二次創作小説（映像）※倉庫ログ
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- イナズマイレブン４ 呪われたフィールド！ エース／ジョーカー
- 日時： 2012/11/23 17:03
- 名前： しろお （ID: 1umF9w7B）
「俺が……、エースか」
伝説の高校生ストライカー豪炎寺修也———を従兄弟に持つ普通の高校生、豪炎寺真人（まさと）。彼は親の仕事の都合で日の出島という、自然豊富な田舎へ越すことになった。初日、見晴らしのいい岬で彼は大きな石につまずきそれを壊してしまう。実はその石というのが、ただの石ではなくかつての大戦の戦死者の慰霊碑だった。
“サッカーに勝たないと消える”
全てを賭して、呪われたピッチに少年は立つ。
イナズマイレブンシリーズ第４弾。
呪われたフィールド！ エース
テーマは「代償」
〜作者挨拶〜
ジョーカーの更新始めました
『強くなれ』
愛媛にある至って普通の高校、花丸高校に入学した不動は、性格正反対、生涯のライバルとなる正義漢、立沢仁之介と出会う。
競り合い、そして成長する中である日、試合中に謎の人物が乱入してくる。
それこそが本当の、波乱に満ちた２人のサッカー人生の始まりだった。
強さとは何か？ 正義とは何か？
２人の少年はサッカーを通してその答えを求める。
イナズマイレブンシリーズ第四弾
呪われたフィールド！ ジョーカー
テーマは「正義」
……多分
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- Re: イナズマイレブン４ 呪われたフィールド！ エース／ジョーカー ( No.189 )
- 日時： 2012/12/22 22:11
- 名前： しろお （ID: 5N.IJ2Y2）
１２月３週
オフの日だが、特にやることもない立沢は、軽くランニングした後湯田と埋立地のあたりをうろついてみた。
「ここって、なんなんでやんすかね。知ってるでやんすか？」
「たしか新しい港湾設備だったかな」
けっこうな広さで、使ってないスペースも多い。ここで練習できないでやんすかね、と、湯田が聞く。
「はは、やめたほうがいいでしょ」
たしかに、光が強いから夜も練習できるうえに、広いが、トラックが時々通るし見つかると怒られそうだ。
ふいに、立沢の視界に黒い影がうつった。
「あれ？ 誰かそこにいなかったか？」
「オイラは見えなかったでやんすよ」
「そっか。見間違えかな」
レッドと似た格好をした、黒いヒーロースーツを着た影が見えたような気がしたが、立沢は忘れることにした。
次の日の、練習中。
「あのー。でやんす」
湯田が、レッドに話しかけた。「なんだ？」
「その、つ、角は何のためにあるのでやんすか」
レッドの額には、ブーメランのような左右に伸びた角が付いている。
「うん？ ああこれか。これはレーダーだ」
「レーダー！ すごいでやんす！」
「そうだろうそうだろう」
「ところで、なんのためのレーダーなんでやんすか？」
「何のためだと？ もちろん敵を探すためさ」
「て、敵でやんすか。敵ってやっぱり、怪人でやんすよね」
「それもそうだが、悪人も探し出せるのさ」
「すごいでやんす……」
「すごいだろう。実はこれ以外にも、ヒーローには２６の秘密が隠されているんだ」
「２６でやんすか！ すごいでやんす！ かっこいいでやんす！」
「今は練習だから、次は、このマフラーについて説明してあげよう」
「うおー！ 楽しみでやんす！」
いったい何をやっているんだあいつら、と立沢はしらけた目で眺める。
- Re: イナズマイレブン４ 呪われたフィールド！ エース／ジョーカー ( No.190 )
- 日時： 2012/12/22 22:13
- 名前： しろお （ID: 5N.IJ2Y2）
１月１週
去年は色々あったが、とりあえず、立沢と湯田は初詣に行くことにした。
「今年こそは全国だ！」
「む、あそこにいるのはブルーでやんすね」
「おお、湯田に立沢か。あけましておめでとう」
「おめでとう。パトロールかい？」
「まあな。この時期の神社や寺は、いかにもワルクロ団が狙いそうな場所だ」
「タイヘンだな。今年も一緒に頑張ろう！」
しばらく間を置いて、ブルーは「は？」と言った。
「一緒に、なにを頑張るって？」
「サッカーに決まってるでやんすよ」
「なんだ、サッカーか。それなら『俺たちに』任せておいてくれ。『一緒に頑張る』なんて言うから、なんのことかと思ったよ」
そういい残して、ブルーはまた人ごみに消えていった。消えていくと行っても格好が嫌でも目立つので、埋もれただけだが、それにしても湯田は今のブルーの言葉は癪に障ったことだろう。たしかに、ヒーローたちの力がなければ全国は夢のまた夢だ。
「ちょっと、気に食わない発言でやんすよね。いくらヒーローだからって、チームメイトなのに」
