コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- Erret Crimson〜紅蓮の契約者〜 二話解禁
- 日時: 2011/09/01 02:20
- 名前: だいこん大魔法 (ID: qd1P8yNT)
- 参照: http://loda.jp/kakiko/?id=758.jpg
初めての投稿です!!そして初めての小説です。まだ途中ですががんばって書いていきたいと思います!!内容の細々とした設定は後々追加していく予定ですのでどうかよろしくおねがいします!!そして、初めて書くので全然下手で文章力もないですが、荒しとか、下手だからやめとけとか言わないでください。そう思うならとっとと帰っちまえ!!とおもう所存ですゆえ・・・。^^;
タイトル変更のお知らせ 【紅蓮の契約者】からErret Crimson〜紅蓮の契約者〜になりました^^;オリキャラ募集は引き続き行っています^^;おねがいします〜
参照200突破したので主人公から一言—————「え?は?おまえなにいっちゃってんの?そういうのは作者がするもんだろ?」———いいからいいから———「いいからじゃねーよ!恥ずかしいだろ!?」———いいからやれよ馬鹿!!———「逆切れされた!?」———・・・いつまでもこのヘタレが私に逆らってくるので今回はこの辺で———『一言終了』
参照300突破したのでヒロインから一言—————「こんにちは、エルシャロン・ユアハーツです♪この度は私と裕介のイチャイチャラブストーリーを読んでくださり」———ちょ、エルさん?違う、違うからね?———「・・・はぁ?人間風情が気軽に私の名前を呼ぶんじゃないわよ」———おーい・・・本性でちゃってますよ〜———「ていうかそもそもこれを裕介が見るわけじゃないんだし、一言とか必要ないじゃない」———・・・あー、エルさんが帰っちゃったので今回はこの辺で———『一言終了』
参照400突破したので先生から一言—————「こんにちは(キラッ)髪の毛がワイルドなほどに生えている雉田信之助デスッ(キラッ)」———うそはよくないと思います、先生———「う、うそじゃないもん!!ほんとだもん!!」———きもいんでやめてもらえますか?———「フン・・・キサマはどうやらこの私を怒らせてしまったようだな・・・喰らえ!!ハゲビーム!!」———えー、この先生相手にするのがめんどくさいので———『一言終了』
参照500突破したので西野から一言—————「始めてまして、西野です。鎖牙裕介の友達やってます。好きなことはゲームで趣味はゲームで将来結婚したいのはゲームで」———おいオタク。お前は自己紹介でなにいってやがんだよ———「今発言してきた人は無視してください。ゲームの中の登場人物の声ですので」———おいお前、作者にむかってそんなこといってっと登場させないぞ?———「では、ここらで俺がオススメするゲームを紹介し」———・・・どいつもこいつもまじめな挨拶ができないと私が失望したのでここらへんで———『一言終了』
参照600突破したので昌子から一言もらおうと思ったけどもうなんか前のやつらがとてもめんどくさい反応をしていたのでこの企画はなかったことに———「ちょ、ちょっと作者さん!!私にもやらせてくださいよぉ!!」———えー・・・だってどうせふざけるんでしょ?———「ふ、ふざけないです!!だからお願いします!!」———まぁそこまでいうならやらせてあげないでもないけど———「そうですか?ならもうあなたには用はないのでとっとと帰・・・」———はいはい、強制終了します—————『一言終了』
参照700突破したのでサブキャラクターみたいな感じになっている佐々木さんから一言—————「う、うぇ?わ・・・わたしですか?」———うん、おねがいね———「う・・・うう・・・あ、あの・・・こ、この物語は・・・ええと・・・あの・・・そのぅ」———緊張しなくていいよ〜、一言いってくれればそれでいいから———「え、あ・・・はい。え・・・と、この作品は、んと・・・」———む、無理しなくてもいいよ?———「ふぇ・・・お、お役に立てなくて申し訳ありません」—————というわけで、一番まともな挨拶をしてくれようとした佐々木さんに盛大な拍手を!!『一言終了』
