二次創作小説(紙ほか)
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- ポケットモンスターXY 命と破壊の遺産
- 日時: 2015/07/13 03:02
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: oLjmDXls)
”読者の皆様へ”
はい、どうも読者の皆様、自分はタクと申します。どこかで、見かけた事があるかもしれませんね。二次で、ポケモンとか、デュエマの小説を書いていました。
今作は、ポケットモンスターXYのストーリーをモデルとしたものです。
また、オリジナル要素が多々あります。そして、今作から後書きを付けることにしました。まあ、書く事がないときは、何も書いてないかもしれませんけど。応援、よろしくお願いします!
ポケモン第六世代を最初に飾るゲームソフト、XYのノベライズ化!! 最後まで是非、ご覧あれ!!
登場人物紹介>>12
プロローグ
>>01
アサメタウン編
>>09 >>10 >>11
ハクダンシティ編
>>21 >>22 >>23 >>40 >>41 >>42 >>45 >>47
ミアレシティ編
>>50 >>51 >>52 >>53 >>56 >>57 >>61
コボクタウン・パルファム宮殿編
>>62 >>68 >>69 >>71 >>76 >>77 >>79 >>80
コウジンタウン編
>>83 >>86 >>87 >>90 >>95 >>96 >>99 >>102 >>103 >>104 >>110 >>111 >>112 >>113
ショウヨウシティ編
>>114 >>115 >>119 >>120 >>121 >>124 >>125 >>126
シャラシティ編
>>127 >>131 >>132 >>133 >>134 >>135 >>138 >>139 >>140 >>141 >>142 >>145 >>146 >>147 >>149 >>152 >>153 >>154 >>155 >>156 >>158 >>161
ヒヨクシティ編
>>164 >>165 >>166 >>169 >>170 >>171 >>172 >>173 >>174 >>175 >>176 >>179 >>182 >>183 >>184
ミアレシティ編2
>>185
ss・短編置き場
1.木登り騒動 >>148
飽き性な作者ですが、応援よろしくお願いします。また、読者の皆様の意見を聞きたいので、コメントには感想を添えてくださると幸いです。
- Re: ポケットモンスターXY 命と破壊の遺産 ( No.163 )
- 日時: 2014/09/28 13:47
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: sPkhB5U0)
モノクロさん
コメントありがとうございます。シャラジム再戦は結構先になりそうです。
そういえばさっきサンダースの厳選を終えたところです。めざパ厳選面倒すぎる……。
というかゲッコウガ多すぎませんか。6体って……。厳選が難しい御三家を6体も育てているんだから驚きですよ。
XYのストーリーが物足りない部分は多分発売されるであろうマイナーチェンジに期待するしかないですね。ZかそれともX2Y2か? オメガルビー・アルファサファイアも楽しみなのに、こっちの方も期待大ですよ。
次回は久々に自分も休憩のつもりでライトな話を書こうと思っています。次回と、次々回くらいはほのぼの回になると思うので。というか、ヒヨクシティ編はそんなに長くならないし、ストーリー的に重要な話も絡んでこないと思うので。
それでは、また。
- 第七十二話:一緒にいるということ ( No.164 )
- 日時: 2014/09/28 17:52
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: sPkhB5U0)
メェークル牧場。のどかな雰囲気と綺麗な空気に包まれた12番道路、フラージェ通りの途中にある牧場である。
