二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- とんがりボウシ テネブラエ【完結】
- 日時: 2014/10/18 10:04
- 名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: nlCdadAl)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel4/index.cgi?mode=view&no=16114
新章開始!!
題名が変なのは気にしなーい気にしなーいw なんだよテネブラエってw ってなった方は少なくないでしょうw
私も同じこと考えましたからw←
じゃあ、うんw←
懲りずに一々よく分からない小説を書きまくる小説化に向いてない紅雪です。そして今回は大分設定をいじっています。
あ、そう言えばバビロンって曲があるんですけど五月十六日に知って当日にドハマりしましたw 雰囲気がどことなく似てるのかな、樹氷魔法学校と……?←
あぁ、オープニングにしてみたいw←
アンケなう!>>31
「はじめましての方ははじめまして、見て下さってる方はこんにちは。 byアトラ」
「注意
1、荒らし、チェンメは回れ右です。
2、矛盾ありまくり、趣旨がずれまくります。
3、馬鹿にしないで下さい。一応対応はするつもりですがリアルでは殺気駄々漏れです。
4、更新スピードは微妙。早くなったり遅くなったり。
5、アドバイスがあれば……。
6、とんがりボウシと名乗っている何かです(苦笑)
7、台詞の意味、誰の台詞等が分からなかったら言って下さい。
8、パクリ? え、気にした事もありませんけど。パクっても咎めたりする様な短気な性格では無いので。勿論しません。
9、宣伝OKです^^
10、募集確率大orz
11、コメント大歓迎! 寧ろして下さい!
12、ホモ要素がたまに混ざります。何故か直りません。不思議なことに。
13、作者は厨二病なので痛々しいことを断言できます。
14、作者はけっこう愚痴っぽい所があります(たまにリアルのことを愚痴ります((殴)。
いつもいつも紅雪がお世話になっています。 by輪廻」
もくじ
心得 >>3
設定 >>5
☆本編
プロローグ>>2
1>>137
2>>156
3>>157
4>>158
5>>159
(>>189-190)
エピローグ>>187
*新章
>>196-218
>>221-232
>>233-252
>>255-263
>>285-302
☆番外編
はじまりとおわりの—— >>12
魔法のはじまり >>17
出会い >>24
夢 >>28
神の祝福 >>56
親友 >>75
さようなら >>82
もう一度 >>90
はじめて >>111
はじめてⅡ >>114
久しぶり >>145
裏表 >>170
裏表Ⅱ >>171
裏表Ⅲ >>172
思い出 >>177
思い出 >>182
頑張れ >>264
鈍感 >>265
鈍感Ⅱ >>267
☆トーク
一>>63
二>>79
三>>89
四>>103
五>>107
六>>112
七>>122
八>>153
れんらく
スレ立て*4/13 14:36
オリキャラ募集用紙*4/20 >>10
参照100突破*4/22*
参照150突破*4/25*
参照200突破*5/4* >>31
参照300突破*5/16*
参照400突破*5/26*
参照450突破*6/1*
参照500突破*6/2*
(悪役)オリキャラ募集用紙*6/4 >>88
参照550突破*6/5*
参照600突破*6/9*
紅雪の小言?*6/10>>100
コメント数100突破*6/10
参照650突破*6/13*
参照700突破*6/19*
参照750突破*6/27*
参照800突破*7/3*
参照850突破*7/12*
参照900突破*7/14*
参照950突破*7/18*
参照1000突破*7/23*
参照1050突破*7/26*
参照1100突破*7/28
参照1500突破*9/8
参照2000突破*11/9
参照3000突破*1/23
参照3200突破*2/16
おきゃくさま
・水無月 瑠璃様(オリキャラ>>11)(キャラ絵>>96)
・こう様(さくら魔法学校より)
・ハンディス様(オリキャラ>>83)
・アヤハ様
・佳奈様
