コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- ギルドカフェ 〜Dolce Del Canard〜
- 日時: 2012/07/10 23:37
- 名前: 緑野 柊 ◆5Qaxc6DuBU (ID: DnOynx61)
ついについについに来ました!
どるさんとの合作!
このお話はどるさんのキャラクタ—設定を元に、私緑野が文章を作らせてもらってファンタジーギャグ(シリアスもたまに)のお話です!
今までの作品を見てきた方たちは少し驚くくらい作風が変わりましたが、みなさん楽しんでくださいね!あ、お話を。
それではどるさんと読者さんに感謝しながら、
このお話を書き進めていきたいと思います!
そして出来れば感想が欲しいです!待ってるよー!!
ここからギルドカフェ 〜Dolce Del Canard〜の世界に……
↓レッツゴー!!!(^O^)/
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- Re: ギルドカフェ 〜Dolce Del Canard〜 ( No.16 )
- 日時: 2012/07/20 20:07
- 名前: 緑野 柊 ◆5Qaxc6DuBU (ID: DnOynx61)
*
その瞬間、さぁーっと血の気が引いて行くのが自分でも分かった。
目の前で無邪気に笑うプレッツェル。心が痛かった。
でも言わなくちゃ……。もう、間に合わないけど。
「えっ〜と、大変申し訳にくい事なんですが。私は……そのぅ」
プレッツェルは言いたい事があるならハッキリ言えと、不服そうにしている。
うぅ〜出来るなら私だってそうしたいよ……。
心の中でそっとそう叫んだ。
でもその通り。言わなくちゃ早く言わないと、時が刻刻と過ぎるにつれ取り返しがつかない大事になってしまうかもしれない。
「……実は私は貴方が思っているようなお偉いさんじゃないの!」
いえ〜い。勢いでぶっちゃけちゃいました☆(テヘぺロ)
あーあ、やっぱり呆然と大口を開けているプレッツェル。
その姿はまるで意味が分からないと体全身で表現しているみただった。
まあそうなんだろうけど。意味が分からないんだろうけど。これは私も本当に申し訳なかった。
「……どうゆうことだ?」
一気にその声色はさっきのものとはうって違う。冷たいものに変わる。
うっ!
びくっと私は怯えて肩を震わせるが、そんなものお構いなしにプレッツェルは顔を寄せてくる。
「ど・う・ゆ・う・こ・と・だ!?」
わざわざ言葉と言葉の間を区切って、さらに大きな声を上げる。
ひぃっ!
これは絶対怒ってるよ!どうしよう、どうしよう、どうしよう……。
それこそ漫画で表現するなら目を渦巻きのようにぐるぐる回して。
私の頭は恐怖とどうしようも出来ないという焦り、不安、申し訳なさで。パニック寸前だった。
「ごっ、ごごごめんなさいっ!」
私はただ謝る事しか出来なかった。
「うっそだろぉー!?」
耳元で劈くプレッツェルの悲鳴。
「本当ごめんっごめんっごめんね!」
こればかりは謝るしか出来ない。もう過ぎてしまった事なのだから。
プレッツェルは時計を確認する。
午後九時五分を指していた。
「……クソッ。まだ間に合うか!?」
私を責めるでもなく。そう呟くと私を押しのけもうスピードで階段を駆け降りる。
「プレッツェル!?」
「まだ間に合うかもしれねぇ!オレちょっと行って来る!」
階段下から焦った声が聞こえ。乱暴閉じられたドアの音が続けて聞こえてきた。
大慌てで出て行ったのだろう。
しかし私は彼を止める資格はない。彼が、まあ、勘違いしてしまったのは己の責任だが、こんな遅い時間に城まで全力疾走しなくてはいけなくなったのはここまでその事実を話していなかった私の責任でもある。
ティラミスだけは心配そうに窓からプレッツェルの後ろ姿を見送っていた。
ノエルはため息を吐いて、もう冷めてしまった紅茶を飲みほした。
「……ミル。取りあえずお前ももう帰レ」
「え……」
「そうねですぇ。もう夜も深いですし。お家の方が心配されているんじゃないかしらぁ?」
「いえそれはないですよ。私は上京してきた身ですし」
ティラミスは少し意外そうに「あら」と声を上げた。
「そうなのぉ。大変ねぇ」
こうやって話しているとさっき剣先を向けてきたのは別人じゃないかと疑いたくなる。
でも私やプレッツェルの事を心配してくれているのであれば、心の芯から冷たい人物なのではないのだろう。
でも、剣を突き付けられたのはさすがに驚いたけど……。
「なら宿まで私が送って行きましょうかぁ?」
「え……でも」
私はティラミスの体をじろじろと見る。白い肌に細い腕。どちらかというと用心棒をする役より用心棒をされる役のほうがお似合いな気がする。
「こんなか弱そうな人がどうしてって顔してるわねぇ」
ティラミスは別に怒る訳ではなく。やんわりとした口調でそう言った。
「あ……いえ、別に」
丁度ピンポイントに私の心の声と同じ事を言われ、ぎくりとする。
何とか誤魔化そうとするが、この人には叶わなかった。
「顔にそう書いてあるわよぉ」
ふふふっとまた笑われてしまった。
……なんか可愛い人だなぁ。
今日はなんだかマフィンちゃんといい可愛らしい人によく会う。あ、そのなかにはもちろんノエル先生も入っていますよ。
「でも、私止まる宿とか決めてなくて……」
そういえばと私は気が付く。
どうしてこうゆう大事な事を後回しにするかな。私の馬鹿!
