ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

彼女が消えた理由。 完結 そして、
日時: 2011/08/31 01:40
名前: 朝倉疾風 (ID: 0nxNeEFs)
参照: http://lyze.jp/ix3x/

キャラ説明
>>79

Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46



Re: 彼女が消えた理由。 最終章突入 ( No.205 )
日時: 2011/08/24 19:17
名前: △雨根りゆ (ID: Sr9hf76V)



一歩出遅れたあ(´・ω・`)・・
包帯戦争のときから好きでした!
結婚ryry

むっちゃくちゃ尊敬してます☆ミ
これからも頑張ってくださいな!
ミユキちやんどうなったんだ・・。


Re: 彼女が消えた理由。 最終章突入 ( No.206 )
日時: 2011/08/25 00:03
名前: 朝倉疾風 (ID: 0nxNeEFs)
参照: http://ameblo.jp/ix3x-luv/

包帯戦争。と比較しながら読んでくださっても構いません。
終わり方がどうなるのかは、朝倉の中では決まってます。

Lチキとccレモンを千尋くんが買ってきてくれるのか……。
彼はどちらかというと、ポテトとコーラ派です。
なんぞや。
>紅蓮の流星さん


朝倉からしてみれば、描写が妖艶なあなたに憧れます。
趣味に生きている人間だけど、その趣味がガタガタなので、
人生どうしましょうと思います。 うぬ。
辛いものを食うと甘いものを食いたくなる。
うふふ。
>嵐猫さん


逆もまたしかり、です。

でも、千尋にとっては園松ミユキは、「ヒロカ」の代わりです。
容姿があまりにも似ているので。
あと、初恋が 「ヒロカ」 だったので。
まあ、お互いがお互いを求めていることは一番です。
>紫雨さん


お久しぶりです。

彼らの物語には彼らの結末があり、また未来があります。
それらを最後まで見守ってくれたなら、朝倉は嬉しいです。
>黎さん


ありがとうございます。
包帯戦争。は2009年ほどのもので、朝倉はまだ14歳でした。
そんな昔の作品を覚えていただけると、嬉しいです。
>△雨根りゆさん

Re: 彼女が消えた理由。 最終章突入 ( No.207 )
日時: 2011/08/25 01:40
名前: 朝倉疾風 (ID: 0nxNeEFs)
参照: http://ameblo.jp/ix3x-luv/


第5章
『彼女が消えた理由』


園松ミユキの家は、学校で曰くつきの家となっているらしい。
10年前に俺の両親とミユキの母親が殺され、数週間前に蓮奈さんが殺されたから。
たくさんの人が死んだけど、俺がいまでも鮮明に覚えているのは、ヒロカのことだ。

園松ヒロカ。 年の割に幼くて、あまり常識がない人。

「俺の、初恋の人」

ミユキと瓜二つな容姿。 違うのは、性格。 雰囲気。
俺はミユキではなく、いまでもヒロカのことを思い続けている。 ミユキに執着するのは、ヒロカと似ているから。
だとしても。
俺にとってミユキが大切なのは変わらない。 だから、助ける。 救い出す。


「こんにちは、お義父さん」 「誰がお義父さんだ」


乾いた笑い声と、飄々とした声。 どこか不思議な性質。

「ミユキはどこですか」 「俺の家にいる。 まあ、急くなや」

ああ、この人が。
この人がミユキの父親だったのか。




「ちぃさん」





星野さんと一緒に居て、俺の名前を聞いてきた人。
いまこうして見ると、ミユキとやっぱり全然似てない。 容姿は全部ヒロカに似たのか。

「あなたがミユキの父親だったんですか。 若いですね」
「俺が14歳のときにヒロカに出会ったから。 その時、ヒロカは27歳だった」

どこか遠くを見るような眼でこちらを見てくる。
過去。 俺が触れたことのない、ヒロカの過去。

「俺、ガッコーも行ってなかったし。 酒も煙草もやってて、親からも相手にされてなくて。 大人なんか知らねえよって時に、ヒロカと会ったんだ」

浸されていくのは、ちぃさんの記憶。

「自暴自棄になってたんだと思う。 自分の好きな相手が、自分のことを見てくれていなくて。 まだ中坊だった俺と関係を持つのも、時間の問題だった」

同性愛者だったヒロカの欲望は、他者に向けられた。 誰でもいい、と。

「ヒロカが妊娠した時も、俺はヒロカにおろすと言われたから、そのまま関係を続けてたのに……あいつは、ひとりでミユキを産んでいた。 俺に黙ってミユキを産んでいたんだ。 なんでだかわかるか?」

それまで笑っていたちぃさんの表情が、急に変わる。

「あの子がどうして産まれたのか、お前は知ってるか?」
「────復讐のため、ですか」

話の流れから、だんだん見えてくる。

園松尋花が抱いていた、感情。

あの笑顔の、裏を。

「そう……そうだよ。 園松ミユキがここに居るのは! ヒロカがお前ら陽忍に復讐するためなんだよ!」
「彼女をどう復讐に使うつもりだったんですか」

声が震える。 ダメだ、受け入れらないと。

「ちょうどヒロカが妊娠したとき、お前の母親も、お前を妊娠してたろ?」

俺に笑顔を向けていたあのヒロカが、俺たちを憎んでいた。

「ヒロカは、お前の父親と関係を持って、数年後にそれをバラす計画をたてていた。 園松ミユキは、実は、お前の父親の子ではないのかと、お前の母親に思わせるために産んだんだ。 ヒロカはッ、お前らのことなんか、何も考えてねえんだよッ」

ちぃさんの拳が振り上げられる。 避けることはせず、真正面からそれを受ける。
頭に鈍い衝撃が走るが、気にしない。

「ヒロカは千里が好きだったッ! ずっとずっとあの女に憧れて! でもあの女はヒロカの想いに気づきもしないで、他の男のことをベラベラと! ヒロカがどんな思いでそれを聞いていたと思う? 

 どんな思いで望みもしなかった子どもを産んだと思う!? なあ! どうして……ッ、どうしてお前は“チヒロ”なんだよ!!」

殴られるけど、抵抗はしなかった。
口の端が切れて、痛い。 血が、出てる。

「なあ、陽忍千尋。 お前のその名前、ヒロカとお前の母親の字からとったんだってな。 ────ヒロカが言ってたよ。 嬉しそうに、幸せそうに」

痛い。

「まるで、ヒロカとあの女の子どもができたみたいに!」
「なあ…………痛い」
「教えてやろうか、俺の名前。 俺の、名前をさあ!」

聞こえてねえのか、コイツ。 痛いっつってんのに。


「俺の名前はなぁ! 園松チヒロって言うんだわッッ!!」


なあ、何言ってんだよおまえ。
言ってる意味、わかんねえ。
















──カミサマ、お願いです。 どうか、どうか、幸せになりたいです。

Re: 彼女が消えた理由。 最終章突入 ( No.208 )
日時: 2011/08/25 05:34
名前: 紅蓮の流星 ◆vcRbhehpKE (ID: YZiYs9.d)

最後の一行が、心を抉るように印象に残りました。

Re: 彼女が消えた理由。 最終章突入 ( No.209 )
日時: 2011/08/25 09:38
名前: 紫雨((元:右左 ◆mXR.nLqpUY (ID: 8hgpVngW)
参照: http://ameblo.jp/kaenclone

ちぃさんの想いがひしひしと伝わってくるようです。
自分がそこにいるような感覚になりました。


Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46