき人物は少女の声に聞き入り、うんうんとうなずきながら、少女のほうをみつめている。その少年のほうは影になっておらず、六、七歳の男の子だということがわかる。とくにといった特徴の無い顔、少しだけ長い漆黒の髪、身長はその少女よりも少しだけ大きい。

少女は子供が無邪気に笑っているのとは程遠い、美しい笑みを浮かべながら、その少年のことを見ている。その少女の雰囲気には、まるで愛しい人をみているかのような空気がまとっているようにも思えた。

少年は早く続きが聞きたいのか、早く早く、と少女のことを急かす。少女はニッコリは笑った後、再び声をだす。

「『これ』は使える人には使える。たとえば、それが得意な人にとってはそれが簡単にできて、それが得意じゃない人はそれは簡単にできない。つまりそういうことなの。『これ』は、私のように使える人にとっては簡単に使えて、あなたのように、使えない人にはできないの。わかった?」

首をかしげながら少女は少年に聞く。少年はそんな少女の言葉にガッカリした雰囲気をだしていた。それを察した少女は、慌てて言葉をつけたした。

「あ、あ、でもね、あなたも使えるようになれる方法が一つだけあるよ」

それに少年は顔を上げる。その少女の顔を見ながら少年が感じたのは、疑問だけだった。まだ幼い少年の頭では、理解ができなかったのだ。
だが少女は、やはり愛しそうにその少年を見つめる。見つめながら顔をよせてきて、理解できていない少年の耳元でそっと・・・ささやく。

「そう・・・ひとつだけ。私の力をあなたに入れる。そうすれば、あなたは『これ』を使えるようになる」

「ほ、本当!?」

そのときはじめて少年は歓喜の声をあげた。だけど少女の言葉はまだ続いていて・・・

「でも・・・それをやったらあなたは、あなたの人生は・・・捻じ曲がる。私のような狂った化物しかいない、最悪の人生・・・違う、もう人生ともいえない道を進むことになる・・・それでも、いいの?」

さっきとは裏腹、少女の声には寂しさが宿っていた。それは自分に対する言葉でもあったかのように、少女は寂しそうに顔をゆがめる。
少年はそんな少女の顔を見るのが嫌いだった。少女とあって二ヶ月の間にこの表情を何度みたことだろうか、見るたびに、少年の頭の中にはひとつの言葉が浮かび上がる。————守りたい————と。

それは小さい子供の我が侭な感情なのかもしれない。でも少年は、自分のことなんかどうでもいいから、少女を守りたい・・・と、そう思うのだ。好きな人を———守りたいと、思うのだ。
だから少年は、すぐ近くにいる少女の腰に手を回し、思い切り抱き寄せてから、言うのだ。

「・・・僕は君を、———を守りたいんだ」

その言葉に少女は目を見開き、驚きの表情を見せる。今までに無かった反応に少年は笑いながら、もっと強く少女を抱き寄せる。その細くてしなやかな体を、抱き寄せる。

少女は少年の抱擁をうけいれながら、うれしさに笑顔を見せる。今までに自分に近づいてくる奴は大抵汚いやつばかりだった。『これ』を使おうと自分を利用したりする、汚いやつらだったり、この力を恐れた連中による、自分を殺そうとするものばかりだった。だけど、この少年からはそんな汚いものは見えない。あるのは、自分を守りたいという純粋な・・・気持ちだけ———

「じゃぁ・・・力をいれるよ?」

そう小さく少女が呟く。うれしさを押し殺したかのような声で、そうつぶやく少年はその少女の言葉に返す。

「どうやって?」

少女はやはり、愛しそうに少年の言葉を聞く。だけど、ちゃんと答えてあげないとだめだと思った少女は、少年の胸から少しだけはなれて、目をみて言う。

「簡単だよ〜。ただあなたの手にわたしの力を込めた手を重ねるの」

よくわからない、といった表情をみせた少年だが、一応少女から離れて、両手を前に突き出す。少女は少年の行動の速さに納得して、両手に力を込める。その瞬間、その小さく滑らかな手に黒い幾千の文字が生まれていく。その手を少年の手に重ねるようにして差し出した少女は、こう呟く。