今日で一番最大なため息を吐く。
……ああ、ホントどうしよう。
そんな私に気を利かせてくれたこのお二人は、本当お優しい。
「じゃあ良い宿を紹介するわぁ。値段もそこまで高くないし」
「本当ですか!?ホントいろいろとご迷惑をおかけしてすみません……」
さていくらぐらい私の財布にはお金があるかと、バックから取り出そうとすると。
「……バックがない」
一番大事な事に気が付いた。
「「え」」
お二人が目を丸くして、私の顔を見つめた。
「……どこでしょうね。えへへへへへへ……」
もう頭が真っ白になって、馬鹿みたいな笑いをする。……えぇ、そうですよ、私はどうせ馬鹿なんですよ。
でもまあ、取りあえず。すみません。今日はどんなに格安の宿でも泊まれそうにないです。
- Re: ギルドカフェ 〜Dolce Del Canard〜 ( No.17 )
- 日時: 2012/07/20 20:09
- 名前: 緑野 柊 ◆5Qaxc6DuBU (ID: DnOynx61)
*
そして此処にも馬鹿が一人。自分の失態を永遠と責め続けていた。
馬鹿か馬鹿か馬鹿か……!オレはどうして勘違いにずっと気が付かなかった!
思えば髪も服装も雰囲気も庶民的だったじゃないか!いや、もしかするとそれ以下かも……(それは失礼です)
自分が昔から早とちりで馬鹿な事は知っていた。けどまさかここまで馬鹿だとは。
我ながら呆れる。
流れる汗も重い足ももうお構い内にがむしゃらでこの砂利道を駆け抜ける。
喉がカラカラだった。
でもそんなのに構ってる暇などない。
今は何時だろう。あの家から走り出てもう何時間がたった?いやまだ何分の方が気が楽になれるというものだ。
「……お願いだから、間にあってくれよ!」
そう小さく吐き捨て、少年は走り続ける。歩みを止めたりなどせずに。
「仕方ないですねぇ。今日は家に泊まるしかぁ……」
ティラミスは困った様子で少し首を傾げる。
その仕草が言葉がまた私の心に刺さる。
「すみません……私が馬鹿したために」
「いえいいんですよぉ?私は別に、ただミルちゃんのバックがどこにあるのかは気になりますがぁ」
ごもっとも。
「そうですね。一体どこに置いて来てしまったのでしょう?」
まあ、別に考えなくてもどこにあるのかは大体見当が付くんですけどね。
場所は変わりカフェ「Dolce Del Canard」
「アイツは……馬鹿なのか?」
「お姉ちゃん。まあまぁ、失敗は成功のもとってね」
「これは成功も何もない。ただのドジだと思うが」
「……そうだね」
ちゃんとミルクレープのカバンは「Dolce Del Canard」のカウンター席にきちんとご丁寧に置かれていましたとさ☆ ←昔話風
- Re: ギルドカフェ 〜Dolce Del Canard〜 ( No.18 )
- 日時: 2012/07/20 21:02
- 名前: 緑野 柊 ◆5Qaxc6DuBU (ID: DnOynx61)
まあマフィンちゃんもこれには苦笑をするしかなく。シフォンも呆れ顔……というかもはや蔑んでそう言っていた……らしいのですが。私はその場に居なかったので無論真実は分からない。
って駄目だよね。やっぱり。うん。私の不注意だよね。コレ。
「はぁ〜」
今日は幾らため息を吐いただろう。
運がないというよりも、自分の不注意が招いた結果がコレ。
もっと気を引きしめなくちゃ駄目だなぁ。私。
「そんな暗い顔をしないでぇ、今日はこんなに悪い事があったんだから明日は良い事だらですよぉきっと」
「……ティラミスさん」
なんて優しい人!こんなにヘマばっかりの私を慰めてくれるなんて。
目の前のティラミスさんがもう弥勒菩薩に見えてきました。いや、聖母マリアか……?
ああ、もう背後から神々しい光を出して……ってそれは幻覚か。
もう泣きたい、泣いてしまいたい。泣いていいですか?
