ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 彼女が消えた理由。 完結 そして、
- 日時: 2011/08/31 01:40
- 名前: 朝倉疾風 (ID: 0nxNeEFs)
- 参照: http://lyze.jp/ix3x/
キャラ説明
>>79
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- Re: 彼女が消えた理由。 ( No.70 )
- 日時: 2011/07/18 11:28
- 名前: 朝倉疾風 (ID: /QbsIKZ4)
- 参照: http://lyze.jp/ix3x/
第2章
『青空のように心が晴れたなら』
「彼」を探そうと思った。
あんなに苦しんでいる 「あの人」 を見るのはもう嫌だ。
「あの人」 が 「彼」 を求めているのなら、ぼくは探してやる。
つくりものの 「彼」 を。
ぼくと同じ名前を与えられた少年を。
探してやる。
そしてもし見つけることができたのなら、
血肉を喰らい、孕むまで貪って、「ぼく」 が 「彼」 になってやる。
そうしたら、 「あの人」 はきちんと 「ぼく」 を見てくれるだろうか。
- Re: 彼女が消えた理由。 ( No.71 )
- 日時: 2011/07/18 13:59
- 名前: 紅蓮の流星 ◆vcRbhehpKE (ID: YZiYs9.d)
第二部になってもやはり渦巻く謎。滾ります。
…暴言を吐きつつも千尋君から離れないミユキさんってツンデrぎょばッ。
あと恋人(仮)という言葉になんか今例えようのない憎悪的な何かみたいなソレが沸いたような溢れたような気がしたのですが。
これが妬みですか、そうですか。
関係無いけれど私もよくアイスの棒噛むけれど前噛み過ぎてアイスの棒が箒みたいになったことがあります。
- Re: 彼女が消えた理由。 ( No.72 )
- 日時: 2011/07/18 19:22
- 名前: 朝倉疾風 (ID: /QbsIKZ4)
- 参照: http://lyze.jp/ix3x/
ミユキが千尋から離れない理由は、きっとどれだけ
暴言を吐こうが罵ろうが、千尋だけは自分を捨てない
だろうという安心感からきてます。
だけど、別に好きとかじゃなくて、本当言うと嫌いです←
千尋もやっぱりどこかで初恋である尋花とミユキを
重ねているんだと思います。
お互いさま。 ぷらまいぜろ。
アイスの棒が箒に!
臨界点突破ですよ、それ。
目指すは箒です。
- Re: 彼女が消えた理由。 ( No.73 )
- 日時: 2011/07/18 19:57
- 名前: 朝倉疾風 (ID: /QbsIKZ4)
- 参照: http://lyze.jp/ix3x/
夏休みが明けたと同時に、俺の入院生活は終わった。
「転んで骨折して入院してたんかい。 うわあ、悲惨すぎる」
「うるせえよ吉川」
8月末にあった登校日にもこれなかった俺としては、吉川と顔を合わせるのは1か月ちょいぶり。
クラスメイトも、焼けていたり髪をバッサリ切った奴もいたり、少し新鮮だ。
「マジでか……骨折とか小学生以来してねえな」
「いや、しなくていいから」
「まあな〜。 ……えっと、園松! 園松は、なにしてた?」
吉川が俺の隣に座っているミユキに声をかける。 かなり勇気をだしたみたい。
急に後ろから話をふられ、ミユキが鬱陶しそうに、
「特になにも」
「そっか……まあ、そんな日もあるって」
微妙にフォローになっていないフォローをいれて、吉川が笑う。
きっとコイツはミユキに声をかけたことが勲章なんだろう。
「陽忍、吉川、アンタらうるさい」
いままでずっとペラペラ喋っていた担任に注意される。
朝のホームルームが長すぎて、正直面倒くさい。 さっさと終わらせてくりゃいいのに。
「じゃあ、紹介します。 曳詰くん、入ってきて」
担任が誰もいないはずの廊下に向かって呼びかける。
……ああ、そうか。
転校生が来るのか。 なんかさっき女子らが噂していた気がする。
転校生……ねえ。
キョーミもないし、どうでもいい。 正直、俺の気分を害さない性格の奴だと助かるんだけど。
教室の扉があいて、誰かが入ってくる気配がする。
それと同時に、クラスメイトの驚きの声。
何事かと思って頭をあげて 「転校生」 の顔を見た。
「─────わーお」
素直に口からまずその言葉がでた。
いやはや。 なんだコイツ。
「はじめまして。 曳詰サイっす。 どーぞよろしく」
白髪。
