二次創作小説(紙ほか)

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ポケットモンスターXY 命と破壊の遺産
日時: 2015/07/13 03:02
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: oLjmDXls)

”読者の皆様へ”

 はい、どうも読者の皆様、自分はタクと申します。どこかで、見かけた事があるかもしれませんね。二次で、ポケモンとか、デュエマの小説を書いていました。
 今作は、ポケットモンスターXYのストーリーをモデルとしたものです。
また、オリジナル要素が多々あります。そして、今作から後書きを付けることにしました。まあ、書く事がないときは、何も書いてないかもしれませんけど。応援、よろしくお願いします!

ポケモン第六世代を最初に飾るゲームソフト、XYのノベライズ化!! 最後まで是非、ご覧あれ!!

登場人物紹介>>12
 
プロローグ
>>01

アサメタウン編
>>09 >>10 >>11

ハクダンシティ編
>>21 >>22 >>23 >>40 >>41 >>42 >>45 >>47

ミアレシティ編
>>50 >>51 >>52 >>53 >>56 >>57 >>61

コボクタウン・パルファム宮殿編
>>62 >>68 >>69 >>71 >>76 >>77 >>79 >>80

コウジンタウン編
>>83 >>86 >>87 >>90 >>95 >>96 >>99 >>102 >>103 >>104 >>110 >>111 >>112 >>113

ショウヨウシティ編
>>114 >>115 >>119 >>120 >>121 >>124 >>125 >>126

シャラシティ編
>>127 >>131 >>132 >>133 >>134 >>135 >>138 >>139 >>140 >>141 >>142 >>145 >>146 >>147 >>149 >>152 >>153 >>154 >>155 >>156 >>158 >>161

ヒヨクシティ編
>>164 >>165 >>166 >>169 >>170 >>171 >>172 >>173 >>174 >>175 >>176 >>179 >>182 >>183 >>184

ミアレシティ編2
>>185


ss・短編置き場

1.木登り騒動 >>148

飽き性な作者ですが、応援よろしくお願いします。また、読者の皆様の意見を聞きたいので、コメントには感想を添えてくださると幸いです。

Re: ポケットモンスターXY 命と破壊の遺産 ( No.8 )
日時: 2013/11/06 22:19
名前: 竜 (ID: /iUvxDbR)


確認してきました

すみません出ていました・・・

しっかりと確認をせず言ってしまってすいません

更新頑張ってください

オリキャラ必要なときはいくらでも出しますので

(Xを持っていて二回殿堂入りをしてるので)

第一話:はじまりの朝 ( No.9 )
日時: 2015/07/13 02:47
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: oLjmDXls)

「あの子、また目覚まし壊したわね……」

 一階でコーヒーをすすりながら、女性は言った。彼女は、カルムの母親で、家事全般をこなす元気ハツラツとした元気な女性である。だが、眠りグセのあるカルムには手を焼いている。
 血こそ繋がってはいないが、大事な息子には変わりない。
 変わりないのだが、それそれとでは別問題である。
 ならば。ちょうど、コーヒーを置く手の近くに、コマドリポケモンのヤヤコマが止まる。

「ヤヤコマ、ちょっとカルムを起こしてきて頂戴」

 「キチュチュ!」と一声鳴くと、ヤヤコマは飛んでいった。

 ***


 ヤヤコマは、人になつきやすいポケモンだ。彼女の言うことを素直に聞き、カルムの部屋へ入り込んだ。スースー寝息を立てる1人と1匹。そして刹那。カルムの額を---------突いた。

「い、いってえええ!!」

 カルムは、絶叫して起き上がった。ヤヤコマは、我関せずとばかりに窓から素早く逃げる。カルムは、「焼き鳥にしてやる!!」と叫んで、ヤヤコマを掴みかけたが間一髪。あと少しでヤヤコマは焼き鳥としてカルムの食卓に並ばずに済んだ。本気で焼こうと思ったのか、カルムの手には焼き鳥の串がしっかり握られていた。
 不満な顔でカルムは立ち上がった。もっとも、外の時計はもう、9時を回っているのだが。そして、ニャスパーを揺すり起こす。