ライドポケモン、メェークルを中心に他にもその進化系であるゴーゴートがあちこちで歩いていたり寝ていたりと見ているだけでほっこりする。
最近はフレア団の罠なり、ジム戦なりで心身共に疲れきっていたので良い休息である。
一般開放もしている上に広いので自由にポケモンを遊ばせることができた。
カルムもニャオニクス達を出して束の間の休憩をしていたのだった。
「ふぅ、落ち着くよ。自然がいっぱいだしさ。な、ニャオニクス」
「ニャオ」
すると、一匹のゴーゴートが寄り添ってきた。そのまま横になって倒れ、寝息を立ててしまった。
図鑑ではメェークルは穏やかな性格のため、最初に人と暮らし始めたポケモンと記されていた。進化系のゴーゴートもしかりだ。
だから人馴れしてるんだろうな、と。
「ほほほ、どうかね。ポケモンと一緒に居る……そんな当たり前のこの時間がとても愛おしく感じられるじゃろ」
ふと、年老いた声がした。
振り返れば、緑色のハンチングを被り、曲がった腰を抱えてやってきた小柄な老人がいた。
「貴方は?」
「何、ただの自然が好きな老いぼれじゃよ。わしのゴーゴートがここの牧場で育ったポケモンでな。度々連れて来るんじゃ」
カルムの傍で寝ているゴーゴートを指差して老人は言った。
このゴーゴートはこの老人のポケモンだったらしい。
「住まいが近くなんですか?」
「ほほ、ここからすぐのヒヨクシティじゃよ」
へぇ、とカルムは呟いた。ヒヨクシティは案外ここから近いところらしい。
すると、老人は続けた。
「昔のことじゃ。身体が弱かったメェークルをここの牧場主の友人だったわしが療養のために引き取ったんじゃ。だけど、あいつはうちに居ついてしまっての。そのまま友人と相談して育てることにしたんじゃよ」
「そのメェークルがこのゴーゴートなんですか?」
老人は首を振った。
「いや、あいつはもういないよ。風邪を抉らせたまま、そのまま死んでしまった。せっかくゴーゴートに進化して、子供もできたというのに」
哀しそうな目で老人は語った。
それでも、懐かしそうに空を見上げて。
このゴーゴートは、その子供じゃよ、と老人は言った。
「長くいきていると、出会いもあれば別れもある。その別れの中に、”死”という出来事が絡んでくることもある」
「死……ですか」
「それでも、あいつは今もわしの心の中で生きている。それにあいつの子供がここにいる。命はそうやって、ずっと1つの輪の中で続いていくんだよ」
老人は牧草に腰掛けると、申し訳無さそうに言った。
「すまんかったの。老いぼれのシケた長話に付き合わせてしまって」
「いや、良いんですよ、僕は別に」
ああそうだ、とカルムは言った。
「僕、カロス地方のジム巡りをしているんですけど。ヒヨクジムのジムリーダーのことで何か知っていますか?」
「ヒヨクジムのジムリーダー?」
老人はふむ、と考え込むような仕草をすると、続けた。
「若造、それは即ちこのわしに挑むと言う事になるの」
「へ?」
一瞬、カルムはワケが分からない、といった顔をしたが老人は快活に笑ってみせた。
「何故ならヒヨクシティジムのジムリーダーは、このわしフクジじゃからの」
「---------!!」
驚いた。目の前にいたこの老人が、自分の戦うべき相手であるジムリーダーだったとは。
フクジと名乗った老人はふふっ、ともう一度微笑むと言った。
「老いぼれと思って見くびるなかれ。今尚花を咲かせてみせよう、何てな。若造、今日ジムに着かないで良かったな。ジムは閉めていたからの」
「はは、全くですよ」
彼の笑顔につられて、カルムも自然と笑顔になっていた。放ったらかしにされているニャオニクスが不満そうに「ニャー」と鳴いた。
「ああ、ごめんごめん」
軽く謝ると、抱き寄せた。
フクジが微笑んで言う。
「ポケモンとの絆は大切にしなさいよ。そして、慌てず騒がず、じっくりと育てていくんだよ」
「はい!」
「それじゃ、わしはそろそろ……」
と、フクジが立ち上がった。
「次に会うときはジム戦じゃな」
「ええ、勝って絶対にバッヂを貰います!」
「元気の良いことじゃ。楽しみにしておるぞ」
ゴーゴートに跨ると、フクジはそのまま去ろうとする。
「出会いと別れ……か」
自分も、このニャオニクスが死んだら、悲しむのだろうか。いや、悲しむとは思うが、どうなるだろう。
