コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- Erret Crimson〜紅蓮の契約者〜 二話解禁
- 日時: 2011/09/01 02:20
- 名前: だいこん大魔法 (ID: qd1P8yNT)
- 参照: http://loda.jp/kakiko/?id=758.jpg
初めての投稿です!!そして初めての小説です。まだ途中ですががんばって書いていきたいと思います!!内容の細々とした設定は後々追加していく予定ですのでどうかよろしくおねがいします!!そして、初めて書くので全然下手で文章力もないですが、荒しとか、下手だからやめとけとか言わないでください。そう思うならとっとと帰っちまえ!!とおもう所存ですゆえ・・・。^^;
タイトル変更のお知らせ 【紅蓮の契約者】からErret Crimson〜紅蓮の契約者〜になりました^^;オリキャラ募集は引き続き行っています^^;おねがいします〜
参照200突破したので主人公から一言—————「え?は?おまえなにいっちゃってんの?そういうのは作者がするもんだろ?」———いいからいいから———「いいからじゃねーよ!恥ずかしいだろ!?」———いいからやれよ馬鹿!!———「逆切れされた!?」———・・・いつまでもこのヘタレが私に逆らってくるので今回はこの辺で———『一言終了』
参照300突破したのでヒロインから一言—————「こんにちは、エルシャロン・ユアハーツです♪この度は私と裕介のイチャイチャラブストーリーを読んでくださり」———ちょ、エルさん?違う、違うからね?———「・・・はぁ?人間風情が気軽に私の名前を呼ぶんじゃないわよ」———おーい・・・本性でちゃってますよ〜———「ていうかそもそもこれを裕介が見るわけじゃないんだし、一言とか必要ないじゃない」———・・・あー、エルさんが帰っちゃったので今回はこの辺で———『一言終了』
参照400突破したので先生から一言—————「こんにちは(キラッ)髪の毛がワイルドなほどに生えている雉田信之助デスッ(キラッ)」———うそはよくないと思います、先生———「う、うそじゃないもん!!ほんとだもん!!」———きもいんでやめてもらえますか?———「フン・・・キサマはどうやらこの私を怒らせてしまったようだな・・・喰らえ!!ハゲビーム!!」———えー、この先生相手にするのがめんどくさいので———『一言終了』
参照500突破したので西野から一言—————「始めてまして、西野です。鎖牙裕介の友達やってます。好きなことはゲームで趣味はゲームで将来結婚したいのはゲームで」———おいオタク。お前は自己紹介でなにいってやがんだよ———「今発言してきた人は無視してください。ゲームの中の登場人物の声ですので」———おいお前、作者にむかってそんなこといってっと登場させないぞ?———「では、ここらで俺がオススメするゲームを紹介し」———・・・どいつもこいつもまじめな挨拶ができないと私が失望したのでここらへんで———『一言終了』
参照600突破したので昌子から一言もらおうと思ったけどもうなんか前のやつらがとてもめんどくさい反応をしていたのでこの企画はなかったことに———「ちょ、ちょっと作者さん!!私にもやらせてくださいよぉ!!」———えー・・・だってどうせふざけるんでしょ?———「ふ、ふざけないです!!だからお願いします!!」———まぁそこまでいうならやらせてあげないでもないけど———「そうですか?ならもうあなたには用はないのでとっとと帰・・・」———はいはい、強制終了します—————『一言終了』
