複雑・ファジー小説

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ジャンヌ・ダルクの晩餐
日時: 2020/09/22 17:50
名前: マルキ・ド・サド (ID: FWNZhYRN)

ボンジュール!マルキ・ド・サドです。

自分のことはサド侯爵、またはサドちゃんとお呼びくださいwwww
こんな私ですがどうぞよろしくお願いします!後お見知りおきを。
私はこれから名前に恥じぬようなダークな小説を書こうと思います。

コメントやアドバイスは大いに感謝です。

悪口、荒らし、嫌み、不正な工作などは絶対にやめてください。

私は小説が不器用なので全く恐くないと思いますがこの文を見て不快さを感じた場合はすぐに戻るを(人を不快にさせるのが一番嫌いなので)

タイトルに『ジャンヌ・ダルク』とありますが物語の舞台は近未来の日本です。


【お知らせ】

小説カキコ大会2016年夏では銀賞を受賞させていただきました!
更に2018年夏の大会では銅賞を受賞!
これも皆様の温かいエールの賜物です!本当にありがとうございました!


・・・・・・お客様・・・・・・

銀竹様

風死様

藤尾F藤子様

ふわり様

Re: ジャンヌ・ダルクの晩餐【修正版】 ( No.235 )
日時: 2020/09/20 19:00
名前: マルキ・ド・サド (ID: FWNZhYRN)

「今から数ヵ月前、僕はバンドメンバーである友達と一緒に千葉を訪れていた。順調な野外ライブになると思っていた。突然の悲劇がステージを襲うまでは・・・・・・1発の響き渡った銃声に会場は静まり返った。観客の中に銃を隠し持っていた犯罪者が何人も紛れていたんだ」

「銃を持った・・・・・・犯罪者!?」

香織が驚愕し、姫川が詳細に続きを話す。

「後で知ったけど、そいつらはネットを通じて、僕達を殺そうと目論んだ過激派とも呼べるアンチの集まりだった。奴らの1人が罵声を上げた。お前らの存在は病んだ人間達を侮辱している。それを支持する者も同罪だと。奴らは観客に銃を乱射し、ステージに火炎瓶が投げ込まれた。友達は僕を守ろうとステージから逃がした。でも、そのせいで友達と離れ離れになってしまい、今じゃ行方どころか生きているのかすらも分からない・・・・・・」

 姫川に降りかかった惨劇の過去を知った3人は哀れみを抱かずにはいられなかった。その時の光景を想像すると背筋が凍り言葉を失う。同情すらも思い浮かばず曇った表情を作るだけで精一杯だった。

「ごめん、嫌な記憶を呼び覚まさせてしまって・・・・・・」

 メイフライが後悔を抱きながら軽く頭を下げる。

「いいんだ。逆に誰かに打ち明けた方が気が楽になるし。実際抱え込んでいたもやもやを吐き出せてちょっとすっきりしたよ」

 姫川は平気そうに微笑み続きを話す。

「その後、いくら探しても友達は見つからなかった。暮らしていたライブハウスに戻りたかったけど、アンチの待ち伏せを想定し、そこには帰らなかった。当てもなく街中を彷徨い、捨てられたフードパーカーを羽織って素顔を隠し、食料探しにゴミを漁った。まわりに怯えながら3日間、公園に身を隠していた事もあった。気がつけばホームレスみたいな生活を1ヶ月も送っていた。そんな生き方にも限界を感じて何もかも絶望し土砂降りの中、地面に倒れて声を上げて泣いたよ。泣いても泣いても涙は枯れなかった。もういっそ死んでしまおうかと思った時、1人の男が現れた」

「1人の男?」

 香織が聞いて姫川が頷く。

「その男は僕に手を差し伸べ自分の家へ連れて行ってくれた。家と言っても高架橋の下に建てたボロい小屋だけどね。暖房が効いた部屋で男はびしょ濡れだった僕に毛布を与え、まともな食事をさせてくれた。それだけじゃない。男は僕が味わった地獄の全てを最後まで黙って聞いてくれて心から同情してくれたんだ。しばらくして心の傷が癒え始めた頃、お前はこれからどうするつもりなんだと聞かれた。僕は少し戸惑って・・・・・・やがてはぐれた友達を探したいと強く返答を返した。男は"そうか"とにっこりと微笑んだ。彼は床下に隠していた地下に降り武器を背負って戻って来た。それが・・・・・・」

「このスナイパーライフルってわけか・・・・・・」

 メイフライの図星に姫川はまた頷く。

「驚いたよ。日本ではまずないものを出されて、後でその男は元は武器商人だと知った。銃なんて扱える自信なんてなかった。楽器を弾いた事があっても、引き金を引いた事はないからね」

