コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- FeliceStoria〜幸せを見つける物語〜【感想募集中】
- 日時: 2015/04/29 11:22
- 名前: みにょ (ID: 3HjnwYLE)
どうも、駄文グダグダで有名なみにょです。
え?むしろ知る人なんていないくそ作者?
……自覚はしてます。
今回は、LINEでリア友と
友「小説リレーしよー。みにょからね」
み「おけ」
しばらく小説リレー
友「この小説、カキコに書けば?いけるかもよ」
私「いけるね」
っていうノリで書きました笑
リア友の文も混ざるんでなんか文の書き方ちがうとか思うかもしれません。
駄文だなと思ったほうが私の文です、はいww
それではどうぞ!
八月十一日
お客様
モンブラン博士様
桜音 琴香様
彼方様
かみゅかみゅ様
月影 ほたる様
ヨモツカミ様
しふぉん様
菜の花様
甘楽様
メルト様
沙良様
てるてる522様
はるた様
アヤノ様
参照2000ありがとうございます!!!
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- Re: FeliceStoria〜幸せを見つける物語〜(魔法もの!) ( No.173 )
- 日時: 2015/02/25 22:28
- 名前: みにょ (ID: 3HjnwYLE)
夜、春飛はずっと考えていた。
隣ではすやすやと規則正しい寝息をたてて眠る妹、和がいる。大人しい性格の彼女が、今日は珍しく大声を出したのは記憶に残った。
この町を放って、逃げるのか?
昼間の和と結の瞳は、そんなことを訴えていたのだろう。複雑そうに揺れる瞳と、何かを言いたげな、しかし閉じてしまった唇が、春飛の心をゆっくり痛めていく。
強くなって戻ってくるからなんて、そんなかっこいいこと、俺には合わなかったかな。外にどんな町があるか、いや、町があるのかさえわからないのに。
「……おにい、ちゃん……」
隣の布団がモゾモゾと動く。起こしてしまったかと一瞬焦ったが、どうやら寝返りと寝言だったようだ。まだ和は眠っている。
春飛は優しく、起こさないようにその頭を撫でてやった。
サラサラの黒髪は母さん譲り。二重の瞳は和の父、つまり二人目の父親と似ていて、俺にはないなぁなんて。
春飛はぼおっとそんなことを考え、ハッとする。二人目の父親とか、三人目とか、そういうの関係なしに兄妹でいようと決めたではないか。自分ら兄妹が似ている似ていないは、あまり考えないようにしていたのに。
「……旅に出たい、か……」
春飛は小さく呟く。目を覚ました渚が言った言葉が、頭から離れなかった。
ーーー旅に出たい。私のことを誰も知らないような、どこか遠くへ。どこでもいいから、一度、やり直したいのーーー
誰も知らないような所。つまり、外の世界。
自分はそこへ行って、何をするのだろうか。
強くなるのは確かだ。あとはやり直す?いや、何をだよ。もう和の一件で落ち着いたし、やり直すことは特にない。
逃げ出したくはないが、はたして外の世界へ行くことが逃げ出すことなのかはわからないままだ。
何か残っているのではないだろうか。まだ田辺春飛の中で完結、解決していない、問題が……。
ーーー私はお兄様や和たちを守ることを約束いたしますーーー
ーーー春飛お兄様。お兄様は、私のことが嫌いですか?ーーー
ーーー兄さんがいなくなっても、俺がいます。だから、辛くなったら逃げて大丈夫ですよ。すぐに兄妹みんなで追いかけて、普通の兄妹として会いに行きますから、大丈夫ですよーーー
「理人たちは、元気、かな……」
会いたいなぁ。他の兄妹にも、会いたいなぁ。
ーー会えばいいじゃん。旅の途中で、会えばいい。きっと今頃あの屋敷で助けを求めているはずだよ。大切な、妹と弟がーー
そんな昔の自分の声が、春飛には聞こえた気がした。
俺は、なんのために旅へ?