「起きてよ、ニャスパー」

 ニャスパーは、こちらを睨みつけて腕を振り上げる。

「いってえええ!!」

 次の瞬間、カルムの頬には、オレンジ色のラインがついた。本日二度目の絶叫である。つまり、引っかかれたのだ。

「ま……まだ怒ってるのか? それとも、起こされたのが嫌だった?」

 しかし、カルムもポケモンのことは言えない。眠るのが好きな彼は、その眠りを邪魔する者に対して、容赦しないのだ。現に、さっきヤヤコマを捕らえようとしていたし、目覚まし時計はハンマーによって、無惨にも叩き潰されている。ニャスパーも彼に似たのか。まさに、ポケモンは飼い主に似る、だ。


***


「お隣へ挨拶?」

 シュガートーストを口にほおばりながら、カルムは聞き返した。「そうよ。」、と母は答える。
 至極、面倒な話だと彼は思った。しかし、母には逆らえない。「目覚ましの件は不問にしてあげるから。」と言われれば、しぶしぶだが、行くしかなかったのであった。

「ちょっと、パジャマで行くつもり!?」

 靴を履こうとしたら母親に、襟元を掴まれた。まあ、当然だろう。普通、パジャマでお隣に挨拶しようとする人間など、世界広しといえども、カルムしかいない。「ちゃんと身だしなみを整えて行きなさい!」と、クローゼットの方へ首を向けられる。ごきゅ、と首の関節が鳴った。

「いってえええ!!」

 家中に、彼の悲痛な叫びが響き渡った。本日二三度目の。無論、近所にも聞こえただろう。仕方なく、クローゼットから自分のお気に入りのジャージに着替え、帽子をかぶる。最後に、サングラスをかけてビシッと決まった。

「よし、これで完璧だな。行くぞ、ニャスパー!」

 ニャスパーが肩に飛び乗る。そして、玄関の戸を開け放すと、爽やかな風が流れ出てくる。

「いってきまーす!!」

 後ろの母に叫ぶと、自慢のランニングシューズで駆け出した。戸口の前には、見慣れたサイホーンの姿が。カルムの母は、サイホーンレーサーとして、活躍していた。この家のサイホーンは、少し前までは現役で活躍していたが、今は引退している。

「行ってくるな、サイホーン」

 頭を撫でてやる。ひんやりとした感触が気持ちいい。サイホーンも、嬉しそうに「ぐお〜」と鳴いた。


***


「セレナ!今日、ポケモン図鑑貰う日だけど、昨日引っ越してきた人も貰うらしいよ!ねー、一緒に行っちゃお!」
「サナが行くことになってるんでしょ。私は、トロバ達と待ってるから。というか、今日は騒がしいわね。朝っぱらから、叫び声が三度も聞こえたんだけど」

 美しいブロンズの髪をポニーテールにして、縛った少女----------セレナはため息をつく。友人の黒いリボン柄のピンクTシャツに、ショートパンツでツインテールの少女、サナは、釣れないとばかりに頬を膨らませる。

「ねえ、一緒に行こうよ行こうよ行こうよ行こうよ行こうよ行こうよ行こうよ行こうよ行こうよ行こうよ行こうよ行こうよ……」
「あああ、鬱陶しい!!分かったわよ。全く……。」

