ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 彼女が消えた理由。 完結 そして、
- 日時: 2011/08/31 01:40
- 名前: 朝倉疾風 (ID: 0nxNeEFs)
- 参照: http://lyze.jp/ix3x/
キャラ説明
>>79
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- Re: 彼女が消えた理由。 ちょっとしたお知らせ ( No.145 )
- 日時: 2011/08/09 12:27
- 名前: NAHO (ID: km7KrdXm)
はじめまして♪
なんか、文章の書き方とかストーリー結構好きです。
小一時間程、読みふけってしまいました♪
まさか、ミユキと同じ誕生日なんてビックリです◎◎
最後まで絶対読みます!読ませてください!!
- Re: 彼女が消えた理由。 ちょっとしたお知らせ ( No.146 )
- 日時: 2011/08/09 18:30
- 名前: 朝倉疾風 (ID: 0nxNeEFs)
- 参照: http://ameblo.jp/ix3x-luv/
ここでまたミユキのキャラが少し
分からなくなってしまいました。
朝倉はピンチです。 でも頑張って見せる。
怖いですよね…ミユキは。
>Neonさん
温かいコメをありがとうございます。
ミユキと同じ誕生日なんですか?
偶然ですね。ランダムに決めていたので。
最後までお付き合いしてくださるなんて、
朝倉はありがたいです。
>NAHOさん
- Re: 彼女が消えた理由。 ちょっとしたお知らせ ( No.147 )
- 日時: 2011/08/09 21:04
- 名前: 朝倉疾風 (ID: 0nxNeEFs)
- 参照: http://ameblo.jp/ix3x-luv/
細い指がスプーンを掴もうとして、失敗する。 手から滑り落ちたスプーンは床に落ちて乾いた音がした。
無言でそれを取り、ミユキの手に握らせる。
「しっかり持たないと、落ちるよ」
そう言って見たミユキの目から、水が流れていた。
それが涙だと認識するのに時間がかかるほど、自然的に零れていた。 虚ろな目には、並ぶ食事など到底見えているはずもない。
「お粥……食べねぇの?」
食事をすると嘔吐を繰り返すミユキのために、ドロドロに溶かした白米を口に運ぶ。 ミユキは微かに口を開けたが、スプーンが入らない。
「口開けねえと、食わせられねえだろ」
「みんな消えちゃったね」
全く会話が噛みあっていない。 ボソリと呟いたミユキの声が、残像が、耳に響く。
みんな、か……。
「まだ俺がいる。 俺はミユキを一人にしない」
「嘘だよ」
「嘘じゃない」
「ぜったいに嘘だよッ!」
急にミユキが立ち上がったから、持っていた粥を落としてしまい、皿が割れた。 そんなことよりも、ミユキが怒鳴ったことが衝撃だった。
「ぜったいに嘘なの。 叔母さんだってわたしを一人にしないと言ったもの。 なのに一人にした。 勝手にひとりで死んじゃったんだよ」
ヒステリックに叫んでいるけれど、俺はこの言葉で確信した。
ミユキは蓮奈さんが殺されたことに悲しんでいるわけじゃない。
“蓮奈さんが自分を一人にしたことが、ショックだった”んだ。
殺されただの死んだだのどうでもいい。 自分が一人きりにされたのが凄くショックで、憤怒して、焦燥している。 それだけなんだ、彼女にとっては。
だから、蓮奈さんを殺した犯人云々よりも、自分を置いて勝手に死んだ蓮奈さんに怒りを覚えている。
「嘘つきだよ、叔母さんは。 大嫌い。 家に帰ったらいないの。 血が、血に、血だらけで、怖い。 わたし大嫌い」
震える肩を抱きしめることも、散らばっている皿の破片を拾うこともできない。
「────嘘じゃない。 どうして俺を拒否するの」
「アンタの顔は嫌い。 あの女に似てる。 わたしのお母さんを殺したあの女に。 似すぎてる」
「ミユキもヒロカに似てるんだけどね」
どちらにしろ、俺とミユキは母親似だ。
「じゃあ、俺がミユキから離れると、本当に一人だね」
その言葉に、彼女がどれほどの絶望を突き付けられたのかは知らない。
人形のように表情が消えるミユキを、そっと抱きしめる。
「嘘だよ」
囁く。
「俺は、何があってもミユキを一人にしない。 本当だよ。 ずっと一緒だから。 約束。 絶対に破らない」