・夢羽様(オリキャラ>>244)
きゃらくたーしょうかい
1、簡単>>1 具体>>9
2、具体>>219-220
アルバ>>34
霖音 >>35
宙 >>36
青嵐 >>37
コロ >>38
カミュ>>39
カペラ>>65
チルベ>>81
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- Re:第28話 ( No.225 )
- 日時: 2013/11/17 00:41
- 名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: nlCdadAl)
「♪〜♪♪〜」
どうしよう凄い歌ってる。誰が歌ってるんだ。
「セイレーンだ。なるほど。操ってるのか……」
「ちょ、勝手に理解して満足しないで」
僕はアローンの着物の裾を引きながら言った。
「ノア、大丈夫ー!?」
「え、あれ!? リンネ!?」
「リンネだよー! で、何この状況」
「何かよく分かんないけど、女の人達に捕まったと思ったら、いきなり男の人に変わって——」
なるほどアルバは“男子”に好かれていたのか。
「お前も凄いこと考えるよな」
「ん? もしかして僕の心読んだ?」
「な訳ねェだろ。口に出してたぞ」
「あらら。とりあえずセイレーンを刺したら良いの?」
僕はそう言って刀を取り出す。
「まあ待て。ああ言うのはオレの得意分野だ。お前は魔法でアイツ等を凍らせろ。分かったな?」
「え、それ本気で言ってる? 僕としては一向に構わないよ?」
「じゃあ頑張ってろ。あ、歌聴くなよ?」
そう言ってからアローンがザッザッと音を立てて歩き出す。
どうしよう。この世のものとは思えない程に不安が……。
とりあえず凍らせたら良いんだよね。
「待て! どこ行くつもりだ! って——」
「じゃ、バイバーイ!」
僕はドロシーがお別れの時に言った「バイバーイ」をトレス……って言うのかな。真似してみた。
で、馬鹿は凍った。ノアの所に行って
「変なことされてない?」
第一声。
「何もされてないよ」
完全に苦笑いされる。
僕はノアをその場に座らせて、木の陰からアローンを探す。
いた。……って言うか、何かジリジリと動いてる。何か見れば見るほどアローンが人間界の昔の人に見える。でも、持ってる物はまさかの——短剣。グルグルと回しながら何もない場所に話しかけている。
くそ、武器交換したい……!
「——うん。分かった。じゃあ、止めてくれないか?」
歌が止んだ。
「そうそう。じゃあ、これからは気を付けて。ヒェレテ」
ヒェレテって何だあぁああぁ!? 何か戻って来たし!
「終わった。帰るぞ」
「え、リンネが二人?」
「それを言っちゃお終いだよ。僕は女だけどあっちは男だし」
その後子供ならではの純粋発言(自分のこと女だと思ってるの? 的な)でアローンのテンションが沈んだ。
* * *
「ただいまー」
って言ってもアルバの家だけど。
何か、達成感がない。
「おかえり! どうだった!?」
「う、うん……えっと……」
僕は苦笑いをしながらソアラの後ろにいるアルバの所へ行き、
「ホモ野郎……」
と呟く。
「どう言うことだああぁあぁ!?」
ソアラとノアがアローンに色々聞いてたけど、僕はアルバから逃げるのに夢中で分かんなかった。
今日は何か色々と大変だった。まず、留学生二人が帰った。カローンさんと話したら、意外に楽しい人だった。もう一つはアルバファンが男だった。
留学生二人は多分また会える、気がする。から省略。
アルバファンの件。なんか、ソアラをいじめてた女子たちにノアが誘拐されて、孤島に行ったら何故か男子がいた。セイレーンとアローンが和解した時には思わず(心で)叫んでしまった。
帰った後、アルバに「ホモ野郎」と言ったらブチ切れられた。だから、アルバの家敷地内を凍らせてしまった。が、「てへぺろ」で終わらせた僕は別の意味で凄いと思う。
- Re:第29話 ( No.226 )
- 日時: 2013/11/17 13:28
- 名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: nlCdadAl)
学校が騒がしかった。何があったんだとか聞く気すら起こらないほどに……。
でも、その辺の話によると、今年二度目の「学園祭」が一週間後。で、出し物がまた演劇。
……色々と問題があるんだけど!?