 友人を自室に入れたのが、間違いだったとばかりにセレナは呆れた。一方のサナは嬉しそうに、

「玄関で待ってるねー!」

 と言って、先に行ってしまった。セレナはもう一度ため息をつく。そして、結んでいた髪を解き、帽子をかぶる。そして、愛用しているサングラスを帽子にかけた。

「じゃあ、行こうかしら。」
「あ、でも初めて会う人なんでしょ?大丈夫なの?」
「大丈夫よ。もう、この髪は誰に見られても平気だわ。」

***



「さーて、とっとと行こうっと……。」

 駆け出すカルム。向かう先は、隣人の家だが……。さて、とっとと済ませて三度寝をしようと、走り出す。すると、少女の声が聞こえる。

「あっ! セレナ、この家だよ!」
「この家も、何も隣家なんだけ……キャッ!!」

 ぶつかった。カルムは、モロに顎に頭がぶつかったのか、ヒリヒリする顎を抑える。本日、4回目の絶叫。

「いっでえええ!!」
 
 あ、朝聞こえたのはこの声だ、と確信した。
 セレナの帽子がはらりと落ちる。カルムは思わず、言葉が漏れた。美しい、ブロンドの髪。

 --------きれいだな、と。

 と。口には出さなかったが。一方、頭を押さえながら、セレナは立ち上がる。しかし、帽子をかぶりなおすと、叫んだ。
 見れば。自分の手が、彼女の胸の膨らみに触れているのが分かった。
 --------あ、やべ。

「ば、馬鹿ぁっ!!」

 一瞬、何を言われたのかわからなかったが、ガスッと再び鉄拳炸裂。
 彼女はダッと駆け出して視界から見えなくなった。
 そして、カルムの意識は暗転したのだった。


 ***


「あー……うぐぐ、いたたたた……」

 しばらくして。重い瞼を

「な、なんだよ……」
「ごめん! 大丈夫だった?」

 サナは、カルムの前に進み出る。そして、謝った。

「いや、君が謝らなくていい。それより、あれは君の友人だろ? 彼女に悪いことしちゃったな……」
「ううん、大丈夫だよ。あれは事故だって、日を見るより明らかだし……」

 まだ、顎がヒリヒリするのか、顎を抑えるカルム。サナは、申し訳なさそうに答えた。
 しかしまあ、すばらしい感触----------じゃなかった、凄まじいパンチであった。
 
「何か変なこと考えてない?」
「いや、別に!!」

 いかんいかん、とカルムはその思考を振り払った。
 目の前の少女は、勘がとても鋭いのか。考えていることを全てお見通しのようだったが、すぐに「ま、良いか」と言うと----------

「自己紹介忘れてた。あたしはサナ!よろしくね!」

 ---------思い出したかのように自己紹介した。
 あ、ああ、と一瞬戸惑った彼であったが、自分も釣られて自己紹介を返す。

「僕は、カルム。よろしく。こいつは、俺の相棒のニャスパーさ」

 ニャスパーは、小さなあくびをした。彼なりの挨拶だろうか。

「わーっ!ニャスパーだ、かわいー!サナ、本物を見たの初めて!」
「はは、そうなんだ……」
「セレナもニャスパー持ってるけど、お揃いだね!」
「セレナ?」

 思わず聞き返す。「うん!」と、サナは答える。

「さっきの子だよ!」

 と続ける。セレナ……あれが、あの子の名前か。

「でもさ、悪く思わないであげて!セレナは、本当は優しいんだから!」
「あ、あー、分かった。」
「じゃあ、こっちに来て!」

 あれ?僕はお隣さんちに挨拶しに行っただけなんだけど……と、思いつつもサナに引っ張られながらカルムは駆け出す。


***

「あーあ……やっちゃった……」
「まあ、気にしないでください」
「そーだよ」

 アイスコーヒーを飲みながら、彼女は項垂れる。友達と思われる2人の少年。片方は、大きい体格で黒いシャツ。もう一方の少年は、オレンジ色の膨らんだ髪を持ち、博識そうな容姿だが、片方の少年とは対照的に小柄だ。大きい体格の少年の名は、ティエルノ。一方の小柄な少年は、トロバだ。

「治ってたと思ったのに……」
「それは、この町の人と慣れていたからでしょう。根本的な問題は治ってなかったんですよ。ブロンズの髪の方なんて、この地方にたくさんいますし。あ、そうだ。これ見てください」

 トロバは、くいっとタブレットを向けた。そこには、こう書いてある。

”怪奇!またもや、ポケモン大量発生! 先日、ミアレシティのカロス発電所で、ポケモンの大量発生が起こり、一時は発電レベルの低下が起こる事態となった。”