 姫川はライフルに視線を逸らすとレンズカバーが開いたままのスコープを撫でる。彼の上手い洒落に関しては誰も笑わなかった。

「今まで優しかった男は厳しい顔で言った。本当に友達を探したい気があるのなら戦う術を身に着けろってね。恐かったけど、また皆に会えるためならと自分の弱さを捨てる決意をした。僕はこの狙撃銃を手に抱え2ヶ月間、扱い方を学んだ。最初は1発も的には当たらなかったけど適切な指導を受けているうちにだんだんと腕は上達していった。他にも色々なサバイバル技術を叩きこまれたよ」

「大変な経験を積んできたんですね・・・・・・私には絶対にできない・・・・・・」

 想像を絶する透子が両手で口を覆う。それを見て姫川は自慢気に笑って

「そして僕は命の恩人である男に礼を言って別れると狙撃銃といくつかのサバイバル道具を背負い友達を探す旅に出た。学んだ事は全て役に立った。残飯から保存食を作る方法、どういう水が飲んでも安全か、ネズミ、トカゲ、昆虫類の調理法、あと、日常品を使った応急処置のやり方とかね。銃を使わずを得ない時もあったよ。殺してないけど撃って脅した」

「友達は見つかったの?」

「ううん、皆は見つからなかった。今も違うどこかにいるのかも知れないし、あの時の惨劇で犠牲になったのかも知れない。それでも諦めずに旅を続けていたら、とうとう警察に捕まってしまい、幸運にも君達に救い出されたというわけさ。せっかく生き残る術まで学んだのに・・・・・・呆気ないチャンスだったな」

 長々とした話を一通り終えた姫川はまだ残りに余裕があるミネラルウォーターを口に含み一息ついた。

「なるほどね、事情は大体理解できた。それであなたと一緒に乗せられていたこの子は?」

 今度は話の内容をもう1人の囚人に切り替える。少女は怯えた目つきでびくびくと震えながらこちらを見上げていた。香織が顔を近づけると慌てて身体を退ける。

「その子?さあ?僕が護送車に放り込まれた時には既に乗せられていた。ずっと、こんな調子でね。話し掛けても何も答えないんだ」

「酷く怯えてるわね。ねえ?あなたの名前は?」

「あうぃ・・・・・・おう・・・・・・」

「え?何?」

 香織はもう一度聞き返すと

「あうぃ・・・・・・おう・・・・・・いう・・・・・・ゆ・・・・・・」

 やはり何を言って何を伝えようとしているのか分からない。

「どうしたんだろう?この子、もしかして言葉を話せないのか?」

 メイフライはさっきの博仁とほとんど同じ事を言った。

「お・・・・・・あい・・・・・・あう・・・・・・ええ・・・・・・」

「どこか怪我でもしてるのかしら?ちょっと調べてみる。触られるのは嫌だろうけど少しだけ見せて?」

 香織は少女の腕を掴み跪くと顎に手を当て頭を上に上げさせる。首の影を覗くと喉についた鋭利な傷跡を発見した。傷口は塞がっているものの出血しているような見るに堪えないものだった。一生消えそうにない醜い跡に無意識に目を逸らしてしまう。

「酷い傷・・・・・・誰かにやられたの?」

 メイフライもその傷を見て思わず苦い顔を浮かべる。

「喋れない原因はそれでしょうね。恐らく、声帯がやられてる」

「何とかして治せないのかしら?姫川、あなたの応急手当で何とかならない?」

「無理だと思う。壊れた声帯はもう二度と治らない。それに首は頭と胴体を繋ぐ重要な部位、下手にいじらない方がいい。傷口は塞がっているんでしょ?だったらそのままにしてた方が・・・・・・」


「助け出したのはいいけど後先の事までは考えてなかったわね。あの2人、どうするつもり?他の所で逃がすの?」

「いや、東京を出たら降ろしてやりたいが一刻も早く治療が必要な負傷者がいるためそんな余裕はない。気が進まないが囚人を隠れ家まで連れて行く」

 愛利花は半分真っ青になって声を高く張り上げた。

「はあ!?本気!?隠れ家に関係ない人を隠れ家に連れて込んで、父が黙ってないわ!」

 博仁はまるっきり他人事のように

「そこは娘であるお前が何とかしろ。俺は慎一を救う事だけを第一に優先する。早く治療を施さなきゃ非常に危険だ」

「正気なの!?私達の組織のアジトに足を踏み入れた人間は強制入隊させられるのよ!?じゃなきゃ死刑しかないわ!」

「いっその事、組織の一員となって隠れ家に住む方が安全だろう。食べ物や寝床にも困らないしな。それに囚人の1人は狙撃銃を持っていた。うちの隠れ家には狙撃手が1人もいないだろ?どれほどの実力かは明白じゃないが、ああいうのが1人でもいた方が心強い」

