二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- イナズマイレブン4 呪われたフィールド! エース/ジョーカー
- 日時: 2012/11/23 17:03
- 名前: しろお (ID: 1umF9w7B)
「俺が……、エースか」
伝説の高校生ストライカー豪炎寺修也———を従兄弟に持つ普通の高校生、豪炎寺真人(まさと)。彼は親の仕事の都合で日の出島という、自然豊富な田舎へ越すことになった。初日、見晴らしのいい岬で彼は大きな石につまずきそれを壊してしまう。実はその石というのが、ただの石ではなくかつての大戦の戦死者の慰霊碑だった。
“サッカーに勝たないと消える”
全てを賭して、呪われたピッチに少年は立つ。
イナズマイレブンシリーズ第4弾。
呪われたフィールド! エース
テーマは「代償」
〜作者挨拶〜
ジョーカーの更新始めました
『強くなれ』
愛媛にある至って普通の高校、花丸高校に入学した不動は、性格正反対、生涯のライバルとなる正義漢、立沢仁之介と出会う。
競り合い、そして成長する中である日、試合中に謎の人物が乱入してくる。
それこそが本当の、波乱に満ちた2人のサッカー人生の始まりだった。
強さとは何か? 正義とは何か?
2人の少年はサッカーを通してその答えを求める。
イナズマイレブンシリーズ第四弾
呪われたフィールド! ジョーカー
テーマは「正義」
……多分
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- Re: イナズマイレブン4 呪われたフィールド! エース 完結 ( No.164 )
- 日時: 2012/07/12 15:07
- 名前: しろお (ID: vjv6vqMW)
「ハハッ。誤解だよマサさん。別に誰のマネでもないし」
「マサさん……!?」
「これはオレがオレの本能に従った結果さ。俺は本能のドレイだからさ」
(な、なんか気持ち悪いことまで言い出したーーーーーーー!)
「この世でただ一つ『絶対』なものがあるとしたら……それは『オレ』だね」
(また気持ち悪いこと言い出したーーーーーーー!)
「ねえヒーローって信じる? オレは信じるよ……。だってオレがそうだから」
「もういいよ気持ち悪いわ! とにかくさ……その格好だけでもなんとかしよう! 急にそんな格好で現れたら黒野博士ビックリするでしょ。黒野が非行に走ったんじゃないかって心配するぞ」
「ハハッ。それなら大丈夫だよ。博士ももう知ってっから」
「えっ!? え……そうなの!?」
「うん。てかさっきまで一緒にいたし。今ちょっと飲み物買いに行ってんだ」
「クロちゃーーーーん」
「お、噂をすれば……」
ヒョウ柄のジャケットに身を包んだ博士はサングラスをかけて、顔の前でピースしながら「鬼ただいま」としわがれた声で言った。
(こっちもだいぶ間違えてるーーーーーーー!!)
「あれーーー!? 誰かと思えば真の字じゃーーーん。イエ〜イ」
「真の字!? あ…い、いえ〜い。どうも……。い…いやービックリしました。まさか博士までそんなことに」
「え、そんなことってナニナニ〜? 別にフツーじゃね?」
「だよねー。フツーに博士スタイルだよね」
「つーかマサちゃんのほうが心配だよ。なんで若いのにそんな守りにはいっちゃってんの?」
「そうだよマサさん。もっと解放しないと!」
「か、解放?」
困り果てる真人に、黒野博士は人差し指を突き立てた。「そうそう。あふれ出るマインドのバイブスをさ。あますところなく鬼チョネらないと」
(なんか気持ち悪いこと言い出したーーーーーチョネるって何!?)
「あー博士、オレチョ〜わかる。やっぱバイブスチョネらないとね」
「だよねー」
「え、ええ、ごめんなさいちょっとわかんない……。ば、バイブスを? チョネる? どういう意味なんですか?」
「ん……いやまあ意味は……ねえクロちゃん? 別に」
「そうそう……ね博士? 意味とかじゃないんだよね別に……」
「意味なんて必要ないよ。『自分』があればさ」
(なんでみんなこんな名言吐きたがんのーーーーーーーー!?)
目が覚めると、夢だったことに気づく。その頃黒野博士は東京で、順調に悪の組織計画を進めていたのだった。練習のしすぎで疲れ、真人はこんな悪夢を見てしまったにちがいない。
- Re: イナズマイレブン4 呪われたフィールド! エース 完結 ( No.165 )
- 日時: 2012/08/05 15:45
- 名前: しろお (ID: 76WtbC5A)
練習の疲れからか、このところよく真人は悪夢を見る。
今日は病院の受付をしているときの場面のようだ。島のお婆さんたちとたわいない会話を交わし、サッカー雑誌を読んだりして時間を潰す。父と香川は練習に行っている。なぜか実の親子より仲が良い。というか、主治医がサボり癖のある厄介な男である。
そこに見知った顔がやって来た。天本である。しばらく彼女は無表情でいたが、指をこめかみに当てて、「……ようこそ!」と言った。
(いやおまえがきたんだろーーーーー!?)