もうすぐ一話終了だっていうことで、ここでひとつ、主人公に一言もらおうと思います、どうでしょう?こんどこそやってもらえますね?—————「よ・・・よし、今度こそはいけそうだ。ちゃんとやってやる」———そうこなくっちゃな、主人公さんよ———「うーん・・・若干作者がうざいけどまぁしょうがねぇ・・・やってやらんこともないぜ」———いいから黙って始めなさいこのヘタレ主人公———「あーあー!!わかったよくそっ・・・えーと・・・なになに?」———プッ・・・セリフも覚えられてなかったのかよこの子———「うぐっ・・・う・・・うるせぇこの駄作者!!ちょっとだまっとけ!!」———といわれて黙る私だとお思いですかな?———「・・・もしかして、最初のやつ根に持ってんのか?」———・・・———「ぷっ・・・器のちっちぇやろうだなぁ」———・・・えーと、では、次回から主人公はこのヘタレ男ではなく雉田先生に———「え?まじ?よっしゃああぁぁ!!この髪の毛がワイルドなほどに生えている雉田信之助様にすべておまかせあれええぇぇぇ!?」———「先生はだまってろ・・・!!」———「なんだと?このワイルドなほどに髪の毛・・・もといワイルドなほどに髪の毛が生えているこの雉田信之助様にただのヘタレのお前が勝てるとでも?ハーッハッハッハ!!」———「・・・ハゲ、育毛剤、つるつる、カツラ、テカテカ、抜け落ちる髪の毛、ワイルドほどになにもなかツルツル頭」———「うわああぁぁ!!ヘタレ男がいじめるううぅぅ!!」———「きしょいんだよこのくそやろう!!くっつくんじゃねぇ!!」———
・・・と、いうわけで、一話終了まじかの一言でしたー、また次回〜———「「っておいなにかってに終わらせてんだこのくそ作者!!」」———そういうところだけはそろうんですね、そしてきしょくが悪いですね、先生———「うわあああぁぁん!!」———というわけで、まぁ・・・最後ぐらいはお前に閉めさせてやるよ、ほら、最後に挨拶ぐらいしときなさい———「ぐっ・・・まぁいい、ていうか一言とかなにもいってないような気がするけど・・・ま・・・いいか。んじゃ、Erret Crimson〜紅蓮の契約者〜の一話を読んでくださりありがとうございました。引き続き、二話もこの駄作者が書いてくださるということなので、期待せず、むしろ作者を罵倒しながら待っていてください、んじゃ・・・というわけで」———一言終了。そして作者から一言
—————————まだエピローグが終わってないんだぜ——————————
最近かいてて思ったこと『別の小説に熱が入ってしまってなかなか進まない・・・』
山下愁様による、この作品の宣伝文です!!なんというかもう神ですね^^小説本編が宣伝文に劣っているという真実が———^^;
↓
————————
「僕は君を——守りたいんだ」
夕日が赤く染める空き地で、少年は少女に『力』を入れられた。
それは、彼女を守る為の能力——。
その日を境に、主人公・裕介の物語は始まった。
それから高校生になった裕介の日常は、至って普通だった。
幼なじみと登校し、
友達と馬鹿騒ぎを起こし、
普通に授業を受けると言うありふれた人生を送っていた。
人生の脇役を演じる裕介の前に現れたのは、
1人の転入生だった————。
そして、その転入生は、裕介が昔好きだったと言う女の子だった。
予測不能なファンタジー小説が、コメディライトにて活躍中!
裕介の未来はどうなってしまうのだろうか?!
Erret Crimson〜紅蓮の契約者〜
「この世界に空気が存在するように、光が存在するように、太陽が存在するように月が存在するように、『これ』も存在するの」
————————
>>6 登場人物紹介&オリキャラ素材
第一話 サブタイトル【邂逅】
プロローグ>>0
一章、始まりを運ぶ者 >>1 >>2 >>3 >>4 >>5 >>7 >>8
二章、再会の意味を知る者 >>8 >>9 >>10 >>11 >>13 >>18 >>23 >>25 >>26
三章、紅蓮の契約者 >>29 >>32 >>33 >>34 >>39 >>43 >>44
四章、幽霊屋敷の能力者 >>47 >>48 >>49 >>52 >>53 >>54 >>55 >>57
五章、孤高の翼をもつ者 >>58 >>59 >>60 >>61 >>62 >>63 >>64 >>71 >>74
六章、孤独の愛する者 >>75 >>76 >>77 >>78 >>79 >>80 >>83 >>84 >>85 >>86 >>87 >>88
七章、結社最初の襲撃者 >>89 >>92 >>94 >>95 >>96 >>97 >>98 >>99 >>100 >>103 >>104 >>105 >>106 >>107 >>109 >>115 >>116 >>120 >>121 >>122 >>123 >>124 >>125 >>126 >>127 >>132 >>172 >>176 >>177 >>180 >>182 >>183 >>184
