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ギルドカフェ 〜Dolce Del Canard〜
日時: 2012/07/10 23:37
名前: 緑野 柊  ◆5Qaxc6DuBU (ID: DnOynx61)

 ついについについに来ました! 

 どるさんとの合作!

 このお話はどるさんのキャラクタ—設定を元に、私緑野が文章を作らせてもらってファンタジーギャグ(シリアスもたまに)のお話です!


 今までの作品を見てきた方たちは少し驚くくらい作風が変わりましたが、みなさん楽しんでくださいね!あ、お話を。


 それではどるさんと読者さんに感謝しながら、

 このお話を書き進めていきたいと思います!
 
 そして出来れば感想が欲しいです!待ってるよー!!

  ここからギルドカフェ 〜Dolce Del Canard〜の世界に……
 ↓レッツゴー!!!(^O^)/

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Re: ギルドカフェ 〜Dolce Del Canard〜 ( No.1 )
日時: 2012/07/10 23:46
名前: 緑野 柊  ◆5Qaxc6DuBU (ID: DnOynx61)

登場人物


ミルクレープ
本作の主人公!
年齢:16歳
性別:女性
職業:果樹園(の娘)⇒「Dolce Del Canard」ギルド員(魔法使い)
出身地:クーヴェルテイル(離島)
現住所:カナード
勉強が嫌いで果物を見分けるのが得意だが、名前は分からない。
魔法使いになりたくてカナードへ上京(ついでに家が貧乏なので何とかならないかと思って)。



ブッシュ・ド・ノエル
年齢:28歳
性別:男性
職業:医者・学者
出身地:キャメル(南部)
現住所:カナード
普段は冷静、温厚だが、負けず嫌い、やや自信家。世話焼き
種族:ルクミー族(大人になっても子どもの様に小さい、毛が生えて尖がった耳と尻尾が生えている。魔法は使えない)
魔法学校へ入学し飛び級でどんどんと学年を上げ、最年少主席で卒業。
しかし、ノエルの種族(ルクミー)は魔法を使うことができない。
知識だけしかないため、魔法使いをあきらめて、副科の医学で医者になった。
ミルクレープとは師弟関係。
実は魔法が……!?


プレッツェル
年齢:17歳
性別:男性
職業:鍛冶屋(の息子)⇒兵士⇒「Dolce Del Canard」ギルド員
出身地:グランマイル
現住所:グランマイル
剣士に憧れ、王国の兵士試験(年に4回行われる)を受けるが、
筆記試験で11回も落とされ続ける、12回目でようやくギリギリ合格し、
実技試験では最優秀で合格。
種族:アモンド族元気で真面目、だが早とちり、忘れ物が多い。おバカ

とりあえず今はこんな感じで、のちほど増やしていきますので。はい。

Re: ギルドカフェ 〜Dolce Del Canard〜 ( No.2 )
日時: 2012/07/10 23:49
名前: 緑野 柊  ◆5Qaxc6DuBU (ID: DnOynx61)