 訴えても無駄だと悟った愛利花は言い合いに白旗を振ると不機嫌そうに暴力的な声を出し

「面倒くさい事は全部人に押し付けて無責任過ぎるのよ!もし、処罰される事になったら道連れにするわよ?全く、あんたといると命がいくつあっても足りないわ!」

「好きにしろ。どんな罰でも受ける覚悟だ。自分が死ぬよりも仲間を助けられない方がよっぽど苦だ」

 博仁は簡単に聞き流し自分がやるべき事に集中する。

「慎一、隠れ家まで飛ばすからな。絶対にくたばるんじゃないぞ・・・・・・!」

Re: ジャンヌ・ダルクの晩餐【修正版】 ( No.236 )
日時: 2020/09/20 19:03
名前: マルキ・ド・サド (ID: FWNZhYRN)

 夕日で薄暗く辺り一面森だらけの細い獣道を1台の輸送車が通る。でこぼこの地面にタイヤが乗り上げ車体が揺れる。本来なら慎重に進むべき道だがその車両は相当急いでいるのか勢いのあるスピードを落とさない。やがて行き止まりの崖に行き着き岩しか見えない壁の前で急停車した。

 1分も経たないうちにゲートが完全に開き内側から数人の兵士が訪れた車両を覗き1人の兵士が銃を抱え近づいて来た。兵士は銃口を向けたまま警戒を緩めず車両に迫る。そして確認のため窓を開けるよう手の仕草で合図を送ったが

「・・・・・・お、おいっ!」

 輸送車はその指示に従わずいきなりアクセルを踏んだ。慌てて呼び止める兵士を無視し突っ込むように隠れ家へ押し入る。入り口に待機していた兵士達は散り散りに撤退する。

「止まれ!撃つぞ!!」

 兵士の1人が輸送車に標準を合わせ大きく怒鳴った。その鋭い声にガレージで作業をしていたエンジニア達の注目が浴びせられる。彼らも異常事態を瞬時に理解すると怯えた顔で一斉に退く。輸送車は危害を加えそうな気配もなくガレージの中心で再び停車した。車両を取り囲み銃を構えた兵士達が集まってくる。緊張の空気が漂う最中、運転席の扉が開き博仁が外に飛び出す。彼はまわりの様子には目も暮れず車両の後方へ走った。

「博仁か!?検問を無視するなんて何考えてるんだよ!?もう少しで掃射をかますとこだったぞ!」

「驚かせてしまってすまん!だが、説教と反省文は後回しにしてくれ!瀕死の怪我人がいるんだ!早く医療班を呼んでくれ!」

「怪我人だって!?」

 兵士は銃を下ろし冗談の欠片もない深刻な顔を浮かべた。博仁はバックドアを開け意識が戻らない慎一の肩を抱き背中にしょい込むと車外の地面に降ろし横たわらせる。

「こいつは酷い・・・・・・!おい!何ぼさっとしてるんだ。早く誰か医療班に連絡しろ!急げ!」

 分かったと叫んだエンジニアの1人が知らせに向かいすぐに医療班3人を連れて戻って来た。先頭を走って来た衛生兵が地面に倒れている慎一に駆け寄り容態を確認する。

「負傷者の意識はなく頭部に3ヶ所の傷、出血あり。胴体、手足に無数の打撲痕、全身をかなりの力で殴打されている。傷の形状からして恐らく警棒で打たれたんだろう。呼吸はしているみたいだが、意識を失ってどれくらい経つ?」

「2時間くらいだ」

 博仁は感覚を頼りに曖昧に答える。

「それだけ目を覚まさないとなると、かなり危険な状態かも知れないな。今すぐ治療を施した方がいいか・・・・・・おい、手術室は空いてるか!?」

「十分な空きがありますよ。俺達の隠れ家で怪我人なんてほとんど出ませんからね」

 衛生兵が聞いてもう1人が冷静に返事を返した。

「よし、お前らは直ちに負傷者を運んでくれ!俺は医師に緊急手術の準備をするよう頼んでくる!」

 慎一は2人係で担架に乗せられ手術室へ搬送される。その場にいた全員が沈黙し重苦しい空気を漂わせていた。香織達も心配の目をしながらだんだんと遠ざかっていく仲間の姿を見送った。

「俺達にできる事はない。せめてあいつが無事に目を覚ましてまた俺達の元へ戻って来るよう祈っていよう。大丈夫だ、あいつはきっと帰ってくる。ああ見えても慎一は結構タフな奴なんだ。簡単には死にはしねえ。さあ、慣れない任務で疲れただろう?お前らも部屋で休め、BJの仕事に休日はないからな」

 博仁はポジティブな言葉で皆に励まし部屋に行くよう促す。香織とメイフライ、透子は何も言い返す事なく落ち込んだ表情のまま、とぼとぼと足を進める。晴れない不安に頭をうつむかせ居住区へ向かう。