「これ、知ってるわよ。」
「そうなんですか。まぁ、良いでしょう」

 「でも、嫌な予感がするんですよ」と、トロバは言った。ただ、この時は誰もが知る由もなかった。

-------既に、終わりの始まりの序章は過ぎ去ったのだと。


後書き:今回はカルムとセレナの出会いです。この話、結構変えました。最近のタクの作風が現れていると思います。何であれ、次回もお楽しみに。

第二話:君に決めた! ( No.10 )
日時: 2015/07/13 02:50
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: oLjmDXls)

「おーい、みんなー!」
 
 サナが手を振る。短い道路を通り抜け、メイスイタウンへ着いた。しかし、なかなか綺麗な街だ。センスがいけている。すると、さっきの少女-------------セレナが、カルムに向かって駆けてきた。どうやら、かなり狼狽しているあたり、謝ろうとしているのだろう。

「さっきはごめんなさい!」
「い、いや、君が謝ることはないよ。わざととはいえ、君の……君の……いや、なんでもない」

 すると、後ろにいた2人の少年、ティエルノとトロバが駆け寄ってくる。サナが、胸を張って続けた。

「じゃ、紹介するね!こっちは、パワフルなダンスが自慢の、ティエルノ君!」
「オーライ!よろしく!」

 ティエルノは、気前よく手を振った。そして、カルムの前に進み出て、手を差し出す。なるほど、握手というわけか。そう思いながら、手を握った。にしても、体格が大きい。どんなダンスを披露するのだろうか。サナは、続ける。

「で、こっちは学校のテストはいつも満点、だけど控えめのトロバ君!」
「どうも、よろしくお願いしますね。」

 トロバは、笑顔を浮かべた。確かに、控えめそうだったが、博識であることはわかる。

「最後に、さっきも紹介したけど、セレナちゃん!バトルは、とっても強いんだよ、ね?」
「ええ。よろしくね。」

 もう一度彼女を見てみるが、すらりとした体に、ブロンドの髪。それに、ピンクの帽子がよく似合う。アクセントのサングラスも良い。

「ああ、改めてよろしくな。僕はカルム。ここは、初めてのことが多いけど、よろ……」

 次の瞬間、カルムは倒れ込んだ。全員が、一気に駆け寄る。

「カルム君!?」
「あー、心配いらない。でも、アイスコーヒーない?」

 急いで、セレナはアイスコーヒーを買ってくる。カルムは、それをひったくると、口の中に流し込んだ。そして、復活したかのように立ち上がる。

「ふー、危ない危ない。ごめんごめん、僕は少しねぼすけでさ。カフェインが切れると、いつもこうだ。」
(カフェイン中毒者が、リアルにいるとか信じられない、でも今確かに目の前で……メモメモ。)

 トロバは、今起こった事をありのままにメモに書き留める。

「どういう体質よ。」
「だから、こういう体質なんだよ。」

 苛立ちの念を少し込めて、カルムはセレナに言い返す。その光景を見ていたティエルノは、にこにこしながら言った。

「なあなあ、仲良くなるためにニックネームを決めたいんだけど、カルやんとかどう?」

 一瞬、カルムは「センスなっ!!」と言いかけた。しかし、それでは余りにも失礼すぎる。仕方なく、目をつぶる。

「えー、やだ!!カルタロが良い!!」

 「おい、ふざけるな」という言葉を、すんでのところで喉に留める。すると、サナが、「トロバはどんなニックネームが良い?」と振った。トロバは、一瞬戸惑ったようだったが、すぐに、

「じゃあ、ここは折衷案で”カルP”はどうでしょうか?」

「折衷案もクソもないよぉー!!どっからPの文字が出てきたんだよ!!何と何を、どう合わせたらそうなったんだよ!!てか、君たちもそうだよ!!どんなニックネームっ!?」