エピローグ>>186 >>187 >>188
第二話 サブタイトル【解禁】
プロローグ>>199
参照800突破初企画始動 裕介、中学時代のバレンタイン >>133 >>134 >>135 >>136 >>137 >>138 >>140 >>147 >>148 >>149 >>155 >>158 >>162
>>165 >>166 >>167 企画END
魔法の詳細てきなもの>>142
秋原かざや様による小説紹介文>>185
作者自作イラスト(裕介) >>56 >>110 (エル) >>67 >>93 >>189 (リーナ) >>91 扉絵>>0
凡さまの神イラスト>>170
スペシャルサンクス(コメントをくれたお客様) >>67
では、そんなこんなで本編スタートです!!↓
プロローグ、涙とともに消える記憶
「この世界に空気が存在するように、光が存在するように、太陽が存在するように月が存在するように・・・『これ』も存在しているのよ」
なにもない。ただの空き地となってしまったこの場所で、一人の幼くも美しい、それでいて不気味な雰囲気をまとっている少女の声が響く。
夕日に照らされた少女の髪はオレンジ色に染まり・・・顔は、影にかくれて見えない。草が適当なサイズに切られているこの空き地には、もう一人の少年らしき人物がたっていた。
その少年らしき人物は少女の声に聞き入り、うんうんとうなずきながら、少女のほうをみつめている。その少年のほうは影になっておらず、六、七歳の男の子だということがわかる。とくにといった特徴の無い顔、少しだけ長い漆黒の髪、身長はその少女よりも少しだけ大きい。
少女は子供が無邪気に笑っているのとは程遠い、美しい笑みを浮かべながら、その少年のことを見ている。その少女の雰囲気には、まるで愛しい人をみているかのような空気がまとっているようにも思えた。
少年は早く続きが聞きたいのか、早く早く、と少女のことを急かす。少女はニッコリは笑った後、再び声をだす。
「『これ』は使える人には使える。たとえば、それが得意な人にとってはそれが簡単にできて、それが得意じゃない人はそれは簡単にできない。つまりそういうことなの。『これ』は、私のように使える人にとっては簡単に使えて、あなたのように、使えない人にはできないの。わかった?」
首をかしげながら少女は少年に聞く。少年はそんな少女の言葉にガッカリした雰囲気をだしていた。それを察した少女は、慌てて言葉をつけたした。
「あ、あ、でもね、あなたも使えるようになれる方法が一つだけあるよ」
それに少年は顔を上げる。その少女の顔を見ながら少年が感じたのは、疑問だけだった。まだ幼い少年の頭では、理解ができなかったのだ。
だが少女は、やはり愛しそうにその少年を見つめる。見つめながら顔をよせてきて、理解できていない少年の耳元でそっと・・・ささやく。
「そう・・・ひとつだけ。私の力をあなたに入れる。そうすれば、あなたは『これ』を使えるようになる」
「ほ、本当!?」
そのときはじめて少年は歓喜の声をあげた。だけど少女の言葉はまだ続いていて・・・
「でも・・・それをやったらあなたは、あなたの人生は・・・捻じ曲がる。私のような狂った化物しかいない、最悪の人生・・・違う、もう人生ともいえない道を進むことになる・・・それでも、いいの?」
さっきとは裏腹、少女の声には寂しさが宿っていた。それは自分に対する言葉でもあったかのように、少女は寂しそうに顔をゆがめる。
少年はそんな少女の顔を見るのが嫌いだった。少女とあって二ヶ月の間にこの表情を何度みたことだろうか、見るたびに、少年の頭の中にはひとつの言葉が浮かび上がる。————守りたい————と。
それは小さい子供の我が侭な感情なのかもしれない。でも少年は、自分のことなんかどうでもいいから、少女を守りたい・・・と、そう思うのだ。好きな人を———守りたいと、思うのだ。
だから少年は、すぐ近くにいる少女の腰に手を回し、思い切り抱き寄せてから、言うのだ。
「・・・僕は君を、———を守りたいんだ」
その言葉に少女は目を見開き、驚きの表情を見せる。今までに無かった反応に少年は笑いながら、もっと強く少女を抱き寄せる。その細くてしなやかな体を、抱き寄せる。
少女は少年の抱擁をうけいれながら、うれしさに笑顔を見せる。今までに自分に近づいてくる奴は大抵汚いやつばかりだった。『これ』を使おうと自分を利用したりする、汚いやつらだったり、この力を恐れた連中による、自分を殺そうとするものばかりだった。だけど、この少年からはそんな汚いものは見えない。あるのは、自分を守りたいという純粋な・・・気持ちだけ———
「じゃぁ・・・力をいれるよ?」