              第一魔法

            勘違いと出会いと

「ミルクレープ!」
 ここは緑あふれるクーヴェルテイル。都心から離れている離島だ。
「はーい」
「なぁに?」とミルクレープと呼ばれた少女は振り返る。
「お前本当に行くきかい?」
 その質問にむっと頬を膨らませた。
「行くの行くって言ったら行くの!」
 と足をじたばたと動かした。
 その様子をみてお婆ちゃんはやれやれとため息を吐く。
「分かったわ。……まったく貴女は昔っから言いだしたら聞かないんだもの」
 ぶうとミルクレープは相変わらずむくれたまま。
 少し困ったような優しい表情をしてお婆ちゃんは笑う。
「……気を付けて行ってらっしゃいね」
 その途端少女の瞳は輝き出し、可愛らしい笑顔を浮かべた。
「……うんっ!」
 元気よく少しの衣服とお気に入りのお人形、少しの所持金をつめこんだショルダーバックを肩から提げた。
「行ってきます!」
 少女はスカートをひるがえし、まるで風と競争をしているかのように軽やかな足取りでこの地を去って行く。
 その後ろ姿を見つめながらお婆ちゃんは少し寂しそうに、
「……そう、あの子もう十六歳なのね」
 と呟いた。
 そう私ももう十六歳。それなら幼い頃から決めていたことを実行するまで!
 目的地はガナ—ド。私が昔から憧れていた大都市だ。
「よお。ミルちゃん御出掛かい?」
 突然声をかけられ、その方向に眼をやると、
「おじいちゃんこんにちは!」
 優しそうにいつも目を細めて、声をかけてくれる小父さん。
 ミルクレープは足を止め、小父さんの方向へ体を向ける。
「うん!ガナ—ドにね!」
 小父さんは「おや」と驚いたように細い眼を見開き、やがてまたいつもの笑顔を浮かべると、
「ならこれ持ってきな」
 と何かを放り投げた。
 私はそれを危うく落っことしそうになりながら、なんとかキャッチする。
 ほっと胸をなで下ろして、手を開くと、見事に熟れたおいしそうなリンゴがあった。
「うわぁー」と感嘆の声を漏らすと、小父さんは自慢げにによによと笑っていた。
「今朝とれたばかりで新鮮だ。持っていき」
「良いの?ホントに?良いの?」
 らんらんとした瞳をして小父さんに問いただすと、小父さんは目をパチクリとさせた後大きく頷いた。
「うわぁ。ありがとう!船の中で食べるね!」
 と言うと、少し意地悪げに、
「船酔いするなよ」
 と帰って来た。
「しないもん!」
 ふいとそっぽを向くと丁度、
 ブォォォォォォォ
 と腹の底で轟く低い汽笛の音色が聞こえた。
 ミルクレープは慌てて、
「ヤバイッ船が出ちゃう!小父さんじゃあまたね!」
 早口でそう告げ、身をひるがえし走り去って行った。
 横目小で父さんが「気をつけてなー!」と手をぶんぶんと振っている姿をちらりと見ると、ミルクレープはにっと笑い。
 地面を踏み締めまた走った。
 それから今にも出発しそうな船を大声で呼び止めて、なんとか乗り込む。
 私を乗せてすぐ船は出発した。
 本当にギリギリだったんだな、と少し苦笑い。
 そしてどれくらい立ったのだろう。もう島も見えなくなっただろうか?
 そう思い木製の扉を開け外に出ると。
「うわぁー!」
 一面真っ青な海、海!スカイブルー!
 カモメはあおい空を飛び、まるで青のなかにポツンと白い丸を描いたようだった。
 潮風に髪を揺らして、おじちゃんにもらったリンゴに眼を落とす。
 齧ろうと口元にそれを持っていくが、ふと考えを改め止めた。
「……あとでいっか」
 そしてリンゴを清潔なハンカチで包み、カバンの中にそっと入れる。
 あともうすることはない。ぼうっとこの景色に眼を向けるくらい。
 そして私はふと本当に島を離れてしまった事を、改めて実感した。
 もうしばらく温かい人達、お婆ちゃんにも会えないと思うと涙が溢れそうになった。
 しかしミルクレープはぐっと下唇を噛みしめ、目元をごしごしと擦ると、顔を上げニッと笑った。
 何をメソメソすることがあるの。ミルクレープ。やっと憧れのガナ—ドに行けるのよ。喜ばないと!
 デッキの柵に頬杖をつき、ただただ広い青く澄んだ海を見つめる。
 ……待っててね。お婆ちゃん。私絶対に……魔法使いになって帰ってくるから!
               *

Re: ギルドカフェ 〜Dolce Del Canard〜 ( No.3 )
日時: 2012/07/11 00:16
名前: 美璃夜 (ID: E0cJIekf)

初めまして!
リク板でどるさんと緑野さんの会話をかげから見ていましたみりやと申します
設定やキャラクターの性格なども面白くて、ついつい引き込まれます
続き期待してますね!

Re: ギルドカフェ 〜Dolce Del Canard〜 ( No.4 )
日時: 2012/07/11 17:49
名前: 緑野 柊  ◆5Qaxc6DuBU (ID: DnOynx61)

美璃夜さんコメントありがとうございます!

うわー!そう言ってもらうとありがたいです!

もう涙が……!

 はいこれからもなるべく皆さんに笑ってもらえるようなギャグ(シリアスもたまに)がんばります!

もちろん話の構成もがんばります!

これからも宜しくお願いします!

(びっくりマークだらけでごめんなさい)

Re: ギルドカフェ 〜Dolce Del Canard〜 ( No.5 )
日時: 2012/07/11 17:51
名前: 緑野 柊  ◆5Qaxc6DuBU (ID: DnOynx61)

               *

 そしてその頃、ガナ—ドでは。
「……プレッツェル。前へ」
「はっ!」
 この日王国の兵士試験に受かった者達が、城に集められ国王から直々に剣や軍服などが与えられる授与儀式行われたのだ。
 どうしよう緊張する……。
 国王の前で変な声とか出たらどうしよう……と顔を上げるとそこには、髭もじゃの顔の男性。
 もう比喩とかそうゆう事ではなく。本当に毛だらけなのだ、でている顔のパーツと言ったら鼻ぐらい。
 ぽかんと口を開けたまま思わず国王を見つめていると、
「プレッツェル?」
 と声をかけられ我に返る。
「あっ、はい!」
 震える手を差し出して、国王直々に軍服と剣が今自分の手のひらに置かれる。
 それは思ったより軽くて、でも手の中にはハッキリとした感触が伝わり、「ああ本当に兵士になれたんだ」という幸福感が胸にじんわりと広がった。
 兵士試験に不合格だったその回数は十一回。ホント長い道のりだった……。
 でもこれで俺もうやっと、念願の兵士になれたんだ—!
 一人の若者は夢を叶え、その幸福感と満足感を噛みしめるかのように思わず顔がにやけてしまっているのであった。

