二次創作小説(紙ほか)
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- ポケットモンスターXY 命と破壊の遺産
- 日時: 2015/07/13 03:02
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: oLjmDXls)
”読者の皆様へ”
はい、どうも読者の皆様、自分はタクと申します。どこかで、見かけた事があるかもしれませんね。二次で、ポケモンとか、デュエマの小説を書いていました。
今作は、ポケットモンスターXYのストーリーをモデルとしたものです。
また、オリジナル要素が多々あります。そして、今作から後書きを付けることにしました。まあ、書く事がないときは、何も書いてないかもしれませんけど。応援、よろしくお願いします!
ポケモン第六世代を最初に飾るゲームソフト、XYのノベライズ化!! 最後まで是非、ご覧あれ!!
登場人物紹介>>12
プロローグ
>>01
アサメタウン編
>>09 >>10 >>11
ハクダンシティ編
>>21 >>22 >>23 >>40 >>41 >>42 >>45 >>47
ミアレシティ編
>>50 >>51 >>52 >>53 >>56 >>57 >>61
コボクタウン・パルファム宮殿編
>>62 >>68 >>69 >>71 >>76 >>77 >>79 >>80
コウジンタウン編
>>83 >>86 >>87 >>90 >>95 >>96 >>99 >>102 >>103 >>104 >>110 >>111 >>112 >>113
ショウヨウシティ編
>>114 >>115 >>119 >>120 >>121 >>124 >>125 >>126
シャラシティ編
>>127 >>131 >>132 >>133 >>134 >>135 >>138 >>139 >>140 >>141 >>142 >>145 >>146 >>147 >>149 >>152 >>153 >>154 >>155 >>156 >>158 >>161
ヒヨクシティ編
>>164 >>165 >>166 >>169 >>170 >>171 >>172 >>173 >>174 >>175 >>176 >>179 >>182 >>183 >>184
ミアレシティ編2
>>185
ss・短編置き場
1.木登り騒動 >>148
飽き性な作者ですが、応援よろしくお願いします。また、読者の皆様の意見を聞きたいので、コメントには感想を添えてくださると幸いです。
- 第二十七話:フレア団再び----恐慌と龍王 ( No.83 )
- 日時: 2013/12/29 18:35
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: 0.DI8Vns)
「やっと着いたァー!!!」
カルムは思わず歓声を上げた。三日三晩の野宿の生活にもそろそろ嫌気がさしてきたところだった。その間、ずっと食事はカレーパン。まともなコーヒーも摂取できず、イライラしていたのだった。そんな中でも、ポケモン図鑑に登録するためのポケモン捕獲はちゃんとやっているのだから、そこはある意味関心である。が、曰く「どれも微妙」ということで、レギュラーにはしなかった。
「マップによれば・・・・・・ここがコウジンタウンか!!やったぜひゃっほう!!これでコーヒーが飲める-------------------------」
「何やってんのよ。」
鶴の一声。振り向けば-----------------仲間の笑顔ではなく、呆れた顔。
-------------いや、仲間っていうかライバルか?