「はい、これで私の力があなたのなかに入った。でも、最後の言葉を交わさないと、契約は完成しないの」

「契約?」

「そ、力を分け与えるための契約の儀式。その段階が今ので、言葉がこれから言わなければならないもの」

「えと・・・なにをいえばいいの?」

「ただ私のことを愛しているといえばいいの」

「え・・・」

「もしも愛していないもの同士が力を共有すると・・・その力は互いを拒絶して、暴走してしまうの・・・あ、あの・・・それで、あなたは私のこと、嫌い?」

「き、嫌いじゃ、ないよ」

「じゃぁ言ってよ、好きだって」

少年の顔が真っ赤に染まっていく。夕日に照らされている今でもわかるほどに、紅く染まっていく。それに少女は笑い、言葉を発する。

「私は、裕介のことが好きだよ」

おそらくその少女の顔は、真っ赤に染まっていたのだろう。わからないのは、影にかくれているからだ。
そして———、少年は言葉を発する。少女を愛しているといおうと、言葉を発しようとする。
そこで———————すべての物語は始まったのだ。ゆっくりと、着実に・・・鎖牙裕介の物語は、始まったのだ。

        

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Re: 【紅蓮の契約者】※オリキャラ募集 ( No.56 )
日時: 2011/02/03 20:13
名前: だいこん大魔法 (ID: AEu.ecsA)
参照: http://loda.jp/kakiko/?id=194.jpg

自作イラスト:裕介

ド下手ですが描いてみました^^;

Re: 【紅蓮の契約者】※オリキャラ募集 ( No.57 )
日時: 2011/02/05 21:45
名前: だいこん大魔法 (ID: AEu.ecsA)

「そ、それはいいとして!!なんでローラたちはこの町にいるの?」

エルが完全に流れを変えようとしてそんなことをいう。そのわかりやすすぎる話の変え方に俺とローラ、あと黒髪の少女は苦笑をする。おそらく、エルのいっているこの町、というのは宮坂のことだろう。ここは都会でもなければ田舎でもない、何の変哲も無いただの町だ。そんなところに、能力者が四人もいることなど考えられない。いや、正確にいうば俺をあわせてこの町には五人もの能力者がいた。エルは世界を放浪していたと前いっていたし、俺の知っている限りではこの町に五人だ。
能力者というのは、≪結社≫に入っている人間とその類ではない能力者は合計で千人しかいない。それは日本での話ではない。全世界での話しだ。それなのに、どうしてこんな何の変哲も無いただの町、日本の都道府県のうちの県のさらにわけられている区に、五人もいるのだろうか。
・・・もしかしたら、この四人はこの町にもとからいたのではないのかもしれない。エルの気配を追ってきたのかもしれない。それとも、たまたまここにいただけかもしれない。———いや、でも・・・はぁ、やっぱり仮定を立てるのはめんどくさいな。
頭の中でいろいろ整理しようと俺が奮闘している間に、ローラたちが顔を見合わせる。この二人になら・・・というか、エルにならば話してもいいか、といったふうな感じに頷きあい・・・、口を開く。

「ここで話すのはなんですから・・・、私達の隠れ家にご招待しましょう」




四章終了

Re: 【紅蓮の契約者】※オリキャラ募集 ( No.58 )
日時: 2011/03/28 05:01
名前: だいこん大魔法 (ID: IZus4UZf)

       五章、孤高の翼をもつ者


その場所はあまりにも現実からかけ離れていた。
一言目からこんなことをいってしまうと、こいつなに言ってんだ?と思うかもしれないが、そうとしかいいようがなかったのだ。
俺とエルは、ローラたち四人につれられて宮坂市の南西部、区と区の境目付近まで着ている。その場所は宮西高校と近かったためあまり歩くことはなかったが優に三十分ぐらいはかかった。そこで俺たちはローラたちに某アニメのドザエモンにでてくる空き地のような・・・つまり空き地の奥のほうにパイプみたいなやつが三個ある・・・みたいなところにつれてこられた。俺とエルはそこから不思議な魔力が流れていることを悟り、ローラに尋ねると、見ていれば分かるといわれて、ローラが何かを唱えるのを見ていると、突然空き地の空間が捻じ曲がり、紫色の空間があらわれた。それはどんよりと曇っているかのように薄暗く、なによりも『なにかに見られている』と強く思わせるような場所だった。
そしてローラはこう言ったのだ。