この約束だけは守らないと。
決して破ることのない、彼女との約束。
- Re: 彼女が消えた理由。 ちょっとしたお知らせ ( No.148 )
- 日時: 2011/08/10 11:02
- 名前: 朝倉疾風 (ID: 0nxNeEFs)
- 参照: http://ameblo.jp/ix3x-luv/
△ △ △ △
彼女と出会ったのは、公園だった。
真夜中に仲間と花火をしていたら、彼女がやってきた。
いまどき誰も着ないような白いワンピースに、何故か裸足だったのを覚えている。
金髪やらの集団に彼女はひとりで声をかけた。
「楽しそう。 わたしも混ぜて」
男だらけのグループに、臆することもなく。
試しに線香花火を渡すと、子どもみたいにはしゃいでいた。
「名前、なんていうの」
「ヒロカ」
俺が14歳のとき、ヒロカは27歳だった。
△ △ △ △
ミユキの手をひいて近所のスーパーに買い物に行く。
傍から見れば同棲中の恋人か、兄弟か。 それとも友だちか。 どう見えるのかは分からないけど、絶対に親同士が浮気していて殺人事件にまで発展した10年前の被害者とは見えないだろう。
「お菓子、買っていい?」 「どうぞ」
蓮奈さんが殺されてから、依存しきる人間がいなくなったいま、ミユキは俺にも徐々に近寄るようになってきた。 俺が近寄るのではなく、彼女からの接近はアリらしい。
ミユキが菓子を選んでいる間、暇なので並んである週刊誌を適当に見ていた。
「…………あ」
蓮奈さんを見つけた。
『超人気美人漫画家、自宅で殺害される』 と見出しがある。
「蓮奈さんだ」
あの人、人気の漫画家だったのか。 全然知らなかった。 ペンネーム……七星悠貴。 これでななせゆうきって読むのか。
「へえ……これ知ってるけど、蓮奈さんが描いたのか……」
「あっれ、おかしいな。 今週の無ぇじゃん」
横からぬっと現れた人影に少し驚く。 金髪が視界に入り、あ、ヤンキーだと思った。
「今週の週刊誌……どこだどこだ……あ」
男の目が、俺の持っている週刊誌に向けられる。 目と目が合った。
「えっと……どうぞ」 「んにゃ。 えーよえーよ。 見たい所だけ見せてくれたら」
軽い口調で男は言いながら、週刊誌を覗き込む。
「お、ちょーど見たいページだ。 俺、この人のファンだったんだよな。 ショックだわ」
「そうなんですか。 俺はあんまり漫画とか知らないから……」
「珍しいね、今時の子にしては」
ポンッと肩を叩かれて、そう耳元で囁かれた。 男はそのまま自動ドアに吸い込まれるように出て行った。
記事、あんまり読まなかったみたいだけど、よかったのかな。
「ポテチ、うすしお味にした」 「っ、びびった」
ミユキから話しかける事なんていままでなかったから、少し新鮮。
彼女の手には見慣れたスナック菓子が握られていた。
「んじゃあ、帰ろうか」 「……これ、なに?」
ミユキが屈みこんで、財布のようなものを拾った。 デザインが奇抜で、それが本当に財布なのか一瞬分からなかった。
「──あ、さっきの人が落としたのかも。 名刺か何か入ってない?」
「ある。 ……星野……なんて読むの?」
ミユキが差し出した名刺には、『星野 月無』とあった。 名前の読み方が分かりにくい。
「普通は読み方も書いてるんだけどな。 ……つきなし? 分からない」
「これ、どこに届けるの?」
「交番。 この近くにあったから」
野暮用ができたけれど、ミユキは嫌な顔ひとつしない。
確実に以前より丸くなったというか、俺に依存方向を向けている。
「帰ったら、ご飯食べような」 「うん」
平日の昼なのに。 俺とミユキは学校にも行かず。
そういえば、吉川に会ってないと、思った。
- Re: 彼女が消えた理由。 ちょっとしたお知らせ ( No.149 )
- 日時: 2011/08/10 12:28
- 名前: 紫雨((元:右左 ◆mXR.nLqpUY (ID: 8hgpVngW)
- 参照: http://ameblo.jp/kaenclone
ああミユキちゃんかわいい。
吉川くんいないと彼らボケ倒すばかりですね。
こう、正常な人……!←
世界観がステキだと思います。
わたしも入間さんスキです。
客観的に狂っているが、主観的に狂ってない物語と言うのが、
とてつもなくダイスキです。
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