「ありがとうございますぅ……」
もう泣きたいとかそうゆうことを言う以前に、何時の間にか私はぽろぽろと涙を流していた。
「どっどうしたのぉ!?ミルちゃん!?」
突然泣き出した私の顔をティラミスはおろおろと覗き込む。
「本当すみません……私馬鹿で……ここまで迷惑をおかけしてしまって」
ティラミスの動きが止まる。少し考えているような間があった。
そして優しい頬笑みで、
「別に迷惑だなんて思っていないわよぉ。わたしが好きでやってる事だから心配しないで?」
じーんと胸に何か暖かいものが広がった。
ティラミスさん……。
しかしそんな感動をぶち壊すかのようにティラミスは黒い笑顔を浮かべこう付け加える。
「まぁ、せんせぇに手出ししたら容赦しないけどね?」
ひぃっ!
その一言が、最後の一言が無ければ感動すべきワンシーンになったのに!
「だっ大丈夫ですよ。私もそこら辺はちゃんとわきまえてるんで」
「あらそう?良かったわぁ。ミルちゃんが良い子で」
良い子と言うかこの年でそんな大胆的行動する人少ないと思いますよ。あとそれと、私小人は対象外なんで。とは言えない。
相変わらずティラミスはやんわりとした笑顔で、恐ろしい事を口にした。
「コレを使わないみたいで良かったわぁ」
そしてティラミスが手に持つのは、剣。すなわち『コレ』とは剣を指すということで……。
そんな重装備で!?
て言うかそんなに信用されてない事に傷つく。
「うふふっ!大丈夫よぉ別に信用してない訳じゃないですからぁ」
そしてまた私の心を読むぅ!
なんかもういっそ殺してって感じ……。
(※でもここで主人公が死んでしまうといろいろと事情がありますので……(略 )
そして煌めく刃。
これで自分の肉が切り裂かれていくところを想像して……気分が悪くなってしまった。
もう止めだ。考えるのを止めよう。頭が痛くなる。
まあ自分の死ぬ姿をそうそう想像するものでもないし、夜も深いため今日は明日に備えて寝ることにした。
いや、別にティラミスさんからの恐怖から逃げたい訳じゃなく……。
しかしそう上手くも行かないもので。何故か私は永遠と恐怖の子守唄を聞かされる羽目になってしまい。
ご想像の通り、そうです、寝不足なんです。
その子守唄をうたっている人は、そうティラミスさんしかいない訳なんですが……。
その歌詞がこちら
↓
せんせぇは可愛い
せんせぇはかっこいい
わたしのプリンスぅ
だからせんせぇに近づく虫ははらわないとねぇ
剣で一突き、内臓はぐしゃぐしゃに〜
ピーでピーにしましょうね〜
ひぃふぅみぃあらあら一つ足りないわぁ〜
どこかしら目を凝らすと〜暗闇の中で血走った瞳が見ていたわ〜
そこにあったのね彼女の頭部は〜
ピーはピーでピーだからぁ〜
せんせぇは私が守るのよぉ〜
……この繰り返し。
昨日は恐怖で一晩中震えている有様。
あ、ちなみにピーの所は表現がグロすぎて表記できないの。ごめんね。
話は変わり、頭部が転がってるってなにしたのよ……。
と、つっこむ所はつっこめた昨日の自分が凄いと思う。
もう昨日は本当に怖かった。危うく失禁するところだった。
まぁ、そこら辺は御年頃なのでわきまえているけどね。
そして朝が来ました。
結局一睡も出来なかった私に直射日光はちょっと辛い。
絶対にクマの出来ている目元を擦り、伸びをする。
「……駄目だ。ぜっぜんスッキリしない」
むしろどんより?
「……はぁ〜」
起きてすぐのため息。
駄目だな。昨日ティラミスが言っていた通り、今日はきっと良い事がたくさんあると信じて、前向きに生きなくちゃ。
あ、そういえば昨日と言えば……。
「プレッツェルはどうしたんだろう」
- Re: ギルドカフェ 〜Dolce Del Canard〜 ( No.19 )
- 日時: 2012/07/25 20:49
- 名前: 匿名 (ID: IAQru7qe)
バックの存在は忘れてはいけませんw
ミルちゃん天然ですね〜
ということで(どういうことで?)またまた来させていただきました、美璃夜です!
どんどん話が進んでて展開もうまいし面白いし…
一票入れさせていただきました☆
これからも頑張ってくださいね^^
- Re: ギルドカフェ 〜Dolce Del Canard〜 ( No.20 )
- 日時: 2012/07/25 19:41
- 名前: 緑野 柊 ◆5Qaxc6DuBU (ID: DnOynx61)
美璃夜さん返事を返すのが遅くなってしまい申し訳ありませんでした!
嬉しいです票を入れてくださるとは……感謝感激ですね!
そして、更新するのがまたストップしてしまうかもしれませんが
見捨てないでくださいね?
有難うございました!!!!
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