考えたこともなかった。
が、フクジが振り返って言った。
「でも、今の時間を大切にしなさいよ。一緒に居ることが最高の思い出じゃからな」
***
「……確かに妙な構造だ」
倒れたリングマを尻目に、外したチョーカーを見てテイルは言った。
しかし、困ったことがある。元が他のトレーナーのポケモンだけあって、ボールに入れて回収しようにもボールとポケモンのIDが合致しないとボールの光線を弾いてしまう。
すると、チョーカーの構造を調べていたマロンが駆け寄ってくる。
「先輩っ! このチョーカーを調べてみたんですけど、きほんは2つのプログラムに分けられていて……」
が、肝心のテイルは顔を真っ赤にして振り向かない。
「先輩っ、聞いてるんですか!」
「だー、るっせぇ! 聞いてるっつーの! で、2つのプログラムってなんだよ」
「ポケモンを洗脳するプログラムと、そのポケモンの脳に働いて能力を高めるプログラムです!」
「どっちも同じようなもんじゃねえか。よーするに自己暗示かけて強くするってことだろ。筋肉に負担がかかってらぁ。リミッター外して無理矢理身体を動かしたからだろうよ」
そして再びテイルはチョーカーをじっくりと観察した。
---------ん? 何だこのパーツ、どっかで見た気が……。
そのときだった。
バチバチ、とチョーカーから音がする。
もしかして、さっきのもう1つのプログラムというのは------------
「マロン、回収したチョーカーを全部捨てろ! いや、どっか遠いところに放り投げろ!」
「えええ!?」
「爆発するぞぉぉぉ!!」
かごの中に入れておいた他のチョーカーを全部を放り投げ、マロンの上に覆いかぶさって伏せる。
直後、ボン、ボン、と音がして砂煙が上がった。チョーカーはいずれもパーツが弾けとび、もう使い物にならなくなっていた。ころん、とネジや鉄の破片が転がってくる。
軽い爆発で済んだからよかったが、これが大爆発を起こしたら今頃大惨事になっていただろう。
「マロン、大丈夫か!?」
テイルが声を掛ける。
が、肝心の彼女の顔は真っ赤に染め上がっており、「ふにゃあ〜」と言葉にならない声を上げて目を回していた。
「……大丈夫じゃなさそうだな」
はぁ、と溜息をついたテイルはそのまま彼女を負ぶって、今後どうするか考えることにしたのだった。
「あ、そーだ」
テイルはふと呟いた。
「博士、ヒヨクシティに着いたかな」
後書き:ヒヨクシティ編開幕です。と言ったものの、まだヒヨクシティに着いていませんけどね。先駆けて登場したフクジですが、ジム戦はもう少し先になると思います。それでは、また。
- 第七十三話:進化の獣 ( No.165 )
- 日時: 2014/09/28 21:44
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: sPkhB5U0)
ヒヨクシティ。潮風が気持ち良いここ、シーサイドエリアとモノレールを通じて行くことができる丘側、ヒルトップエリアの2つに分けられた街だ。
今まで、大きな街と街の間が離れていた反動か、今回はとても間が短かった気がする。
それでも図鑑を埋めるために探索を行ったため、2日程かかったが。
まずは街を見て回る。世界中から集めたお香を売っている店、木の実が置いてある無人屋台、そしてキャモメ達が飛び交うこの港。
なかなか、この街ならではのものも多かった。港町だから色々なものが入ってくることもあり、とにかく店が多かった。
「さーて、このままジムに挑もうかな--------」
と地図を見て、ジムがあるヒルトップエリアに向かおうとしたそのときだった。
ホロキャスターに突然着信が入る。誰からだろ、と確認するとセレナからのホログラムメールだった。
『お隣さん、元気にしてる? 私はもうバッヂを3つ集めたわ。そっちもシャラジムを突破したところでしょ?』
「ごめんなさい、突破してないです」
はぁ、と溜息をつくカルム。向こうにこの声が聞こえていないのがまだ幸いである。メールはまだ続いた。
『そういえば、博士が化石研究所の研究員の人から貰ったポケモンを、私たちに渡したいみたい。後でヒルトップエリアにあるポケモンセンター前で待ち合わせでいいかな?』
