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あの星を探しに。〜先輩の過去の甘い恋話〜
日時: 2013/05/12 17:42
名前: リア (ID: exZtdiuL)

どうも、リアです!!

この物語は基本、コメディーが中心です。
それに恋愛&感動が入ってくるような感じです。

それでは、この小説を楽しんで行ってください!!



【人物紹介】
>>1 >>39 >>125 >>212


【作者の休憩】
>>52 >>63


【作者の呟き】  ←なぜか目次になってしまった
>>78 >>95 >>128 >>168


【Message from キャラクター】
>>55 >>62 >>99 >>150


【絵師様が書いてくださった絵】
○如月儷
>>170
○篠原美香
>>198


【お客様】
・あるま様様
・ななし様様
・神田寛奈様様
・シュリ様様
・ユメタマゴ様様
・火矢 八重様様


第一話 【ようこそ!!星空研究部へ!!】

>>2 >>3 >>4 >>5 >>6 >>7 >>8 >>9
>>10 >>11 >>14 >>15 >>16 >>17
>>18 >>19 >>20 >>21 >>22 >>23
>>24 >>25 >>26 >>27 >>30 >>31
>>35 >>41 >>46


第二話 【三歩進んで、九歩下がる】

〜国枝京香編〜
>>47 >>50 >>53 >>54 >>56 >>59
>>60 >>61 >>64 >>65 >>66 >>68
〜如月唯/斉藤奈々編〜
※同時進行
>>69 >>70 >>75 >>79 >>84 >>85
>>88 >>91 >>98 >>102 >>105 >>110
>>116 >>117 >>120 >>121 >>122 >>126
>>127 >>133 >>134 >>136 >>140 >>141
>>143 >>144 >>146 >>147 >>148

〜サブストーリー〜
>>213 >>214


第三話 【私が悪い子だから・・・】

〜南佳奈編〜
>>149 >>156 >>158 >>161 >>164 >>165
>>168 >>173 >>176 >>177 >>179 >>182
>>183 >>184 >>187 >>190 >>194 >>195
>>201 >>203 >>205 >>206 >>208 >>210


第四話 【それも立派な感情なんだ】

〜神谷美紀編〜
>>216 >>217 >>220 >>221

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Re: あの星を探しに。(ラノベ風) ( No.20 )
日時: 2012/09/03 21:38
名前: リア (ID: SsOklNqw)

白木さんが部活へ戻ると言って、星研部室を出て行って数秒後、凛の叫び声が室内の木霊する。


「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「ど、どうした!?凛!?」


俺が慌てて体を起こしたまま頭を抱え込んでいる凛の所へ駆け寄った。

凛の近くにいた美香も心配そうに顔を覗き込んでいる。


「どうしたもこうもねーよ!!儷!!見たか!?白木さんを!!ヤバいだろ!?」

「あ?ああ。色々とヤバかったな。」

「だろ?あー、なんで部活に戻しちゃうのさー。斉藤先輩、そこは俺の気持ちも考えてくれても・・・」

「あら、どうして私がそこまで第一号如月君に気を回さなきゃいけないのかしら?気を回す必要があると思いますか?れーくん?」

「え?俺ですか!?」


俺は迷った。

ここで斉藤先輩に同意しなければ確実にカッターが飛んでくるだろう。

しかし、ここで斉藤先輩に同意したらどうなるのか・・・。

俺と凛の友情はここまでになるのではないか?

せっかくいい友達になれると思ったんだが・・・・。

まぁ、もういいや。

どうとでもなりやがれ————!!!


「俺は・・・ちょっと白木さんに居てほしかったか・・・ブハッ!!」


いきなり上靴が飛んできた。

この展開に見覚えがある。

絶対投げてきたのは美香だ。

しかし、なぜ斉藤先輩より早く美香が上靴を投げたんだ?

