複雑・ファジー小説
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- ジャンヌ・ダルクの晩餐
- 日時: 2020/09/22 17:50
- 名前: マルキ・ド・サド (ID: FWNZhYRN)
ボンジュール!マルキ・ド・サドです。
自分のことはサド侯爵、またはサドちゃんとお呼びくださいwwww
こんな私ですがどうぞよろしくお願いします!後お見知りおきを。
私はこれから名前に恥じぬようなダークな小説を書こうと思います。
コメントやアドバイスは大いに感謝です。
悪口、荒らし、嫌み、不正な工作などは絶対にやめてください。
私は小説が不器用なので全く恐くないと思いますがこの文を見て不快さを感じた場合はすぐに戻るを(人を不快にさせるのが一番嫌いなので)
タイトルに『ジャンヌ・ダルク』とありますが物語の舞台は近未来の日本です。
【お知らせ】
小説カキコ大会2016年夏では銀賞を受賞させていただきました!
更に2018年夏の大会では銅賞を受賞!
これも皆様の温かいエールの賜物です!本当にありがとうございました!
・・・・・・お客様・・・・・・
銀竹様
風死様
藤尾F藤子様
ふわり様
- Re: ジャンヌ・ダルクの晩餐 ( No.18 )
- 日時: 2015/12/17 17:29
- 名前: マルキ・ド・サド (ID: FWNZhYRN)
参照300突破!大いに感謝です!
これからもよろしくお願いします。
- Re: ジャンヌ・ダルクの晩餐 ( No.20 )
- 日時: 2018/12/26 21:03
- 名前: マルキ・ド・サド (ID: FWNZhYRN)
「お疲れ〜詩織。私達は先帰ってるね!」
「うん、お疲れ様」
数人のクラスメイトに別れを告げ詩織は再び背伸びをする。そして教科書とノート、鉛筆を机に引き出しにしまうと椅子から立ち上がり鞄を手に取った。あと2週間で親友とお別れしなければならないと思うと心に穴が開いたような・・・・・・そんな感覚に苛まれる。
「そうだ、純介に本を頼まれていたんだっけ。図書室に行かなきゃ」
そう言って席を立ち教室を出た時だった。
「ねえちょっと、あなた詩織ちゃんよね?」
右側を向くと数人の知らない女子生徒が立っていた。そして笑みを浮かべ居残り帰りの彼女を見ていた。詩織は一瞬ちょっと不安に思った。何よりも何故自分の名前を知っているのか気味が悪かった。
「そうだけど・・・・・・私に何か用?」
「まずは自己紹介をしなきゃいけないわね。私は北見楓。香織ちゃんのクラスメイトなの」
「香織ちゃんと?」
「そうよ、でもまあそれは置いといて用事の事なんだけど。ここじゃなんだから屋上で話さない?」
「え、でも私図書室で本を借りて帰らないと・・・・・・」
「大丈夫、5分もかからないわ」
「・・・・・・それならいいけど・・・・・・」
心の優しい詩織は怪しい頼みを断れなかった。早く済ませて早く帰ろう。そう思いながら彼女は女子生徒達に囲まれながら屋上へ向かった。
階段を上がっていき屋上の扉を開け外に出た。静かでちょっと不気味な場所に嫌な予感が募る。
「ところで話って何?」
詩織が問いかけた途端
「うるせえ糞豚!!」
いきなり女子生徒の1人が暴言を吐き詩織を張り倒した。さっきまで友好的だった態度が一変、悪意がこもった形相で見下ろしている。涙目になり赤くなった左の頬をおさえながらそのままの姿勢で自分をはめた彼女達を見上げる。
「あほな女だ。こんな簡単な嘘に騙されやがって」
「頭がお花畑なんじゃねえのか?あのブスみたいに」
「なあ、ホントにこんなんで金貰えんのか?」
「大丈夫よ、彼は約束を守る人だから」
「やあ、その子かい?俺のフィアンセは?」
扉の向こう側から若い青年の声がし姿を現した。年齢は20代後半くらい。ホストを務めているような髪型に精悍な顔立ち。いかにも金持ちそうな格好でしゃれた腕時計などの装飾がよく似合っていた。胸部には奇妙な紋章が刻まれたブローチが窺える。
「もう一度聞くけどこの子?」
「そう、いい体してるでしょ?約束は果たしたわ。後はゆっくり楽しんで。それと報酬の件よろしくね」
「はいはい」
それだけ言うと女子生徒達は皆去っていった。屋上には詩織と男の2人だけが残った。
「さて、お楽しみの時間だ。準備はできてる?」
「いや・・・・・・何をするつもりなの・・・・・・?」
「何する気って、"アレ"をするしかないだろ?」
「え、あれって・・・・・・い、いやああああ!!」