「あのー、瀬玲奈さん?いつからそこでスタンバッてたんですか?」
「人をストーカーみたいに言うな!ついでに無理やり人の名前を漢字に直すな!!セレナね!!」
いや、そこに突っ込んじゃいけないだろ、とカルムはため息をつく。
--------------------あれはテンパっていたのであって!というか何故分かったし。
「あ、そうそう。私、今から化石研究所に行くつもりなんだけど、着いてくる?」
「え、いいのか!?」
コウジンタウンには、ポケモンの化石を研究する施設があるとは聞いていた。ならば、そこに行かない手はない。
「行く行く!!」
「子供ね・・・・・・。」
-------------コウジンタウン化石研究所中にて。
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
立ち尽くす4人。目の前には、いつかの背高兄ちゃんとぐるぐるメガネの少女--------------テイルと相方のマロンがいた。研究員と思われる人がテイルに声をかけてきた。一方、セレナもテイルに尋ねた。
「えーっと、テイルくんの知り合いかい?」
「知り合いっていうか、何というか・・・・・・。」
「ねえ、なんでテイルさんがここにいるのよ。」
「知るか、ていうか・・・・・・。」
カルムとテイルの声が重なった。
「「なんでてめーがここに居るんだ、鬼畜生がァー!!!!」」
互いに同じセリフで怒鳴った。
「あ、今お前俺のこと鬼畜生つった?言ったよね!?いーけないんだー、いけないんだー、先輩のことそんな風に言っちゃいけないんだぞー!せーんせーいーに、言ったろー」
「こっちのセリフなんですけど!?なんであんたがここにいるんだ!!僕ァ、今頃あんたがミアレの病院でおねんねしてる頃かと思ったんだけど!?つーか幼稚ィ煽り使ってんじゃねえ!!」
互いに言いたいことをぶちまけたあと、ハァハァハァと息を切らした。肩で息をしている。
「はっ!馬鹿げてら!ちょいとこの世に未練があってな・・・・・・黄泉帰ってきたのさ。」
「格好つけてるけど、あんた死んでなければ、死んだとも思われてすらいないからね?」
「お前いつから俺にタメ口利くようになった!?もっとお前は先輩を敬え!つーか、崇めろ!!」
「煩いですよ、金髪天パ(脳内含む)。」
「それ敬ってない!!てか誰の脳内が天然パーマだ畜生が!!」
軽くコントをしたあと、研究員がセレナとカルムに話しかけた。
「いやぁ、よく来てくれたね。君達、プラターヌ博士に選ばれた図鑑所有者だろ?」
「いや、博士1人選んだ奴間違ってます。あの赤帽子の-----------」
「化石の研究を、ここではやっていてね。」
その後、カルムとセレナは約1時間の間化石の話を長々と聞かされる羽目になった。
「全く、この洞窟にはかなりの数の化石があるな。それにしても、オペラの奴・・・・・・向こうの部隊がどうなっているのか、察しもつかんわ。しかし、私のエアームドのボールが見当たらんな。朝から。」
輝きの洞窟内部。コウジンタウンから、9番道路を経由して行けるこの洞窟は、化石の採掘がよく行われている。しかし、いま採掘を行っているのは、地元の研究員ではない。”フレア団”だった。ここに派遣されてきたバーミリオンは、オペラの部隊とともに採掘を続けていたのだが、全く連絡が来ない。
すると、ホロキャスター型の連絡機に着信音。メールだ。
「オペラからか。」
『Pメール受信
Re:そっちはどう?
親愛なるミリたんへ(^з^)-☆
採掘進んでるー?こっちはまだ全然だお\(^o^)/
PS 今日のごはんはすき焼きだお (((o(*゜▽゜*)o)))
いつも親切なオペラ君より』
ブチッ
「なんでてめーは、メールの時だけテンション高いんじゃああああああああああああああ!!!!!!うざっ!!きもっ!!なんでAA!?ふざけんな!!ていうかお前が親切なところ、一回も見たことないわ!!」
「バーミリオン様、叫ばないでください!!洞窟が崩れます!!」
「うるさい、余計なお世話だ!!」
すると、また着信音。
『Pメール受信
Re:ビビリすぎワロタ
親愛なるミリたんへ(^з^)-☆
叫ばないでお
おー、怖い怖い( ╬◣ 益◢)y━・~
洞窟が崩れるお
PS 冷蔵庫にエアームドが入ってるお 絶対に開けないでお♪ (゜A゜)アケルナ!!