参照700突破したのでサブキャラクターみたいな感じになっている佐々木さんから一言—————「う、うぇ?わ・・・わたしですか?」———うん、おねがいね———「う・・・うう・・・あ、あの・・・こ、この物語は・・・ええと・・・あの・・・そのぅ」———緊張しなくていいよ〜、一言いってくれればそれでいいから———「え、あ・・・はい。え・・・と、この作品は、んと・・・」———む、無理しなくてもいいよ?———「ふぇ・・・お、お役に立てなくて申し訳ありません」—————というわけで、一番まともな挨拶をしてくれようとした佐々木さんに盛大な拍手を!!『一言終了』
もうすぐ一話終了だっていうことで、ここでひとつ、主人公に一言もらおうと思います、どうでしょう?こんどこそやってもらえますね?—————「よ・・・よし、今度こそはいけそうだ。ちゃんとやってやる」———そうこなくっちゃな、主人公さんよ———「うーん・・・若干作者がうざいけどまぁしょうがねぇ・・・やってやらんこともないぜ」———いいから黙って始めなさいこのヘタレ主人公———「あーあー!!わかったよくそっ・・・えーと・・・なになに?」———プッ・・・セリフも覚えられてなかったのかよこの子———「うぐっ・・・う・・・うるせぇこの駄作者!!ちょっとだまっとけ!!」———といわれて黙る私だとお思いですかな?———「・・・もしかして、最初のやつ根に持ってんのか?」———・・・———「ぷっ・・・器のちっちぇやろうだなぁ」———・・・えーと、では、次回から主人公はこのヘタレ男ではなく雉田先生に———「え?まじ?よっしゃああぁぁ!!この髪の毛がワイルドなほどに生えている雉田信之助様にすべておまかせあれええぇぇぇ!?」———「先生はだまってろ・・・!!」———「なんだと?このワイルドなほどに髪の毛・・・もといワイルドなほどに髪の毛が生えているこの雉田信之助様にただのヘタレのお前が勝てるとでも?ハーッハッハッハ!!」———「・・・ハゲ、育毛剤、つるつる、カツラ、テカテカ、抜け落ちる髪の毛、ワイルドほどになにもなかツルツル頭」———「うわああぁぁ!!ヘタレ男がいじめるううぅぅ!!」———「きしょいんだよこのくそやろう!!くっつくんじゃねぇ!!」———
・・・と、いうわけで、一話終了まじかの一言でしたー、また次回〜———「「っておいなにかってに終わらせてんだこのくそ作者!!」」———そういうところだけはそろうんですね、そしてきしょくが悪いですね、先生———「うわあああぁぁん!!」———というわけで、まぁ・・・最後ぐらいはお前に閉めさせてやるよ、ほら、最後に挨拶ぐらいしときなさい———「ぐっ・・・まぁいい、ていうか一言とかなにもいってないような気がするけど・・・ま・・・いいか。んじゃ、Erret Crimson〜紅蓮の契約者〜の一話を読んでくださりありがとうございました。引き続き、二話もこの駄作者が書いてくださるということなので、期待せず、むしろ作者を罵倒しながら待っていてください、んじゃ・・・というわけで」———一言終了。そして作者から一言
—————————まだエピローグが終わってないんだぜ——————————
最近かいてて思ったこと『別の小説に熱が入ってしまってなかなか進まない・・・』
山下愁様による、この作品の宣伝文です!!なんというかもう神ですね^^小説本編が宣伝文に劣っているという真実が———^^;
↓
————————
「僕は君を——守りたいんだ」
夕日が赤く染める空き地で、少年は少女に『力』を入れられた。
それは、彼女を守る為の能力——。
その日を境に、主人公・裕介の物語は始まった。
それから高校生になった裕介の日常は、至って普通だった。
幼なじみと登校し、
友達と馬鹿騒ぎを起こし、
普通に授業を受けると言うありふれた人生を送っていた。
人生の脇役を演じる裕介の前に現れたのは、
1人の転入生だった————。
そして、その転入生は、裕介が昔好きだったと言う女の子だった。
予測不能なファンタジー小説が、コメディライトにて活躍中!
裕介の未来はどうなってしまうのだろうか?!