そう小さく少女が呟く。うれしさを押し殺したかのような声で、そうつぶやく少年はその少女の言葉に返す。
「どうやって?」
少女はやはり、愛しそうに少年の言葉を聞く。だけど、ちゃんと答えてあげないとだめだと思った少女は、少年の胸から少しだけはなれて、目をみて言う。
「簡単だよ〜。ただあなたの手にわたしの力を込めた手を重ねるの」
よくわからない、といった表情をみせた少年だが、一応少女から離れて、両手を前に突き出す。少女は少年の行動の速さに納得して、両手に力を込める。その瞬間、その小さく滑らかな手に黒い幾千の文字が生まれていく。その手を少年の手に重ねるようにして差し出した少女は、こう呟く。
「はい、これで私の力があなたのなかに入った。でも、最後の言葉を交わさないと、契約は完成しないの」
「契約?」
「そ、力を分け与えるための契約の儀式。その段階が今ので、言葉がこれから言わなければならないもの」
「えと・・・なにをいえばいいの?」
「ただ私のことを愛しているといえばいいの」
「え・・・」
「もしも愛していないもの同士が力を共有すると・・・その力は互いを拒絶して、暴走してしまうの・・・あ、あの・・・それで、あなたは私のこと、嫌い?」
「き、嫌いじゃ、ないよ」
「じゃぁ言ってよ、好きだって」
少年の顔が真っ赤に染まっていく。夕日に照らされている今でもわかるほどに、紅く染まっていく。それに少女は笑い、言葉を発する。
「私は、裕介のことが好きだよ」
おそらくその少女の顔は、真っ赤に染まっていたのだろう。わからないのは、影にかくれているからだ。
そして———、少年は言葉を発する。少女を愛しているといおうと、言葉を発しようとする。
そこで———————すべての物語は始まったのだ。ゆっくりと、着実に・・・鎖牙裕介の物語は、始まったのだ。
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- Re: Erret Crimson〜紅蓮の契約者〜 【本編再開】 ( No.181 )
- 日時: 2011/05/22 12:22
- 名前: 影闇の王 (ID: OkVLMN/u)
やばい・・・バトルの展開がなんというかおもしろすぎて続きが気になるwww
エルもかわいいし、裕介はかっこいいし・・・なんというか、もう最高です!!更新がんばってください!!
- Re: Erret Crimson〜紅蓮の契約者〜 【本編再開】 ( No.182 )
- 日時: 2011/05/22 22:57
- 名前: だいこん大魔法 (ID: OkVLMN/u)
グレンが再び後ろに跳躍する。今度はエルたちがいる方向ではないから焦る必要はない。次に左腕に走った衝撃・・・これは確実に、骨折していてもおかしくはないレベルだ。グレンが遠ざかったことから怖気はもうないが、いつ命が落ちるかわから無いこの状況にまだ自分の体は怯えきっている。最後に・・・体の中、左腕の毛穴からなにからから入り込んできたロンギヌスの氷の粒子———これは———今は放置だ。この戦いで、俺は左腕をもう使えない。負傷している状況で魔法を使うのは、いかなるベテランであっても相当な技術が必要になる。だから・・・俺には左腕で魔術を使うことは不可能だ、後で直せるが・・・その後があるかさえも、今の状況からだとわからない。
左腕をダランとさせて、俺はグレンのほうを見る。右腕に宿る炎を絶えさせることなく、それ以上に、使えなくなってしまった左腕をカバーするかのように、炎の力を増す。
「ロンギヌスは絶対零度の魔槍・・・お前、なぜ触れたのに凍てつかない?」
グレンは・・・それはもう、心底ありえないものを見るかのような目で俺のことを見ていた。
・・・そんなこと、俺に聞かれてもわからないっていうのが真実だ。だって俺、まだ魔術の世界にはいって全然時間たってないし、なによりも、おそらく本気をだしたであろうグレンの攻撃を食らって腕一本だけですんだってことが自分でも理解できないぐらいに驚いているぐらいだからな。
それを悟られないように・・・俺は、ニヤァと、口元を歪める。グレンがやっていたような、凶悪な笑顔を思い浮かべて、それを実行する。
今の俺の顔がどんなことになっているかは・・・想像ができないね。自分てきにはグレンのように凶悪な笑顔をうかばせていると思うのだが、違ったらそれまた大変な顔になっていることは間違いないだろう。
グレンは・・・そんな俺の心境を知らずに、俺のその顔を見て・・・チッ、と一度、舌打ちをする。
「・・・まぁいい、空気の残量とかでテメェをピンチにおいこますのも無理みてぇだし・・・【紅の魔術師】が動いていない今・・・テメェだけでも排除する!!」