プラモ大好きなオペラ君より』
「エアームード!!私のエアームドォー!!朝から見当たらないと思ったら、あの野郎冷蔵庫にぶち込んだのか!!ていうかお前の趣味なんか知りたくもないわァー!!というか、文字化けしてるし!!あいつ私のスペックに合わない顔文字使ったな絶対!!」
すると、近くにいた部下が再び注意する。
「だから言ったじゃないですか、崩れたらどうするんですか!!」
「崩れる訳無いだろ、こんな洞窟!!」
すると、今度も着信音。再び、メールを開く。
「またオペラか!!」
『Pメール受信
Re:私は貞子です(^死^)
このメールをあと1000人に回さないと、呪い殺されます。』
アドレスが違う。全く別の人間からのメールだった。
---------------た、ただの迷惑チェーンメールだったぁー!!!!
と、愕然としている間に、さらに着信音。
『Pメール受信
Re:さっきのは私です
親愛なるミリたんへ(^з^)-☆
さっきのは冗談だお ☆彡キラッ
アドレス変えてみたお
ビックりしたお?
びびったお?m9(^з^)プギャーワロス
PS エアームドはボールに入れてるから無事だお
いつも優しいオペラ君より』
と思いきや、さっきのチェーンメールはアドレスを変えたオペラの仕業だったのだろう。
「結局てめーかぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「バーミリオン様ァー!!キャラが崩壊してますううう!!!」
「あいつ、たたっ斬ってやる!!」
と、怒り狂うバーミリオンだった。
「それにしても、ジョシュ君帰ってこないな。」
「ジョシュ君?」
研究員は、腕時計を見て時間を確認しながらそう言った。
「ああ、僕の助手だ。今日の採掘は3時までって自分で言ってたのに。ちょっと君達、悪いけど様子見に行ってくれないかな?僕は研究で手が離せないんだ。場所は輝きの洞窟だけど。」
「そうなんですか。」
という訳で、仕方なく洞窟に行くことになってしまった。しかし、カルム達4人は知らなかった。そこには、フレア団が潜んでいるということを。
後書き:今回、かなりギャグ要素多めです。はい。後半ふざけすぎました。すみません。オペラの趣味一覧に、メールが追加されたということですね。あと、結構途中のイベント飛ばしてます。タッグバトルとか。まあ、埋め合わせはどこかでしますけど。さあ次回、輝きの洞窟に乗り込みます。お楽しみに。
- Re: ポケットモンスターXY 命と破壊の遺産 ( No.84 )
- 日時: 2013/12/24 14:33
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: SMalQrAD)
最近デュエマの方もちょこちょこと更新し始めました、白黒です。いや、この件だとモノクロです? まあどっちでも同じなんでいいんですけど。
バケッチャ相手に追い詰められていたケロマツですが、ここで進化しましたか。コウジンタウンか、ショウヨウのジム戦で進化すると思っていたので、ちょっと驚きでした。
ただゲコガシラより驚きなのが、ヴァンの存在ですかね。まさかここで、フレア団でもないオリジナルのキャラクターが出て来るとは思っていませんでした。
誰にも気付かれずに技を繰り出す技術には脱帽しました。まあ、地面を伝う技なら可能、なのか……? ですが技術も含めてただの強いトレーナーという風でもなさげですし、このキャラクターは謎ですね。どことなくNっぽい気もしますが。
しかし、ヴァンとはフランスっぽい名前が出て来ましたね。フランス語はあまり自信ないのですが、風だったか、そんな意味でしたっけ? カメテテがエースとは思えないですし、ということは飛行ポケモンが切り札なのか、もしくは重要なポケモンになるんですかね。深読みかもしれませんけど。