たった今行こうとしていたばかりである。そこでメールは終わっていた。
「しかし何の用だろうな」
そう呟いて、カルムはモノレールへ向かったのだった。
***
モノレールを渡り、着いた先はヒルトップエリア。空気が若干さっきよりも薄くなったように感じられる。
丘の上だからだろうか。
それはそうと、まずはセレナの姿を探した。
見れば、セレナと---------プラターヌ博士の姿が。
「遅かったんじゃない? お隣さん」
「そんなに遅れていないだろ。博士も。大丈夫ですか、あんなことがあったばかりだから」
「いや、僕の心配はしなくていいよ。それよりも、この間の化石研究所の人たちが知り合いを通じてポケモンを手に入れたみたいでね。この地方にも生息しているんだけど、どうも個体数が少ないんだ」
「化石のポケモンですか?」
「いいや、化石とはあまり関係ないかも。ただ、ポケモンの進化について大きく関係しているポケモンだからさ」
プラターヌ博士はボールを取り出して放った。
中からは茶色の毛皮に、犬とも兎とも似つかない容姿、そして首周りの飾り毛が印象的なポケモンだった。
進化ポケモン、イーブイ。それがこのポケモンの名前だった。分類から確かにポケモンの進化に付いて関係があると分かる。
尻尾を振りながら、こちらの様子を伺うようにじっと上目遣いで眺める様子は実に可愛らしかった。
「可愛い!」
「そういえば、10番道路のポケモンの中で、イーブイだけ逃げ足が速くて捕まえられなかったんだよな」
イーブイを覗き込むようにしゃがんで見る2人。
「この子をこの間のお礼で君たちに渡したいらしい」
「お礼って、僕達フレア団を追い払っただけですから、照れちゃうなー」
「ん、待ってください。イーブイってその子だけですか?」
セレナの言葉を聞いて、博士は「あ」と声を上げた。
「そういえば、一匹しか……貰ってないね」
この瞬間、セレナとカルムの視線がカチ合った。
「なぁセレナ。あのメガボスゴドラに健闘したんだから、あのモフモフ……じゃなかったイーブイを手に入れるのは僕だよね? 僕意外ありえないよね?」
「お隣さんが倒れたときに介抱したのって誰だっけ? 私だよね? よってモフモフ……じゃなかったイーブイは私のものだよね?」
「ふ、2人とも、落ち着いて。しかも大体予想はしてたけど、イーブイの首周りの飾り毛が早くも狙われてる!?」
『表の広場に集合、バトルで勝った方がイーブイをゲットする!』
2人の考えは完全に合致していたようで、台詞も被っていた。
「えええー!?」
と声を上げて博士はおろおろしていたが、2人がにらみ合いながら広場の方まで並走していくのを見て、仕方なく後を追うことにしたのだった。
***
「バトルは3対3! 一応私はもう、パーティは6匹揃えているけど、まだスタメンが5匹しか決まっていないお隣さんのためにね」
「放っとけやい」
セレナとは以前、マルチバトルで負けている。あのときは合体技で反則級の火力で押されてしまったが、今回はそうはいかない。
見れば、博士がイーブイを抱えて追いかけてくる。
「はぁ、はぁ、イーブイって結構重いんだねぇ……ぜぇ。あ、ボールに戻せばよかった」
「お隣さんは私に一回も勝っていないよね?」
「マルチではな。だけど、今回はシングルのタイマンだぜ?」
セレナのエースは恐らくハリボーグだろう。素早さで勝るとはいえ、防御に長けたハリボーグに決定打のかけるゲコガシラは不利。そして、セレナにはアブソルもいる。ニャオニクスは不利か。
だが、一方でニャオニクスはハリボーグに有利だ。重戦車型の相手にニャオニクスなら素早い動きで翻弄できる。
そして、ゲコガシラもどこかしらで活躍してくれるかもしれない。
「いくわよ、ニャオニクス!」
「頼んだぜ、ニャオニクス!」
両者がボールを投げる。出てきたのは互いにニャオニクスだった。
しかし、セレナのニャオニクスは姿形が違う。こちらのが蒼をベースとした体色に対し、セレナの方のニャオニクスは白がベースの体毛で更にジト目だ。若干、他にも相違点があるが、挙げればキリがない。
「おいおい、とんだ偶然だな」
「ニャオニクスは性別で姿が”大きく”違うポケモンなのよ。知ってた?」
「はぁ、知らなかった」
