二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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イナズマイレブン4 呪われたフィールド! エース/ジョーカー
日時: 2012/11/23 17:03
名前: しろお (ID: 1umF9w7B)

「俺が……、エースか」
 伝説の高校生ストライカー豪炎寺修也———を従兄弟に持つ普通の高校生、豪炎寺真人(まさと)。彼は親の仕事の都合で日の出島という、自然豊富な田舎へ越すことになった。初日、見晴らしのいい岬で彼は大きな石につまずきそれを壊してしまう。実はその石というのが、ただの石ではなくかつての大戦の戦死者の慰霊碑だった。
 “サッカーに勝たないと消える”
 全てを賭して、呪われたピッチに少年は立つ。 
 
 イナズマイレブンシリーズ第4弾。
 呪われたフィールド! エース
 
テーマは「代償」
 

 〜作者挨拶〜
 ジョーカーの更新始めました
 


『強くなれ』
 愛媛にある至って普通の高校、花丸高校に入学した不動は、性格正反対、生涯のライバルとなる正義漢、立沢仁之介と出会う。
 競り合い、そして成長する中である日、試合中に謎の人物が乱入してくる。
 それこそが本当の、波乱に満ちた2人のサッカー人生の始まりだった。
 強さとは何か? 正義とは何か? 
 2人の少年はサッカーを通してその答えを求める。
 
 イナズマイレブンシリーズ第四弾
 呪われたフィールド! ジョーカー
 
 テーマは「正義」

 


                      ……多分

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Re: イナズマイレブン4  呪われたフィールド!  エース   ( No.1 )
日時: 2012/11/25 11:33
名前: しろお (ID: gllPNbLY)
参照: http://www.youtube.com/watch?v=CWQMKBLnHjk&feature=related




             オープニング

 
 






(あ、あたし……まだ、し、死にたくないよ!!)

(呪いから逃げることはできない。たとえお主が死んでもな) 

(すまない、サッカーは辞めた)

(俺が……、エースか)

(お前のせいで、お前のせいで、お前のせいで俺は神隠しに……!)

(カスはカスらしゅう、身の程を知れっちゅうことや)





「うおっ!! ……あ? うわあっ」
「大丈夫か真人、うなされてたぞ」
「え? あ、ああ、もう大丈夫」
「ついたぞ、日の出島だ。一度来たことがあるが、自然に囲まれたとてもいい場所だ……」
「自然……」
「……。お前には、不自由な思いを……」
「いいっていいって。しょうがないよ」
 少年の名は豪炎寺真人。高校2年生で、今年17歳になる。彼は、医師である父親の都合でこの小さな島にやってきた。雰囲気や性格はクールで落ち着いているが、声は表情に富んでいて明るい。
 二人は車で船から出て、新居へと向かった。
「やべ、父さん俺吐きそう……」
「船酔いか? そうか、お前は船に乗るのは初めてだったな」
「ちょっとここで降ろしてくれる……」
「ああ、そうしよう。だけどあまり時間は無いからな」
 車は、見晴らしのいい岬のある道で止まり、海の上に浮かぶ太陽に誘われて真人はふらふらと歩いた。
 黄色い空に太陽が揺らめいている。潮風の匂い。船からは見えていた本土は、もう見えない。真人はとうとう日の出島に来たことに気付いた。
(……ずいぶん離れたところに来ちゃったな。関東第一高校のみんなとは、もうなかなか会えないかな……)
「おーい! 日が暮れちまうぞ」
「あっ、ごめん今い」
 ガッ。ドテッ。
「いつつ……。あれ、なんだろこの石。あけぼの……丸? かねまさ……だましい?」
 あけぼの丸鎮魂、と大きな石には彫ってある。石は倒れたぶつかった衝撃で地面に倒れ、砕けてしまった。元々もろかったのだろう。
「どうしたー?」
「い、今行くよ!」
 この時彼は思ってみなかった。このことが後で、恐ろしい事件を引き起こすとは。



Re: イナズマイレブン4  呪われたフィールド!  エース   ( No.2 )
日時: 2012/02/28 23:35
名前: しろお (ID: luH4x61K)