「おっはよー! リンネ、今日も凄いしかめっ面……」
「五月蠅い黙れ」
「あ、演劇。あれね、この前と同じメンバーですることにしたんだ」
僕の表情はまた暗くなっただろう。
* * *
「えー、ではー。二回目学園祭、演劇発表しまーす!」
「いえーい」
この前と同じ丘の上で同じメンバー。
「次は……オーロ——」
「却下。またアレするのは嫌だ」
僕は素早く反対する。
「仕方ないなァ……。まあ、想定内! これでどうだ! ヘンゼルとグレーテル!」
「まあ……、うん。それなら……」
よく分かんないけど、まだマシかな?
「役は……眠れる森の美女のと同じ感じで良いよな?」
「やったー!」
コロちゃんがガッツポーズをして言う。
……やっぱり女役楽しかったんだね。
「ソアラとアローンとノアが増えましたー!」
「あ、そうだった!」
「でもその前に。元魔法使い役はライト、頑張ってね。あと出来る人は衣装」
そう言えば、僕はヘンゼルトグレーテルの話をあまりを知らないんだけど。
二人が兄弟で親に捨てられて——って所くらいしか。
「オレ参加する前提?」
アローンが聞いて来た。
「まあ、一応校長には話しつけてるし、出なかったとしても雑用はすると思う」
「マジかよ……」
それ以前にアローン、僕そっくりだし。
「アローン君、主役行く? リンネに似てるから問題ないよ?」
「何言ってんのフェイちゃん!?」
いや、だからと言ってアルバと兄妹ってのも変だけど。
「オレはそんなの興味ないからしない。……つかオレ、体弱いし」
四分の一は嘘だと思う。
アルバは心臓病にも拘らずやってたけどね。
「そっかぁ……。まあ、それじゃあ仕方ないよね。じゃあ、前と同じアルバだね」
「うっ……」
僕とアルバが同時に息を飲んだ。
「ノヴァちゃんは——」
「あたし達の手伝いしてくれない……かな」
櫻さんが手を挙げて言った。
「じゃあ、任せた」
「ふぇ!?」
この子何だかんだであやかちゃんと同い年なんだよね。地味に女の子って思われてるし。
「ソアラは?」
「雑用」
「雑用多すぎですよリアさん」
「いやぁ、でも色々忙しいんだぞ? 雑用も」
知らねェよ。
今日は何故か今年二度目の「学園祭」の準備があった。
ヘンゼルとグレーテル。僕は魔女を炎の渦に突き飛ばす係、グレーテル役。アルバがヘンゼル役だ。アローンとソアラは雑用係になって、ノアはナレーターのお手伝い係。
アルバファンが増えたのは恐らくこの前の眠れる森の美女だと思うんだ。別に良いけど何か違和感がある。まあ、あと一週間だから練習しないと。
- Re:第30話 ( No.227 )
- 日時: 2013/11/17 14:13
- 名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: nlCdadAl)
で、本番。
台詞や仕草に色々と問題あるけど。まあ、初めての女の子役だし、頑張ろう。まあ、一人称僕のままだし、口調も変だけど。
僕とアルバはまあ、特に服を変える必要はない。強いて言えば、アルバが強制的にストールを取られたことかな。
『むかしむかし、ある森のはずれに、貧乏な木こりがおかみさんや二人の子供達と暮らしていました』
『子どもの一人は男の子で名前をヘンゼルといい、もう一人は女の子でグレーテルと言います』
『ある年の事、夏だというのにひどい寒さがやってきて、畑の作物がすっかりかれてしまいました。唯でさえ貧乏な木こりは、その日に食べるパンもろくにありません』
『お腹が空きすぎて眠れずにいると、おかみさんが小声で話しかけてきました』
「ねえ、貴方。このままでは親子四人、死んでしまいますよ」
小さいお母さん——あやかが言った。
「そうだろうな。……でも、しかたがない」
「ねえ、ここは思いきって、子どもを手放してみてはどう? 子どもたちの運命は、天の神さまにまかせて」
「なんだって!?」
やけに嬉しそうに言うシュンさん。
「しーっ! 子供達が起きるよ」
この二人のコンビ見てて怖い……。
「だってさ、このままこうしていても、どうせ皆飢え死にするに決まっているでしょう。だから二人の子どもを遠い森に連れ出して、置いてきぼりにするんだよ。運がよければ、私達も子供達も助かるでしょう」
凄く渋々言ってるよこの子。
