二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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イナズマイレブン4 呪われたフィールド! エース/ジョーカー
日時: 2012/11/23 17:03
名前: しろお (ID: 1umF9w7B)

「俺が……、エースか」
 伝説の高校生ストライカー豪炎寺修也———を従兄弟に持つ普通の高校生、豪炎寺真人(まさと)。彼は親の仕事の都合で日の出島という、自然豊富な田舎へ越すことになった。初日、見晴らしのいい岬で彼は大きな石につまずきそれを壊してしまう。実はその石というのが、ただの石ではなくかつての大戦の戦死者の慰霊碑だった。
 “サッカーに勝たないと消える”
 全てを賭して、呪われたピッチに少年は立つ。 
 
 イナズマイレブンシリーズ第4弾。
 呪われたフィールド! エース
 
テーマは「代償」
 

 〜作者挨拶〜
 ジョーカーの更新始めました
 


『強くなれ』
 愛媛にある至って普通の高校、花丸高校に入学した不動は、性格正反対、生涯のライバルとなる正義漢、立沢仁之介と出会う。
 競り合い、そして成長する中である日、試合中に謎の人物が乱入してくる。
 それこそが本当の、波乱に満ちた2人のサッカー人生の始まりだった。
 強さとは何か? 正義とは何か? 
 2人の少年はサッカーを通してその答えを求める。
 
 イナズマイレブンシリーズ第四弾
 呪われたフィールド! ジョーカー
 
 テーマは「正義」

 


                      ……多分

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Re: イナズマイレブン4   呪われたフィールド! エース ( No.119 )
日時: 2012/11/18 01:46
名前: しろお (ID: QeckcS/R)

高梨はそこで我に帰った。校庭の宮市が、帰り支度をし始めていたのである。
 そろそろ自分も、と思えばいつのまにか生徒会室には自分ひとりだった。急いで職員室へ、生徒会室の鍵を返しに向かう。
 職員室から一人、運動着姿の人が見えた。
「失礼しましたー……って、お前は……」
 足の速い宮市は、すでに高梨より先に職員室に着いていたのだった。
 途中まで帰り道が一緒の二人は、気まずい空気の中、暗い道を歩いている。
「こんな時間まで生徒会たあ、ご苦労なことじゃないの」
「ま、まあね」
 宮市は相変わらずだが、逆に高梨がぎこちない。
 話題も何も無い中、高梨は質問をすることにした。
「あなたは……さみしくないんですか」
「さみしい?」
「同じ年頃の青年は、アルバイトをしたり、毎日遊びに出かけたりして青春を謳歌しているというのに」
「時間を無駄にするのと、遊ぶのは違う」
「今のあなたと来たらくる日もくる日もあせと人工芝のにおいが漂う室内練習場にとじこもって、なわとびをしたり柔軟体操をしたりボールを蹴ったり。たまに明るいところへ出るかと思えば、そこでもランニング、そしてボールを追いかける……」
「さっきから何がいいたいんだお前はよお! うぜえんけど、なあ!」
「敵の応援がたちこめる試合場でよっぱらったお客にヤジられ、闘鶏や闘犬みたいに必死になってボールを奪い合うだけの生活……。中学のときのあなたは言いました。『燃えに来てる』と。それのどこが一体、燃えているのでしょうか。学生なら学生らしく、勉学に励み、それぞれが思うように楽しむべきですよ」
「俺は十分……」
「サッカー部は、急にやる気を出して、なにか使命に動かされているように狂ったように練習して、大会にも出て、みじめだわ。悲惨だわ。青春と呼ぶにはあまりにもくらすぎるわ!」
「……ちょっとあの時、ことばがたらなかったのかもしれないな。おれ、使命とか中学の時辞めた悔いだけでサッカーやってる訳じゃないぜ」
「サッカーが好きだからやってきたんだ。高梨のいう青春を謳歌するってこととちょっとちがうかもしれないが、燃えているような充実感はいままで、なんどもあじわってきたよ……ピッチの上でな。そこいらの連中みたいにブスブスとくすぶりながら不完全燃焼しているんじゃない」
「ほんのしゅんかんにせよ、まぶしいほど真っ赤に燃え上がるんだ。そしてあとには真っ白な灰だけが残る……。燃えかすなんか残りやしない……真っ白な灰だけだ。そんな充実感は、日の出高校のサッカー部に入るまでは無かったよ。わかるかい、高梨さんよ」
「あなたのいっていることは……なんとなく分かる気はするけど……」
「まあ、俺の感じ方の話だ。話して分かるような感覚じゃないのかもな。じゃ、俺、こっちだから」
「あ、さようなら」
 二手に別れたところで、宮市はぴたっと止まり、高梨の方を振り返った。
「あのさあ。俺とお前、仲悪いけど、まともに俺と話してくれた人って、お前だけだわ」
 じゃ、と言って宮市は走って行ってしまった。
 どんどん遠くなっていく気がする高梨。今、何か動かなければ、もう二度と宮市と話す機会が無くなるような気持ちだった。
「宮市亮介……足、速すぎ……」
 宮市の足は速く、みるみるうちに闇夜に消えていってしまった。 
 夜空には月が浮かんでおり、その中のうさぎも歌いだしそうなほど、綺麗に輝いていた。     