      

 第一章            呪い







9月1週  日の出高校教室


「はいはいみんな注目ー。今日からウチのクラスに転校してきた……」
「豪炎寺真人です! よろしく!」
 暖かい拍手が送られる。日の出島にはここ日の出高校しか高校は無く、またクラスの人数は極端に少ないため、一学年につき一つのクラスしかない。
「みんな仲良くしてあげてね! えっと席は、山田くんの隣がいいかな」
「ここでやんすここ、ここ! オイラ山田でやんす、よろしく頼むでやんす」
 山田は大きな丸渕メガネをかけていた。
「山田君よろしく! ところでなんで『やんす』って語尾につけてるの?」
「ふっふーん! 俺の憧れの選手、栗松鉄平をリスペクトしてるんでやんすよ!」
「栗松って元雷門中の? じゃあ山田くんサッカーやるんだ」
「バリバリサッカーやってるでやんす! ところで豪炎寺君こそ、あの生ける伝説とまで言われたアノ人と同じ姓でやんすね! これは運命でやんす! ぜひサッカー部に入るべきでやんす!」
「真人でいいよ。うーん、前の学校でもサッカー部やってたけど、こんな田舎学校じゃなあ」
「なおさら入るべきでやんす! こんな小さな学校だけどちゃんと、サッカー部は活動してるんでやんすよ! 地区予選にだって一応出られるんでやんす!!」
 山田の説得はヒートアップし、顔を真っ赤にしてしゃべるものだから唾のしぶきが真人の顔に当たっている。
「わ、わかったわかった。入るよ、サッカーやるよ」
 そしてその日の午後、さっそく真人は部活に入った。
「みんな聞いてくれ、今日から彼が参加してくれることになった!」
 サッカー部のキャプテンである富田雄一の合図で、部員達が一斉に振り向く。
「豪炎寺真人です! よろしく」
「彼はなんとあの“関東第一高校”のサッカー部にいたんだ! 戦力として十二分に期待ができるぞ!」
「え!? いや俺は二軍……」
「すげぇ! 俺は小林だ!」
「え、ああ、よろしく!」
「僕は堤広信(ひろのぶ)と言う者です。以後お見知りおきを」
 七三分けヘアーでメガネをかけた、いかにもな感じの部員が言った。
「よろしく、堤くん」
「……しく……」
 巨漢の色黒男がぼそり、と呟く。
「え!?」
「ああ、『よろしく』だって! 小山くんは見た目は強そうだけど、無口でシャイなの。あたしはマネージャーの神木ユイ。よろしくね!」
「ウキッ」
「ん? 今なんか猿の声が……。まあとにかくよろしく神木さん!」
「猿じゃなくて、そいつは森本っていうんだ。れっきとした部員だぞ? 猿に似てるけどな」
「君は?」
「俺は島岡武雄。おまえ、ちょっとサッカーが上手いからってあんまり調子に乗るなよ」
 島岡は、ぽちゃっとした顔つきで、やたらまつげが濃い。
「わかった、よろしく!」
「まったく調子に乗ってるのはどっちでやんすか。村長の息子だからっていつも威張り散らして……」
「おい山田ぁ、なんか言ったか」
「何も言ってないでやんす!」
「まあとにかく、以上がメンバーだ」
「え? ちょ、ちょっと待ってくださいキャプテン。たった7人しかいないんですか? 試合の日とかは……」
「ああ、それなら問題ないでやんす! 他の部から助っ人呼ぶんでやんす。7人っていってもこの島の人口から考えれば恵まれてる方でやんす!!」
「それもそうか……」
「せっかく真人くんが入ったのですから、ここは一つ記念写真でも撮りましょう。僕が作ったこのタイムシャッター式カメラなら、全員映りますからね。行きますよ」
 堤はカメラを設置し、急いでメンバーのところへ駆け出す。
 カシャッ。と乾いたシャッター音が鳴る。
 神木と真人を入れて、9人が写真に収まった。






 
 