「ど、どうも。どうしたの天本さん、珍しいね」
「病院にきたんですから。診てくださいよ」
「え!? 診るの!? 俺が?」
「ほかに誰かいるんですか」
「え……えぇ……困っちゃうなあ、あはは」
「ふふふ……」
「あはは……」
「だまされましたね、真人さん」
「え?」
天本は顔の皮を剥ぎはじめた。真人は絶叫する。
(え、ええええええ〜〜〜〜!?)
実は天本ではなく、天本に変装した香川だった。「残念でしたね!」
(ぐっ……ぎゅおおおおおおおお〜〜〜〜おぱぁっぷ! うぃででででえええいでっぷぇえひい!!!)
完全に錯乱したところで、悪夢から覚めた。
こんな夢を見るようでは、練習のしすぎも考えものである。
- Re: イナズマイレブン4 呪われたフィールド! エース/ジョーカー ( No.166 )
- 日時: 2012/11/25 11:39
- 名前: しろお (ID: gllPNbLY)
- 参照: http://www.youtube.com/watch?v=syWstiIGiPo
オープニング
愛媛にある花丸高校に入学したサッカー少年の不動明王(ふどうあきお)は、かつてU-14に選ばれワールドユースで戦った経験を持ち、その頃の代表監督に「お前はジョーカーだ」と言われたことがある。
入学式翌日の登校一日目の朝。
ポケットに手をつっこみ風船ガムを大きく膨らましながら学校へ向かう途中。不動は、サッカー部に入るか入らないか考えながら、なんとなくケータイの辞書機能でジョーカーと検索してみた。
1(トランプにおける)最高の切り札
2冗談を言ったりやったりするのを楽しむ人
3軽率なことや迷惑なことをする人
「……ちっ!」
空き缶を蹴飛ばす。運悪く猫にそれが当たってしまい、猫は憎しみの目で不動を睨む。生き物に自然と嫌われてしまう男、それが不動明王だ。無論U−14に選ばれたほかのメンバーとも最後までわかりあうことはなかった。
彼が他人と上手くやれずに、ユースや名門・強豪校の選抜試験に受からないのもそういう理由である。
「高校サッカーは実力だけでは勝てないし、上手くもなれない。君にサッカーは向いていない」
試験監督は、口をそろえて彼に言った。
自分より下手なやつらとコミュニケーションを取る? 地獄に落ちたほうがマシだな。それが彼の考えだった。しかし、選抜試験にことごとく落ち、結局こうして無名高校へと虚しく歩いているのが現実だ。とにかくサッカー部については、見学だけでもしてみることにした。
実は彼は14歳の頃とは、髪型を少し変えてウェーブがかった髪を無造作風に整えている。なぜなら、試験監督達は不動のコミュニケーション能力の乏しさと身勝手な振る舞いについて指摘したあとで、必ず最後にこう締めくくったからだ。
「あと、モヒカンはやめろ」
と。
- Re: イナズマイレブン4 呪われたフィールド! エース/ジョーカー ( No.167 )
- 日時: 2012/11/24 23:38
- 名前: しろお (ID: mzJOtdh7)
坂を下りながら、鞄からバナナを取り出し、朝食として頬張る。彼は一日に一房食べるほどの部類のバナナ好きであり、呼ばれるあだ名はモヒカンもしくはバナナであることが多い。
食い終わるスピードももはや常人離れしていて皮を剥きながら食べる、という離れ業をやってのける。それをたった今やってみせた彼は、バナナの皮をポイっと後ろに投げ捨てた。
「うおっ」という男の悲鳴が不動の背後から聞こえた。不動が後ろを見ると、なんと人が叫びながら転がってくるではないか。
「なっ!?」
「だ、誰か止めてほしいッスーー!」
不動は目を丸くして少しの間硬直していたが、はっと我に返り転がってくる物体を避けた。
「い、いたた……ッス」
その人間は、不動と同じ学ランを着ていた。彼の毛むくじゃらアフロに坂の途中で巻き込んだゴミや石が大量にくっついている。
「あ……あんた! バナナの皮で! ふざけるなッス!」
「うっせーよ、てめーこそ髪型ふざけやがって」
「ふざけてないッス! へへん、こう見えても俺は、同年代の壁山塀五郎っていう選手の従兄弟ッス! 名前は増太郎ッス!」