謎だ・・・。


「おい、美香今のはかなり痛かったぞ!?」

「ふ、ふん!!知らないわよ。あんたが運動神経悪いから悪いんでしょう!?」

「いやいやいや、今のはどう考えても不意打ちだろ!?不意打ちには対応できねーよ!!」

「不意打ちにも対応できてこその運動神経ってもんでしょう!?」

「・・・ったく、どこまで屁理屈言ってくるんだか。もういいよ。俺が降参しますー。」


俺はこのまま美香と争っていても拉致が明かないと思い、降参することにした。

そして、俺がそう言った瞬間、なぜか美香は大きな瞳に大粒の涙を浮かべ始めた。


「な!なんで、美香が泣くんだよ!?」

「・・・ほっといて!!」


俺が美香を止めるよりも早く、美香は星研部室をとびだhしていってしまった。

俺と凛は唖然とした感じで、この状況を飲み込むのに苦労したが、一人斉藤先輩だけは全て分かりきっているとでも言うかのようにニヤニヤと腹黒い笑顔を浮かべていた。

え?南はどうだったかって?

そんなの分かりきってるだろう!!

南はこの状況に混乱して気絶したよ。

Re: あの星を探しに。(ラノベ風) ( No.21 )
日時: 2012/11/24 13:18
名前: リア (ID: fhP2fUVm)

「って、南———!!帰って来———い!!」


俺は目の前で倒れた南を抱きかかえて、凛に目で合図し、先ほどまで凛が寝ていた長椅子のようなソファのような椅子の上に寝かせた。

南も黙っていれば普通に可愛いんだが・・・。

俺は南の寝顔・・・というのか?

まぁ、そんなものを見ながらぼーっとしていると、星研部室の扉が開く音がした。

俺が振り返って扉の方に目をやると、そこには超優等生っぽい背が低めの男子が立っていた。

俺と目が合うと、軽く会釈をしてきた。

俺もそれにならって、ぎこちない笑顔を浮かべてみた。


「あなたが如月儷くんですよね?」

「え?あぁ、そうだけど?」


いきなりそんなことを言われたので、シドロモドロになりながらそう答えると、ぱーっと目を輝かせて、俺のところまで飛んで来た。


「あ、あの!!僕、勉強ができないんです!!だから、ぜひとも成績優秀な儷様に勉強を教わりたいんです!」


なんと!!なんということだ!!

こんなに超優等生っぽい制服の着こなしをして、黒縁メガネまでかけているというのに、成績が悪いだと・・・?

ていうか、こいつ誰だよ!?


「ちょ、ちょっと待って!!お前誰だよ?」

「あ、申し遅れました。僕は佐々木亮と申します!!」

「なるほど。で、佐々木は勉強ができないと言っていたが、お前の中学生の頃の成績の平均は何ぼくらいになるんだ?」

「えーっと、ですね・・・オール2だったので、2です!!」


・・・言葉も出ない。

こいつ、平均以下と言うことか?

俺に何を求めてくれている!!俺は何もできない!!


「その悪いんだが、他をあたってくれ。俺には何もできない。」

「そ、そうですか・・・。無理にとは言わないので。それでは、他をあたることにします。」


そう言って、佐々木亮は肩を落としながら、回れ右をして、扉の方へ向かおうとした。

その様子が俺の心を動かしたのか、気付いたら佐々木を呼び止めていた。


「おい、佐々木!!ちょっと待て!!」

「はい?何でしょうか?」

「・・・わかった。俺が勉強を教えてやるよ、この時間に。週1度だけ。」

「本当ですか!!ありがとうございます!!儷様!!」

「儷様って呼び方やめろ。」

「嫌です!!」

「なんでそんなに様に拘ってんだよ。」

「僕にとって儷様は神様のような人だからです。」

「はぁ〜、もういいわ。もういい。俺はお前に理由は尋ねないよ。」

「え?何がいけなかったんですか?え?よく分かんないですけど、なんか嫌です!」

「嫌です・・・と言われてもなー、ま、そのうち分かるさ。」


今のままじゃ南と同レベルであるってことをな。


「んー、わかんないです。儷様がそのうちわかるとおっしゃるのであれば、そのうちわかるんでしょうね。頑張ります!!」

「おう、何を頑張るのかはわかんねーが、とにかく頑張れ。」

「はい!!」


佐々木はそう言って、目をキラキラさせ、俺の右隣から離れなかった。

というか、ずっとここにいるけど、佐々木は一体何部なんだ?