 次の日。部室にて。
「みんな聞いてくれ。新しいマネージャーが入った」
「え? マネージャー!?」
 神木が一番嬉しそうにしている。部員たちは黙ってマネージャーの登場を待つ。
「二年の、高梨叶実さんだ」
「よろしくお願いします。不良を監視するのも、生徒会の役目だと思ったので」
 高梨は一礼し、顔をあげて宮市に白い目を向ける。
「俺のことかよ!」
「あなた以外に誰がいるんですか!」
「ああ、あと、今日から香川も参加するから。まだ復帰したばかりだから、別メニューだけど」
「今日から改めて、お願いしまっす!」
 そんなこんなで、日の出高校サッカー部の日常は、やはりサッカーを中心に動いていくのであった。
  

Re: イナズマイレブン ( No.120 )
日時: 2012/04/13 00:10
名前: ユリック (ID: Q/GmMg5s)

最近は、授業中に来る睡魔について考えています(_ _ )zzZ
お久しぶりです。そしてお疲れ様です!
夜は眠さと疲労で頭がぼーっと…しませんか?

アフロディと吹雪のエピソード読みました…が…;
なんか怖い!と、危険な状態だ!というのがわかりました^^;

高梨さん、なんとなくマネだと予想してたら当たってた←
ぜひ宮市君と仲良くなってほしいです。

Re: イナズマイレブン4   呪われたフィールド! エース ( No.121 )
日時: 2012/04/14 00:07
名前: しろお (ID: krVR01Sc)