俺は、兄妹を探すために旅へ。
- Re: FeliceStoria〜幸せを見つける物語〜(魔法もの!) ( No.174 )
- 日時: 2015/02/28 18:50
- 名前: みにょ (ID: 3HjnwYLE)
時を同じくして、師匠も眠れないくらいに考え込んでいた。
春の訪れを感じさせるような、夜にしては暖かくなった空気。雲の切れ間から覗く大きな月の光が、カーテンの間から差し込む。師匠は読んでいた本をパタリと閉じた。
そろそろ寝ようと布団に入ったのは、今から30分ほど前のことだ。どうしても寝付けずに寝返りを繰り返し、枕元の本を一冊手に取った。何十回も読んだ、大切な「とある本」。
それは師匠にとってはとても大きな意味のある本で、今までのことを思い出させるものだったようだ。ずっと昔のことからついさっきのことまで、まるで何かの物語を読んでいるような気になる。
もちろん、誰にも言っていない辛い思い出も。
「……渚は、寝た……かな」
自分と同じくらいに隣の部屋で寝床に入った、家族の存在を想う。旅に出たいと言ってから、彼女はどこかスッキリしたような顔をしていた。きっとすぐ、本格的に旅に出ることになるだろう。
そこで考えてしまったのが、自分が旅に着いて行く意味だ。
考えるんじゃなかったと後悔した頃には、もうすでに眠れなくなっていたのだから、解決するまでは眠ることはできない。
自分はやり直すことがない。もう二十代だぞ?今更無理だろう。
そんな自分が旅に出る意味はなんだろうか。いやむしろ、あるのだろうか。
一度くらい、この町を捨ててどこかへ消えてしまいたいと思ったことはある。
強がっている渚や、春飛、結、和たちもあるはずだ。彼らはまだ自分より子供なのだから、なおさら。
それなのに、町を捨てないのは何故か。
そこにプライドや欲などない。
あるのはまっすぐな気持ち。
この町が、好きだから。
渚たちと出会えたこの町を、このままにしておくなんてできないのだ。
それに……あの人と約束したんだ。
「涼太、よく聞いてね」
「……」
「あたしはね、魔法を人殺しの道具なんかにしたくないんだよ。
魔法はきっと、人を幸せにできる。
あたしたちは、誰に何て言われようがそれを貫かなきゃいけないんだ」
「人を、幸せに……?」
「そう。人を幸せにするんだよ、魔法は」
「うん……」
「……だから、お願い。八木沢の人は、本当はいい人なんだよ。あのクソ町長に、操られてるだけなの……!だから、だから……!」
「わかった。わかったよ、姉ちゃん」
「涼太……」
「ね?だから、泣かないで。僕はあの町を元に戻すから。だから、最期は笑ってほしいよ……姉ちゃん、笑ってよ……」
「……うん。涼太、ありがとう。あんたは絶対強くなるよ。だってこのあたしの……
唯一の弟子、なんだからね」
「姉ちゃん、僕、強くなったよ」
でもここで終わりじゃない。
これからも、ずぅっと強くなっていく。
僕は、なんのために旅へ?
僕は、約束を果たすために旅へ。
- Re: FeliceStoria〜幸せを見つける物語〜(魔法もの!) ( No.175 )
- 日時: 2015/03/01 15:43
- 名前: みにょ (ID: 3HjnwYLE)
翌朝、私たちはそれぞれの朝を迎えた。
眠気に耐えつつ起きる春飛。寝不足らしい兄に呆れる和。親のいない、しかし寂しくはない家で一人起きる結。眠気に負けて眠り続ける師匠。そしてその師匠をゴミ箱にぶん投げる私。
あくびをしながらそれぞれの家で朝食を済ませ、暖かくなった気温に合わせて着替えをする。そう、今日は全員が師匠宅へ集合するのだ。
「出発は一週間後の早朝。森は危険だから、できるだけ一日で抜けよう」
「……ほ、本当に行くんですか……?」
「ったく、心配性だなぁ和は」
「私たちは一年後には戻ってくるから、その間よろしくね?」
「絶対だよ?お姉ちゃんたち、みんな帰ってきてね?」
午後1時。私と和が共同で作った昼食を食べながら、予定を確認する。師匠が立てた予定は、一週間後の早朝にここを出て、その日のうちに森を出る。外の町のどこかに宿泊し、町を戻すヒントを手に入れたり、それぞれの目的を果たしたり……また、修行をしたりなどということだ。
旅と言っても、遠くまで行き過ぎるのも危険である。そのため森を出てすぐにあった町に宿泊することとなった。
すると、春飛がはーい質問でーすとわざとらしく挙手をした。五人の視線が春飛に集まる。
「じゃあもし、一日で森を抜けられなかったどうすんだよ?」
そう言って首を傾げる春飛に、そういえば一日で抜けられなかった時のことを考えていなかったなぁ……と、私は頭の中でぼんやり思う。しかし、師匠はあぁ、それなら最終手段があるから大丈夫だよと答えた。
「最終手段……?」
私がそう尋ねると、師匠はあーとかうーとか言いながら、頬をかく。最終手段とは、言いにくいことなのだろうか。まあ、最終手段と言っているあたり、できるだけ避けたいことなのだろうけれど。