「・・・ところで、佐々木は何部所属なんだ?」

「え?僕ですか?もちろん、星研部所属ですよ。」

「え?あ、そうか。そうなのか。」


何か意外だ。

ていうか、ここの部員、かなり個性的すぎるだろ!!

まだまだ部員がいるとは凛から聞いているが、他にどんな奴がいるんだよ!!

でも、もう、ここまで来たらどんな奴が来ても驚かないような気がする・・・。

もう、すでにいろいろあったからな〜。

Re: あの星を探しに。(ラノベ風) ( No.22 )
日時: 2012/09/16 10:43
名前: リア (ID: SsOklNqw)

もう、すでにいろいろあったからな〜。

と、そう思いながら、何気なくこの教室に1つしかない扉の方を眺めていると、また扉が開いた。

美香が戻ってきたのかと思ったが、違った。

今度は枕を抱えた普通の男子高校生が入ってきた。

見たことのない顔だから、恐らく2年生だろう。

え?どうして3年生が居ないのかって?

それはどうやら、このクラブが去年設立されたばかりだからだそうだ。

つまり、現在の2年生が入学式を迎えてすぐのころに設立されたので、3年生は入ることが出来なかったというわけだ。



「こんちわー。あれ?なんか人数増えたのかぁ〜?ってか、神谷は?」


その普通の男子高校生は、眠そうな目を擦りながら斉藤先輩の方を見て言う。

斉藤先輩は、俺たちに接するときのような言葉遣いでそれに答える。


「人数は、増えましたよ?如月儷くんが・・・あ、あだ名はれーくんですから。」

「なー、はいはい。で、神谷は?」

「あー、美紀ちゃんは・・・確か体育委員だから先生に召集されてるはずですよ?もうすぐ帰ってくるはずなのですが・・・。」


斉藤先輩はそう言いながら、壁に掛かっている時計をちらりと見た。

現在の時刻は4時47分。

ここの部活動時間は基本、春夏は6時15分までだ。秋冬は日が短くなるので、6時までなのだが。

てか、普通の男子高校生の方、なんか神谷先輩に拘ってるな。

用事でもあるのか?


「あー、そっかそっか。んじゃ、俺寝るんで。」


俺がそんなことを考えている間にもその普通の男子高校生はスタスタと南が寝ている方へ向かった。


「おーい、南ー。起きろー。そこは俺が寝る場所だ。」

「・・・んー、あ、安藤先輩!!すみません!!今退きますので!!」


南は安藤先輩の顔を見た瞬間起き上がり、その長椅子のような所から慌てて出た。

長椅子から出るときに、なぜか南は足を絡ませてしまったようで、顔面から地面に叩きつけられた。

そして、顔を上げた南の鼻からは鼻血が出ていたが、それを見てもその普通の男子高校生は見えていないかのように長椅子に枕を持ったままダイブした。

あ、もちろん、先ほどまで持っていたスクールバックはその長椅子の下に放り投げたようなので、普通の男子高校生の睡眠の邪魔にはならない。


「おい、南大丈夫か?」


俺が慌てて駆け寄ると、南はのんきに笑いながら


「あ、凛くんだぁー!助けに来てくれたのぉ?優しいねぇー!」


と言っていた。

はぁー、もう俺はこいつの前では凛として生きていくしかないようだ。


「ったく、ほら!!保健室行くぞ。」


俺が呆れながら床に座り込んでいる南の腕を引き上げた。

南は立ち上がりながら、スカートに着いた埃を払った。


「ありがとう、凛くん。あ、でも保健室は1人で行けるよ〜?もう常連客になっちゃうくらい通ったから〜!!」


南はそう言いながらまた笑った。

というか、そんなにドジしてんのかよ、お前は!!