「誰も立ち入らない山奥にこんな立派な秘密基地があるなんて・・・・・・凄いな・・・・・・!」

 姫川は純粋な興味を抱きながらガレージを一面見渡し興奮を隠せない感想を述べる。隣にいた喉に傷を持つ少女は相変わらずおびえた様子で身体を縮こませていた。

「あなた達2人は私についてきなさい。博仁、私はこの人達を司令室に連れて行くわ。この組織の一員に加えてもらうよう父に頼まないと。今回は貸しにしとくわよ。覚えといてね?」

「ああ、すまんな。いつか必ず礼をしよう」

 東京での任務を終え香織達も収納される輸送車を背にガレージを後にする。様々なエリアに繋がる奥部の通路を行き博仁の班と愛利花の班は途中で別れそれぞれ行くべき場所へ向かった。


 数時間もしないうちに夕日は沈み夜は訪れた。時計の針は6時を過ぎ夕食の時間を知らせる放送が隠れ家の各エリアに流れる。食堂ではBJのメンバーが集い贅沢な夕食を賑やかに嗜む。香織達も人で溢れた広い一室に混ざり込んでいるが食欲がないのか料理にはほとんど手をつけていない。結局、夕食のほとんどを皿に残し席を立つと騒がしい食堂を出た。

 部屋に戻っても暗雲の気分は変わらなかった。その場にいる全員が元気のない憂鬱な面持ちのままぼーっとしている。普段の愉快で盛り上がった雰囲気はなく誰1人笑う者はいない。そんな心地悪い時間だけがゆっくりと過ぎ去って行く。

「慎一さん、本当に大丈夫なんでしょうか・・・・・・?」

 かなりだるそうに地面を眺める香織が誰に話しかける訳でもなく言った。

「何とも言えません・・・・・・後で皆で医務室に行って様子を見に行きませんか?俺達が傍にいれば意識を取り戻すかも・・・・・・」

 メイフライもかなり落ち込んだ口調で返事を返す。隣では悲しみに暮れる透子が彼に寄り添っていた。

「大切な仲間が生死の視界を彷徨っているんだ。食い物が喉を通らないのも無理はない。俺も今日はコーヒーが不味く感じた。あいつがいない、胸に穴が開いた気分だぜ。しばらくはこの状態が絶えず続くかもな・・・・・・」

 部屋にいた博仁もベッドの柱に身体を寄せ行き場のない絶望にため息をついた。

「皆いる?あら、博仁も一緒だったの?」

 扉が開きそこへ愛利花がやって来た。香織達のはっとした視線が1ヶ所に集中する。彼女の後ろには姫川と喉に傷を持つ少女の姿もあった。

「あなた達が考えてる事、分かるわ。今日は最悪な日ね・・・・・・とりあえず今日は早く寝て十分に休みましょう。でもその前に皆にいい知らせと悪い知らせがあるの。どっちを先に聞きたい?」

「いい知らせからお願いします・・・・・・!」

 愛利花は皆の望みを悟っていたが期待には応えられない事実に胸を痛めた。しかし、それでも無理した笑顔で要望通りいい知らせを述べる。

Re: ジャンヌ・ダルクの晩餐【修正版】 ( No.237 )
日時: 2020/09/20 19:08
名前: マルキ・ド・サド (ID: FWNZhYRN)

「姫川とこの子に隠れ家に住む許可が下りたわ。部屋は違うけど2人は正式にBJも一員よ。父を説得するのに骨を折ったわ。案の定かなり怒られた・・・・・・」

 期待を裏切られた失望に香織達は不快を込めた苦い顔をする。

「聞きたくないけど悪い知らせは?」

 愛利花は言いたくなさそうに顔を斜めに逸らしネガティブな内容を告げる。

「口に出すのも嫌だけど・・・・・・慎一がまだ目を覚まさないの。あれから医務室に運ばれて緊急手術を受けた。怪我した所は全部治療したけど命に別条があるのかないのか分からない状態みたいなの・・・・・・」

「慎一お兄ちゃん、死んじゃうの・・・・・・?」

 透子が今に見泣き出しそうに涙声を震わせる。愛利花は口を閉じたままその先を語ろうとはしなかった。

「僕のせいだ・・・・・・僕なんかのために慎一さんは命の危機にさらされて・・・・・・大切な仲間を傷つけてしまって本当にごめん!僕が憎いなら気が済むまで責めてくれ!当然の報いだよ・・・・・・」