第十七話    日常・オブ・ゴールキーパー



6月3週




 
 晴れ晴れとして、白い雲も焼けてきた夕暮れ。
 河川敷で源田は読書をしていた。読んでいるのは江戸川乱歩の推理小説。風に揺らめく芝の上に寝そべり、見上げる形で文字を読む。
 坂の上の道を、文庫本を片手に広げ、向かい風に長い髪を揺らす制服姿の少女が歩いていた。歩きながら本を読むとは、よほどの文学少女なのだろう。彼女は、白いエナメルバッグの横で、夕日に照らされながら読書にふける源田を見つけた。
 源田はというと、風でめくれてしまうページに苛立ちを覚えていた。
「風が強くてまったく読めねえ……」
 自分をあざ笑うかのように呟く源田。パタンと本を閉じ、胸の上に置く。
「(失敗したな……。河原で本なんか読むんじゃなかった)」
 風が吹きぬける。源田は体を起こし、川の流れを見つめた。近くで足音が聞こえ、源田はちらっと横目に後ろを見る。
 なびく長い髪、彼女もまた、川の流れを見つめた。そして、黒い鞄を置いてその場に腰を降ろした。
 風のごうごうとした音が、二人を過ぎていく。二人とも川を見るともなく、眺めている。面識が皆無という初見の仲で、微妙な距離感覚、そして空間に沈黙が続いた。
「(き……気まずい!)」
 源田はそれを表情に出さずに、川の方を向いたまま心の中で叫ぶ。
「(なに、なんだ!? 誰だ!? なんで無言なんだ!? このクソ広い河原で俺の脇に座っといて! ……何の用か知らんが、やっぱり俺から声をかけるべき……なのか……? いや、でも何で?)」
 落ち着いた表情を貫き通したまま、源田は考えに集中する。
「(とにかく、女の子に気の利いた台詞なんて、俺、いえねぇよ……!)
 太陽は沈み始めている。風は相変わらず強い。
「(『太陽がきれいですね……』……いかん、いかん、いかん! そんな在り来たりな台詞この状況に合わない! そう、この状況。夕日に染まる河原で孤独に本を読む少年と出会う幻想的なシチュエーション!! たぶんこの人、ロマンチックで非現実的なボーイミーツガールを期待しているのでは……!?)」
 源田はちらっと脇に目をやる。源田の予想通り、文学少女の方も顎に手を当てて、待つべきか、出るべきか、視線をきょろきょろと動かしてそわそわしていた。
「(どうもそんな感じだーっ!!!)」源田は叫びたい気持ちを抑え、心の中だけに留める。不自然に思われないよう、ゆっくり首を元の向きに戻す源田。
「(……となると、イカした一言だな……。大体俺は、友人二人が用事があって暇だから、オフの日することも無く一人で読書してるだけであって。サッカー部でゴール守ってる普通の高校生なんですけど! ……まあ、いい。とにかく、彼女の期待を裏切る訳にはいかん……! 飛ばすぜぇ!? スカした言葉をぉ!!)」
 風が弱まるタイミングを見計らって、源田は口を開いた。
「今日は……風が騒がしいな……。(……いや、なんか死にたくなってきた。なんじゃこりゃ。恥ずかしいとかそういうのでなく、なんかこう、死にたい……。やっちまったか?)」
 源田はちらっと文学少女の方を見る。嬉しさと緊張に体をふるふる震わせ、次の台詞を考えているような息遣いをしている。
「(いや嬉しそうだ!? ちょっと精神が崩壊しかけたが行ったぞぉー? さあ、どう返す!?)」
 文学少女は静かに立ち上がり、髪を耳にかけながら、「でも少し、この風……泣いています」と恥ずかしげも無く、完全な自信を以って言った。これを見て、聞いて、おかしな笑い声を出しそうになる源田、少し耐え切れずに変な音が口から洩れてしまったが、風の音でかき消された。 

Re: イナズマイレブン4   呪われたフィールド! エース ( No.122 )
日時: 2012/04/13 23:03
名前: しろお (ID: krVR01Sc)

