ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 彼女が消えた理由。 完結 そして、
- 日時: 2011/08/31 01:40
- 名前: 朝倉疾風 (ID: 0nxNeEFs)
- 参照: http://lyze.jp/ix3x/
キャラ説明
>>79
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- Re: 彼女が消えた理由。 ちょっとしたお知らせ ( No.190 )
- 日時: 2011/08/21 22:27
- 名前: 朝倉疾風 (ID: 0nxNeEFs)
- 参照: http://ameblo.jp/ix3x-luv/
もどきなんかじゃないです。
朝倉こそあなたの小説の奥深さには
毎度のことながら驚いております。
朝倉は、うすしお味が好きです。
ポテチが食べられないなんて、珍しい!
- Re: 彼女が消えた理由。 ちょっとしたお知らせ ( No.191 )
- 日時: 2011/08/21 22:49
- 名前: 朝倉疾風 (ID: 0nxNeEFs)
- 参照: http://ameblo.jp/ix3x-luv/
第4章
『復讐者』
♪
はじめて千里に会ったのは、高校1年の春。
同じクラスにいる、少しヤンキーっぽい女の子。 それが第一印象。
男勝りな性格で、手が荒くて。 そんな彼女を好きになったのは、夏休みだった。
千里はとても頼りになって、わたしのことを、「ヒロカ」と呼んで、すごく親しくしてくれた。 花火も一緒に見たね。
わたしはあなたに想いを伝えることが怖くて、この友情さえも終わってしまいそうで、あなたが、陽忍くんに告白されているのを、黙って見てることしかできなかった。
「わたし、陽忍と付き合うことになった」
恋が叶って、満面の笑みを浮かべてるあなたに、わたしはどんな言葉を返したんだろう。
もう、覚えてないけれど。
その2年後、あなたは妊娠して、高校を辞めて、五鈴くんを出産した。
陽忍くんと幸せそうに赤ちゃんを抱いているあなたを見て、愛しいと同時に、激しい憎悪と後悔が襲ってきた。
「わたしが女だからいけないの? 男だったらわたしと寝てくれた? あの時告白していたらよかったの? あなたはわたしが苦しんでいることに気づかないで、他の男の子どもを産んで、幸せそうにしてるんだよ? あなたは幸せだけど、わたしには悪夢なんだよ」
そう言ってしまえばよかったのかもしれない。
完全に縁を断ち切っていれば。
わたしはいま、お腹に赤ちゃんがいます。 27歳にしてやっと、わたしも妊娠しています。
あなたは同じ時期に二人目を身ごもっていますね。 男の子らしいけれど、名前は、わたしとあなたの漢字をとって、「千尋」にしましょう。
そして……わたしはあなたに復讐するでしょう。
わたしのお腹にいる赤ちゃんを使って、あなたの旦那を使って、あなたの子どもを使って、わたし自身を使って。
陽忍家を破滅へと追い込む、復讐者になるでしょう。
♪
そこは、明かりも何もない、薄暗い部屋だった。
窓から入ってくる日光はカーテンで遮断され、モノクロなインテリアが洒落た雰囲気を醸し出す。
その部屋に、園松ミユキはいた。
黒く長い髪は腰まで届き、青白い肌が透き通って見える。 母親にそっくりな顔立ちは整っており、どこか妖艶さと幼さを併せ持っていた。
「ミユキ」
名前を呼ばれ、ミユキは振り返る。
そこには、ひとりの男が立っていた。
「ポテチ、うすしお味だけど、いる?」
能天気そうな男の声。 ミユキは頷きもせず、虚ろげに男を見ている。
「ああ、あと。 検査の結果だけどさぁ」
ピクリと、ミユキの眉が動いた。
「結果、赤く染まったよ。 おめでとう」
「え…………嘘……」
久しぶりにミユキから声が発せられた。
しかしそれは、細い喉から出た息のようにかすかで。 真実を受け入れない表情は、次第にこわばる。
「嘘じゃない。 俺は嘘なんかつかない」
「嘘だ……嘘、だ……」
「今日からキミも、“母親”だよ。 ミユキ」
うそだ
ミユキの口がそう動く。 声は出ないけれど。