真っ白な、髪だった。
毛が傷んでいないことと、色にムラがないことから、それが生まれつきなのだとわかる。
皆からの視線を一斉に受け、その男子生徒は喋り始めた。
「こんなナリだからヤンキー扱いされるけど、違うから。 あーでもピアスとヴィジュアル系は好き。 あと、ギターもやってっから」
軽々しい口調と、いかにもモテますオーラーがでている。
ていうか、身長がかなり高い。
「なんかみィんな髪ばっか見てるけど、うん。 コレは地毛だから。 染めてもねェし、脱色もナッシング。 遺伝なんだわ、親の」
自己紹介でこんなにペラペラ喋る奴も珍しいというか……。
少し変わってるというか。
第一印象をそんな感じで見定めていっていると、ふいにソイツと目があった。
「………………………………」
「………………………………」
目も、少し薄い。 なんだろう……どこかで見たことあるな。 気のせいか。
何も喋らず、じっと睨んでいると、ソイツの視線が俺から、
「………………………………」
隣のミユキに移動した。
そんな視線に気づくはずもなく、ミユキはぼんやりと黒板を見ている。
転校生のことなど、他人事。 まるっきり関心がない。
「センセ、俺の席どこよ。 なるべく窓際がいいなァ。 クーラーガンガンあたるっしょ」
軽く笑いをとって、ソイツが指定されて席へつく。
その際、隣を横切って行ったけど、香水の匂いがした。
「…………きつ」
「ん、なんか言ったか? 陽忍」
「なんでもねえよ吉川。 少し、匂いに酔っただけだ」
- Re: 彼女が消えた理由。 ( No.74 )
- 日時: 2011/07/18 20:32
- 名前: 朝倉疾風 (ID: /QbsIKZ4)
- 参照: http://lyze.jp/ix3x/
すべての授業が終わって、退屈になる。
部活もバイトもしていない俺としては、かなり放課後の暇ってやつが天敵だ。
もう誰もいない教室でひとり。 ぼんやりとしている。
ミユキはいつもどおり自転車で片道40分ほどかかる通学路を帰っているんだろう。
「電車で帰ったほうが早いのに……」 「電車通なんだ」
びっくりした。
びっくりしすぎて声がでなかった。
後ろに人がいることすら、気づかなかった。
「ありゃ。 もっと驚くかと思ってたんだけど。 意外と鈍チン?」
「────帰らねえの?」
曳詰サイがいた。
いつ入ってきたのかは知らない。 後ろの扉が開いているから、きっと後ろから入ってきたんだろう。
「なぁ、アンタが陽忍千尋サン? かわいい名前よな」
俺の質問を無視して、ソイツが話し始める。
フレンドリー気質満載だけど、どこか気味が悪い。
「女の子らが噂してた。 この学年でいっちゃんイケメンな奴だって」
「ああそう」
俺と初めて喋る奴は、たいてい皆そう言う。 ……徳実さんもそうだったっけ。
「俺、キレイな子が好きなわけよ」
「………………は?」
なにが。
そういう前に、いつのまにかすぐ後ろに曳詰の顔があった。
よく見ると、まつ毛も白い。 ていうか長ぇ。
「だから、アンタのこともダーイ好き♪」
「────あいにく、男にキョーミないんだ」
「あっはははは。 言うねえ」
冷たくて長い指が、俺の頬をなぞる。
耳を飾っている十字架のピアスが、光に反射する。
「俺もだっつーの。 野郎相手にコーフンするとか無いよ。 なにマジに答えてんの? 笑える。 テメェそんなに笑える奴だったのな」
急に態度が豹変し、曳詰が俺の机にドカッと座る。
「それが本性か。 人当たりのいい曳詰クンじゃないな」
「はっ。 ちげェよ。 俺はそんな優しい人間じゃない。 ていうか、ぶっちゃけこんな高校、来たくなかったわけよ」
転向初日で化けの皮を剥いだ彼は、癖なのかその白髪を指でクルクル弄りながら、にやりと笑った。
その笑みが、どこかしら五鈴と似ている。
「人を、捜してんだ」
「人?」
不思議がる俺を見て、少し得意げな表情になる。
「俺より年下で、ヘンな趣味持ってるやつで、肉体的性別は女。 髪は俺より薄い色。 あ、コイツは脱色してんだけどな」
「それは……俺より警察に言ったほうが」
「ヒネに言っても同じだろ。 あんな奇抜な奴、そうそういねぇから、いたら俺が探してるって伝えといて」
ああ、やっとわかった。
コイツは俺の大嫌いなタイプだ。
「俺、帰るから。 その子っぽいのを見つけたら、声、かけとく」
「リョーカイ」
曳詰……か。
関わりあいたくない奴。 っていうか、本当にいい迷惑だ。
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