「じゃあ、こっちから行くわよ! ニャオニクス、瞑想!」
早速、静かに心を落ち着かせて、特殊攻撃力と特殊防御力を上げていくニャオニクス。
一方のカルムも負けてはいなかった。
「ニャオニクス、光の壁!」
大きな透明な壁を張り、防御の体制をとるニャオニクス。さらに、特性:悪戯心の効果で瞑想が終わる前に光の壁を張り終えることができたが、できたところで別にどうというわけではない。
そして、セレナのとる行動は変わらない。
「もう一回、瞑想!」
「くそ、ただでさえダメージが入りにくいのに! ……待てよ、これなら行けるか? ニャオニクス、サイコショック!」
超能力で念じ球をいくつも作り、それをニャオニクスにぶつける。
相手の防御力にダメージが依存するこの技ならば、瞑想を積まれたところでダメージは変わらない。
もっとも、効果はいまひとつなのでそのダメージもしょっぱいままだが。
「ふぅ、そろそろ良いかしら。ニャオニクス、シャドーボール!」
影の玉が打ち出された。
しかし、光の壁でダメージは抑えられるはず---------そのときだった。
玉が壁を貫通したのだ。
「--------え」
ドゴゴ、とまともに影の玉を喰らって倒れるニャオニクス。しかも、瞑想を積んでいたため、まさに一撃必殺だった。
「な、何で」
「私のニャオニクスの特性は”すり抜け”! 光の壁やリフレクター、そして身代わりなどの効果を無視して攻撃ができるのよ」
自分のニャオニクスの特性が隠れ特性だったので、完全に盲点だった。
早速先手をとられて、悔しさがこみ上げる。
「だけど、こいつならどうだ!」
確実に勝利を収めていくため、二番手にカルムは賭ける事にする----------
後書き:本日2話目の更新です。イーブイをパルレしながら今回の話の構想を考えました。イーブイの首周りの飾り毛をもふりたいと考えながら執筆していました。そのため、今回は作者の欲がダダ漏れなところがあったかもしれませんね。はい。個人的には最近はサンダースが好きです。外見としてはすらりとしたフォルムにパチパチとした体毛、そして釣り上がった瞳が良いですね。メガライボルトが出たとはいえ、メガなしであの素早さ、加えて補助技の多さでまだまだ活躍の機会は多いと思います。それに、今までも上位互換を生み出してしまっている(被害者は主に赤と青の電気ネズミコンビ)くらい種族値もなかなか高いですからね。皮肉にも今作では今まで下位互換だったライボルトに逆転される始末ですが。少し前まではブースターが好きだったんですがね。もふもふ。まあ、1ついえるのはブイズは皆可愛いと言う事で。はい。イーブイがどちらの手に渡るかは、お楽しみに。それでは、また。
- 第七十四話:モノズ、立つ ( No.166 )
- 日時: 2014/12/07 09:26
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: oLjmDXls)
「次はお前だ、モノズ!」
倒れたニャオニクスをボールに戻し、次のポケモン、モノズを繰り出した。悪・ドラゴンのモノズなら、比較的誰が相手でも有利に動けるはずだ。
一方のセレナは、このままでは不利と思い、交代してくるか、それとも別の技で対抗するか----------
「交代はしないわ。かかってきなさい!」
大体、何を使うかは予想できた。
”チャームボイス”だ。フェアリー4倍弱点のモノズはこれを喰らえば一撃で沈むだろう。
何故って、自分のニャオニクスも覚えていたからだ。
だが、こちらだって策がないわけではない。
「ブイブイー!」
博士の腕に抱きかかえられたイーブイが応援するように鳴いた。
その瞬間、ハートを射止められてしまったらしい。頬がほんのり赤く染まる。そして当のカルムは何が起こったのか、全く気付いていない模様。
モノズは自分を奮い立たせるように地面をガッガッと蹴り、一声「ギィ!」と吼えると、面と目の前の相手を見据えた。
「いくぞ、モノズ! 噛み付く!」
「ニャオニクス、チャームボイス!」
ニャオニクスが可愛らしい声で鳴く。しかし、その音が一気に波紋となってモノズへ襲い掛かった。
しかし、それを難無く避けてニャオニクスの首元を狙ってガブリ、と噛み付く。