「ここは磁界。私が作り出した擬似的な『世界』」

「・・・世界?」

それに俺は鸚鵡返しで聞き返す。歩いているときに自己紹介されて名前がわかった、黒髪の女の子・・・夜光蛍は立ち止まっている俺たちを無視してそのまま一人でどこかに歩いていってしまい、それに新田瑠美・・・ルミと水色のショートヘアーの女の子、レイ・・・なんとか・・・アイシクルフォールがついていく。
ローラは俺のことをみて、そういえばまだ契約したばかりでなんにもしらないのね、といったような表情になり、エルのほうを困ったような顔で見つめる。エルはそれに苦笑しながら、あとは任せた的な態度で蛍たちについていってしまう。俺はそれに戸惑いつつも、まだこの『世界』というものに戸惑いを覚えている。
・・・自分自身の力で作る世界。つまりそれは【魔法】によるものなのだろう。『世界を作る魔法』というのは一体どういう属性をもっていて、どうやったらそんなことができるのだろう———疑問はつきないな。

「・・・では『世界』について歩きながら説明します」

「悪いな」

ローラがそういって歩き始めたので、俺は併走するかのように歩き出す。その間もこの『世界』のあたり一体に広がる紫色の空間を見回している。

「『世界』というのは、【魔法】ですべて構築されています。そこに属性と言う概念はありません」

「属性がない?ってことはつまり・・・」

「はい、そうです。各個人個人に【得意属性】というものがあります。エルシャロンさまやあなたは【炎】。ルミは【闇】、蛍も【闇】で、レイは【氷】です。このように、各個人個人には【魔法の属性基準】があります。ですが・・・それが私にはありません」

・・・つまり、だ。こいつがエルの言っていた———

Re: 【紅蓮の契約者】※オリキャラ募集 ( No.59 )
日時: 2011/03/28 05:06
名前: だいこん大魔法 (ID: IZus4UZf)

「そう、俗に言われる『例外魔術師』です」

例外魔術師。それは属性に縛られること無く、自由自在にいろいろな属性の魔法を使うことが出来る。それ以外にも、なにか物を動かす魔法であったり、なにか物を作り出す魔法であったりもする。俺がローラと戦ったときに・・・、ローラが使っていたものは———本だ。ローラが魔法を【詠唱】した後に、本から紫色の炎が本から噴出した。最初はどういうことかわからなかったが、そういうことならば、つじつまが合う。だが・・・、本と魔法、その二つがどのようにつながっているのか、それがわからない。

「お前は俺と戦ってたときに、『本』から魔法をだしてたな」

「はい、【能力】を人に教えるということはつまり、自分の身を危険にさらす、という意味があるのですが、あなたは私達の信頼する、最高の魔術師であるエルシャロンさまの愛しの人・・・。つまりあなたも信頼に値します。ですから特別に教えましょう・・・ですがこれは約束です」

「ん?」

その瞬間、ローラが無表情を一転させ、困ったように眉を下げ、上目遣いに俺のことを見てくる。それに俺は、なんで女の子の上目遣いはこんなに強烈的なんだよこんちくしょうとかわけのわからないことを頭の中で思いながら、聞き返した。

「あの・・・絶対に、【魔術師】に教えないでくださいね?」

「あ・・・ああ、教えない。約束する」

「もしも約束をやぶったら、今度こそあなたを確実にしとめます」

「・・・ああ、あの時もやっぱり俺のこと殺すつもりだったんだ」

俺はげんなりしながら歩みを進める。まだちょっとしか歩いていないが、歩く、という概念がある時点で、この『世界』は人間界・・・つまり俺たちのいるところとあまり変わらないのだろう。ああ・・・てたかまた思っちまったよ。ていうか何度でも思ってやるよ、俺は確実に・・・日常からかけはなれたなってな。