 姫川が前に出て皆に謝り自分を咎めるよう強く訴える。心から悔いている彼に対し罵声を浴びせようとする人間はいなかった。香織が頭を横に振り否定に言葉を返した。

「あなたは間違ってるわ姫川、あなたにもその子にも罪なんてない。私の身勝手な行動が慎一さんを苦しめたの・・・・・・全部私が悪い・・・・・・責任は私1人にある・・・・・・」

 するとメイフライが更にその考えを否定し彼女を慰める。

「それも間違ってますよ。香織さんに落ち度があるならあなたを止めようと俺達も同罪です。自分だけで罪を抱え込まないで下さい。慎一さんの負傷は連帯責任、でも俺は姫川さん達を救った行為には後悔などしていません。俺は香織さんが正しい事をしたんだと信じています」

「俺もメイフライと同意見だ。香織、自分1人が悪いなんてかっこつけるんじゃねえ。あいつだってこいつらを救い出そうとするお前の正義感に共感していたじゃねえか。仲間と共に戦えるなら慎一もこうなる事は覚悟していたはずだ」

 博仁も堂々と言って尚も続ける。

「それに慎一はまだくたばったって決まった訳じゃねえ。心臓も動いているし普通に息だってしてる。俺はあいつの生還に賭ける。お前らもいつまでも暗い顔してないで僅かでも希望があるならそれを信じて待とうじゃないか?間違った事言ってないだろ?」

「そうね・・・・・・落ち込んでいてもしょうがないわ。どうあがいても辿り終えた過去はもう取り戻せない。今までの全てを受け入れ前を歩んでいくしかないのよ」

 愛利花も口調は優しかったが言い放った台詞は厳しかった。

「でも、これからどうすれば?」

「お前はどうしたいんだ?」

 頭を抱える香織に博仁は率直に問いかける。

「やっぱり、このまま復讐を続けていくしかないわよね・・・・・・詩織の殺しに関わった連中を1人残らず葬る。愛利花さんが言ったように過去を取り戻せないなら私はひたすら前に進んでやるべき事に専念する。どんな困難が邪魔してもどんな結末が待っていようとも、誓ったからには最後までやり遂げるわ。私のせいでああなってしまった慎一さんだってそれを望んでるだろうから・・・・・・!」

「あの・・・・・・ちょっといいかな?君達の会話の内容といい軍事施設とも言えるこの隠れ家といい、謎が多過ぎてついて行けないんだけど・・・・・・?そもそも君達は一体何者なんだ?ただの変哲もない集団とは思えない」

 姫川は不可解な連続に混乱しながら横から口を挟んだ。香織達は真剣な目つきで彼に視線を送ると

「お前はここに来たばかりで知りたい事だらけだろう。ちょうどいい。お前もここの一員と認められた以上、俺達の正体や組織の存在を知る義務があるな。話すなら今がいい機会かも知れん」

 博仁は早速、姫川に対し1から10まで詳しい説明を始める。BJという名前、組織の目的、破ってはいけない掟、それぞれの役割などここで生きていくために必要な知識を教え込む。各エリアの位置などは直接案内した方がいいためそれは近日の予定に回す。

 ようやくBJの説明を終えると次は組織内でも秘密にしている香織の復讐の全貌を打ち明け長々と語る。親友の詩織が殺されその罪を擦り付けられた事、その後ファントムの手を借り牢獄から脱獄した事。これまで殺してきたとこれから手にかけようとしている標的、そして事件の黒幕。

「なるほど、信じ難い一部分があったけど大体は理解できたよ」

 姫川は本当に頭に記憶したのかしてないのか怪しい表情を浮かべた。ついでに今までの聞かされた全容を確認するように繰り返す。

「つまり、君達は日本各地で暗躍し、報酬と引き換えに悪人を葬るダークヒーローってわけか。簡単に言えばレジスタンスだね。噂で似たような話を何度か耳にしてたけどまさか本当に存在していたなんてね。僕のイメージとは遥かにかけ離れているけど・・・・・・」

 姫川は口を閉じる事なく言葉を途切れさせない。

「・・・・・・で、その中で君達は組織の掟を破り親友を殺された香織さんの復讐計画を密かに進めていると・・・・・・何か映画みたい。そのファントムから貰ったエディスの仮面についても驚きを隠せない。事実は小説よりも奇なりとはよく言ったもんだね」

「なあ?姫川」

「ん?何?」

「お前、狙撃の腕はいいか?」

 唐突な質問に姫川は真顔で首を傾げる。

Re: ジャンヌ・ダルクの晩餐【修正版】 ( No.238 )
日時: 2020/09/20 19:13
名前: マルキ・ド・サド (ID: FWNZhYRN)

「え、あ・・・・・・ま、まあ・・・・・・自分で言うのもなんだけど腕には結構自信があるよ。不調の時は本当にだめだけどね」

 博仁はそれを聞きたかったと言わんばかりにはっきり頷くと真剣な態度で

「慎一に血を流させた事に罪の意識を感じているならお前も香織の復讐に協力しろ。狙撃手が1人加われば100人の兵隊に匹敵する戦力を得たも同然。最後まで付き合ってもらうからな」