常連客って・・・本当に保健室の先生も笑いたくなるほどなんだろうな・・・。


「でも、お前ひとりじゃ行く途中に階段から転げ落ちて死にました、とか本当にありそうだから、俺も付いて行くよ。」


俺がそう言うと、南はハニカミながら


「んー、そっかぁ〜。それじゃあ、付いてきてもらおうかな〜?」


と言った。

俺は笑顔で


「あぁ。それじゃ、行くぞ。」


と言って、南と一緒に扉の方へ向かった。

そして、扉を開けようとしたら、俺の肩を誰かが叩いた。

俺がゆっくりと後ろを向くと、そこには・・・・





















凛と亮が立っていた。

Re: あの星を探しに。(ラノベ風) ( No.23 )
日時: 2012/11/04 12:25
名前: リア (ID: SsOklNqw)

「儷様、僕も付いて行きますよ!!」

「儷、お前だけ紳士ぶるのはちょっとずるいんじゃね?」


亮と凛はそう言いながら、俺に笑いかけた。

俺はそれに答えるために、精一杯の笑顔で


「おう!!」


と言った。

そして、南を連れて、亮と凛と俺とで保健室へ向かうことになった。


「ったく、南って入部当時から怪我とかドジばっかだよな〜。」


凛が頭の後ろで手を組みながらそう言う。

すると、南は自慢気に笑いながら


「私にはそれくらいしかないからね〜!!!」


と笑った。

俺たちも釣られて笑ったが、心のどこかで何かが引っ掛かった。

しかし、俺はそう考えていたことを、3歩歩けば忘れてしまった。

基本、俺は必要ないと判断したものはすぐに忘れる主義だからだ。


「あ、そろそろなんじゃね?保健室。微妙にだけど”保健室”ってプレートが見える。」

「え?凛くん、見えるんですかっ!?」


亮が驚いたような声で、凛にそう言う。

どうやら、凛は目がいいらしい。

確認のため、視力はどれくらいなんだ、と聞くと驚きの回答が返ってきた。


「2.0だけど?え?無いの?儷、視力、2.0無いの?」


・・・なんかその言い方ムカつくんだが・・・。

てか、2.0なんてスゲーな、凛。

俺は1.5だ。これでも中学校の頃は学年1目が良かったんだが・・・。

屈辱を味わった気分だ。


「無い。悪かったな。」

「いや、悪いとかそういうんじゃねーけど、ただ無いんだなー、と思って。」

「あぁ。」


俺と凛の短い会話が終わると、重い空気が流れた。

しかし、ちょうどその時に保健室に着いたので、俺たちは幾分か救われた気分だった。


「すいませーん、先生いらっしゃいますかー?」


俺が先陣を切ってそう言うと、カーテンが掛かっている奥の方から人影が現れて、俺たちの目の前に現れたのだが・・・


「あ、先生!!実はこいつが・・・って、お前先生じゃないな?」


そう、俺たちの前に現れたのは保健室の先生じゃなかったのだ。

思い切り、俺たちの学校の制服を来た、南と同じくらいの身長の女子がそこに立っていた。


「先生じゃ、ない。私、代理。」


その少女はもはや言葉ではない、単語でそう言った。

というか、よくよく見ると美人だぞ?