つきつけられた真実と、男が持っている妊娠検査薬を手で払い落す。
「嘘……ちがっ、そんなの……嘘だよ……」
誰が父親かなんて分かってる。
ミユキを愛していたのは、この世界でたったひとりだけ。
「ち、ひろ……ちひろ……ちひろッ」
瞬間、男の手がミユキの頭を撫でる。 壊れやすい骨董品を扱うかのように。
そうっと。
「これで、復讐ができるよ」
ミユキの目から、涙が零れる。
こんなこと、彼女はひとつも望んでいなかった。
「……ちひろ」
彼の名を呼んでも、彼はここにはいない。
助けにはきてくれない。
- Re: 彼女が消えた理由。 ちょっとしたお知らせ ( No.192 )
- 日時: 2011/08/21 23:09
- 名前: 朝倉疾風 (ID: 0nxNeEFs)
- 参照: http://ameblo.jp/ix3x-luv/
なんか呼ばれた気がしたけど、気のせいかな。
「千尋、おまえ何ボケーとしてんだよ。 園松ミユキの父親探しに行くっつってたのに」
「あー手掛かりがなかった」
「ていうか、寒ぃから暖房つけろ。 あとうぜぇからテンション下げるな」
なんで五鈴は俺の家にまた居候してるんだ。 チクショウ。
「そういや、お前の留守中電話きたぞ。 安藤恵登ってやつ。 園松蓮奈の殺害現場に、数本の頭髪が落ちてたって。 あと、目撃証言で、男が園松蓮奈の家の周りをチョロチョロしてたって」
うーあー……。 そういや、俺と吉川がまだ捜査中の蓮奈さんの家に行ったけど、それバレたらややこしいな。 後で安藤さんに言っとくか。
「で、その目撃された男ってどんな奴ですか?」
『年齢は20代〜30代ほどの若い男。 身長とかもスラリとしていて、モデルみたいな人らしいです。 近所のお婆さんからの情報ですけど』
「顔とか見てないんですか」
『なにぶん、お年寄りっすからねえ。 でも、なんかすごくキレイな人だったらしいっすよ。 ジャニーズ顔っていうんですかねえ』
ミユキの父親だろうか。 五鈴の記憶によれば、あいつとさして年は離れていないらしいし……。
いくらなんでも若すぎるか?
「わかりました。 またなにか分かったら教えてください」
『はいはーい。 あ、ちょいと待ってください』
「なんでしょうか」
『これは刑事とかではなく、俺一個人として思うんですが……』
「どうぞ」
『アンタ、園松ミユキに人生振り回されてるけど、それでいいわけ』
なるほど。 なかなか他人には理解できない領域での質問だな。
では、回答をさしあげよう。
「それでいいんです」
園松ミユキのことは憎いけれど、彼女はヒロカに似ている。
あまりに似すぎていて、ときどきヒロカだと思うくらい。
だから、俺がミユキを愛している理由なんて、本当は────
「俺は、後悔してませんから」
『そうっすか。 ならよかった。 んでわ、またミユキさんにも会いに行きますんで』
ミユキ、いないのに。
電話をきって、脱力感が襲ってくる。 そうだ。 彼女はいない。 どこかに消えた。
「刑事、なんて言ってたー?」 「ああ、なんかさ………」
だから、予想もしてなかったんだわ。
急にファックスで、蓮奈さん殺しの犯人からメッセージが来るなんてさ。
- Re: 彼女が消えた理由。 ちょっとしたお知らせ ( No.193 )
- 日時: 2011/08/22 15:15
- 名前: 朝倉疾風 (ID: 0nxNeEFs)
- 参照: http://www.youtube.com/watch?v=NvKuKrBdO74&feature=related
イメソン決まりました!!
URLからどうぞ
- Re: 彼女が消えた理由。 最終章突入 ( No.194 )
- 日時: 2011/08/22 15:23
- 名前: Neon ◆kaIJiHXrg2 (ID: B1rykyOu)
- 参照: http://3678.mitemin.net/i29658/
犯人からメッセージ……犯人が気になりますね
メッセージよりも、何を考えているのやら
犯人も何かと複雑なのでしょうか
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