「僕も香織さんの仇討ちに協力しろと・・・・・・?」

 姫川は嫌がった素振りをしなかったが肯定もしなかった。顎に指を当て無言でどう判断すべきか考え始める。博仁は頼みを承諾するよう説得する。

「香織は政府に連行されていたお前を命懸けで救い出した。危険を顧みず戦ったんだ。慎一だってそうだ。あいつは誰よりも勇敢で死を覚悟してでも正義を貫いた。お前にも恩を返したいという良心があるなら共に戦うべきじゃないか?慎一の苦痛を無駄にしないでくれ」

 ふと、姫川は真面目な顔を上げる。視線を元に戻すと今でも尚、こちらを凝視する香織達が視界に映る。まるで彼がチームに加わる事を深く望んでいるかのような眼差しだ。

「僕は君達の役に立てるかな?心強い味方になれるかな?」

 姫川が本当に自分が必要とされているのか確かめる形で問いかける。

「勿論、お前がいれば百人力だ。銃を扱え苦境で生き抜く術も身に着けている。これ以上の助っ人はない」

 博仁は迷わず肯定し相好を崩した。

「この隠れ家で武器の手入れができそうな場所はある?トリガーが重いんだ。フレームの調子も悪いから直さないと」

「決まりだな。居住区の近くに狭いが充実した武器庫がある。メンテナンスに必要な部品や道具も揃ってるだろうから好きに使ってくれて構わん」

 姫川が協力者に加わって早々、香織達は4人目の標的を仕留める作戦会議を開いた。

「よし、新たな仲間がパーティーに参加した所で次の計画を進めるぞ?この復讐ゲーム、終わりまではまだ遠い。全員、緊張感を絶やすな」

「ねえ?あれからもう3人もの人間を葬っているのよね?残りはあと何人?」

 状況をあまり把握してない愛利花が特に知りたい訳でもなく尋ねる。

「黒幕を含めて7人だ」

「本当に遠いわね・・・・・・」

「香織、次の標的を選べ。今度は誰を殺るんだ?」

 香織は少しだけ間を開けてやがて次の標的が決まると

「冬美が死ぬ間際に彼女は黒幕の詳細を知っている可能性がある2人のクラスメイトの名を言っていたわ。今まで失敗に終わっていたけど詩織を殺した男の正体を今度こそ知る必要がある。次のターゲットは『宮元渚』、あいつから情報を聞き出し息の根を止める」

「決まりだな。そいつの居場所や行動パターンはとっくに調べがついている。共犯者が殺され奴も警戒しているだろうから実行は明日にした方が得策だ。この予定に不満はないな?」

「不満はありません。俺はただ、香織さんについて行くだけです。それで、その渚という女の居場所は?」

 メイフライがやる気に溢れた口ぶりで聞くと

「変人第4号、渚は埼玉の都市の近くにある廃墟の精肉加工工場を自分や取り巻き達のテリトリーにしているみたいだ。そこはかつて国が腐敗する前はあらゆる工場が点在する工業地帯だったらしいが今はただの広大な空き地と化している。人は滅多に立ち入らず目撃されるリスクは低いから逆に好都合だな。その環境を上手く利用しよう」

「人がいないなら存分に派手に暴れられるわね。今回は簡単に決着が着くかも知れないわ」

「いや、甘いな。これまでの標的だって大人しく命を差し出そうとはしなかっただろ?それに今度の標的は大勢の部下を連れている。いくらお前とメイフライが強くても集団が相手じゃ流石に分が悪い。油断は禁物だ。姫川、お前も初舞台として同行してもらうぞ。お得意の狙撃で香織達を援護するんだ。明日の出発までにライフルを修理しておけ」

「了解、ついでにスコープも調節しておく」

 姫川は微妙にかっこつけた言い方で親指を突き立てる。

「よし、他に誰か質問はないか?文句がないならこの作戦通りにいくぞ。さてと、会議が滑らかに進んだのはいいがこいつはどうするんだ?」

 博仁はさっきから姫川の後ろにしがみつき沈黙を保っていた喉に傷を持つ少女に話の矛先をやった。

「問題なのはこいつだ。喋れない上に戦いに向いているとも言えん。しかもこの幼さ、透子よりも年下じゃねえか?厳しい事は言いたくないがただ飯なんて食わせらんねえぞ」

「この子に兵士は無理でしょうね。でも、働かなければ処罰の対象になる。大した戦力にはならないだろうけどエンジニアチームに配属させるわ。この子に適した仕事が見つかるかも」