「それは、そうかもしれないが。……しかし、子どもたちを捨てるなんて、オレにはとても……」
早く捨てに行くぞと言わんばかりの顔で言うシュンさん。
「じゃあ、このまま四人とも死ぬかい? 私は嫌だよ、このまま死ぬのを待つなんて」
何だかんだで結局納得しちゃうお父さん。と言うかあやかちゃんが納得してる。
『この二人の話を、となりのへやの子どもたちがすっかり聞いていました。とっくに寝ている時間ですが、なにしろお腹がペコペコだったので寝るに寝られなかったのです』
僕とアルバはもう色々な意味で静まり返っていた。
ライトが僕達を照らす。
「僕達、捨てられちゃうんだ……」
「グレーテル、泣かなくても良いよ。俺が付いてるから」
アルバ——ヘンゼルは、グレーテルの頭を撫でてから
「俺は、例え捨てられても家に帰ってこれる、良い方法を考えたんだ」
と言いながら目を輝かせた。
『ヘンゼルはそう言うと、まどから外へ抜け出して、道に落ちている白い小石を集めました』
櫻さんがそう言った直後、ライトが消えた。
- Re:第31話 ( No.228 )
- 日時: 2013/11/17 14:48
- 名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: nlCdadAl)
『次の朝、まだ夜が明けきらないうちに、お母さんが子どもたちを起こしました』
「今日は、森へ行きますよ。はい、これはお弁当」
あやかちゃんはそう言って、小さなパンを一つずつ僕とアルバに渡した。
「食事はこれっきりなんだから、食べたくてもお昼になるまでがまんするのですよ」
『四人はそろって、森へ出かけました。その途中、ヘンゼルは時々立ち止まって、自分の家を振り返りました。そしていま来た道をたしかめると、目印に昨日ひろった白い小石を一つずつ、こっそり落としていったのです』
「どうして、そんなに立ち止まるんだい?」
「うん、うちの家の屋根に白いネコが上がって、俺達にさようならしてるんだ」
アルバがシュンさんに言った。
「あれは屋根にお日さまがあたって、チカチカ光ってるんだよ」
あやかちゃんが満面の笑みで言った。
でも、慎重にもの凄い違和感が……。違和感が……。違和感、が——。
『そのうちに、四人は目的の場所へやってきました。ここは、深い深い森の中です』
「さあお前達、小枝を沢山集めておいで」
『子どもたちが小枝を集めると、お父さんが火を付けて言いました』
「寒くないように、たき火にあたって待っていなさい。お父さんとお母さんは、この近くで木を切っているからね。仕事がすんだら、呼んであげるよ」
シュンさん顔が怖いです。
『二人の子どもがたき火にあたっていると、やがて少しはなれた所から、コツン、コツンと、木を切る音がしてきました』
『二人はお昼になって、パンを食べました。小さなパンは、あっという間になくなりました。コツン、コツンと木を切る音は、お昼も休まずに続いていました』
『退屈した子どもたちは横になると、いつの間にかぐっすり寝込んでしまいました。そのうちに火が消えて寒さにふるえながら目を覚ますと、辺りはすっかり暗くなっています。ですが木を切る音は、まだ続いています』
ぶっちゃけこれ、演技が疲れる。
アルバに至ってはボソボソと「疲れただるい終われ」と呟いてるし……。
『さびしくなった二人は、音をたよりに行ってみました。するとそれは木を切る音ではなくて、えだにぶらさげた丸太が風にゆられてぶつかる音だったのです』
親最低だ。
うげ、次僕台詞だ……。
「お父さーん! お母さーん!」
勿論返事はない。
カーテンの中でシュンさんがニヤニヤと笑っていて気持ち悪い。
「僕達、本当に捨てられたんだ!」
だってそう言ってたじゃん。
自分の台詞に自分で突っ込んだ。
「泣かなくても大丈夫だ。ちゃんと帰れるから。月が出るまで、待って」
了解。
『やがて月が出ると、足元が明るくなりました』
『すると、どうでしょう。ヘンゼルが落としてきた白い小石が、月の光にキラキラと輝き始めたのです。二人はそれをたどりながら道を歩き、朝になる頃には家へ帰りました』
『お父さんもお母さんも、二人が帰ってきたので驚きました』
二人のナレーションが……怖い。
って言うか一々交替で言わないで……!