・・・空気の残量で俺を殺すことが無理になった・・・というのは、おそらく、俺の【禁呪】の片割れであるアバロンの劫剣の炎が、グレンのロンギヌスの力による空気凍らしている力を溶かし始めたからなのだろう。たしかに、さっきから空気がおいしいと思っていたところだったんだ。
俺は気を緩めないようにグレンの行動を目で追う。グレンは、ロンギヌスをふりかぶり、俺の左側、つまり使えないほうの腕のほうに回り込むように走る。それを俺は目で追う・・・追う・・・追ってから——左手がつかえないから、無理矢理体をひねって劫剣をぶん回す。
そのタイミングで、丁度グレンもロンギヌスを俺にむかって横凪にふる。俺の劫剣とグレンのロンギヌスはその途中、相手にぶつかるまでの途中でぶつかり合い、鉄どうしがおもいきりぶつかったときになる音を鳴らして、弾かれる。
グレンは大きく横に仰け反るような形になり、俺も体をひねっていたので、変な方向に体をのけぞらせる。だけど、すぐに俺は体を無理な方向に捻じ曲げて、そのまま右手も同時にふる。それは空気薙ぎ、あまりの速さに鎌鼬をまきおこしながらグレンにむかってふられるが、すんでのところでかわされる。そして、その瞬間にできたすきをついてグレンが初めて突きを放つ。それを俺はもう捨てる覚悟を決めた左手を遠心力ででロンギヌスの前までもってきて、貫かせる。それによって、俺の左の掌から甲まで一気に貫かれて、日常では味わうことのなかった鋭く・・・重い痛みが俺の体全体に走るが・・・問題ない。俺は、その貫かれたままの左手を握り締め、ロンギヌスの先端部分を思い切りつかんで、グレンの動きを封じる。
「なに・・・っ!?」
その行動にグレンが驚きの声を上げる。今の出確実に左手はやっただろうと思ったのに、こんな行動にでるとは思っていなかったのだろう。
・・・その考えがあまいんだよ。いままでやってきたやつら・・・お前が戦ってきた相手がそうだったとしても、俺は違うんだよ。お前がどんなに強かろうとも、・・・俺は、・・・自分の初めて恋した少女、エルのことを傷つけようとするやつが前に立ちふさがったら・・・どんなことをしてでも、そいつのことを・・・止めてみせるんだ。どんなに俺が弱くても、どんなにせこいてをつかったとしても・・・たとえそれが、エルのことを傷つけるような行動であったとしても・・・傷一つつけさせたりは・・・しないんだよ!!それが、平凡で、脇役な俺ができる・・・唯一の行動なんだよ!!
「————はあああぁぁ!!」
俺は混信の力で、気合とともに右手をグレンにむかって、上段から振り下ろす。グレンは、ロンギヌスをおもいきり俺の左手からひきぬく。血は・・・凍りついていて、流れない。だから、引き抜かれたときにはあまり痛みはなかった。だから・・・俺の混信の一撃は速度を落すことなくグレンの脳天にふりかざされ———
- Re: Erret Crimson〜紅蓮の契約者〜 【本編再開】 ( No.183 )
- 日時: 2011/05/23 06:56
- 名前: だいこん大魔法 (ID: OkVLMN/u)
「ぬううううぅぅああぁぁ!!」
再びすんでのところで———グレンのロンギヌスが、劫剣と自身の頭の中間に、割り込んできた。
「・・・テメェごときが・・・俺のことを・・・殺せると思ってんじゃ・・・ねぇ!!」
わりこませただけでは終わらなかった。グレンは、ロンギヌスに力をこめて、俺の劫剣を侵蝕していく。グレンのロンギヌスの力と・・・氷翼の力。その二つがまざりあうと、一つの町を滅ぼしてしまうほどの実力がある。だから、グレンが力を暴走させたとき、俺のこの炎ではおさえつけることができないだろう。そして・・・今、俺の劫剣は、さっきまでグレンのロンギヌスの力に勝っていた炎は、侵蝕され始める。・・・ということはもう、グレンの力は———暴走寸前まで達していた。
「くぁっ・・・」
そして俺は、自身の生み出す炎、【禁呪】の片割れ・・・自分の力の片割れを蝕まれていくことによって、普通の生活では感じることのないような、ありえないような痛みに襲われる。その痛みは、氷の侵蝕とともにすすんでいき、やがて俺の体全体へと行き渡る。だがしかし、それだけではない。その痛みは氷の侵蝕によって次々と力をましていき・・・俺の体が、骨が———軋み始めた。
「そのまま・・・くだけちまいなぁ!!」
そうグレンがさけび、氷の勢いが一気に増す。その氷ははもう、俺の劫剣を完全に包み込み、俺の腕を這い始める。
俺の神経を伝い、俺の腕を形作るものすべてを侵蝕していく。その感覚に、俺は再び恐怖を覚える。このまま・・・俺は死んでしまうのか?