 愛利花が提案して博仁はだといいがな・・・・・・と愚痴を零すように言った。

「お・・・・・・え・・・・・・あぃ・・・・・・いあぅ・・・・・・いあいえ・・・・・・」

「やっぱり何を言ってるのかさっぱりだ。まあいい、とにかく今日は明日に備え疲れを癒そう。しっかりと休まなきゃ不調のまま本番を迎えることになるぞ」

 博仁は眠そうにあくびした口を手で覆い腕を伸ばす。

「私も博仁の意見に賛成よ、今日はもう何もする事がないからゆっくりした方が利口ね」

 姫川と喉に傷を持つ少女は指示に従い愛利花と共に部屋を去って行った。香織達もそれぞれのベッドに潜り込む。

「用が済んだから俺も自分の部屋に戻らせてもらう。香織、言うまでもないがぬかるなよ?」

「分かってるわよ。余計なお気遣いをどうも」

 香織が不機嫌そうに返事しベッドのカーテンを閉め布団に包まる。博仁も明かりを消すと黒く染まった部屋を背に扉を閉ざした。

Re: ジャンヌ・ダルクの晩餐【修正版】 ( No.239 )
日時: 2020/09/20 19:19
名前: マルキ・ド・サド (ID: FWNZhYRN)

 翌日・・・・・・

 薄く曇った空が赤く色づいた夕暮れ、1台の黒いバンが街中の道路を走っていた。聳え立つビルに挟まれた道路の左車線を平常のスピードで滑らかに進んでいく。他の車列に紛れ信号を止まっては交差点の角を曲がりトンネルを潜る。ハンドルを回しながら運転手は真剣に外を見張る。サイドミラーを覗いては背後に気を配り追手がいないか確認する。異常がない現在の状況に彼は少し安堵し運転席と助手席の間にある覗き窓を開けると正面に視線を集中させたまま声をかけた。

「聞こえるか?目的地である工業地帯までおよそ20分で到着する。まだ時間に余裕があるから今のうち心の準備をしとけ。特に狙撃手、今回はお前の存在が重要になる。しっかりやれよ」

「う、うん・・・・・・なるべく皆の足を引っ張らないようにするよ・・・・・・」

 後ろからプレッシャーに苛まれた弱々しい声が小さく返って来た。覗き窓は閉ざされ狙撃手は再びぐったりと足元を眺める。

 バンのバックスペースには3人の人間が乗車していた。香織とメイフライが隣り合わせに並んで座り凛とした面持ちを崩さない。2人は既に武器や戦服の装着を整えいつでも戦える状態を作り出していた。向かいには姫川がいて落ち着きのない手足を小刻みに震わせていた。彼の隣には持ち主よりも堂々とした大口径のスナイパーライフルが置かれている。

「姫川、大丈夫?」

 香織が心配になって不調である事が明らかな相手に問いかける。

「ああ、平気・・・・・・大丈夫だよ・・・・・・ちょっと緊張してるだけさ・・・・・・」

「本当に大丈夫なのか?出発した時からずっとこんな調子だぞ?」

 無理に笑う姫川にメイフライも呆れた苦笑を送る。

「ライブでは大勢の観客の前で歌ってたんだろ?緊張には免疫があるんじゃないのか?」

「それとこれとは話が違うよ。大勢の前で歌うプレッシャーと戦場に出向くプレッシャーは全く別だ・・・・・・」

「連れてこない方がよかったかもな」

 頼りなさそうな新人に対して気に入らない態度を取るメイフライ。

「姫川、そんなに強く引き締まる事はないわ。戦場と言っても銃撃戦をしに行く訳じゃないし、ただ、昔いじめてたクラスメイトを殺しに行くだけよ」

 彼とは裏腹に香織は優しい対応で姫川を落ち着かせる。

「到着までしばらく掛かるみたいだし3人で何か話をしましょうよ。そうすれば少しは気持ちが楽になるはずよ?」

「話ってどんな?内容がこれっぽちも浮かばない」

「例えばあなたがこれから使おうとしているそのライフルについて教えてくれない?」

「バレットM82の事?香織はこういう物に興味があったりするの?」

 姫川は女性の割にはと物珍しそうな表情を斜めに傾ける。

「ううん、別に興味があるとかじゃないわ。珍しい代物だからちょっと気になっただけよ」

「なるほどね・・・・・・僕もこれについてはあまり詳しくないけど分かる範囲の説明はしてあげるよ」

 姫川は撫でるようにスコープに手を置き得意げに語ろうとはせず普段通りの口ぶりで

「バレットM82、アメリカで製造された対物ライフル。12.7x99mmの弾薬を使用する。50口径と言えば少しは分かりやすいか。装弾数は10発、反動を軽減するために本来なら銃口にマズルブレーキを装着するんだけど隠密用に作られているからサプレッサーがカスタムされてあるんだ。お陰で反動はかなり抑えられているけど代わりに威力が軽減してる」