「お前たち、帰ってきたんだね!」
「大丈夫だったか!」
『お父さんとお母さんは、二人の子どもを抱きしめました』
僕は逃げました。
あやかちゃんがアルバを抱きしめたのを見て「うわあ」と思った。
『二人とも森の中においてきた子供のことが心配で、一晩中泣いていたのです』
……自業自得。
- Re:第32話 ( No.229 )
- 日時: 2013/11/17 14:59
- 名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: nlCdadAl)
『でも、食べ物がない事には変わりありません。お父さんとお母さんは自分たちの食べ物も子どもたちにやりましたが、もう限界です』
『数日後、お父さんとお母さんは、また子どもたちを別の森に連れて行きました。それがあまり急だったので、ヘンゼルは白い小石をひろうひまがありませんでした』
『そこでヘンゼルはお弁当のパンを細かくちぎって、それを目印に道のところどころへ落としておきました。』
僕はアルバのコートを引いて歩いていた。
面倒臭いことこの上ない。眠れる森の美女は最後だけしか役がなかったから簡単だったけど。
……何か、今回は大変だけどアドリブはないっぽい。
『ところがこれは、失敗でした。おいてきぼりにされた二人が帰ろうとすると、目印のパンがなくなっているのです。月は前の時よりも明るくてらしているのに、パンはひとかけらも見あたりません』
「どうして?」
『それもそのはずで、昼のうちに森の小鳥たちがパンを食べてしまったのです。二人の子どもは、ついに迷子になってしまいました』
——それもそのはずで、シュンさんが帰り際に全部回収していたからです。
「どこへ行けばいいんだろう?」
『二人はあっちの道、こっちの道と、ひと晩中歩きまわりました』
『次の日も歩き続けましたが、二人は森から出られるどころか、どんどん奥へと迷い込んでしまったのです』
「どうしよう、森から出られないよ」
『その時、どこからか綺麗な白い小鳥が飛んできて、二人の前をピヨピヨ鳴きながら、おいでおいでと尾っぽをふりました。二人が近づくと、小鳥は少し先へ行って、またおいでおいでをします』
「もしかして、俺達を呼んでいるのか?」
『小鳥に導かれてしばらく行くと、そこには小さな家がありました。小鳥はその小さな家の屋根にとまっていましたが、二人が近づくと姿を消してしまいました』
「あれ、小鳥が消えた。それにしても、この家は良い匂いがするな」
「ヘンゼル! 見て見て! この家、おかしで出来ているよ!」
「えっ? ……ほんとうだ!」
はっちゃけたキャラは僕には無理だ。
『驚いたことにその小さな家は、全部がおかしで出来たおかしの家だったのです。屋根のかわらが板チョコで、まわりの壁がカステラで、窓のガラスが氷砂糖で、入り口の戸はクッキーと、どこもかしこもおかしでした』
『家の中から、誰かの声がしてきました』
「だれだい、わたしの家をかじるのは?」
クッキーの戸が開いて、中から年を取ったおばあさんが出てきました。
えっと……かじってません。
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