Erret Crimson〜紅蓮の契約者〜
「この世界に空気が存在するように、光が存在するように、太陽が存在するように月が存在するように、『これ』も存在するの」
————————
>>6 登場人物紹介&オリキャラ素材
第一話 サブタイトル【邂逅】
プロローグ>>0
一章、始まりを運ぶ者 >>1 >>2 >>3 >>4 >>5 >>7 >>8
二章、再会の意味を知る者 >>8 >>9 >>10 >>11 >>13 >>18 >>23 >>25 >>26
三章、紅蓮の契約者 >>29 >>32 >>33 >>34 >>39 >>43 >>44
四章、幽霊屋敷の能力者 >>47 >>48 >>49 >>52 >>53 >>54 >>55 >>57
五章、孤高の翼をもつ者 >>58 >>59 >>60 >>61 >>62 >>63 >>64 >>71 >>74
六章、孤独の愛する者 >>75 >>76 >>77 >>78 >>79 >>80 >>83 >>84 >>85 >>86 >>87 >>88
七章、結社最初の襲撃者 >>89 >>92 >>94 >>95 >>96 >>97 >>98 >>99 >>100 >>103 >>104 >>105 >>106 >>107 >>109 >>115 >>116 >>120 >>121 >>122 >>123 >>124 >>125 >>126 >>127 >>132 >>172 >>176 >>177 >>180 >>182 >>183 >>184
エピローグ>>186 >>187 >>188
第二話 サブタイトル【解禁】
プロローグ>>199
参照800突破初企画始動 裕介、中学時代のバレンタイン >>133 >>134 >>135 >>136 >>137 >>138 >>140 >>147 >>148 >>149 >>155 >>158 >>162
>>165 >>166 >>167 企画END
魔法の詳細てきなもの>>142
秋原かざや様による小説紹介文>>185
作者自作イラスト(裕介) >>56 >>110 (エル) >>67 >>93 >>189 (リーナ) >>91 扉絵>>0
凡さまの神イラスト>>170
スペシャルサンクス(コメントをくれたお客様) >>67
では、そんなこんなで本編スタートです!!↓
プロローグ、涙とともに消える記憶
「この世界に空気が存在するように、光が存在するように、太陽が存在するように月が存在するように・・・『これ』も存在しているのよ」
なにもない。ただの空き地となってしまったこの場所で、一人の幼くも美しい、それでいて不気味な雰囲気をまとっている少女の声が響く。
夕日に照らされた少女の髪はオレンジ色に染まり・・・顔は、影にかくれて見えない。草が適当なサイズに切られているこの空き地には、もう一人の少年らしき人物がたっていた。
その少年らしき人物は少女の声に聞き入り、うんうんとうなずきながら、少女のほうをみつめている。その少年のほうは影になっておらず、六、七歳の男の子だということがわかる。とくにといった特徴の無い顔、少しだけ長い漆黒の髪、身長はその少女よりも少しだけ大きい。
少女は子供が無邪気に笑っているのとは程遠い、美しい笑みを浮かべながら、その少年のことを見ている。その少女の雰囲気には、まるで愛しい人をみているかのような空気がまとっているようにも思えた。
少年は早く続きが聞きたいのか、早く早く、と少女のことを急かす。少女はニッコリは笑った後、再び声をだす。
「『これ』は使える人には使える。たとえば、それが得意な人にとってはそれが簡単にできて、それが得意じゃない人はそれは簡単にできない。つまりそういうことなの。『これ』は、私のように使える人にとっては簡単に使えて、あなたのように、使えない人にはできないの。わかった?」
首をかしげながら少女は少年に聞く。少年はそんな少女の言葉にガッカリした雰囲気をだしていた。それを察した少女は、慌てて言葉をつけたした。
「あ、あ、でもね、あなたも使えるようになれる方法が一つだけあるよ」
それに少年は顔を上げる。その少女の顔を見ながら少年が感じたのは、疑問だけだった。まだ幼い少年の頭では、理解ができなかったのだ。