 とうとう突っ込んだカルム。何か、突っ込んだ時点で負けのような気がするが、この暴走するやりとりを阻止せねばという思いからだ。

結論:カロス地方の人々は、ニックネームのセンスが悪い。

「じゃあ、セレナは?」
「あたしはパス。別にいいわ、ニックネームなんて。」

 冷たくあしらわれたサナ。ぷぅーっと頬を膨らませて、起こったような仕草をする。

「ちょっと!セレナって、いっつもそうだよね!釣れないっていうか、冷たいっていうか」
「私は、皆で同じようなことをやるのが嫌いなだけ。悪い?」

 態度が大人なセレナ。両者の正確に違いが現れる。

「まっ、まあまあ、喧嘩はよしなって。」

 ティエルノが止めに入り、この場は収まった。しかし、俄然女子2人のムードはピリピリしたままだ。

「昔から、これなんです。ま、喧嘩するほど仲がいいってことで。そうだ、サナっち、渡したいものがあるのでは?」
「あぁ、そうそう!忘れるとこだった!じゃーん!!」

 サナは、思い出したように1つの箱を取り出す。蓋を開けると、3つのモンスターボール。

「この中の1つを選んでね!」
「えーっと、全部っていう選択肢は?」
「ないよ!!」

 カルムは冗談半分で言ったが、サナにふくれっ面で怒られてしまった。

「えーっと、何が入ってるの?」
「3びきのポケモンだよ!右が炎タイプのきつねポケモン、フォッコ!そして、真ん中が水タイプのあわがえるポケモンのケロマツ!そして、左が草タイプのいがぐりポケモンの、ハリマロン!」

 迷う。はっきり言って、どれも欲しい。だが、カルムは1つのボールを取る。

「僕は、こいつに決めた!」

 そう言って、手に取ったボールを投げた。中から、1匹のポケモンが飛び出す。

「よろしくなっ、ケロマツ!」

 そう言って、声をかけた。ケロマツは、ぼんやりしていたようだったが、こくりと頷く様子は確認できた。

「ケロマツにしたんだ!ケロマツはね、一見ぼんやりしてるようだけど、実は抜け目なく周りの様子を伺ってるんだよ!」
「へぇ。」

 すると、今まで大人しかったトロバが立ち上がる。

「僕からも、プレゼントがあります。ポケモンのデータを自動的に記録していくハイテクマシン、ポケモン図鑑!僕たちは、カロス地方のポケモン進化学の権威、プラターヌ博士にこれを託されたんです!」
「ただ、何で引っ越してきたばかりのカルタロも、託されたんだろ。」
「おい、誰がそのあだ名で呼べって言った。まあ、気にしない気にしない!貰えるものは、貰うもんだよ素直に。」
「はい、そうそう皆さんにも。」

 サナのフレンドリーさ(悪く言えば馴れ馴れしさ)に突っ込みながら、トロバから図鑑を受け取るカルム。他のみんなも図鑑を受け取る。

「おおっ、すごいや!」
「これは、地域ごとに記録できるポケモンが違うのも、大きな特徴です。カロスには、セントラルカロス、コーストカロス、マウンテンカロスの3種類の地域があってですね」
「ストップ、トロバ!サナ、早くカルムとバトルしたい!」

 解説を止められ、項垂れるトロバ。早くも、解説キャラとしての出鼻をくじかれる羽目になるとは。

「ね!カルムも、バトルしたいでしょ?」
「良いな、それ!じゃあ、さっき貰ったこいつで、バトルだ!」

 向き合う2人。それは、トレーナー同士のバトルが始まることを意味した。

「使用ポケモンは、1対1!行くよ、カルタロ!」
「もう、なんとでも呼んでくれ……じゃあ、行くぞ!!」



後書き:ようやく始まりました、最初の戦闘。カルムの選んだ御三家ポケモンは、ケロマツになりましたが、これで良かったのか。まあ、自分でもどう動いていくか、楽しみです。進化後は、格好いいですし。それでは、また。

第三話:レッツ・バトル! ( No.11 )
日時: 2013/11/09 18:37
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: wJNgr93.)