出て来て早々ヴァンの噛ませになったリクには、かける言葉もありません。世の中の噛ませ犬は愛されるものと愛されないものがいますが、ヴァンは後者っぽいですね。エルフの剣士は知りませんが、ゾロスターはなんだかんだで人気でしたし。白黒も好きですよ。
順番が前後しますが、カルムの準決勝の相手はサナになりましたか。こちらもバトル中に進化してプラスルを追い詰めますが……というか、この二人はポケモンの進化するタイミングとか分かるんですかね。白黒は基本的に、トレーナー自身は進化のタイミングを全く予想していない状態で書いているので、なかなか新鮮でした。
というか、サナに至ってはピンチで逆転ではなく、さらにカルムを追い詰めてますし。相手ポケモンがバトル中に進化するというのも、新鮮ですね。
……と思いましたが、思い返せば白黒も同じ描写してました。すっかり忘れてた……
惜しくもヴァンに敗れてしまったカルムですが、ここで花火イベントに突入するとは。このイベントはカットかと思っていたので、これも驚きです。
そしてコウジンタウン。セレナとのエンカウントはともかく、まさかここでテイル(とマロン)に出会うとは……この二人とはバッティングしないものだと思っていたので、またまた驚きでした。というか意外でした。
さらに、フレア団がまたぞろ何か企んでいますね。まあ、今回分かったことと言えば、オペラが意外と愉快な人物だったということですかね。うちにもネットスラングを多用する科学者はいますが、ベクトルが一回転して正反対に突っ走ってる感じです。
バーミリオンをミリたんとか呼ぶのは、メールだからなんですかね? 一度アドレスを変えてチェーンメール紛いの文面を送る悪戯も、もはや犯罪レベルに達してますし、流石悪の組織は悪戯メールも一味違いますね!
まあそれでも、人のポケモンを冷蔵庫に突っ込むのはいかがなものかと……ボールに入れてあるそうですが。というか、バーミリオンも自分のポケモンくらいしっかり管理しておけ、と言いたくなりますね。
いつもいつも、長文失礼いたします。今回も1500文字近くあります。
まだバッジ一つとは思えないほどストーリーが深く絡み合って、先の読めない面白い展開となっています。オリキャラも少しずつ絡めていくようなので、今後の展開も期待しています。
年末近くで忙しい時期だとは思いますが、無理せずに頑張ってください。
それではこれにて。
- Re: ポケットモンスターXY 命と破壊の遺産 ( No.85 )
- 日時: 2013/12/24 23:36
- 名前: タク♯delyuru (ID: 0.DI8Vns)
白黒さん
どうも、コメントありがとうございます。なかなかそちらの小説にも行けず仕舞いですみません。オリキャラも直に投下しに行こうと思います。
本当なら、おっしゃるとおり、ショウヨウジムで進化させてもいいかと思ったんですが、バケッチャ戦の決定打が決まらず、ここで進化させました。
まあ、確かにそうですね。世の中の噛ませとは。ゾロスターは退場してしまったのが、残念でなりません。ちなみに、エルフの剣士はアニメ遊戯王DMで主人公のモンスターとしてよく出てきてきますが、早々破壊されて対戦相手のモンスターの強さを視聴者と主人公に見せ付けることで有名です。(つまり結局は噛ませ)
サナ戦では、味方側で出すのは初めてのプラスルと、サナのフォッコの進化を描きました。
花火イベントも最初から入れるつもりでした。
テイルとカルムは、当初会わせる予定はなかったのですが、テイル回をあまりやらないのもあって、ここで出すことにしました。
オペラはあれですね。普段は冷静沈着でも、メールでやたらとハイテンションでうざくなるキャラの典型です。バーミリオンをミリたんと呼んでいるのも、メールだけです。普段は普通にバーミリオンさんと。チェーンメールは犯罪といっても、そもそも悪の組織に属して尚且つコボクタウンで人のポケモン奪いまくっている時点で犯罪者な訳で・・・・・・。冷蔵庫のネタは、自分の好きなギャグ漫画のある話を元にしました。銀髪の侍がやたら近代的な江戸で色々やらかす漫画ですね。はい。