だが少女は、やはり愛しそうにその少年を見つめる。見つめながら顔をよせてきて、理解できていない少年の耳元でそっと・・・ささやく。
「そう・・・ひとつだけ。私の力をあなたに入れる。そうすれば、あなたは『これ』を使えるようになる」
「ほ、本当!?」
そのときはじめて少年は歓喜の声をあげた。だけど少女の言葉はまだ続いていて・・・
「でも・・・それをやったらあなたは、あなたの人生は・・・捻じ曲がる。私のような狂った化物しかいない、最悪の人生・・・違う、もう人生ともいえない道を進むことになる・・・それでも、いいの?」
さっきとは裏腹、少女の声には寂しさが宿っていた。それは自分に対する言葉でもあったかのように、少女は寂しそうに顔をゆがめる。
少年はそんな少女の顔を見るのが嫌いだった。少女とあって二ヶ月の間にこの表情を何度みたことだろうか、見るたびに、少年の頭の中にはひとつの言葉が浮かび上がる。————守りたい————と。
それは小さい子供の我が侭な感情なのかもしれない。でも少年は、自分のことなんかどうでもいいから、少女を守りたい・・・と、そう思うのだ。好きな人を———守りたいと、思うのだ。
だから少年は、すぐ近くにいる少女の腰に手を回し、思い切り抱き寄せてから、言うのだ。
「・・・僕は君を、———を守りたいんだ」
その言葉に少女は目を見開き、驚きの表情を見せる。今までに無かった反応に少年は笑いながら、もっと強く少女を抱き寄せる。その細くてしなやかな体を、抱き寄せる。
少女は少年の抱擁をうけいれながら、うれしさに笑顔を見せる。今までに自分に近づいてくる奴は大抵汚いやつばかりだった。『これ』を使おうと自分を利用したりする、汚いやつらだったり、この力を恐れた連中による、自分を殺そうとするものばかりだった。だけど、この少年からはそんな汚いものは見えない。あるのは、自分を守りたいという純粋な・・・気持ちだけ———
「じゃぁ・・・力をいれるよ?」
そう小さく少女が呟く。うれしさを押し殺したかのような声で、そうつぶやく少年はその少女の言葉に返す。
「どうやって?」
少女はやはり、愛しそうに少年の言葉を聞く。だけど、ちゃんと答えてあげないとだめだと思った少女は、少年の胸から少しだけはなれて、目をみて言う。
「簡単だよ〜。ただあなたの手にわたしの力を込めた手を重ねるの」
よくわからない、といった表情をみせた少年だが、一応少女から離れて、両手を前に突き出す。少女は少年の行動の速さに納得して、両手に力を込める。その瞬間、その小さく滑らかな手に黒い幾千の文字が生まれていく。その手を少年の手に重ねるようにして差し出した少女は、こう呟く。
「はい、これで私の力があなたのなかに入った。でも、最後の言葉を交わさないと、契約は完成しないの」
「契約?」
「そ、力を分け与えるための契約の儀式。その段階が今ので、言葉がこれから言わなければならないもの」
「えと・・・なにをいえばいいの?」
「ただ私のことを愛しているといえばいいの」
「え・・・」
「もしも愛していないもの同士が力を共有すると・・・その力は互いを拒絶して、暴走してしまうの・・・あ、あの・・・それで、あなたは私のこと、嫌い?」
「き、嫌いじゃ、ないよ」
「じゃぁ言ってよ、好きだって」
少年の顔が真っ赤に染まっていく。夕日に照らされている今でもわかるほどに、紅く染まっていく。それに少女は笑い、言葉を発する。
「私は、裕介のことが好きだよ」
おそらくその少女の顔は、真っ赤に染まっていたのだろう。わからないのは、影にかくれているからだ。
そして———、少年は言葉を発する。少女を愛しているといおうと、言葉を発しようとする。
そこで———————すべての物語は始まったのだ。ゆっくりと、着実に・・・鎖牙裕介の物語は、始まったのだ。
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- Re: Erret Crimson〜紅蓮の契約者〜 【自作絵4つ目】 ( No.106 )
- 日時: 2011/02/25 00:48
- 名前: だいこん大魔法 (ID: ikrpTGuK)
「・・・ほぅ、寝返ったか?【孤独の人形師】」