「あ、愛ちゃん!!鼻血出しちゃったから、ちょっと詰めるやつか何かある?もしあったら欲しいんだけど・・・。」

「わかった。」


南は知り合いのような口調でそう言い、愛と呼ばれたその美少女は軽く頷き、再びカーテンが掛かっているの奥へと向かった。

そして、奥の方で、ガチャガチャと音がしてから数秒後、再びあの少女がカーテンが掛かっている奥から出てきた。


「佳奈、奥。」


どうやら”佳奈、奥に入って。”と愛と呼ばれた少女は言ったようだ。

俺はその言葉を理解するのに数秒かかったが、南は一瞬で分かったようで、カーテンが掛かっている奥の方へと入って行った。

扉の前に残された俺たちは押し黙ってしまった。

俺は慌てて話題を変えようと、さっきの少女は一体何なのか、ということを尋ねることにした。


「あ、あのさ、さっきの愛って呼ばれてた子いるじゃん?あの子、誰?」

「あー、あの子も星研部所属だよ。」

「え?あ、そーなのか。」

「あぁ。」

「にしても、不思議な感じの子だな。まさにミステリアスだ。」

「でも、あいつ美人だからそれがまた良いんじゃねーか。」

「まあな。でも、俺初めて見た。単語で喋る女子。」

「あ、僕もです。初めて話した時は驚きました。主語とか述語とか抜けてて、言葉を理解するのに少々時間がかかりました。」


亮はそう言って、ドヤ顔をしたが、愛と呼ばれた少女はきっとお前には言われたくないだろうな、と思った。

勿論、口には出さないが。いや、出せないが。


「そうなのか。フルネームでは何て言うんだ?」

「柊愛。」


凛が即答でそう言う。

凛、即答だったな。白木さんの次に好きな女子なのか?

俺がそう思った矢先、凛の口からまさにそのようなことが言われた。







「柊は、俺の中でBEST2になってるからな。」

Re: あの星を探しに。(ラノベ風) ( No.24 )
日時: 2012/11/24 13:19
名前: リア (ID: fhP2fUVm)

「柊は、俺の中でBEST2になってるからな。」


凛はそう言うと、少しだけ頬を赤らめた。

俺は「へ〜」と言いながら、ニヤニヤした。

亮は凛が言った意味を理解できなかったらしく、「何がBEST2なんですか!?ねー、凛くん、教えてくださいよー」と言っていた。


「ていうか、柊って子は、何組なわけ?見たことない顔だったから、A・B組ではないことは確かだな。」


俺が真顔でそう言うと、凛は「あぁ。」と短く答えた。

そして、その後に亮が続いた。


「確かに、A・B組は体育とかで合同でやりますもんね!!」

「お、亮にしては珍しい発言じゃねーか。」


俺が頭を撫でながらそう言うと、亮は嬉しそうに笑ったが、凛は少々面白くなさそうに


「出会って数十分も経ってないのに、珍しいとか言われてるって、可哀想。」


と言った。

しかし、亮は俺に褒められ、上機嫌だったので、その皮肉のこもった言葉を気にする様子もない。

凛はそれを見てか、明らかに大きなため息を吐きながら、話を再開した。


「話を戻すが、柊は確かD組だ。」

「あ、白木さんと同じクラスじゃん!!」


俺が声のボリュームを少し上げながらそう言うと、またしても凛は顔を赤らめながら


「まぁ、だから柊の存在を知った・・・と言った方がいいのかもな。」


と言った。

てか、案外こいつって感情が顔に出るタイプの奴なんだな。

俺はそんなに出ないからあまり気づかれないな。

あ、でも斉藤先輩には読み取られたな。

なんで、あんなに斉藤先輩は人の感情に敏感なのだろうか?

と、俺がそんなことを考えていると、南と共に噂の柊がカーテンが掛かっている奥の方から出てきた。


「声、聞こえてた。凛くん、ありがと。」


柊は凛の方を見ながら、そう言った。

一体彼女がどこまで聞いていたのかは知らないが、褒めていたことを知っているということは結構前から聞いていたのだろう。

ということは南も聞こえてたんだろうな・・・。

そう思い、南の方を向くが、やはり南は理解できていなかった。


「え?愛ちゃん、何がありがとうなの?えー、私声なんか聞こえなかったよぉ〜!!」


南はそう言いながら、柊の肩を揺さぶった。

柊は揺さぶられているのを特に嫌がる様子もなく、ただそのままの状態を維持し続けた。

やがて、南が肩を揺らすのに疲れたらしく、柊の体はいつの間にか”揺れ”が収まっていた。


「そういえば、柊、お前も星研部所属なんだろ?いつ、部活に来るんだ?」


俺が不思議に思いながらそう言うと、柊は凛の方に向けていた体をこちら側に向け、無表情で


「私、ここの代理。5時半、行く。」


と言った。

おそらく彼女は”私はここの代理だから、5時半には行く。”と伝えたかったのだろう。


「わかった、そんじゃあ、新人の俺は部室でお前を待っとくよ。自己紹介、ゆっくりしてーしな!」


俺がそう言いながら、柊に笑いかけると、柊もにこっと微笑んでくれた。


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