ただ、オペラを単なる愉快な三枚目キャラとして描くつもりはありません。悪役らしい一面も、今回のコウジンタウン編で明らかになるかと。
年末年始は、更新できるかどうかはまだわかりません。しかし、どうにかして更新はしたいと思っています。白黒さんも、どうか体にお気をつけて。それでは、また。
- 第二十八話:リュウヤ ( No.86 )
- 日時: 2013/12/25 08:29
- 名前: タク♯delyuru (ID: 0.DI8Vns)
カルム達4人が、研究所を出たころ・・・・・・。同時刻、輝きの洞窟前。黄色のセミショートの少年が、洞窟の前に立っていた。洞窟の入り口付近には、赤いスーツの男女が2人。しかし、それを気にも留めずに少年は洞窟へ歩を進める。それを、男女が呼び止めた。
「おい、貴様。今ここは立ち入り禁止だ。」
「大人しく立ち退きな!」
「1つ聞きたいことがある。コボクタウンで大勢の人からポケモンを奪ったのは、貴様らの仕業か?」
立ち止まり、男女に問いかける少年。しかし、男女は少年の肩を掴む。
「貴様、余計なことは聞いても無駄だぞ?」
「大人の世界に勝手に足突っ込むんじゃないよ!!」
少年は、フッと息を漏らした。「そうだな、」と息を吐いた後、続けた。
「聞いても無駄だったか。」
直後。男女2人は頭を掴まれた感覚を覚えた。目を後ろにやれば、全身が岩石で包まれ、ドリル状の角が鼻の辺りについたポケモン------------------ドリルポケモン、ドサイドンだった。次の瞬間、メキッと音が男女の頭からした。男女2人は少年の肩を掴んでいた手を離す。そして、項垂れたように倒れた。土煙が辺りに少し舞う。
「気絶させただけだ。行くぞ、ドサイドン。」
淡々と抑揚のない声---------------いや、まるで怒りを押し殺したかのような声で、少年は奥へ突き進むのだった。
しばらく進んだだろうか。分かれ道を、左に進んでいく。立ちはだかる下っ端共を薙ぎ倒して行き、辿り着いた先には---------------------岩石が沢山転がった部屋だった。
「何だ、ここは・・・・・・。」
と、岩に手を触れた。岩のどくどくのごつごつとした感触。そのときだった。冷たい感覚が、首筋に押し当てられた。ひんやりとした、金属の冷たい感触・・・・・・。
「動くな。首なし小僧に成りたいか。」
目を少し後ろにやった。女-----------------刀を持った女だ。
「私の名は、フレア団”七炎魔将”、バーミリオン。異名は、【炎魔恐慌(アンラ・マンユ)】だ。貴様、名を名乗れ。敵の間者か?それとも、単騎で乗り込んできた命知らずか。」
鋭い目つきで威圧するバーミリオン。少年は仕方なく、両手を挙げる。
「自分から名乗るとは、なかなかの心構えじゃねえか。俺はどちらかというと、後者だな。」
「そうか--------------------ならば、死ね。」
直後、刀が振り下ろされた。少年は、とっさに左へ避けて首と胴が離れるようなことはなかった。
「なかなかの瞬発力だ。もう少しでここがころりともげていたわ。さてどちらか選べ。死か、絶望か。さあ、行くがいい。切り裂け、ガブリアス!!」
「おいおい、いきなりポケモンを出すのかよ。何なら、こっちもだ!行け、ドサイドン!!」
少年は、ドサイドンを繰り出した。一方のバーミリオンはガブリアスを繰り出す。マッハポケモン、ガブリアス。プラターヌ研究所にもいたが、その固体より凶暴さが増している。というか、あからさまな敵意をむき出しにしている。
「ガブリアス、ドラゴンクロー!」
「受け止めろ。ドサイドン!!」
ガブリアスの鋭い爪を、岩石に覆われた体で受け止めるドサイドン。しかし、僅かながらもヒビが入る。
--------------何なんだ、あのガブリアスの馬鹿力は!!そして、あの女の無機物でも見るような目は!!