ニヤリ、と髑髏を思わせる笑みを顔に貼り付けながら、【氷翼の魔術師】がリーにむかって話しかける。するとリーも、凶悪な笑みを、狂気に狂ったような笑みを、【氷翼の魔術師】にむける。まるで憎き相手を殺せることを悦んでいるかのように———
「ハッ、ボクからユーをうばったくせしてよくいえるねぇ、グレン・ユーリッド。昔ボクの記憶をユーから消し去ったのは君だろう?」
その言葉に当然、【氷翼の魔術師】、グレン・ユーリッドは頷く。俺の記憶の中にもたしかにこいつに似た姿をした魔術師があらわれて俺の記憶を消した———・・・こいつが、こいつが俺の記憶を消した奴なのか。
「魔術師でもなんでもないやつが魔術師と関わるなんてどうかしているだろう?リーナ・ディゼア。それともお前はあれか?≪結社≫の中のルールもしらねぇくずなのか?」
「≪結社≫?ユーの命を狙うくそみたいな組織のルールなんかボクにはわからないね。大事なのは君がボクから大切な人をうばったことだ」
「ヒャハハハ!!【孤独】の魔術師に大切な人がいるってこと事態に驚きを隠せない俺がいるぜぇ?」
「馬鹿にしていられるのも今のうちだ。今のボクは【孤独の人形師】としての名を語らない・・・」
「ならなんて名乗る?二つ名のない魔術師なんて魔術師じゃねぇぞ?魔術師は二つ名こそが命だからなぁ?」
二人は会話をやめない。まるで今までの不満をぶつけるように、しゃべり続ける。そんな中俺はエルの様子をみて、ローラたちに通信ができているのかを確認する。エルはそれに答え、ちゃんとできてるよ、とうなずく。
「まだ誰にもボクの二つ名は教えてないんだけどね・・・いいよ、教えてあげるよ。これから≪結社≫最強伝説に謳われる【氷翼の魔術師】を殺すものの名は———【死愛の人形師】」
「ヒャハハハハハハハハ!!いいねぇその表情!!狂気に狂い咲く一輪のバラってか?おもしろいねぇ!!そういうやつを打ち殺すのは最高だ!!じゃぁもういいだろう?裏切り者にはきちんと———処刑をくださなければなぁ?」
リーが胸にかかえている人形をギュッとにぎる。リーにとって、【氷翼の魔術師】は上の存在だ。リーの実力が≪結社≫の最上級魔術師で止まってしまうのとは、また別のものなのだ。そう・・・【氷翼の魔術師】は≪結社≫の幹部の地位まで上り詰めていた時期があるのだ。
≪結社≫の地位段階というものがどれほどあるのか俺にはわからないが、≪幹部≫と≪最上級魔術師≫は、階級が違うということぐらいわかる。それに、蛍の話を聞く限り【氷翼の魔術師】は≪幹部≫から≪最上級魔術師≫におとされたのだという。ならば———やはり実力は、【氷翼の魔術師】のほうが上なのだ。それに、落された理由は実力不足ではなく、一時的な狂いが原因だから、力も≪幹部≫にいたころとなんらかわりはないだろう。たしかにリーの強さも異常なものだ・・・だけど、それはやつにとって、驚異的な存在になるのだろうか?
俺は拳を構える。グレン・ユーリッドはそんな俺に目をむけない。もはや俺なんか眼中にないかのように、おもしろいこと・・・リーと戦える、リーをつぶせるという思いが強すぎるのか、リーにギラギラとした魔力のこもった目線をむけていた。
はたから見ている俺は、その視線に背筋を凍らせてしまう。それはなにもかもを凍らせる力をもったもののみが使うことが出来る・・・いやちがう、すべてを破壊し尽くす力をもった魔術師のみ使うことの出来る・・・魔眼の一種だった。
魔眼はエルにも使うことが出来る。エルは———俺と出会ったとき、その魔眼を使っていたのだという。だけど、それが俺には泣いているようにしか見えなくて、そして魔眼をやりすぎたエルは、本当に涙を流してしまった。俺はエルの魔眼がどういった類の力をもつかわからない。だけど、それは相当な力をもっているものだったと思う。なぜなら、エルの実力はグレン・ユーリッドと同じ『だった』。なら、今俺が感じているこのはたから見るだけで背筋を凍らせるほどの力をもった魔眼と・・・同レベルのはずだからだ。
ああ・・・ってくそ!!たしかにリーが仲間になったのはいいんだけど、こいつに勝てる気がしねぇ。エルに昨日はこいつはエルのことを襲わないとかなんとか断言したけど、やっぱりきちゃったじゃん。ならどうすればいい?エルに死の恐怖を味あわせないためには・・・どうすればいい?