「っじゃあ、いっくよー!ゴー、フォッコ!」

 サナはモンスターボールを投げた。ボールが開き、光と共に、狐のようなポケモンが現れる。さっき、カルムが選ばなかったポケモンのうちの1体だ。

「なんだコイツ・・・・・・?そうだ、ポケモン図鑑を使えば良いのか。」

 素早く、カルムは図鑑を起動した。目の前のフォッコに反応し、ガイダンスが現れる。それを目で読み上げると、カルムは呟いた。

「きつねポケモン、フォッコか・・・・・・!そして、炎タイプということは、水タイプのこいつには、有利!」
「どうかな?相性だけがバトルじゃないから!」

 自信満々の表情。一方のカルムも、自身では負けてはいられなかった。

「ケロマツ!僕達の初陣、ばっちり白星で決めてやろうぜ!」

 足下のケロマツに呼びかける。忠義は厚いのか、ケロマツはうなずくとすぐに戦闘態勢に入った。

「じゃあ、こっちから行くよ。えーっと、ケロマツが使えるのは・・・・・・よし、ケロマツ!先手必勝のはたく!」

 急接近し、ケロマツはフォッコの横面をはたいた。もう一撃を繰り出そうとする。しかし、

「避けて、火の粉!」

 フォッコは素早く避け、二発目を無効化し、さらにケロマツへダメージを与える。しかし、あまり効いていないらしい。

「あ、あれれ!?や、やっぱり効果は薄いよね・・・・・・。」

 タイプ相性。ポケモン同士のバトルに於いて、重要となる要素。たとえば、炎タイプは草タイプに相性が良い物の、水タイプに不利。一方の水タイプは、草タイプには弱気になってしまう。実際には、他のタイプやタイプ複合などによって、ジャンケンよりも、さらに複雑な相性となっているのだ。

「ケロマツ、泡攻撃だ!」
「フォッコ、よけて!」
 
 続けて繰り出される技を、ひょいひょいと軽々避けるフォッコ。身のこなしには、光るものがある。

「くそっ、当たらなければどうということはない・・・・・・か。」
「そろそろ決めるよ!ひっかく!」

 フォッコの爪がケロマツをひっかいた。悲鳴を上げて、顔を押さえるケロマツ。しかし、ここで終わるほど、ヤワではない。そこで、カルムは閃いた。ケロマツの動きを最大限に生かして戦法を。

「ケロマツ、できる限り泡を全方位にはき出せ!!」

 一気に力をため、自分の周りに泡をはき出すケロマツ。これでゃ、ケロマツの姿は分からない。しかし、単に姿が見えないだけで、どこにいるかは一目瞭然だ。しかし、泡が邪魔で、フォッコは近づくことができない。

「これじゃあ、近接攻撃も通用しない・・・・・・考えましたね!」

 観戦していたトロバは、思わず唸る。

「うぅ・・・・・・フォッコ!イチかバチかで、突っ込んで!!」

 ならば、突っ込んで突破するまで。泡の固まりへ、突入した。しかし、直後。フォッコは泡の固まりを突き抜ける。つまり--------------ケロマツが中にいないことになる。