「まあまあ。おみくじでもやっていこう」
結果は、立沢は大吉、湯田は吉だった。
２人が、不動がいるのを見つけて、新年の挨拶をした。
「不動くんも一緒に、全国を目指すでやんすよ」
「フン。てめーらは俺の足を引っ張らないでくれよ、頼むぜ」
不動が引いたおみくじの結果は、大凶だった。それを見た立沢がぷぷっと笑いを洩らす。
「くくっ……ど、どっちが足を引っ張るのかねえ……くふふっ……」
「ちっ。だから俺は嫌なんだよ、こんなもんは！」
ちなみに不動は今まで、大凶か凶しか引いたことがない。
冬休みも練習漬けの日々が続いた。
- Re: イナズマイレブン４ 呪われたフィールド！ エース／ジョーカー ( No.191 )
- 日時： 2012/12/22 22:14
- 名前： しろお （ID: 5N.IJ2Y2）
１月２週
サッカー部の部室にて。
「あのーでやんす」
「ん？」
湯田が、イエローに話しかけた。
「レッドにヒーローの秘密を教えてもらっていたでやんすが、最近レッドは忙しいみたいでやんす。それで、マフラーの秘密をまだ教えてもらってないでやんす」
「おお、ヒーローの秘密が知りたいのか。このマフラーはな、なんと空を滑空するときに役立つんだ」
「なぁんと！ 空を飛べるんでやんすか！」
「ちゃんと聞いてたか。飛べるんじゃなくて、滑空できるんだ。かっくう、だ」
「ほお。じゃあグライダーみたいなもんでやんすね」
「一般人風に言うとな」
「じゃあ、あのビルから飛び降りても平気でやんすよね」
湯田が、この町で一番高いヤブラサカアイアンビルの頂上を指差す。
「え！？ あのビルからか。そ、それは、ちょっと……」
「できないんでやんすか。ヒーローなのに……」
「おいイエロー」ブルーが言う。「悔しくないのか」
「あ、ああ。そのうち飛んでやるよ！ ……そのうちな……」
「ええ？ 今飛んでほしいでやんす」
「むむむう……よし！ 次回はこのゴーグルについての説明をしてあげよう。楽しみに待っているように！」
「おお！ 楽しみでやんすー！ あれ？ でもマフラーは……」
「湯田。男は細かいことは気にしてはだめだ」
「そ、そうでやんすね。オイラ全然気にしないでやんす！」
- Re: イナズマイレブン４ 呪われたフィールド！ エース／ジョーカー ( No.192 )
- 日時： 2012/12/22 22:16
- 名前： しろお （ID: 5loToV1C）
「ブルーは飛べるのか？」
話を聞いていた立沢がたずねた。
「ああ」
「じゃあなんでイエローは？」
「イエローは特別で、ヒーローの中では一番の力持ちだが、その代わり足が遅く飛行能力を持たない。ちなみに俺は足が早くレーダー感知も鋭いから、情報収集担当だ。ちなみにレッドは、全ての能力が平均的に高いリーダーだ」
「さて」
準備を終え、練習に向かおうとすると、誰かの怒鳴る声が部室の中に響いた。
有田だった。サッカー部一の好色男で、練習にいつも遅刻するのも有田だ。ケータイ電話に向かって何か言っている。
「……わかったって！ そんなこと言われても、お前とはもう終わったことだし。じゃあな！」
おい有田、と声をかけようとしたが、とても話しかけられる雰囲気ではなかった。有田は通話を切り「けっ。うっとうしい女だ」と吐き捨てるように呟いた。
- Re: イナズマイレブン４ 呪われたフィールド！ エース／ジョーカー ( No.193 )
- 日時： 2012/12/22 22:17
- 名前： しろお （ID: 5loToV1C）
1月３週
「タイヘンでやんす！」
遅刻して早々、息を切らしながら湯田は、隣の席の立沢に言った。今日は朝練がなかった。
「朝からなんの騒ぎだい？」と立沢が訊く。
「またもやワルクロ団でやんす！ 今度は、ダムを爆破しようとしたらしいでやんす！」
「本当かい？」
素直にこれには驚いた。福引所を襲っていた頃と比べると、確かに驚くほどの変化だ。ワルクロ団の狙いは一体なんなんだ、と立沢は呟く。
「やつらは危険な犯罪集団だ」レッドが2人の背後にたつ。
「怪人は倒したが、ワルドスにダム爆破をネタに脅され、こちらは手出しできなかった。ダム爆破の阻止と引き換えに、警察は相手の要求の金額を渡した」
立沢と湯田は、へえ、と間の抜けた返事をする。
「言い訳するようだが、ダム爆破を阻止するほうが大事だったからな。爆破されていれば下流地域一帯が水浸しになるところだった」
「スリリングでやんすねえ。オイラたちの世界とは別の世界の出来事みたいでやんす」湯田はなぜか嬉しそうに言う。
立沢は苦笑いを浮かべ、
「おいおい。そのヒーローたちと同じサッカー部にいるんだぜ？」と言った。
しかし、ワルクロ団ねえ。
そう思ったところで、立沢の脳裏を、不動の言葉が横切った。
嫌な予感がしないか————。
一時間目の予鈴が、鳴った。
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