だが、威力は今までの噛み付くの比ではない。
「これはもう、噛み付くなんて甘っちょろい技じゃない、”噛み砕く”だ!」
「まずっ……!」
「そのまま上に放り投げろ!」
強い力でニャオニクスを放り投げるも、空中で超能力を使い、ニャオニクスは静止した。
何とか一安心、と息をついたセレナとニャオニクスだったが---------突如、ニャオニクスは首筋に痛みを感じて、バランスを崩してしまう。
「倒れなかっただけまだ良いけど、次の一撃は耐えられないはずだ! 龍の息吹!」
「くっ、ニャオニクス、チャームボイス!」
しかし、痛みでもう声を発することもできず。そのまま、濁った龍の吐息がニャオニクスを包み込み、次の瞬間には地面に落下していた。
完全に戦闘不能だ。
ニャオニクスをボールに戻し、溜息をつくセレナ。
「仕方がないわね。何なら次はアナタよ、ハリボーグ!」
セレナが二番手に繰り出したのは、ハリボーグだった。
重厚な装甲に身を包み、トラックさえも跳ね返すパワーを持つこのポケモンに、どう対抗すれば良いか。
「まずは、押してみるぜ! モノズ、龍の息吹!」
濁った吐息がハリボーグを包み込むが、難無くそれを受け止めてしまう。
そして、腕を振り回したかと思うと、一気に腕から棘が生えた。そして、その棘が次々にミサイルのように飛んでいく------------
「ミサイル針!」
まずい。悪タイプに(実は)虫タイプであるこの技は効果抜群だ。
モノズは驚いて足がすくむが、応援しているイーブイの顔を見て、その場を飛び跳ね、針を避けてしまった。
「おおう、今日のモノズは何か妙に動きのキレが良いな!」
「むぐぐ……」
悔しそうにセレナは唸ると、ハリボーグに「次、当てにいくわよ!」と激励した。
対するカルムは調子を上げていき、モノズに指示を出す。
「今度は勝たせてもらうぜ! モノズ、噛み砕く!」
再び、ハリボーグの喉を狙って噛み付きに行った。
「ニードルアームで防ぎなさい!」
警察犬の噛み付き訓練に付き合うトレーナーのように、腕を守る棘を出してモノズの顎を遠ざけようとするハリボーグ。
「そのまま、宿木の種!」
腕から宿木の種を射出し、モノズへ絡めさせた。一瞬で宿木はモノズの身体全体を包み、力を失ったモノズはその場に倒れこんだ。
めきめき、と宿木がモノズの身体を舐めるように体力を吸い取っていく。
「まずい……!」
「しかも、この宿木で奪った体力は全てハリボーグの元に行くから」
「だけどよぉ……何となくだけど」
カルムは不敵な笑みを見せた。
「感じるんだ。今日のモノズは一味違うってな!」
何が原因だか知らないけど。
まあ、1つだけ言えるのは。
「このまま、無理矢理押し切る! モノズ、宿木を食いちぎれ!」
「なっ!?」
メキ、メキメキメキ、と音を立てて固くなった宿木が千切れた。
そして、次の瞬間には完全にその宿木からモノズは開放されていた。
「今だモノズ! 噛み砕く!!」
ガァッと大きな口を開けて再びハリボーグへ牙を立てるモノズ。すかさずニードルアームで防御するハリボーグは、そのままモノズを地面へ叩き付けた。
「ハリボーグ、転がる攻撃!」
ハリボーグは身体を丸めて、砲弾のように転がり、モノズを押し潰そうとした。
ごろごろと勢いつけて回転していくそれは、止まることを知らない。
しかし。
「飛び乗れ!」
すかさずジャンプして回転したハリボーグの上に乗り、玉乗りのように逆に転がしていく。
そしてハリボーグが向かった先は、広場の大木だった。
大木が折れることはなかったが、代わりにハリボーグは回転が止まり、そのまま立ち上がった。
そしてギリッ、と歯軋りしながらモノズを睨みつけた。
「へへっ、どんなもんだ!」
「強くなったじゃない、お隣さん。でも、まだまだよ! ハリボーグはまだ戦える! ミサイル針!」
「龍の息吹で燃やし尽くせ!」
濁った炎はミサイルのように射出された針を全て燃やしつくし、そのままハリボーグへ。
息吹がハリボーグを包み込み、燃える。
そして、ハリボーグは力尽きたように倒れた。
「よし、やったぜ!」
と、カルムがガッツポーズしたそのときだった。「……ミサイル針!」の声と共に、最後の力を振り絞ったハリボーグが背中から大量の針を飛ばしていく。
油断していた。