「対物ライフル?」

「分厚い障害物に隠れた敵や装甲の薄い戦車や装甲車の車体を撃ち抜くために作られたライフルの事です。アンチマテリアルライフルとも呼ばれている」

「戦車や装甲車を撃ち抜くライフル!?これってかなりやばい銃器なんじゃないの!?」

「まあ、そうなるね。こいつの銃弾はWiiリモコンよりもでかい。この状態で暴発したら運転席が吹っ飛ぶよ。一種の大砲みたいなものだから」

 そう声を重くして脅しをかける。

「こんなの生身の人間に撃ったら・・・・・・身体に大穴が開くに決まっているわ・・・・・・」

「大穴なんてレベルじゃないよ。まともに喰らったら確実に全身がぐちゃぐちゃになる。よくても上半身と下半身が真っ二つになる」

 姫川は調子に乗って恐がる香織を更にを怯えさせる。不気味ににやけているその意地悪な表情はとても楽しそうだった。

「日本は本当に物騒になったな。まさか、こんな物まで出回っているなんて・・・・・・」

「同感。初めてこれを目にした時は本物なのかと疑ったよ。戦争を否定する歌ばかり歌っていた僕が今はこうして人を殺そうとしてる。皮肉なものだね・・・・・・」


 バンは埼玉の都市部を抜けさらに奥にある中心部へ突き進む。外の環境に変化が起き始めたのはその時が境だった。辿り着いたエリアは都会の街並みはなく離れ草の枯れた物静かで寂しい荒野が広がっていた。建物があったとされる場所のまわりには細い道路が網目状に敷かれている。同じ跡地がいくつも点在しており電線を繋ぐ鉄塔がいくつも並んでいる。

 遠くには工業地帯の最後の建物だと思われる古く錆びた金属で建てられた工場が見える。4階建てくらいのある大きな工場で駐車場が見えるがトラックは1台も見当たらない。上階の壁には『ミートセンター』と書かれ美味しそうに舌を出した牛のイラストが印象的。逢魔が時の夕日に照らされ不気味な雰囲気を一層引き立てていた。

 バンは大通りを出ると工業地帯へと侵入しタイヤを踏み込ませる。博仁は再び後ろの覗き窓を開け3人に向かって

「到着まで5分も掛からない。戦う準備はできてんだろうな?」

 と普段より微かに大きな声で聞いた。

 その問いを合図に香織とメイフライは銃器を手に持ち再確認を始める。一旦弾倉を抜き弾が込めてあるかを確かめもう一度込めスライドのコッキングをかっこよく響かせる。そして安全装置をかけると素早くホルスターに戻した。

「姫川もライフルの確認をした方がいいわよ?あなたの助けが重要なんだから」

 香織がショットガンを抱えながら促した。姫川も嫌そうに隣にある対物ライフルを取り膝に乗せる。巨大なライフル弾がぎっしり詰まった弾倉を取り外ししっかりとはめ込む。スライドを引いて戻した後、スコープとサプレッサーにずれがないかチェックを済ませ再び元の位置に置いた。

「さて、いよいよ始まるんだな。こんなにも心臓がドキドキしたのは東京のライブ以来だ。とにかく落ち着かないと・・・・・・狙撃手にとって大事なのは集中力だ」

「香織さん。これで4度目になるお決まりのパターン悪いですが、今回の標的の事を教えて下さい。次に葬るクラスメイトは具体的にどんな奴だったんですか?」

「渚ですか?あいつは・・・・・・」

 香織は過去を記憶に苛立ったのか軽く舌打ちをすると実に腹立たしい口調で標的の詳細を語る。

「あいつは腹黒い不良グループのリーダーでした。表向きは愛想のいい女子高生、だけど一皮剥けばいじめは勿論、カツアゲ、強奪、集団リンチなど外道の限りを尽くしていた外道です。事実、私も被害に巻き込まれていましたからね。一部の生徒の間では他の学校の女子を攫っては枕営業に引き込んだり暴力団と繋がっているという噂も流れていました。それが真実なのかは不明ですが、あながち嘘じゃないかも知れません」

「正に社会のゴミですね。そんなクズ女は早く始末した方が世の中のためになるでしょう。今の話のお陰で殺意が一層湧いた。無様な死を遂げさせてやる」

「渚は卑劣な暴力で散々私を苦しめ、挙句に詩織を殺しその罪を擦り付けた。例えあいつを100回殺してもこの憎しみが消える事はない。絶対に楽には死なせないわ・・・・・・!」

 香織は抑え難い怒りに無意識に刀のグリップに手を伸ばしていた。鞘から抜かれた鋭い刀身が僅かにだけ姿を現す。


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