しかし、次の師匠の言葉に、私たち四人は目を見開くことになる。
「じ、実は僕、昔はあの森に住んでたんだよね〜」
あはは……と困ったように、師匠が笑う。ええっ!?と和は声を上げるが、私と春飛は驚く暇もなく口を開けるのみだったが。
師匠については、まだ謎が多い。私の謎も多いかもしれないが、それは自分自身でも謎なため仕方ないだろう。春飛と和に関してはこの間の件で色々とわかったから、謎という謎はない。結は謎以前にまだ幼いし……。
「あ、あの魔獣だらけの森に……?」
「住んでたんですかぁぁぁっ!?」
春飛と私の言葉が、綺麗に一つの言葉として繋がった。
「あ、あはは……」
その時の師匠が悲しそうに目を伏せていたことなんて、私たちは知る由もない。
- Re: FeliceStoria〜幸せを見つける物語〜(魔法もの!) ( No.176 )
- 日時: 2015/03/07 21:29
- 名前: みにょ (ID: 3HjnwYLE)
十章 師匠の師匠
師匠の過去は、決して楽なものではなかった。
神様とは意地悪なもので、たくさんの試練を与えては崖に突き落としたのだ。そこから何度も何度も這い上がり、また絶望し……。
そうしてできたのが、今の師匠である。そう感じた。
師匠は八木沢に生まれたわけではない。
八木沢から西に向かって一直線。歩いて2日はかかるような小さな町。そこに生まれた師匠が、どうしてこの町にやって来たのか。
それは、ある人物との大切な約束にあった。
両親をいっぺんに失い、幼い師匠は絶望していた。涙を流すこともなく、怒るわけでもなく、ただひたすら、自分の生きる必要性を問い詰めた。
自分は魔法使いの両親に憧れて、そんな両親が羨ましく、また誇らしかったのに。
自分のせいで、それら全てを失ったのだ。
取り返しのつかないことをしたと、師匠は葬式を終えてから始めて一筋の涙を流した。
また。町の人は師匠を避けるようになった。疫病神だと恐れ、避け、虐げる。
昨日までは手作りのお菓子をくれていた優しいおばあさんが。
昨日まではたくさん遊んでくれていた優しいおじいさんが。
昨日までは優しく頭を撫でてくれていた優しいお兄さんが。
昨日までは、あんなにたくさんの「優しい」があったはずなのに……!
「父さんっ……母さんっ……!」
町の人々の酷い扱いに師匠は耐えきれず、自分の家から見えた、町から見て東の方向にある森へ逃げ込んだのである。
そしてそこで、師匠は彼女と出会うのだ。
- Re: FeliceStoria〜幸せを見つける物語〜(魔法もの!) ( No.177 )
- 日時: 2015/03/12 18:55
- 名前: みにょ (ID: 3HjnwYLE)
森に入って、どれくらいたっただろうか。
もう二日くらいはたっているのかもしれない。泣いて泣いて泣きまくって、もう出なくなった涙。きっと目は赤くなっているだろうなぁ。
「……かえ、らなきゃ……」
久々に出した泣き声じゃない自分の声は、ひどく枯れていた。僕……坂木涼太は、歩いてきた道を振り返る。
思えば、どうやってここまできたのか覚えていない……。やばいと思ったときにはもう遅い。空腹でお腹が鳴り、僕はその場に座り込んだ。
やばい。これはやばい。
……ここまで来た道を、忘れてしまった……
戻らなければいけない理由はない。むしろ町の人には嫌われてしまったため、出て行った方がいいのかもしれないくらいだ。
疫病神だと言われた。
近寄るなと虐げられた。
もう、あの町にはいたくないと思った。思ってしまった。
自分の生まれた町ならば、それなりに愛着がわくことだろう。しかし、僕はそんな感情を抱かなかったのだ。最低な奴。自分は本当に疫病神なのかもしれない。
どこか別の町へ行こうかな。そうすれば、その新しい町を愛することができるかもしれないし。
僕はため息をつき、ゆっくり立ち上がる。お腹は空いたし目は痛いし眠気はMAXだしで、ふらふらだったが。
「ちょっと、あんた大丈夫?」
おぼつかない足取り。自分がどこへ向かっているのかもわからない中で、僕はそんな女性の声を聞いた。
ふと、声のした背後を振り向く。そこには先ほど振り返った時にはいなかった、バンダナをつけた女性が立っていた。見た目は20代くらいだろうか。ぱっちりした瞳に、長い茶髪をポニーテールに結っている。明るそうな人だ。
「あ……だ、大丈夫です」
いつものくせで、ついそんなことを言ってしまう。全然大丈夫じゃないし、今にも死にそうなんだが。
「いや……大丈夫じゃないでしょそれ。うちに寄ってきな」
「……はい」
久々の呆れ半分の説教。僕は恥ずかしながら歩けなかったため、その女性におぶられて森を進んだ。
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