このまま俺は・・・誰かを残して消えてしまうのか?家族を、幼馴染を、友達を残して・・・消えてしまうのか?
怖い・・・怖い怖い。自分のことを、みんなが忘れてしまうことが怖い。自分自身が築き上げてきた、人間としてのつながりが、絶たれてし
まうのが怖い。そしてなによりも・・・自分自身という存在が、なくなってしまうということが———怖い。
・・・そう考えた瞬間に、俺の体はもう・・・凍り付いてしまったかのように・・・動かなくなってしまう。ロンギヌスの侵蝕に対抗する力が一気になくなり、侵蝕のスピードが速まっていく。俺の右腕全体はもう、ロンギヌスの氷によって侵蝕されつくした。だけども、抗うすべを失ってしまった俺は———ただそれを、見守ることしか出来なかった。
どんな人間でも・・・心のどこかでは、生を望んでいるはずだ。もちろん、俺だってそうだ。こんなところでは死にたくないし・・・なによりも、自分が消えてしまうことによって、築き上げた絆がくずれるのが、怖い。俺が死ぬことによって———誰かが———エルが、悲しむのが・・・すごく・・・すごく、つらい。
俺は決めたはずだ、自分の命がどうなろうと、エルを護るんだ、と。自分が囮になってでも、エルを護るんだ———と。そうすることによって、エルのこれからの道は開かれる。そう・・・エルの道を切り開くと決めたのに———俺は、こんなところで怯えて、なにもできずに・・・死んでいいのか?こんなところで、無様に、なにもできずに、踏み台になることもできずに———死んでいいのか?
そう思った瞬間に、俺の体に、再び炎が宿る。
「あ・・・ぐあぁっ・・・」
その間にも氷の侵蝕は進んでいく。俺の体は半分以上氷に侵蝕され、ついには口もとにまで氷の侵蝕が進む。それでも・・・それでも・・・俺は、エルの契約者だ。あの、魔術師の世界で名を轟かせる、最強の魔術師の契約者だ。そんな俺が・・・そんな、最強の魔術師の契約者が・・・主のためになにもできずに死ぬなんてのは———信じねぇ!!相手の力がなんだ、力の差がなんだ・・・っ!!そんなくだらないもので勝敗を支配できると思ってんじゃねぇ!!俺は紅蓮の契約者だ・・・!!紅の魔術師の契約者だ!!だから・・・こんなところで———なにもできないまま死ぬなんてのは・・・信じねぇ!!力の差がおおきければ、狂ってでも埋めればいい。相手がどんなに強かろうが、仲間の力を借りればいい。どんな手段を用いてでも———俺は・・・こんなところでは、やられなんかしない!!