「・・・チィッ!!やはりてめぇに魔眼はきかねぇなぁ。≪幹部≫のやつらだって俺の魔眼に怯みやがるのになんでてめぇにはきかねぇんだろうなぁ?少し、ほんのすこしばかり俺の興味をそそらせる話だが・・・まぁいい。とっととお前を殺して眼球えぐって、解析してやるからよ」
「ハッ、ごめめんだね。ボクの体の一部を君に触らせたりなんてしたくないしね。だから悪いけど、ここでは君が死んでくれよ」
二人の間には再び険悪なムードが流れる。それは傍目から見ているだけで泣き喚いて逃げてしまいそうなほどに重苦しく、狂乱していて———俺にはもう、たえられなかった。
「・・・お前が———【氷翼の魔術師】か?」
次の瞬間には、俺はもうそう口にだしていた。それにリーは、初めて俺が隣にいることに気がついたといわんばかりに目を見開き、グレン・ユーリッドもこちらに反応する。するとグレン・ユーリッドは、サングラスをはずして、ダークブルーのすべてを射抜かんばかりの瞳で俺をにらみつけてきて———ああ、と口元をゆるめて、馬鹿にしたかのように笑う。
「テメェはあれか、俺が記憶を消したやろうか。っちゅーことはつまり———お前が≪紅蓮の契約者≫で、リーナ・ディゼアの大切な人か。ふむふむ・・・ずいぶんとこれはまぁ当たりくじを引いてるもんだなぁ。俺にとっては不幸でしかねぇけどなぁ」
ニマニマと笑いながら俺のことを見る。それを俺はにらみ返して応戦する。だがしかし、まだ発動しているであろう魔眼に俺の体は震え上がりそうになる。俺はそれを必死におさえようとするが、それが顔にでてしまったのか、グレン・ユーリッドがさらに笑う。
「ヒャハハ!!無理するな無理するな!!お前みたいな素人が俺の魔眼に耐えられるわけがないしなぁ!!お前はかの有名な【紅の魔術師】ではなく、その契約者であり素人でもある【紅蓮の契約者】でしかないからなぁ?お前がいくら【紅の魔術師】の契約者だろうがなんだろうがそれはかわりねぇんだぜぇ?そのへん理解してたのか?」
・・・それは、その通りとしかいいようがなかったから、俺は言い返すことができなかった。というか、俺は一度も、自分をエルに重ねて考えたことはない。自分が【紅の魔術師】の契約者だからといって、すぐに強くなるだとか、そんなことを考えたこともない。自分は、エルを守るために、早く強くなろうと焦っているだけなのだから。
- Re: Erret Crimson〜紅蓮の契約者〜 【自作絵4つ目】 ( No.107 )
- 日時: 2011/06/12 11:38
- 名前: だいこん大魔法 (ID: OkVLMN/u)
たった一日でどうあがいたって、俺がグレン・ユーリッドに勝つなんてまず無理だ。リーにも勝てないで、エルにも勝てないで、ローラたちにも勝てないで、俺は一体どんな奴を敵に回そうとしているんだ?とか思ったりもしちゃうが、それは自分勝手で、ほかの人から考えたらどうでもいい理由しかないのだ。
だから俺は———
「・・・お前が———お前がエルを狙うって言うんなら、エルを殺すっていうんなら・・・俺は、一切合切容赦しねぇからな!!」
そう叫ぶ。
なにがなんだろうと、俺が勝てない相手だろうがなんだろうが、どんな手段を使ってでもぶちのめすだけだ。それがどんなに無謀かなんて俺には理解できないが、エルを守りたいではない、エルを守らなければならないという俺の我が侭を、通さなければならないのだ。俺より強い相手と戦うって言うのが、エルと一緒にいられるための代償ならば、それは安すぎるものだ。敵は魔術師といえども、心のどこかは人間、どこかに付け入るところが必ずあるはずだ。だから俺は最大限にそれを生かさせてもらうとしよう。
「・・・フン、まぁいいさ。こちらも≪企業≫のお偉いさん方に色々急かされているんでね、この仕事は速めに終わらせたいからなぁ。迅速かつ確実に【紅の魔術師】を殺すために———まずお前らに死んでもらうとしようか」
突然冷ややかになったグレン・ユーリッドの声に、再び俺の体は戦慄する。だがしかし、それは恐怖の震えではない。戦いに対する、俺のまだまだ若い、青年の心が反応したのだ。空手をやめて以来、もう一切感じなくなってしまったこの感覚を、俺は再び味わった。それだけでも、俺の中に勇気がわきあがってきた。空手をできなくなって久しい。それは怪我が原因で、やめざるをえなくなってしまった。だが今は違う。怪我なんか気にしなくてもいい、怪我なんてただの飾りの世界にまぎれこんだ今は・・・死ぬまで、続けることが出来る。
魔術、魔法を使う世界とは———そういうところなのだと、俺は改めて実感した。