 その頃の岬。腰の曲がった老婆と、巫女の格好をした若い娘がいた。
「むうっ、なんじゃこれは!!」
「おばあ様、どうかしましたか」
「あけぼの丸の慰霊碑を誰かが壊しておる! なんと罰当たりな! きっと祟りが起こるぞ!」
「……祟り……ですか?」

Re: イナズマイレブン4  呪われたフィールド!  エース   ( No.3 )
日時: 2012/02/28 20:11
名前: しろお (ID: luH4x61K)

「オイラの華麗なドリブルを見るでやんす!」
「山田くんとの距離は約2m……このことから考えてパスの選択肢も無い訳じゃない……山田くんの行動パターンと僕の計算から言って……ブツブツ」
「あっ、ボールが勝手に!」
「ぶふっ!」
 堤の顔面にボールがヒットし、堤は倒れた。メガネが派手に吹っ飛んでいく。
「ははは。山田ー、お前ドリブル下手くそなんだから、パスしろよなー」
「パスのほうが苦手でやんす! だいたい小林くんこそそんなところにいても無駄でやんす!」
「えー。そうかなあ」
 この光景を呆然として眺める真人。
(……入部から一週間……練習を見てきたけど……なんというか向こうで万年補欠だった俺の目から見てもすっげぇレベル低いなこれ。いや、こんな小さな学校じゃしょうがないか……)
「いぇーいぇー。かってなこうぜぇー」
 島岡はイヤホンを耳につけながら何かの歌を歌っている。
(みんなからもあまりやる気を感じないし……)
 練習が終わり、部員達は部室で着替え始める。
 ヒュウーと冷たい隙間風がどこからか入ってきたり、床を踏むたびにギシギシと嫌な音がする。
(部室ボロいし……)
「げっ、扉が壊れちまった」
 島岡は外れたドアを無理に直そうとしている。
「神木さん。こういうのって、部費でなんとかならないのかな」
「部費……? いけない、忘れてた! 真人くんからまだ部費もらってなかったよね」
「ああ、そうだっけ」
 真人は部費を3千円払った。
「あっやべっ。ボールさっき蹴飛ばしちゃったんだよな……。ま、いいか」
 小林は頭をぼりぼり掻いて、ふうと息を吐いた。
「よくないよ小林くん! 俺も一緒に探すから、やろうよ!」
 ただでさえボールの数が少ない現状で何を言ってるんだこいつは、と思いつつも真人は小林に言った。真人は万年補欠だったが、前にいた関東第一高校は強豪校であり設備が整っていた。以前の彼ならボールのことを気にするなど、全くしなかっただろう。
「おっ、そうか? なんか悪いなぁ」
 小林と共に、真人は校舎の方へ向かう。渡り廊下で捜していると、担任のみゆき先生が通りがかった。
「ボール落っこちてたよー」
「あ、ヨミちゃん! ありがとー!」
 小林は慣れ慣れしく笑顔で言う。
「なっ、ダメでしょ、もう! いくら若いからってそんな呼び方しちゃ!」
「先生、ハンカチ落としてましたよ」
「あ、ありがとー冷泉(れいせん)さん!」
「……その名前で呼ばないでください、変な名前だから……」
「あ。君はたしか同じクラスの。天本さんだっけ?」
 ショートヘアーの女子生徒は、こくりと頷いた。
「よろしくおねがいします、えっと、真人くん」
「よろしく!」
 なんか静かな人だなあ、と真人は思いつつも、彼女の不思議な雰囲気が気になる。
「なあ、これからみゆき先生のことヨミ先生って呼ばないか?」
 小林が明るい声を出す。
「いいでやんすね、それ!」
「わっ、山田くん! いつの間に」
「まあ行こうぜ。真人に、この島を案内してやらないとな!」
「ラジャーでやんす!」
「ああ、それは助かるよ! 到着早々変な石につまづいた時はどうなるかと思ったけど……。あっ、そうだ、誰かあの石のこと知って……」
 真人は突如体に悪寒を感じ、言葉を止めた。
(……え……今……何か……)
 真人がきょろきょろと辺りを見回すと、天本がじっと真人のことを見つめていた。  
「どうかしましたか?」
 先に口を開いたのは天本だった。
「いや、気のせいだよね……。なんでもないぜ!」


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