詩織はこれから何をされるのか一瞬で理解した。即座に立ち上がり扉の方へ走る。それを男が両腕で押さえこむ。力は男の方が遥かに上で非力な詩織では抵抗しても無力だった。無駄だと分かっていても必死に暴れる。
「大丈夫、俺はけっこう上手いんだ。がっかりさせないって」
「嫌ぁ!!放して!!お願いやめて!!」
そう大きく叫んだ時だった。
「この雌豚が!!」
男がさっきよりも強い力で詩織を再び張り倒した。倒れた彼女に馬乗りになり暴行を続ける。
「俺の言うことが聞けないのか!?姓奴隷の分際でっ!!」
「あ・・・・・・がっ・・・・・・!」
「でけえ胸しやがって!!誘ってんのがバレバレなんだよ!!」
そう言って力ずくで制服を破き下着を脱がす。体中が痛くもう詩織は抵抗できない。泣く事しか術がなかった。
「香織ちゃん・・・・・・」
詩織は涙を流し誰にも聞こえるはずのない声で呟いた。
- Re: ジャンヌ・ダルクの晩餐 ( No.22 )
- 日時: 2018/12/26 21:22
- 名前: マルキ・ド・サド (ID: FWNZhYRN)
自宅は騒然としていた。薬品や濡らしたタオルなど色んな物を抱え部屋を行き来する子供達。皆、不安そうな表情で焦りを隠せない様子だった。ソファーの上で容態が悪そうな母親が横たわっている。
「お母さんしっかりして!」
茂が今にも泣きそうな顔で母の手を握る。弱ったその手は異常なくらいに冷たかった。
「ちょっと退いて茂!薬を飲ませるから!」
香織と正一が薬を持って2階から走ってきた。それを母の口に入れ水を飲ませゆっくり体内に流し込むと再び布団に寝かしつける。
「熱がさっきよりも上がっている。これはもしかしたらやばいかも知れないぞ・・・・・・!?」
「ねえお姉ちゃん、お母さん死んじゃうの・・・・・・?」
「大丈夫よ。今までだって何ともなかったじゃない」
「解熱剤を飲ませた。これで少しは良くなればいいんだが・・・・・・」
「今日の晩御飯は私が作るわ。他に作れる人いないでしょ?」
「え〜!お姉ちゃんの料理!?味薄いんだよね・・・・・・」
茂が嫌がって顔をしかめる。
「文句言わない。今日は濃いめに作ってあげるから。」
「俺はお袋の看病を続けるよ。誰かがついていないと不安だと思うから。」
香織は料理なんかほとんどした事がなかった。しかし、栄養をつけなければ明日はまともな生活はできない。そんな悪いタイミングでに電話が鳴り出す。茂が受話器を取って戻って来た。
「お姉ちゃん電話」
「・・・・・・え?私に?誰から?」
「誰だか分からないけど女の人だった。焦ってたみたいだよ?」
客間へ行き受話器を手に取り右耳に当てる。おそらく断りもなしに部活を早退したから先生が怒ってるとかそういう内容かと思ったがその予想は見事に外れた。
「もしもし?香織ですけど?」
「香織さんですか!?私は詩織のクラスメイトなんですが大変なんです!今すぐ学校に来て下さい!」
「落ち着いて下さい。何かあったんですか?」
「詩織が・・・・・・詩織が・・・・・・!」
「詩織がどうかしたの?」
「詩織が死んでしまったんです!!」
「・・・・・・え?」
香織は突然の悲しい知らせに言葉を失い手から力が抜け受話器を落とす。頭が真っ白になり全身が震える。
「詩織が・・・・・・何で・・・・・・」
香織は気が狂ったように玄関に走り急いで靴を履いた。
「お姉ちゃん!?こんな時にどこ行くの!?」
「茂、今日の晩御飯はお兄ちゃんに作ってもらって!あとお母さんの看病お願いね!」
それだけ言うと香織は家を飛び出した。
「はあはあ・・・・・・!」
香織はいつもの登校ルートを死に物狂いで走る。詩織が死んだ理由など今はどうでもいい。とにかく学校に行って彼女に会いに行きたかった。
- Re: ジャンヌ・ダルクの晩餐 ( No.23 )
- 日時: 2018/12/27 16:39
- 名前: マルキ・ド・サド (ID: FWNZhYRN)
校舎では生徒を含む多くの野次馬達が事件現場をラインの外側から向こう側の様子を窺っていた。不安そうに見ている者もいれば楽しそうにスマホのカメラで現場を撮る者もいた。警官や鑑識官の中心に覆いかぶさったブルーシート。地面には大量の血液がぶちまけられた様に飛び散り砂に染み込み独自の色に染まっていた。よく見ると屋上にも鑑識官がいてカメラのフラッシュを焚いている。
「詩織・・・・・・!」
ようやく香織が学校に到着した。体中を汗まみれにしながらこの現実を受け入れたのか目から涙が出ていた。力尽きてしまいそうな程に身体の震えが止まらない。それは緊張でも悲しみでもない。絶望だ。