給油タンクからグレンが飛び降りる。それは軽い跳躍のはずなのに、まるでトランポリンでもつかったのかと思わざるをえないジャンプ力だった。そのまま綺麗に屋上の底に着地し、俺たちと対峙する。
それは目の前にして、圧倒的なまでの存在力をしめしていた。魔術師にとっての存在力は魔力そのもの。魔力がなくなったところで死にはしないが。それは普通の人間にもどってしまうのと同じことを意味している。まぁエルの魔力が枯渇し始めているという問題があるのだが、それは枯渇する前に俺が強くなればなんの問題もないから今のところ現状放置というところでおさまっている。
魔力の小さいものは魔力の高いものを前にすると動けなくなってしまうのが、魔術師の暗黙の了解だ。それは、不良を前にして気弱な人がひるんでしまうのと同じ原理で、俺も今、少しだけ体がひるんで動かなくなってしまっている。エルの時、ローラの時、リーの時に感じなかったこの感覚に、俺はやはり身を高ぶらせてしまう。高揚感を高めてしまう。
自分の中にある少年の心がうずく。今まで忘れていた感覚が、俺の中に戻ってくる。空手というステージを魔術というステージに移動させ、やっとそれに心がついてきた。ある意味この戦いは、俺にとっての、魔術師としての、初めての戦いだ。
- Re: Erret Crimson〜紅蓮の契約者〜 【自作絵4つ目】 ( No.108 )
- 日時: 2011/02/25 17:56
- 名前: 友美 (ID: qHfVjGdk)
おもしろいですね。これからも小説がんばってください。★
- Re: Erret Crimson〜紅蓮の契約者〜 【自作絵4つ目】 ( No.109 )
- 日時: 2011/02/26 10:05
- 名前: だいこん大魔法 (ID: ikrpTGuK)
「んじゃ、どうせすぐに殺しちまってもつまらねぇし、時間ギリギリまで楽しもうじゃねぇか?【死愛の人形師】、【紅蓮の契約者】それと———【紅の魔術師】とここにむかってきている魔術師四人さんよぉ!!」
そうグレンはさけぶ。さけぶと同時に真っ直ぐに俺にむかってとびかかってくる。ただ飛び掛ってくるだけという単純な動きならばここは楽々かわしてやりたいところだが、一撃目は、頭の中で自然とフェイントだとわかった。俺は体をその位置そのままに固定しながら、ほんの少しだけ上半身を斜めに傾けさせる。
・・・人間っていうものはたしか、自分を殺せるであろうなにかが前に迫ってきているときに、咄嗟に利き手の方向にかわしてしまう癖があるのだという。そして多くの場合が、右手が利き手の場合がおおいい。だからグレンも、真っ直ぐに飛んできているように見せかけて少しだけ右方向を狙ってとびかかってきたのだ。これはただの俺の推測にすぎないのだが、その推測のおかげで、俺はその攻撃をかわすことができた。グレンは俺の横を通りすぎるとき、少しだけ驚いた風な顔を見せたが、すぐにニヤリと笑って、そのまま俺たちの後ろにいたエルにむかって突き進んでいく。俺が気がついたときにはもう遅い、グレンはエルにむかってなにかの【魔法】詠唱を開始していた。
「さぁさぁどの程度強くなったかたしかめさせてもらおうか【紅の魔術師】!!Rrine ne ruts lashte akull Flaka!!『焔を貫く原初の氷轍』」
その魔法が発動すると同時に、グレンの右手首さきから氷が顕現し始める。それはグレンの右手全体をおおい、そのまま伸びていき・・・氷の手刀とでもいうのだろうか、ブレードのような刃が完成した。———『形状固定化魔法』をあそこまで短縮した詠唱で唱えられるなん
て、やはり格が違う。だがそうもいっていられない。俺もエルのほうにむかって走り出し、詠唱を開始する。
「World shkaterrimin zjarr i madh ne dore, ne zjarr dore, ne te gjithe e hani『劫火を手に、業火を手に、我は全てを食らう』」
おいかけている俺の両腕に紅蓮の炎が宿る。魔術関係上炎が凍りよりも弱い。だが、今それは気にすることではない。今更そんなことを気にしたって、俺には炎系統以外の魔法は使えないからだ。俺はそのまま右手の炎を握り、『形状固定化魔法』に変化させる。それをせまりくるグレンにたいしてどういった魔法を使おうか思案していたエルが見て、驚く。だけどその驚きの表情はすぐに、自分の手下が強くなってうれしい・・・っといったふうな笑顔に変わった。