「———・・・ぐ・・・がああぁぁ・・・うおおぉぉぉああぁぁ!!」
灼熱の炎が、俺の体を奮い立たせる。まだ氷に侵蝕されておらず、それでも使えなくなってしまっていた左手から、深紅の炎がうねりをあげながら暴れ狂う。その炎はロンギヌスの氷を引き裂き、溶かし、俺の体を束縛しているそれを、消しつくしていく。
「なんなんだ・・・お前、なんで俺のロンギヌスの呪縛がきかない・・・?どうなっているんだ・・・炎は氷よりも弱い・・・それが【禁呪】同士の場合は、圧倒的に氷のほうが強いはずなのに・・・なぜ・・・なぜお前にはきかない!?」
うまくいっていたはずなのに、突然俺が抗い始めたのを見て、グレンが怒りの色を露にさせる。だがそこには・・・今までグレンが見せなかった表情、恐怖が・・・宿っていた。
俺は、自身にはりつく氷を、溶かしつくす。そのまま、復活した劫剣を消し、ロンギヌスを素手でつかむ。当然、俺の手は再び侵蝕され始めるが、そのたびにその氷を左手から荒れ狂う炎が溶かしつくしていき、さらに———ロンギヌスの先端まで、溶かし始めた。
「・・・なぁ、【氷翼の魔術師】・・・」
「なんなんだよ・・・お前、ただの契約者が・・・たかが契約者が・・・魔法を扱えるようになったばっかりのごみ契約者ごときが・・・ロンギヌスの力に勝る・・・っ!?テメェはなんなんだよっ!?なんなんだよ化物おおおぉぉっ!!」
左手の炎が、右手にも宿り、その炎がロンギヌスを逆に蝕んでいく。今まで、圧倒的なまでの力を振るっていたはずのロンギヌスは・・・、見るも無残な姿にまで、溶かされ始める。
それに、グレンの表情が、恐怖だけに染まる。
化物・・・という言葉に、俺はフッ・・・と笑う。本当は、今だって俺は、【氷翼の魔術師】のことが怖い。ちょっと前まで、普通の、平凡な人間だった俺にとって、いきなりこんな強い奴と戦ったらそれはもうびびるに決まっている。だが・・・今俺がこう平気でいられるのは・・・単純なことだ。俺を動かしているもの、俺を、こっちの世界に移させる理由となったものを———護るという俺の信念が・・・それに、勝っただけのことなのだから。
だから、俺はいってやる。ロンギヌスを手放し、それはもう、本当にこの街ひとつくらい容易く吹き飛ばしてしまえるぐらいの魔力を翼から吹き荒らし始めたグレンにむかって俺は———
「忘れてないか?」
その瞬間———
「・・・あ?」
グレンの胸を、深紅の炎で作られた巨大な剣が———貫いていた。
その剣を投げた本人・・・、今まで離れた場所にいて、【禁呪】を用意していたその人、俺の愛しい人であり・・・俺が、この世界に移った理由になる人。そして———俺が、護りたいと誓った———エルシャロン・ユアハーツその人が、にっこりと笑って———
「I fundi Glen kreu Yuri【終わりよ、グレン・ユーリッド】」
閉ざされた空間———結界が、グレンが作り上げた結界が———崩れ去る音とともに、俺はその声を聞いたのだった。
- Re: Erret Crimson〜紅蓮の契約者〜 【本編再開】 ( No.184 )
- 日時: 2011/05/24 21:53
- 名前: だいこん大魔法 (ID: OkVLMN/u)
・・・場所は移る。
【氷翼の魔術師】の胸に、【紅の魔術師】のなげた【禁呪】の剣・・・『ブリューナク』が貫くのを、屋上の給水タンクの裏側から———、こっそりと伺う影が三つあった。
それは、魔術でコーティングされたコートをきていて、気配を消す効果をもっていた。当然のように、裕介たちが気がつくはずもなく、この戦いを、最初から最後までずっと見ていた。
コートをきた三人組のなかにいた一人が、顔をおおいかくすほどにふかぶかとかぶっていたフードをはずし、はぁ、とひとつ、ため息をこぼす。それは、【氷翼の魔術師】に対する嘲笑がまざったようなため息で、当然のように・・・そのフードをはずした・・・女の口元は、少し笑っていた。
「結局のところ、【氷翼の魔術師】もたいしたことないんやなぁ?」
それは、少し方言がはいったようなしゃべり方だった。だがその声には、あきらかな嘲笑がふくまれていて、むしろ、【氷翼の魔術師】が負けたことに対して喜んでいるようでもあった。
「ちょっと期待はずれでもあるんやけどなぁ・・・ま、あれがあいつの実力っちゅーことやな」
「・・・【氷翼の魔術師】は、自分より強いやつを捜し求めすぎたせいで、ろくに仕事もしてなかったからなぁ?まぁ弱くなっちまっていてもしょうがないだろうが・・・あほらしい。強いやつを捜し求めるんだったら最初から【紅の魔術師】にターゲットをしぼればよかったのになぁ?」
「まぁそんなこといわな、格の下がった、出来損ないの強者の末路でもみとこうや、なぁ?【好戦的な日陰】」
「わざわざ負けるために努力をしてきた雑魚の末路なんてみたくもないね・・・それより、あのなかに【幻影虫】がいやがるな・・・、なぁ、今すぐ俺たちであいつらを潰さないか?十二分に戦力は足りているはずだからよ」