壁山塀五郎はU-14選抜に不動とともに選ばれ、一緒にプレーしたこともある仲間だ。アフロヘアーで巨漢、大食いでビビりが彼の特徴である。世界大会で優勝した彼らは、それなりの有名人だ。だからと言って誰でも知っている訳ではなく、現にモヒカンではない不動にも増太郎は気づいてない。
壁山の従兄弟だと名乗る目の前の男は、不動の知る壁山ほど体が大きくないし、顔もそれほど似ていない。アフロというところだけが共通点だった。
「ふーん。で?」
「なっ……。と、とにかく、謝るッス!」
「フン。テメーが勝手にこけただけだろ。謝る必要なんざねえよ」
腕時計に目をやると、もう喋っている余裕も無い。「それじゃあな」
壁山の従兄弟ならば、サッカー部に入ってくるかも知れない。顔を真っ赤にしている壁山を背に不動は先を急いだ。
- Re: イナズマイレブン4 呪われたフィールド! エース/ジョーカー ( No.168 )
- 日時: 2012/11/24 23:49
- 名前: しろお (ID: mzJOtdh7)
サッカー部練習初日。大会が近いにも関わらず、キャプテンの東義治(あずまよしはる)の指示で一年もさっそく、ボールに触ることができた。といってもグラウンドではなく裏庭の空いたスペースで、だが。
目つきの悪い不動をみて、誰も一緒にやろうとはしない。
まあ、別にいい。そのほうが気楽だと、不動は納得して勝手に練習を始める。
「なあ」
黄色のスパイクを履いたさわやかなショートヘアの部員に声をかけられた。
「なんだ」
「おまえ、まさかとは思うけど、世界大会出てた不動?」
「そうだぜ」
自慢の意をわずかにその言葉に込めたが、そのショートヘアの部員は素っ気無く「そうなんだ」とだけ言った。その後に、続けて言う。「なんでこの高校にいるのかは知らないけど、俺は、お前にだって勝つからな」
「へいへい。凡人君はせいぜい頑張ってくれ」
「俺は立沢だ。……で、どうやら最悪なことに、今お前しか空いてるやつがいないらしい。練習相手になってやるよ」
「雑魚なんかが俺の相手になるかよ」
「たしかにお前ほど上手くはないけど、蹴ったボールを返してくれるやつが必要だろ」
「壁でもできるってんだよ。失せな」
「お前の友達は、壁だけか。悲しいやつだな」
「あ、バナナ男!」
壁山が不動を指差し、顔を真っ赤にしてずんずん近づいてきた。不動は手を後ろで組んで、つんとした顔で澄ましている。
「あんたもサッカー部だったんスね……!? 謝るまで許さないッス、俺と勝負するッス!」
「あーあーめんどくせえなお前は……。従兄弟のほうがまだマシだ」
「あ、あの〜」
鼻に絆創膏をつけた青年がボールを抱えて、なにやら揉めている3人に何か言いたそうにじっとしている。
「オイラ、サッカー初心者なんでやんす。湯田でやんす。そこのあんた、指導をお願いするでやんす!」湯田は不動を見ていた。
「はあ? めんどくせえ、そこの2人にでも頼めよ」
「あんたが一番上手そうでやんす」
不動の目の色が変わる。
「……いいセンスしてんじゃねえか。栗松みてーな喋り方する割にはよ。気に入ったぜ」
「ふっふ。栗松さんに憧れてサッカー始めたでやんす。あんたも、不動明王に少し似ているでやんすよ」
不動本人である。栗松とはUー14代表で不動と同じチームだったが、栗松のどこに憧れる要素があるのか、不動にはまったくわからない。ベストイレブンにも選ばれている吹雪、円堂、鬼道、豪炎寺ならまだしも、栗松は自分よりも活躍はしていなかった選手だったはずだ、と当時を思い返す。
でもまてよ、とここで不動は思う。もしや、自分より下手な栗松の方が有名なのでは? と。栗松がどこのユースに入ったかとか高校に入ったかとかはわからないが、もし、不動よりもいい環境でサッカーしていたら。
そうであれば、彼のプライドはズタズタだ。
立沢が笑顔でパン、と手の平を叩く。
「じゃあ四人揃ったし、鳥かごでもやるか!」
「鳥かご? なんでやんすかそれ」
「おいおい! 俺はやるとは言って————」
「俺が鳥やるッス!」
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