少年は、バーミリオンの瞳の奥にある冷たいものを感じてゾッとした。
------------------人を傷つけるのを何とも感じない目だ!!
「ガブリアス、瓦割り!!」
「くっ、ドサイドン、グロウパンチ!!」
互いの技がぶつかり合う。火花が散った。
「諦めろ。切腹するなら、許してやってもいいがな。」
「どっちにしろ、死ねってか!!だけど俺は・・・・・・お前らみたいな悪事を働く連中が気に食わない、それだけだぁー!!!!」
ドサイドンの体と、ガブリアスの体が反発する。
「そうだ、俺はまだ名乗ってなかったな。俺の名はリュウヤだ。その腐った心に刻み込んどけ、悪党が!!」
そのころ、カルム達は9番道路を経由して洞窟の前まで進んだ。しかし、そこにはフレア団の下っ端が2人、倒れているではないか!!
「おい、どうなっているんだ?どうしてここに連中が?」
「知りませんよ。」
テイルの疑問にカルムは返した。だが、連中が絡んでいる以上、ジョシュ君に危険が及んでいるかもしれない。
「急ごう、ジョシュ君が危ない目にあっているかも知れねえ。俺はとにかく、研究所の所長さんに連絡を入れる!ついでにこいつら簀巻きにしておくから、先に言ってな!マロン、お前がしっかり引率しろよ!」
「は、はいです!!」
マロンは一瞬と惑ったようだが、すぐにカルムとセレナを連れて洞窟の奥へ向かったのだった。
その後、同様に倒れている下っ端達を発見したカルム達。ポケモンもぼろぼろだった。
「ひ、ひどいですね・・・・・・。他の誰かが洞窟に入ってるのでしょうか?」
「マロンさん、あれ!」
カルムが指差した。見れば、分かれ道がある。
「どちらにするです?」
「右だ、右にしましょう。」
カルムが答えた。訝しげな目で、セレナはカルムを見る。
「何で右なのよ。」
「僕の利き手が右手だからだ。」
「どんな理由!?」
しかし、他にあてがあるわけでもなく、3人とも右へ向かったのだった。そのころ、テイルはマロンに向かわせたのを、失敗に思っているのだった。
しばらく進んだだろうか。奥で、カツーンカツーンと音がする。誰かが向かってくるようだった。男の独り言が聞こえる。
「いやぁ、大量大量。まったく、化石がこんなに取れるとは。」
その声を聞いた3人は身構えた。特にマロンは見覚えがあった。
「オ・・・・・・オペラ!?」
姿を現したオペラ。オペラは、舐めるように3人を見るとマロンに目を留める。
「おや、あのときの。そして、見知らぬ子供が2人・・・・・・。」
「あ、あんたフレア団か!?」
カルムは、オペラの特徴的な服装からそういった。オペラは丁寧にうなずくと、続けた。
「ええ、そのとおりです。私、フレア団”七炎魔将”。【炎魔龍王(アジ・ダハーカ)】の異名を持つ、オペラと申し上げます故、以後お見知りおきを。」
「やっぱりフレア団か!!」
ここの指揮を執っているのか、背後には大人数の部下の姿が見えた。
「貴方達は下がってなさい。子供のしつけは私がします。」
「お、おい!!あんたらの目的は何なんだ!!」
「貴方達に言う義理はありません。」
そう静かに言うと、オペラはボールを投げた。
「行け、モノズ。」
中からは、黒い体毛に覆われた四速歩行の小龍が飛び出してきた。しかし、心なしかおびえているように見える。粗暴ポケモン、モノズ。あくタイプをかね併せ持つドラゴンタイプのポケモンだ。
「3対1で構いません。私、この程度の一対多戦闘は慣れております故・・・・・・。」
表情を一切変えずに言うオペラ。しかし、この顔には恐ろしい裏が隠されていることなど、誰も知る由が無かったのである。
後書き:今回、竜さんのオリキャラ、リュウヤを登場させました。キャラ崩壊等があれば、お願いします。
