ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 彼女が消えた理由。 完結 そして、
- 日時: 2011/08/31 01:40
- 名前: 朝倉疾風 (ID: 0nxNeEFs)
- 参照: http://lyze.jp/ix3x/
キャラ説明
>>79
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- Re: 彼女が消えた理由。 ちょっとしたお知らせ ( No.170 )
- 日時: 2011/08/15 16:49
- 名前: 朝倉疾風 (ID: 0nxNeEFs)
- 参照: http://ameblo.jp/ix3x-luv/
『今日も学校に来てなかったけど、どうしたよ』
「ちょっと緊急事態。 吉川、おまえこっちこれる?」
『今から? ……10分もあればいけるけど。 それ、園松関係してんの?』
「俺、大ピンチなわけよ。 ちょっといまもダメージくらってる」
『わかった、行くよ。 駅で待ってろよ、陽忍』
園松ミユキが、消えた。
これが自らの意思による家出や、失踪には思えない。 俺が安藤さんを送る数分前は、普通だったんだから。
誘拐とも考えにくい。 玄関にあったミユキの靴がなくなっていた。 それに、アパートの3階で誘拐、というのも犯人のリスクが高いだけだ。
「警察に言わなくていいのかよ」
「それも考えたけど、大事にしたくない。 マスコミとかにバレたら、またうるさいから」
駅で合流した吉川に、ミユキが消えたことを説明すると、彼は不安そうな表情をあらわにした。
もっともなことを言ってくれたけど、警察はダメなんだ、
それでなくても、蓮奈さんが殺されて数社が心境を聞きに電話をかけてくるほどだった。 あんな目には、もうあいたくない。
「だけど、もし何か事件に巻き込まれてたらどうするよ。 縁起でも無ぇけど、園松の叔母さんを殺した犯人だって、まだ見つかってねえんだから」
「関係、あるのか?」
蓮奈さんが殺された事件と、今回のミユキが消えた理由と。
「もしもの話だよ」
「あー、ここにいた。 もっしもーし、そこのニーチャンら」
俺は無視したのに、吉川が振り返る。
仕方なく声がしたほうを振り向くと、どっかで見た顔があった。
金髪の、ちょっとヤンキーな雰囲気の。
「ああ、ニーチャンらって言っても、そっちの、なんか眠たそうな奴な」
「……………あ、あの人だ」
スーパーの雑誌売り場で財布を落としていった、金髪の男の人だ。
あと、どこか憂いげな男も一緒にいる。 こちらは新顔だ。
「あの時は財布拾ってくれてどーも。 入ってた名刺のおかげで電話かかってきたときは、マジで焦ったわ。 持ってきてくれた奴の特徴聞いたら、アンタだってすぐわかった。 礼が言いたくてな」
礼が言いたい……。 それだけで駅周辺を連れとたむろしているか?
「いいですよ。 わざわざどうも」
「おう。 ……あ、名刺の俺の名前読めたか? 読めなかったろ」
「確か、月が無いみたいな感じですよね」
「あれ、“つきな”って読むの。 俺、星野月無っていうんだわ」
ニコリと笑った、星野さん。
俺は星野さんよりも、その横でじっとこちらを見ている男が気になった。
吸い込まれそうなほど目が黒い。
「あの、すいません。 俺たち急いでるんですけど」
少し焦ったように吉川が星野さんに言う。
「ああ、悪いな引き止めて」 「アンタの名前は?」
星野さんの隣にいた男が口を開く。
いきなり名前を聞かれて、面食らった。 しかも俺限定。
「すまんな。 コイツ、少し変な奴だから」
「いえいいですよ。 …………陽忍です。 陽忍千尋」
名乗ってから立ち去るのって、ゲームの主人公みたいだと思う。
これだと、パーティの仲間は吉川ってことか。 なんか頼りないな。
さて、ミユキという仲間を捜しだして、冒険の書なるものにデータ保存だ。
- Re: 彼女が消えた理由。 ちょっとしたお知らせ ( No.171 )
- 日時: 2011/08/15 19:26
- 名前: 風猫(元:風 ◆jU80AwU6/. (ID: COM.pgX6)
まぁ、恐らく言っているでしょうね。
でも、愛でれる対象が一人と言うのは寂しいですよ……特に彼女の様な人間なら成るべく多くの人間に依存したいでしょうし。
十年前から何も変っていない……高々十年で深く抉られた心の傷が戻るとでも思うのかと逆に問いたくなる私です。
きっと、無理です。 永遠に永遠に其処に居つづけるのです。 良いなぁ★
そうだと良いなぁ、楽しい(オイ
そして、矛盾の無い人間なんて其れこそ人間じゃないとも思います。
正直、人間なんて最も根本的な部分が矛盾しているし、それに日々過去は変化せずとも思想は変化しますから……
彼らの様な人間なら軋む塔の様に微妙なバランスで倒れないように揺れ続けると思います。
それが、この作品の肝だと思いますしね。
もう、最後の方で盛大に……それは盛大に救いようの無いほどに壊れて欲しい♪
切望です!