 それにしても……長い道のりだった。
 まだ足許がフラフラする……。
 まあ実際船に乗っていたのはほんの三、四時間くらいだったのだが、船酔いの吐き気で十三時間ぐらいは地獄を体験していたかのように思われる。
「うえー……」
 それでも憧れのガナ—ド生活。しかも一日目で吐いてたまるか!と吐き気をなんとか飲み込む。
「まさか自分が本当に酔うとは……」
 思いもしなかった。
 港に付いたらそっこう魔法を使える人を探そうと思ってたのに……。
「うぅ……気分が……」
 頭痛のする額を少しでも和らげようと、揉んでいると、急に声をかけられた。
「大丈夫か?……あぁ、違う。ですか?」
 なんとも不思議なことばだ。
 私が「へ?」と顔を上げると、真新しい軍服を着た青年がそこには立っていた。
「どちら様……?」 
 とまだ顔色がわるいであろうが、困ったような笑みを浮かべ尋ねると、
「はっ。オレ……いや私は今日兵士に任命されました。プレッツェルという者です!」
 ……は?
 当然ミルクレープは唖然とした表情を浮かべる。
 目をぱちくりとさせていると、
「まだ自分。分からない事ばかりで力不足だとは思いますが。よろしくお願いします!」
 そう深々と頭を下げられた。
 ……え?え?え?えええええええええええええええええ!?
 頬をひきつかせているミルクレープに気が付いているのかいないのか、プレッツェルと名乗った青年は顔を上げると、気合いの入った表情で笑った。
 その勢いの良さに押され、つい私は。
「……はい」
 と言ってしまったのだ。
 彼が本当に嬉しそうに瞳を輝かせたのが、今でも忘れられない。

 そしてこれがどうゆうことか言うと、事の発端は。
「今日ベアルネーズ港に隣国のお偉いさんが来るんだ。プレッツェルその方が来る港まで行って、ついでに、この町を案内してはくれないか?」
 との王様の命令であった。
 初めての王様直々の命令……。
 これは絶対に成功しなくては!
 そしてオレは威勢よくこう返事をしたのだ。
「はっ!」

 それでそのお偉いさんの特徴はと言うと、橙色っぽい金髪の長髪。髪質はさらっさらのストレート。
 ……だから私が王様の友人と勘違いした……と。
 すごく。すごく申し訳ないんだけど。私はただの田舎娘であって。王族とはなんの接点もないのですが……。
 と言いたいのだが、ものすごく言いずらい。
 だってすごく尊敬というか、らんらんとした目で見てくるんだもの!
 ああ……ホント止めて。私じゃないのにぃ……。
「それでは行きましょう!是非!貴女に案内したい所があるんだ……です」
「何それ?敬語?」
 思わず突っ込むと、プレッツェルの顔から血の気が失せていき。
「……すみません」
 と謝られた。
 いえ、別に良いんですよ?私が貴方にどんな感情を抱いても今後の貴方には関係のない出来事だから……というか、私が貴方の探している人じゃ無いことに気が付いて!!
 しかし今はとにかく弁解しないと(この先ずっとこの暗い雰囲気だと気まずいから)!
「いや。別に……そうゆうのも良いんじゃないかな?面白いし」
 少し棒読みになってしまった気がするが、ラッキーな事にプレッツェルはそのことに気が付かなかったらしく、みるみるうちに元気を取り戻していった。
 ……顔に出てるよ!なんて分かりやすい子!
「良かったです」
 と、ほっとした表情になったので、私も安堵の息を吐いたが。
 いや、ちょっとまてよ。そもそも私は……、
「私は君の思っているような人間じゃないんだよ?」
 もちろん私は君が思っているように、隣国のお偉いさんでもないし、国王の血筋でもないという意味を込めていったのだが、何を勘違いしたのか。
「そうですね」
 予想外の返答に、私は気が抜ける、
 ……は?
 プレッツェルは顎に手をやり考えるような動作をした。
「オレ……私が思っていた以上に若いし、少し田舎くさいですしね」
 ……うっ!痛いところをついてくる。
 でもごもっともなので、反論も出来ない。
 黙ってその言葉に耳を傾けていると、プレッツェルは私の心を読んだのか。いきなり頭を下げて、
「すみません!オレ正直者なんで!本当すみません痛いとこついて!」
 ごめん。謝られるのがまた傷つくんだけど……。
 とは言えずに、私は「あはははは……」と苦笑するしかなかった。
 そこで気まずいこの場を取り繕うとしたのか、手を打って。
「それでは行きましょう!こっちです!」
 私の手を取って走り出した。
「えっちょっ!?」
 突然の事で、私は抵抗も出来ず彼に腕を引かれ自然と足は駆け足になる。
 ……ちょっと、船酔い後にいきなり走るのは辛いんですが……。
 またぶり返しそうな吐き気がまたこみ上げそうになり、うっと口元を抑える。
「……ごめん」
 気分の悪さに耐えきれそうにもないので、プレッツェルの肩を叩きなんとかこっちを向いてもらう。
 プレッツェルは私の顔色を見て、ぎょっとしたように目を見開いた。
「……気分悪くなるんで歩いてもいい?」
「……あ。悪い」
 プレッツェルは申し訳なさそうに私から目を逸らす。
 ああ、私多分外見五歳くらい老けて見えてるよ。絶対……。
 それでもミルクレープは依然吐いてたまるかと、心に強く決めているのだった。


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