前回のコメディチックな一面とは一転、バーミリオンとオペラのフレア団としての一面を描きました。とにかく、バーミリオンは気に入らない相手は容赦なく斬りにかかりますが、これには訳があります。オペラも、過去に深いものを負っていますが、それは追々明かすとして。そして、次回、2つのバトルを描いていこうと思います。お楽しみに。
- 第二十九話:龍王 ( No.87 )
- 日時: 2013/12/26 01:45
- 名前: タク♯delyuru (ID: 0.DI8Vns)
「行くぜ、ゲコガシラ!」
「ハリボーグ、出てきて!」
「頼んだです、バオッキー!」
3人は、各々のポケモンを繰り出した。オペラはそれらを見据えると、表情を変えずに淡々と言う。
「先攻は私がいただきます故・・・・・・。モノズ、竜の怒り。」
オペラの指示と同時に、モノズは口から紫色の光線を吐き出す。咄嗟に避ける3匹。
「くっ、セレナ!合体技行くぞ。」
「そうか、合体技を使えば何とか成るかも。」
「その間、あたしが足止めしておくです!バオッキー、弾ける炎です!」
炎が吐き出された。しかし、軽快な動きでモノズはそれを避ける。
今のは失敗したとはいえ、マロンがモノズを引き付け、そこをゲコガシラとハリボーグの誓いの技で一気に打ち勝つ戦法にした。しかし、オペラは計算済みだといわんばかりに、言う。
「つまりませんね。まぁ、いいでしょう。モノズ、岩雪崩!!」
モノズが尻尾で地面をたたいた。次の瞬間、天井が崩れて岩が降る。それをモロに食らったバオッキーは倒れた。
「くっ、戻るです!バオッキー!」
「だけど今ので、ばっちり時間は稼げたぜ!!ゲコガシラ、水の誓い!」
「ハリボーグ、草の誓い!!」
オペラは身構える。2つの波長が合わさり、湿原地帯が広がった。そして降りかかるシャワー状のエネルギー体にモノズは身を焼かれた。
そして---------------そこに崩れ落ちた。
「何て威力だ。それに引き換え---------------------。」
倒れているモノズに目をやると、オペラは足を振り上げた。そして、一気に振り下ろす。モノズは力なく悲鳴を上げた。
「なっ、お前--------------------!!」
「どうしたんですか?使えないゴミを処分しているんです。」
「し、信じられない!自分のポケモンを蹴るなんて!!しかも、目の前で弱っているのよ!!」
「トレーナー失格です!!」
セレナとマロンの言葉に、オペラはきょとんとした様子で答えた。
「はい?何を言っているのかさっぱりですね。それよりも、”ゴミの活用法”を見出してやったと言ってほしい。人聞きの悪い連中だ。このモノズはですねぇ--------------------------」
そういうと、オペラはモノズの腹を踏む足に力を込めた。モノズの悲鳴が一層大きくなる。
「育ててみたのはいいものの、全く使えない!!能力は低く、性格も私の好みじゃない。よって育てるのを諦めたんですよ。悪いで------------」
「好い加減にしやがれよ!!」
切れた。カルムの中で、何かが吹っ切れる。そして気づけば、拳はオペラの鳩尾に伸びていた。しっかりと自分の拳は刺さっている。彼の腹に。しかし、オペラは呻きもしなければ、全く何も感じていないように見えた。
「はて?何をしたんですか?」
「こいつ--------------------------!!」
次の瞬間、自分の拳が逆に掴まれた。そして、一気に投げ飛ばされる。岩壁に頭を打って、カルムは呻き声を上げた。ものすごい力だ。まるで、人じゃないような。
「カルム!!」
「だ、だいじょうぶですか!?」
2人が駆け寄る。
-----------------何だよ、こいつ!!
