ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 彼女が消えた理由。 完結 そして、
- 日時: 2011/08/31 01:40
- 名前: 朝倉疾風 (ID: 0nxNeEFs)
- 参照: http://lyze.jp/ix3x/
キャラ説明
>>79
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46
- Re: 彼女が消えた理由。 ( No.19 )
- 日時: 2011/06/26 09:00
- 名前: 朝倉疾風 (ID: z2eVRrJA)
- 参照: http://lyze.jp/ix3x/
飴と鞭の使い分け、難しいです。
というかいまだにキャラの性格が掴めないという現状。
千尋がなにを考えているのか、よくわからない←
ミユキのその台詞、サラリと言っていますが、重要です。
- Re: 彼女が消えた理由。 ( No.20 )
- 日時: 2011/06/26 09:33
- 名前: 朝倉疾風 (ID: STEmBwbT)
- 参照: http://lyze.jp/ix3x/
「俺じゃないよ」
思っていたより乾いた声が出た。
舌で上唇を舐め、乾燥していた唇を湿らす。
「人を殺すことに慣れてないんだ」
「────あんたは昔からそう。 自分を肯定しているのか、否定しているのかわからない言葉を使う」
「いまのは肯定」
あ、そう。
興味無さそうにミユキが答える。 表情は相変わらず、不快感を伴っていた。
そっと手を伸ばして、ミユキの頬を撫でてみる。 ぞっとするほど、冷たかった。
「触らないで」 「クーラー効いててよかった」 「触らないで」 「おばさん、よく俺の所にミユキ預けようと思ったよな」
何をするかわからないのに。
ミユキの叔母も本当にわからない人だ。
普通は一人暮らしの男子高生に娘を預けようとすら思わないのに。
「俺のこと認めてくれてるってことかな」
「叔母さんはあんたも被害者だって言ってた。 可哀想だって言ってた」
「────なあるほど」
可哀想ねえ。
あの人の考えそうなことだ。 本当に。
笑いすぎて、涙が出てくる。
「言っとくけど俺、可哀想なんかじゃねえよ。 だっていま幸せだし。 終わりが良ければけっきょくなんでもアリなんだよ。 だってそうだろ? 末長はお前と付き合っていて幸せだったんだろうけど、最期が花瓶で頭かち割られてんだぜ。 無様だよなあ、ご愁傷さまだ。 だけど俺は生きてる。 生きてて、いまここにミユキといる。 それだけで幸せなんだよ俺は。 だからさあ、あのさあ、可哀想とかさあ、そんなん誰が決めてんだよ。 客観的になにを見てんだよ。 なあ、なあ、なあ!」
ミユキを押し倒し、気づけば、その首に両手を添えていた。
体が震えていて、どうしようもなく、どうしようもない。
ミユキが、どこか怯えているような、だけど、不思議そうな眼で俺を見ている。
「────時間、止まったまま」
なにが?
「あの日からわたしたち、時間が止まってるんだよ。 だから、こんななんだよ」
あの日から。
いまからちょうど10年前から。
「 ぉかぁさん」
溢れ出た感情と記憶が、涙となって流れ出す。
いっそ忘れてしまえたほうが、どれだけ楽かわからないのに。
赤子のように泣きじゃくるミユキを、そっと抱きしめる。 これは、きっと何かの罰だ。 僕らは、なにもしていないのに。
「危うすぎるよ、ミユキ」
いまにも壊れてしまいそうなほど、俺らの心は、不安定だ。
- Re: 彼女が消えた理由。 ( No.21 )
- 日時: 2011/06/26 09:44
- 名前: 朝倉疾風 (ID: STEmBwbT)
- 参照: http://lyze.jp/ix3x/
第2章
『彼女の過去=彼の過去』
おとうさんがあまり家に帰ってこなくなった。
おかあさんはいつも怒ってて、友だちだっていう、そのまつさんとかいう人にそうだんしていた。
そのまつさんはキレイな人で、よく女の子をつれてくる。
おれと同じ学校だけど、クラスはちがう子。
「わたしさあ、ゆうれい見えるんだよね」
ニヒニヒ笑いながら言われたから、すこしだけうれしくなって、
「うそつき」
って言ってみた。
その子はすごく怒っていたけど、なんでだろう。
- Re: 彼女が消えた理由。 ( No.22 )
- 日時: 2011/06/27 21:59
- 名前: 朝倉疾風 (ID: STEmBwbT)
- 参照: http://lyze.jp/ix3x/
部活も入っていないし、バイトもしていないから、土日はけっこう暇だったりする。
携帯のメール受信履歴に残っている名前は、吉川と、クラスイトの女子数人。 女子からはカラオケに行かないかとか、ボーリングしようとかのお誘いだった。 やんわりとお断り。
あの子らと歌うよりは、ミユキといたほうが退屈しない。
俺が作った卵焼きとみそ汁、そして冷ややっこを黙々と食べる。
白米を口に運び、音もなく租借するミユキを見ていたら、目があった。
「なに」
「箸の使い方キレイだなって。 豆腐も崩れてねえし。 叔母さん、行儀作法とかに厳しかったりする?」
「────おかあさんがうるさかったから」
さいですか。
まあ考えたらミユキの叔母さんがゴチャゴチャ言わないか。 あの人はそんなことで怒らないし。
それ以上言うこともなかったから、つい癖でリモコンに手が伸びる。
テレビ、オン。
ちょうど朝のニュースがかかっていた。
「……………………」
末長のニュースも、かかっていた。
ミユキを見たけど、興味無さげにみそ汁を啜っている。
「犯人、まだ見つからないか」
自宅で何者かに花瓶で頭を叩かれる。 争った形跡はないから、顔見知りの犯行らしい。
両親ともに仕事で不在だったらしく、第一発見者は、パートから帰ってきた母親だった、と。
「末長もまさか自分が死ぬなんて思ってなかっただろうな」
「毎日自分が死ぬことを考えている人なんて、いるの」
「いるんじゃねえの? 自殺願望がある人とか」
あー、死にてえなって思うんじゃん。
そう言ってもミユキは首をかしげ、不思議そうに
「そんな毎日死にたいのなら、とっとと死ねばいいじゃない」
「単純に考えたらそうなんだろうけど。 実際はうまくいかないもんよ」
あの感覚はなんだろう。
死にたいと思っているはずなのに、気づけばその日が終わりかけている。 その繰り返し。
今日こそ死んでやると思っても、本能がそれを拒絶する感じ。
生きることも億劫なはずなのに、その日が終わるとホッと肩の力が抜ける。
「ミユキ、後でミユキの家に着替えとりに行こう。 昨日、学校からそのまま来ちゃったし」
「──────いいけど」
ミユキの家。 久しぶりに行く。
俺にとってもミユキにとっても、触れたくない記憶の原点がある場所。
傷を負った場所。 死を学んだ場所。 あんなに血を浴びたのは初めてだった。
「よくうちに来られる気になったね」
「いちおう、ご挨拶ということで」
死んだ俺の両親も、ミユキの母親も、きっとこんなこと、予想してないんだろうなあ。
- Re: 彼女が消えた理由。 ( No.23 )
- 日時: 2011/06/28 22:53
- 名前: 朝倉疾風 (ID: Rn9Xbmu5)
- 参照: http://lyze.jp/ix3x/
ブログの絵描。にて、園松ミユキの絵をUPしました。
上のURLからどうぞ。
鉛筆で書きなぐっただけですが。
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46