「あ?香織じゃないか!帰ったんじゃないのか?」
「退いて!!」
その場にいた零花を突き飛ばし興味本意の野次馬を掻き分けラインを潜る。人々の視線が香織の方に向けられる。
「おい君!ここに入っちゃだめだ!」
警官の1人が香織を押さえつけるが必死だった彼女は容易にその腕を振り払う。そのままグランドの方へと走っていく。
「ああ、そんな・・・・・・そんな・・・・・・!」
遺体の場所はすぐに分かった。そこに向かいそしてブルーシートの前で立ち止まる。
「詩織ィィィッ!!」
親友の姿をした肉の塊の前で香織は泣き崩れた。ブルーシートがずれて詩織の頭部と胸部の上部分がはみだしている。制服を着ておらず全裸だった。何故こんなことになってしまったのか全く理解が追いつかない。しかし、彼女が犯されて殺害された事だけは分かった。
「目を開けてっ!!お願いだからあああっ!!」
まわりの警官達は情に流されたのか死体に触るなと止める事はなかった。哀れな視線で生と死で別れた2人の少女を見ていた。
「う・・・・・・ううっ・・・・・・!」
香織は言葉では表現できない激しい絶望を抱いた。もしあの時、帰らずに詩織と会っていればこんな悲劇は起こらなかったかも知れないのに・・・・・・と自分自身を攻め立てる。死体の手を握ると温かい。まるで死んでいるのが嘘のようだ。
「詩織・・・・・・ぐすっ・・・・・・どうして・・・・・・」
後ろから砂場を踏む足音がして2人の警察官が走ってきた。現場を荒らしてはいけないとその場から退こうとしても体に力が入らない。
「君、姫川香織さんだね?」
「はい・・・・・・そうですけど・・・・・・ぐすっ・・・・・・」
香織は弱々しい声で頷き起き上がらせてもらおうと警官に右手を差し伸べる。その時、カチッと金属がはまる音がし同時に右手の手首に違和感を感じた。冷たくて皮膚が締めつけられる。どこかで聞いたことがあるような音にとてつもなく嫌な予感がした。
「・・・・・・え?」
「姫川香織、森川詩織殺害の件で事情を聞かせてもらうぞ」
香織の右手に手錠がかけられた。すぐに左手にも。そして無理やり引っ張られ強制的に立たされる。
「え、ちょっと・・・・・・ちょっと待って!何で私が!?」
「いいから来い」
その一部始終を野次馬達は見ていた。向こう側の人溜まりからざわざわと話し声が聞こえてくる。
「え、嘘!?急いで駆けつけてきたあの子が容疑者!?友達じゃないの!?」
「まさか、犯人ならわざわざ現場に入ったりしないだろ?」
「あの女、クラスメイトを屋上から突き落としたのか?鬼畜だ・・・・・・マジで理性保ってんのか?」
「違うっ!私は何も関係ない!」
香織はそう叫ぶがその言葉を真に受ける者達はいなかった。何故自分に容疑がかけられたのか不思議でしょうがない。両腕を掴まれ引っ張られ強引にパトカーに乗せられる。警察車両は耳障りなサイレンを鳴らしながら学校から走り去っていく。
「なんで?どうして私が・・・・・・!?」
どう考えても自分が逮捕されるようなことをした記憶は浮かばない。この理不尽な状況に逆に知りたいくらいだった。。しかし、香織はある事が頭を過る。数時間前の学校の部室にいた時、零花が真顔で言ったあの発言・・・・・・
(あんたは二度と剣道をすることができない。永遠にな・・・・・・)
「・・・・・・っ!あいつ・・・・・・!」
あの予言のような脅迫はこの事を意味していたのかと納得し同時に悔しさが一気に込み上げてきた。たった1人の詩織を奪われにその罪を自分に擦り付けたというのが事実なら絶対に許せるわけがなかった。この冤罪が晴れないまま牢獄に入れられたとしても出所して必ずあいつだけは殺してやると香織は本気で思った。手錠が皮膚に食い込んで痛いし緊張とストレスも溜まる。パトカーは無実の人間を乗せ道路を走り続ける。
- Re: ジャンヌ・ダルクの晩餐 ( No.25 )
- 日時: 2016/01/02 19:32
- 名前: マルキ・ド・サド (ID: FWNZhYRN)
カキコの皆さんあけましておめでとうございます。
今年もこの私、マルキ・ド・サドをよろしくお願いします!
去年の10月頃からこの小説を始め早2ヶ月。
およそ400人近くの方々が見てくれました!
本当にありがとうございます。感謝しきれません。
これからもどんどん頑張りますので改めてよろしくお願いします。
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