まるで、感情というものを一切持ち合わせていないようだった。何も感じないのだ。殴られても、自分のポケモンを痛めつけても。そして、痛めつけるのに飽きたのか、オペラはモノズを隅へ蹴っ飛ばした。とても強い力だ。
「良いトレーナーは、良いポケモンを使う。故に、弱い固体を淘汰します。そんなポケモンはいくらでもいるんですよ?1年間にトレーナーによって捨てられるポケモン、淘汰されるポケモン。何匹いると思っているんですか?当たり前のことなんですよ。捕まえられたと思ったら、一生ボールの中で腐っていくポケモンが何匹いると思っているんですか?だから、私がこんなことをやっても全くおかしくありません。要するに。このゴミは、その過程で私が使えないと判断したもの。それでも、役には立ちましたよ?壁として。」
カルムは血の味がするほど唇をかみ締めた。オペラの言っていることは明らかに間違っている。しかし、彼の口ぶりからは、他にも世の中にはこんなトレーナーがいるということだ。悔しくて成らなかった。拳1つすら届かない人間がこの世にいるなんて。悔しくて成らなかった。他にも、身勝手な人間によって捨てられるポケモンがいるなんて。
オペラはずれた眼鏡をかけ直すと、もう一度言った。
「そのゴミは、殺すなり引き取るなり、勝手にしてください。弱すぎて、私が手を下すことすら躊躇う位だ。それに-----------------サザンドラは、こいつだけで十分です故に。行け、サザンドラ!!」
オペラはボールを投げた。中からは、3つ首の黒い竜が姿を表す。凶暴ポケモン、サザンドラ。非常に獰猛で尚且つ凶悪。粗暴で食べることばかり考えている。手に当たる部分の先には、顔がついていた。
おそらく、このサザンドラは彼の眼鏡に合っていたのか、相当かわいがられていたようだ。さっきのモノズとは真逆に。
「歪んでる・・・・・・あんたおかしいよ・・・・・・何で平気でそんなことが言えるんだよ!!命を何だと思っているんだよ!!」
「貴方、サイテーよ!!人でなし!!・・・・・・カルム、私はモノズの手当てを!!」
そういって、セレナはモノズに駆け寄って、手当てを始めた。
「”いずれ消去される”モノに情けを掛けても仕方ないのですよ。」
-----------------いずれ消去される!?
オペラの言葉が引っかかったが、カルムは迷わず立ち上がった。
「てめぇ・・・・・・もう許さねえぞ!!」
そう、怒りを込めて怒鳴る。
「覚悟しな!俺は・・・・・・、てめぇをぶっ潰さねえと、気が済みそうにねえぞ!!」
カルムの1人称が「俺」に変わった。そして同時に、セレナは見た。カルムの瞳の奥にある、「野獣」を。まるで、今まで押し殺してきたものが沸いてくるような。同時に、ゲコガシラもそれに答えるかのように鳴く。
「貴方とは、どうやら反りが合わないようだ。」
「同感だ。俺は良かったぜ。あんたみたいな下衆野郎に生まれなくてな。」
カルムは一度、マロンとセレナの方を向いた。
「マロンさん、セレナ。下がってな。俺はこうなったらもう、止まりそうにねえ。この外道をぶっ潰すまでは!!」
後書き:パソコン変えたばかりで、トリップがうまくいっていないみたいです。間違えたみたいですね。まぁ、気にしないでください。さて、本編解説ですが、オペラは、かなりの外道だということが発覚しましたね。書いてて自分でもあまり気分がいいものじゃありませんが、こういう感じの悪役は、嫌いというわけでもないです。BWのゲーチスみたいな感じの。ポケモンにしては、重い感じでしたがいかがでしたか?さて次回ですが、怒りに目覚めたカルムの実力はいかに?オペラのサザンドラにも注目ですね。それでは、また。
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