どうも、『形状固定化魔法』というのは初心者ができる魔法ではないらしいのだ。そのことに関して、エルは驚いたのだろう。なんつっても俺はまだ魔術師になったばっかりで、そん知識もないはずなのだ。だけどどうにも俺にはできてしまった。それは———俺が魔力的にタフだからという理由が一番大きいのだろうが、その元もエルだ。タフもなにもないはずだ———ということはつまり、俺がただたんになれるのが速かったってだけか?ま、そんなんでもいいさ。そんないい加減な理由でもいいさ。だからよ———
「爆砕して喰らえ!!『イフリート』!!」
ティアとブレードというのがなんかめんどくさかったので省略。俺は両腕を頭上から振り下ろし、グレンのむかって炎をはなつ。それに気がついたグレンは舌打ちをして、真横にステップをする。俺の炎はそのままグレンのいた場所を通り抜け、エルにむかってとんでいく。それに俺は少しヤバイ、と思ったが、エルがニッコリと妖艶に笑い
「Tete e dragoit purpur ju, cfare do te ngrenit e mia i ndjekin femijet tane te kundershtoje『紅蓮の八大大蛇よ、子を従え我に刃向かうものを喰らい尽くせ』」
詠唱をする。
その詠唱が終わった瞬間、エルの背後から、炎が吹き荒れる。それは熱風となり、俺はそれにふきとばされそうになる。あまりにも強大な魔力が荒れ狂い、それは形をとり、エルの背後にあらわれた。
それは・・・それはまるで、昔話に登場するような、化物と同じだった。八頭の竜の頭を携えた炎の蛇———そうとしかいいようがなかったのだ。あまりにも巨大で、強大で、圧倒的な力。俺とほぼ同じ量の詠唱でここまで力の差がついてしまうほど・・・エルの魔力は強大そのものでしかなかった。
一頭につきこの五階建ての宮西高校の縦の長さと同じぐらいの大きさをもつ炎の蛇が、俺の炎を吸収し、さらに肥大化する。グレンもさすがにこの炎の怪物には驚いたようで、目を見開いて頭上をみつめている。俺とリーはもはや・・・言葉をだすことさえできていなかった。
エルは再び笑う。背後に圧倒的な存在を携えたまま、笑う。
「・・・誰が誰を殺すのかな、【氷翼の魔術師】?」
だが、その言葉をエルがいった瞬間、俺の中に違和感が生まれた。
どうして・・・どうしてエルの言葉には、自信が含まれていないんだ。俺からみた感じだけどこの炎の蛇は絶対に【氷翼の魔術師】を排除できるほどの力をもっている。それこそエルが命令したら一瞬でことがすむだろう。なのになんで、エルはそうしないんだ?
・・・もしかしたら、それが、昔エルがこいつにやられかけた原因なのか———?
そして俺がハッとなってグレンを見る。だがもう気がついたときには遅い。グレンは顔を凶悪にして笑い、サングラスをおもいきり顔から『切り離す』。そしてそこから見えたのは———瞳に宿る、一対の翼。
俺は走り出す。あのままだとたぶん・・・いや確実にやばいと思ったから走り出す。だがその間にも、グレンは口を開く。
「ハッ、俺が知らない間にずいぶんとまぁご大層な使役魔法を完成させたようだなぁ【紅の魔術師】!!だがよぉ・・・お前、なにか勘違いしてないか?」
その言葉にエルの顔が強張る。それはそうだ。エルは知っているのだ。この男の実力を・・・『サングラスにかけていた呪い』が無くなったときのこの男の実力を知っているのだ———
「お前がどうしても生きたいっていうんなら、本気の俺を倒さないと意味がないだろう?ならやってやるよ、お前の生きる力ってものを見せてみろ!!」
エルが手を振り下ろす。それにしたがって蛇がグレンを喰らいにかかる。だがグレンは、ニヤリと笑い、ただ一言、言葉を呟いた。
「Absolut『絶』」
そして俺は目のあたりにする———【氷翼の魔術師】の本当の力を知らないリーも目のあたりする。俺が人数が多ければたぶんいけるんじゃないかと思っていたやつの力を、エルと対峙していた男の力を、エルが怯えるほどの力をもっていた男の力を、その目に焼き尽くされる。
そう———それはたった一言の詠唱で、エルの紅蓮の蛇すべてを凍りつかせたのだ。
- Re: Erret Crimson〜紅蓮の契約者〜 【自作絵4つ目】 ( No.110 )
- 日時: 2011/02/26 21:08
- 名前: だいこん大魔法 (ID: ikrpTGuK)
- 参照: http://loda.jp/kakiko/?id=227.jpg
イラスト5枚目
No10の一場面でございます(裕介がエルに好きだというシーン的な)
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