「掛かったな!ケロマツ!上空からのとどめの泡攻撃!」

 上空!?とっさに上を見上げる。そこには、ケロマツの姿。

「泡で守っていると見せかけて、おとりだったの!?」
「今頃気づいても、もう遅いよ!」

 上空からの集中砲火。もとから、耐久の高くないフォッコは、連続でこれを喰らい--------------その場に崩れ落ちた。

「勝負あったね。」

 カルムはふぅ、とため息を漏らす。相性こそ良かったが、なかなかの強敵だった。





「いやぁ、なかなか良いバトルだったよ。」

 ティエルノはにこにこと笑いながら言う。トロバも続けた。

「2人とも、素質はあると思いますよ。もっとも、僕はバトル専門じゃないので、よく分かりませんけど。」
「そうだ!カルム、博士から手紙を預かってるんだ。」

 カルムは、ティエルノから一枚の手紙を渡された。ピンク色のレターだ。

「じゃあ、お母さんによろしくねぇ!行くよ、トロバっち!」
「ああ!待ってください!」

 ティエルノとトロバは、町の向こうへ、去っていく。

「それじゃあ、あたしも行くね!お先に!」

 サナも、追うように駆けていった。

「それじゃあ、私も。そうそう、これも貰って良いのかしら?」

 セレナは、最後のモンスターボールを手に取った。中には、いがぐりポケモンのハリマロンが入っている。

「それじゃあ、またね!”お隣さん”!」
「おい、ちょっと待て!」

 カルムが言い終わらないうちに、セレナもみんなの後を追っていった。そして、ショックだったのは

「何で、名前で呼ばないんだ・・・・・・。」

 あだ名以前に、付いたのが”お隣さん”である。

「僕、何かしたかな・・・・・・。」




「ただいま。」
「あら、お帰り。遅かったわね。お隣さんと、何かしてたの?」
「別に変なことはしてないから。」

 意味深に聞く母親。すると、カルムの手に握られているモンスターボールを見つける。

「あら、モンスターボール!ポケモンを貰ったの?」
「ん?ああ、そうだけど。それと、これ。母さんに手紙だってさ。」

 カルムは、手紙を母親に手渡す。

「何々?差出人はプラターヌ?ラブレターかしら。」
「怖い冗談ヤメテ!」

 カルムの声を聞かず、母親は読み上げる。

「あら、美しい字・・・・・・ん、何々・・・・・・お願い?なるほどねー!」

 手紙をたたむと、母は言った。

「カルム!引っ越して早々、色々あるわね!とりあえず、ケロマツ、ニャスパー、そして貴方の旅の準備をしないと!」
「は?旅!?」



 バッグに荷物を詰めながら、母は言った。

「ほら、カルム!着替えも用意したわ!それにしても、激しい展開ね!サイホーンレースでいうなら」
「ストップ。サイホーンレースで例えるの止めてよ。」
「お友達ができた!新しいポケモンはゲットした!そして、カロス一週だもんね!」

 今、カロス一週とか、訳の分からない言葉が飛び出たような気がするが、流した。

「プラターヌ博士は、貴方に依頼してきたのよ!ここ、カロスを一週してポケモン図鑑を完成させてくれって!」
「はい?」

 カルムは、頭の中で何を言われたのか繰り返した。そして、2秒後。

「ええええええええええええええ!?」

 本日5度目の絶叫を上げたのであった。


後書き:これって、結局何を書けば良いんですかね。後書き。とりあえず、今回は初バトルでした。次回から、ハクダンの森に入っていきます。お楽しみに。にしても、久しくポケモンの小説を書いていなかったから、書きにくい・・・・・・。

登場人物紹介 ( No.12 )
日時: 2014/07/12 09:21
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: sEySjxoq)

味方・主人公サイド

カルム:本作の主人公の少年。重症の寝ぼすけで、カフェインが切れると、すぐに寝る。そのため、自前コーヒーを持ち歩いている変わった人物だが、基本は優しくて、ポケモンや人間にかかわらず好かれる。本人に悪気はないが、鈍感。いつもは内に秘めた好戦的な本来の性格を押し殺しているため、たまに言葉が乱暴になる。妙な能力を所持しており、それが原因で重い過去を背負っているらしいが、果たして。
詳しいプロフィール・手持ち>>46

セレナ:本作のヒロイン。美しいブロンズの髪を持つ少女。幼い頃、別の地方に住んでいたが、そのときに自分のブロンズの髪をからかわれ、それが原因でカロス地方以外の人間に自分の髪を見られるのが嫌い。また、何かと他人と自分を区別したがる。聡明でしっかりとした性格。
詳しいプロフィール・手持ち>>63

サナ:セレナの親友の少女。気さくでフレンドリーかつ、積極的な性格。誰に対しても友好的。セレナの良き理解者で、彼女のことをよく知っている。可愛いポケモンを見つけては積極的に捕獲しているらしい。
詳しいプロフィール・手持ち>>70

ティエルノ:ダンスを趣味としている少年。セレナの友人。大柄な体格とは裏腹に優しい性格で、ダンスではしなやかな体の動きを見せる!?トロバとは、気が合い、タッグバトルでも彼と組むこが多い。