- Re: 彼女が消えた理由。 ちょっとしたお知らせ ( No.172 )
- 日時: 2011/08/15 21:06
- 名前: 朝倉疾風 (ID: 0nxNeEFs)
- 参照: http://ameblo.jp/ix3x-luv/
ミユキは存在自体が矛盾してるんです。
千尋が嫌いなくせに、彼に依存して。 人間に依存したいのに、人間が嫌い。
だから、そもそも、彼女がひとりで生きて行くのは無理だけど。
彼女が人間と生きて行くのも、無理なんです。
うわあ、すごく矛盾していますね。 ミユキ、矛盾娘。
10年前、彼らは6歳だから、さほど覚えてないんじゃないかと
思われがちですが、案外、ハッキリ覚えてます。
最後はもう頭の中で形が整っています。
バッドエンドか、ハッピーエンドかは、あえて伏せます。
ああ、最終話がはやく書きたい。切実に。
- Re: 彼女が消えた理由。 ちょっとしたお知らせ ( No.173 )
- 日時: 2011/08/15 21:12
- 名前: 紫雨((元:右左 ◆mXR.nLqpUY (ID: 8hgpVngW)
- 参照: http://ameblo.jp/kaenclone
幼いころは妙に記憶力がいいですよね。
故に現在も幼いころの事は鮮明に覚えています。
あたしが男子泣かした事とか←
ゲームに例えたところがステキだと思います。
ミユキはパーティに加わってもきっとふらふらしてどっか行くと思います。
あたしの中のミユキ像です。
- Re: 彼女が消えた理由。 ちょっとしたお知らせ ( No.174 )
- 日時: 2011/08/15 21:17
- 名前: 朝倉疾風 (ID: 0nxNeEFs)
- 参照: http://ameblo.jp/ix3x-luv/
△ △ △ △
ヒロカは、よく日記を書いていた。 27歳の大人が子どもみたいだと、からかった。
「これは、ラブレターなんだから」
そう言われて、内容を見せてもらうと、親友である千里という女子に
あてた恋文が綴られていた。
「もう、彼女は結婚して、子どもがいるの。 五鈴という名前なの」
そう言う彼女は寂しそうで、とても苦しそうだった。
「千里は、わたしが同性愛者ということも、男相手に媚びていることも
全然知らないの。 きっと、嫌いになっちゃうよね」
親友である千里への想いを、必死にこらえる彼女を見て、胸が痛くなる。
大事そうに日記を鞄にしまいこみ、ヒロカは俺の頬に手を這わせてきた。
「なに……ヒロカ……」
「わたしねえ、千里のこと大好きだけど……キミのことも好きだよ」
27歳にしては童顔で、言動も子どもだけど、こういうときだけ、別の顔を見せる。
まだ14歳だった俺は、彼女に夢中で。
だけど、所詮はまだ中坊のガキで。
だから、受け入れられなかったんだ。
ヒロカが、妊娠したことも。
その腹に宿る赤ん坊が、俺の子どもだってことも。
ふたつめの、後悔は。
「ミユキ」というその赤ん坊を、俺が、ヒロカより、愛してしまったことだった。
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