そういいながら、もう一人がフードを外す。その外見はまだ幼く、十二歳から十四歳、といったぐらいに幼い男の子が、瞳を歪な紫色に染め上げ、手から漆黒・・・人間の影よりも、闇よりも、なによりも暗い———影を、手に宿し始める。それを、女はみて・・・
「あんたのいいたいことはよぉくわかる。だけどな、ここでウチらが動いたらちょいとお偉いさん方が怒るんでな、ちょいと抑えてくれへんか?」
完全におちゃらけた口調だが、【好戦的な日陰】といわれた少年は、その重大さがわかっているからこそ、手に宿し始めていた影をひっこめる。今は手を出すべきときではない。だけどもいずれくるで有ろうそのときにそなえるためにも・・・少年は、影をひっこめた。
「・・・そうですね、ここは手を出すべき時ではありません、鈴茶様のいうとおり、一旦ひきましょう」
そして、最後にフードをはずした、まだ十五歳ぐらいの少女が、そういう。二人に攻められては、流石に少年はもうなにも抵抗ができないのか・・・
「そう・・・ですね、では、【氷翼の魔術師】の敗北の件を上に報告してから出直してきましょう」
と、突然口調をかえ、歪な紫色の瞳を普通の黒の瞳に戻し、身を翻しながら崩れ逝く結界にむかってジャンプする。それに、最後にフードをはずした少女が続き・・・、最後に、鈴茶と呼ばれた少女が・・・
「鎖牙裕介・・・【紅蓮の契約者】、か。これはまた・・・【壊れてしまった裏切り者】並に厄介なやつがでてきたもんやなぁ」
と一言つぶやき、少年たちのあとに続くのだった。
- Re: Erret Crimson〜紅蓮の契約者〜 【七章終 】 ( No.185 )
- 日時: 2011/06/04 18:30
- 名前: だいこん大魔法 (ID: OkVLMN/u)
秋原かざやさまによる小説紹介文^^
もうこの紹介文は神としかいいようがないwwwwwwwwwwww
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「この世界に空気が存在するように、
光が存在するように、
太陽が存在するように月が存在するように……
『これ』も存在しているのよ」
はじまりは、一人の少女との出会い。
黄昏色に染まる空き地で、それは起きた。
いや、起きてしまった。
「……僕は君を……守りたいんだ」
そこから鎖牙裕介の運命が大きく反転する。
突然、裕介の学校に転校してきた赤毛の謎の少女。
「お前は……エル……いや違う。エルシャロン・ユアハーツ……なのか?」
「うそ……あなた……あなたが……裕介、なの?」
過去の幼き記憶が呼び起こす再会。
しかし、それは、新たな火種を生むものであった。
「こんにちはっ、『同じ力』をもつ『契約者』さん。今日はあなたを———」
金髪の少女、ルミは微笑んだ。幼くも美しい、エルと同じ紅色の瞳には、狂気を宿して。
「お友達にしにきたの」
「深紅の炎のガントレット……ああ、やっぱりあなたが≪紅蓮の契約者≫だったのね」
黒いロリータ風の服を身に纏った少女が声をかける。
「……そういうお前は【孤独の人形師】、か」
「さぁ笑おうぜぇ!! この史上最悪のショウタイムを歓迎して、笑え!! 紅の炎と氷結の翼のデスゲームを———楽しもうぜ?」
屋上にあるタンクの上に立っていたのは、悲しい氷の色をした長髪の、サングラスをかけた男。
「……お前が———【氷翼の魔術師】か?」
次々と襲い掛かる魔術師達。
追い込まれる裕介とエル。
「う、嘘、【誘惑の籠】が破られた……? しかも【絶炎の怪鳥】をたった一発の攻撃で打ち消した……? あなた、何者なの!?」
「さあ踊ろう。一緒に踊ろう……Te filloje nje top te nje populli te vetmuar i vetmuar i vetmuar? 『寂しい寂しい一人と独りの舞踏会を始めよう?』」
「Tete e dragoit purpur ju, cfare do te ngrenit e mia i ndjekin femijet tane te kundershtoje『紅蓮の八大大蛇よ、子を従え我に刃向かうものを喰らい尽くせ』」
しかし、強大な敵を前に、裕介は……逃亡!?
激しい戦いの行く先は……!?
ハードなアクション戦闘に、甘酸っぱいラブエッセンスが加わった、魔術師と契約者が織り成すシリアスストーリー。
【Erret Crimson〜紅蓮の契約者〜】
この、ハイスピード詠唱バトルに、君は追いつけるか!?
現在、コメディ・ライトスレッドにて、大好評連載中!
「裕介———さようなら———そして、私に生きる意味を教えてくれて———ありがとね」
「この際そんなこと関係ねぇ……『アスカロン』!! 邪なる『ロンギヌス』を———焼き尽くせ!!」
その手の白き炎は、愛する者を守るため、放たれる!!
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