トロバ:博識で控えめな少年。セレナの友人。オレンジのふくらんだ髪と、小柄な体型が特徴。そのせいか、よく女子に間違われるため、気にしている。そのため、牛乳を飲んでいる姿がいつも見られる。


プラターヌ博士:カロス地方、ポケモン進化学の権威。カルム達に、ポケモン図鑑を託す。

テイル:今作のもう1人の主人公。プラターヌ博士の下で働いている、爽やかかつ熱血なトレーナー兼助手。エモンガなど、電気タイプで尚且つ、スピードの高いポケモンを好んで使う。フレア団の幹部、バーミリオンを追って旅に出る。
詳しいプロフ>>106

マロン:テイルの後輩を勤めている、完全記憶能力を持つ少女。ドジでおっちょこちょいな性格。また、可愛い顔と容姿も、服装とぐるぐるメガネで台無しになっている。テイルに好意を抱いている!?

協力者・トレーナー

リュウヤ:悪を憎む正義感の強いトレーナー。かなり高い実力を持つ。
竜さんのオリキャラ>>25

フリル:幼さが残る駆け出しのポケモントレーナー。バトルは勝っても負けても楽しめる性分。
白黒さんのオリキャラ>>33

ナツトキ:ギャンブラーの上にパチスロニートというどうしようもない男だが、相応の正義感と優しさは持つ。
プツ男さんのオリキャラ>>37

クリスティ:古めいた探偵のような風貌の男。情報屋も兼任しているらしい。フレア団を追っている。

ジムリーダー

ビオラ:ハクダンシティジム・ジムリーダー。写真家を兼任している、明るい性格の女性。虫タイプのポケモンを専門にしている。キャッチコピーは、『笑顔を見逃さないカメラガール』。
プロフィール>>91

ザクロ:ショウヨウシティジム・ジムリーダー。ボルダリング、サイクリング、などなど個人用競技のスペシャリストだが、ポケモンバトルの腕も評価されて今の地位に。物腰柔らかな男性で、岩タイプの使い手。
キャッチコピーは、『ワイルド マイルド ロッククライマー』。
プロフィール>>128

フレア団

”七炎魔将”

バーミリオン:フレア団、七炎魔将の1人にして、『炎魔恐慌(アンラ・マンユ)』の異名を持つ女性。厳格な性格で、部下の失敗には容赦しない。帯刀している。恐喝常習犯。ついでに、刀につける名前がちょっとずれている。
プロフィール>>105

オペラ:フレア団、七炎魔将の1人にして、『炎魔龍王(アジ・ダハーカ)』の異名を持つ男。時間にうるさく、定刻になると、どんな状況でも紅茶を飲んだりプラモを作ったりする変人科学者。しかし、その素性は非常に冷酷。
プロフィール>>92

セルリアン:フレア団幹部、七炎魔将の1人。『炎魔羅刹(パリカー)』の異名を持つ高貴な女。傲慢な性格ですぐに付け上がるが、最大の特徴はポケモンを群れレベルで育成していることにあり、数での戦いに長けた人物は他にいない。

???:フレア団幹部七炎魔将の1人。滅多に仲間の前にも姿を現さない上、分かっていることは『炎魔強暴(アエーシュマ)』の異名を持っていることだけだが……?

クローム:フレア団幹部、七炎魔将の1人。『炎魔虚偽(ドゥルジ・ナス)』の異名を持つ少女。とことんまで無表情を貫く。炎魔の中では下級一位と、低いほうではあるが、その実態はエスパーポケモンによる味方援護、緊急脱出のスペシャリストである。

ネープル:フレア団幹部、七炎魔将の1人。『炎魔術師(アストー・ウィザード)』の異名を持つ僕っ娘。しかし、その本来の性格は非常に残虐。最下級とはいえ、危険人物には違いない。最もオペラの影響を受けた人物といえる。

???:フレア団、七炎魔将最高序列を誇る男にして『炎魔王邪(タルウィ)』の異名を持つ。その正体は---------!?


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