「んで、お前の【能力】ってのはなんだ?」

「はい、私の能力は、【本を操る力】」

「・・・は?」

「具体的に言えば、本の内容、文字、絵、などを現実世界に具現化させる能力です。ですがそれにも一応限りがあります。たとえば、具体的な形をもつ人間の文字や絵、動物・・・すべてまとめて生物などはだすことができません。ですが、神話や龍・・・この世界にあったかもわからない、具体的な例が無いものは、【魔法】として扱うことが出来るのです。それをだすためには———、この内容、記述が書かれている、【本】を使わなければなりません」

「うーん・・・つまり?この世界に観測されている生物とかはだすことができなくとも、神話の———神とか悪魔とか天使とか、あと伝説上の生き物である龍とか、その人間の空想で生み出された生物の記述が書かれている本に魔力を注げば、それを発動することが出来ると」

「はい、もっと具体的にいいますと、神話の場合【悪魔の炎】【神の裁き】【天使の微笑み】などがあります。それらの記述や絵が書かれているだけでも、私の想像力の中に魔力を注ぎ込めば出すことが出来ます。鎖牙さまに使用した【悪魔の食卓】なんかもその類のものです。日本伝説なんかでいうと【八百万の神】なんかもいますが、それらも絵などがあれば私の想像力に魔力を注ぎ込めば出すことができ、さらにその一つ一つの神がもつであろう力もだすことができます。それらはもちろん属性に囚われることの無い、炎、雷、その他諸々の属性数多くを使用することができます」

「・・・圧倒的すぎるな」

「はい、自慢ではないのですが、私の【能力】は、想像力と本の量によって強くなっていきます」

つまり、だ。こいつは世界中から本をあつめれば、それなりの力をもつ魔術師になることができる、というわけだ。想像力を高めるには勉強もしなければならないのだろうし、俺と戦ったときのあれはまだ本気ではなかったのだから、頭ももちろんいいのだろう。なら———

「お前はエルよりも強いのか?」

俺は、『世界』の説明よりも、まずそれが聞きたくなった。本の量と自身の想像力で強くなるローラは、エルよりも強いのか?
だがローラは・・・、どこか優しげな笑みをうかべながら、俺たちの前でルミたちと戯れるエルのことを見て、こういったのだ。

「・・・いえ、私の力は、エルシャロンさまに遠く及びません。彼女は≪企業≫からも≪機関≫からもおそれられる『紅の魔術師』。その劫火に触れたものは空気であろうと関係なしに燃えつきるいわれています。・・・エルシャロンさまが鎖牙さまに話していないのであれば、『あのこと』を話すのはやめてやめておきますが、エルシャロンさまの力は・・・『神をも凌駕しているといえます』」







Re: 【紅蓮の契約者】※オリキャラ募集 ( No.60 )
日時: 2011/02/08 14:14
名前: だいこん大魔法 (ID: AEu.ecsA)

———それは、俺が想像していた以上に、すごいってことだよな。エルの力は、俺なんかでは到底追いつけないほど強くて、俺がエルを守るとか言っている割にはその差は大きすぎて———俺には、エルを守る力さえないってことだよ、な。
それもわかってたさ。俺はまだまだ弱いってことを。たった一日でものすごく強くなってやろうとか、そんなことは無理だとわかっていた
さ。だけど———神をも凌駕すると聞いて、俺の気力は完全に下がってしまった。
だが、次にローラが発した言葉は、俺にとって衝撃そのものでしかなかったと言える。

「ですが・・・、『あの事件』、エルシャロンさまが≪企業≫や≪機関≫に追われる原因となったあの事件以来———エルシャロンさまの『魔力』は・・・枯渇してきています」

「な————!?」

俺は驚きに顔を歪ませる。その言葉を聞いて、俺はこの『世界』の構成なんかどうでもよくなってしまった。これはただ【魔法】でできているだけであって、ローラの【本】から生み出された空間なんだろうと自分の解釈でそれをすませ、今ローラがいった、エルの『魔力』の枯渇———という意味を、俺は理解ができなかった。

「・・・このことは、エルシャロンさま本人から聞いてください。・・・っと、見えてきましたね」

自分の口から言っていいのか迷った挙句、ローラは本人に聞けと俺にいう。俺も一応底から先は本人から聞こうと納得して、ローラが見上げた先を見る。そして底で俺が目にしたものは———

「ようこそ、我らが【狂気の館】へ・・・」

まさしく、幽霊屋敷そのものだった。



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