「(おもしれえわこの人!)」
 源田は必死に笑いを堪える。
 文学少女は何を考えたか、ざっざっと源田が座るところへ近づいていく。
「(いやー、ごめんなさい、勘弁してくれませんか? もう……限界です……。まあ、正直ね、後ろに座られたときはちょっと嬉しかったんですわあ……。でもね、俺には空想力ってやつは無いみたいで、どうやらこの空間に堪えられんようですー……!)」
 源田の羞恥心と腹筋は、本当に限界に達していた。しかし文学少女が次にどう動くのか。
「(ですから、すでに呼ばせてもらってます。二人の救助隊を。こい、戦士たちよ! この結界を破壊しておくれ!)」
 源田は右手で携帯電話をいじり、佐久間と鬼道にメールを送っていた。
 そして、間髪いれずにメールの返信が来る。佐久間からだった。
『今、お前の後ろにいる。今助ける』とメールの内容はこうなっている。
「(来た! 早いな!)」
 佐久間も風のタイミングを待ち、坂の上から二人を見下ろす。
「急ぐぞ源田。……どうやら風が、街に良くないモノを運んできてしまったようだ」
 源田を笑わせる冗談のつもりだったのだろうが、このシチュエーションではこの発言はかなり絶大なパワーを有していた。
「(なんで今日に限ってテンションたけーんだ佐久間ぁぁ!!)」
 文学少女が、佐久間を振り返って見る。佐久間は言った後になって、かあっと恥ずかしさに顔を染め、目を逸らした。
「(かあっ、じゃねえよお前は。死ね!)」役に立たない救助隊員に、源田は歯軋りする。
 対照的に、文学少女は「待ってました!」と言わんばかりに何かものすごく興奮した笑みを浮かべる。
「(ほらっ、めっちゃ嬉しそう! もーやだ! 俺を現実に帰してくださーい! 河原で一人たそがれる少年に声をかけたい、という願望は、もう充分叶っただろう? この空間をブチ抜いて帰らせてもらうよ? 現実的な一言! ……でな)」
 立ち上がった源田は、冷静な態度で文学少女の横を通り抜け、坂を上がっていく。そして、呟くように、語りかけるように、言った。
「急ごう。……風がやむ前に。(……何を言ってんだ俺はぁぁぁ!!? もういーよ! いけるとこまで行ってやるよちくしょー!!)」
「待て!」
 突如風を切り裂いて響いた声は、男のものだった。しかし佐久間とも違う。ゴーグルにマント、そしてドレッドヘア。鬼道だった。
「(お前はもう一人の救助隊、鬼道…………!)」
 腕を組み、真剣な顔つきの鬼道。特徴の多すぎるキャラを目の前にし、文学少女は期待と興奮入り混じって目をしろくろさせている。
 風が、やんだ。鬼道の言葉を待つ源田たちを見つけ、たまたま通りがかった富士がはっと息を呑む。
「あっ、鬼道くん、佐久間くん、源田くん! すごいよ! 最近あそこに出来た『こんびに』、なんでもあるよ!? やべーって行こうよ早く!」
「(空気読めよ富士ぃぃぃ!!!)」   
「フーゥン!」
 文学少女の第一声は憤怒の声だった。すごいスピードでジャンプし、鞄を大きく振りかぶって富士を殴打。「なんで!
?」と叫びながら富士は吹っ飛ぶ。 
 その衝撃で文学少女の鞄の中から書類が、風に乗って源田の足元に落ちる。それに気づかず、文学少女は富士を殴打し続けている。
「いたっ痛い! なんで!?」
 富士のことは忘れて、何気なく書類を拾って見てみると、タイトル名、ペンネームの、文章、これはいわば小説のようだった。タイトル名は『風使いの少年』。
「ほうほう、自作小説ですかー……」と源田はパラパラめくって読む。文学少女はびくっと反応し、源田の手の中にある小説を奪還しに走る。
「なるほど。少年と少女が河原で出会うラブストーリーか」源田が言う。
「主人公は、風使いの少年」佐久間が、設定が細かく書いてある一枚の紙を読み上げた。
 文学少女は小説を取り返すために顔を赤くして源田に迫りより手を伸ばすが、ゴールーキーパーで高身長の源田は余裕で読み続ける。「びっくりするほど今の状況と一致するな。すごい偶然だ。(すなわち、この人は自分の憧れを自分で実現させたくて、俺を物語の主人公に見立てて隣に座った、ということか……。ま、別にそれはいいんですけど。ただ問題は、この主人公、特徴的な設定をしてやがる……! これはつまりー……)」
 源田は原稿用紙を握りつぶす。
「俺が孤独でネクラなオタクに見えたってことかーっ!」
「まあまあ、別にいいじゃん!」
 口から血を流す富士が、笑って言った。文学少女は恥ずかしさに耐え切れず真っ赤な顔を手で覆っている。
 そして真っ赤な夕日もまた、地平線に覆われていくのであった……

Re: イナズマイレブン4   呪われたフィールド! エース ( No.123 )
日時: 2012/04/13 23:38
名前: しろお (ID: krVR01Sc)


ユリックさま


感想ありがとうございます!
春はあったかいですね´ω`
だから眠いんでしょうか。最近は僕も睡魔に負けっぱなしです

小説大好き人間ですから。少しくらいなら、夜でも小説を書きます。

イナイレ×リボーンの小説もなかなかお勧めですよ。
正しくは、アフロディ×リボーン×イナGO×テニプリみたいな小説なんですけどね…^^;

後で気づいたんですが、高梨と音無ってちょっと苗字の発音が被……ごほっごほっ
宮市と高梨はなかなかいいですね。

もう本当、色々と遅くなって本当にすみません……!!


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