その針を一気に喰らったモノズは、悶絶した表情を見せ、倒れた。
そして、針を飛ばしたハリボーグも、ガクッ、と白く燃え尽きたボクサーのようにうつ伏せに倒れた。
共に、戦闘不能だ。
「頑張ったな、モノズ。ゆっくり休んでくれ」
「貴方も十分がんばってくれたわ、ハリボーグ。後はこの子に任せて」
そういって、互いに最後のボールを握る。
「ゲコガシラ、お前の出番だ!」
「アブソル。頼んだわよ!」
災いポケモンのアブソル。最後に見たのは10番道路以来だが、そのパワーは侮れない。
--------何せ、鎌鼬でポケモンを2体同時に倒しちまったもんな。
はぁ、と溜息をつくカルム。苦しい戦いなんて、最初から承知だ。最後は最近活躍させてやれてないこいつで挑む。
「このアブソルは私のパートナー。今までに何度も助けてもらったわ」
「なるほど。道理で強いわけだぜ」
笑うセレナに、余裕の笑みで返すカルム。だが、それは焦っていることを隠しているのに過ぎない。
「ゲコガシラ、電光石火!」
「アブソル、サイコカッター!」
地面を蹴って突っ込んでいくゲコガシラを、アブソルが刃に溜めたエネルギーで迎え撃とうとする。
最終戦は、今、始まった。
- Re: ポケットモンスターXY 命と破壊の遺産 ( No.167 )
- 日時: 2014/09/29 04:46
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: UrB7UrBs)
昔は普通だった連日コメも今ではめっきりなくなったなぁ、としみじみ以前との違いを感じるモノクロです。
ヒヨクシティ到着の前に、先駆けてフクジが出て来ましたね……ゴーゴートの設定がどこかのアデクさんを彷彿とさせますが、まああの取って付けたような設定より、牧場という施設も生かし、キャラクターにもあった良い設定だと思います。それが作中にどこまで影響を与えるかは分かりませんが、フクジの発言はXYのテーマの一つである「死と生」を思わせますね。
その後はセレナとイーブイをかけてバトルですか……以前から薄々思っていましたが、タクさんって結構もふもふというか、可愛い系のポケモンとか好きですよね。いやまあモノクロの好きなポケモンは好きですが、クチートとの運命的な出会いの後、どういうわけかフレフワンやランクルスといった、やや斜め上な趣向のポケモンにはまってしまったんですよね……メガシンカする奴らだと、メガハッサムやメガプテラ辺りですかね。はい、完全に御剣姉弟です。メガプテラはシングルでなんとか活躍させてあげたいんですが、マンダの壁が高い……しかもメガマンダなんて……
それはともかく、セレナとのバトル。対戦とかやっていると積み技とか夢特性とか、普段の描写もついつい対戦の用語が混じってしまいますよね。それが良いか悪いかは別にして。意識してやっているのかもしれませんが。
最初のニャオニクスミラーマッチ(雌雄は違いますが)は、同じ名前のポケモンだと分かりにくくなりそうだなーとか軽く考えていたら、すり抜け見落としであっさり突破されてしまいましたか。すり抜けは身代わり貫通が目立ちすぎて、壁貫通が何気に空気だと勝手に思っています。
続く二戦目はモノズとハリボーグ……何やらモノズにフラグが立っていますが、まあ勝敗がどちらの転んでも問題なさそうですね。その気合でニャオニクスを突破、ハリボーグと相打ちとなった結果は実を結ぶのか。最後のゲコガシラとアブソルの一騎打ち次第ですね。
メガアブソルは白と黒のコントラストに悪魔的な角と白い翼というデザインが厨二格好良いと言われ、モノクロも好きなのですが、対戦だとどうしても使いにくいのが難点ですね。まあ、奴の一致不意打ちより、メガクチートの不一致不意打ちの方が強いので仕方ないと言えば仕方ないのかもしれませんが。
ちなみにモノクロはいつか両刀で育成したいです。技範囲が広いので結構行けるんじゃないかと思います。
なんか要所要所でモノクロ語りになってしまいましたが、最後の一戦は、というか最近のタクさんの作品の流れは本当に読めないので、どう転ぶのか楽しみです。
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