二次創作小説(紙ほか)

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遊戯王 七つの輝きと光の守り手
日時: 2015/03/20 00:00
名前: 緋兎雫 ◆cW98CwF.kQ (ID: 0ZLVN9hQ)


リアルの事情でロックします。

追記
いきなりロックしてすみません。オリキャラも募集していたのに、このような形になって頭を下げるしかありません。
リアルで色々あり、現在名前を変えています。
調子がよすぎるとは思いますが、お知らせを。
何やかんや言って、遊戯王からは離れられず、カキコで新しい遊戯王作品を書いています。諸事情でタイトルは書けませんが御興味のある方は、お探し下さい。版は映像版の方です。
最後に小説をご愛読頂いていた皆様、本当にありがとうございました。


Re: 遊戯王 七つの輝きと光の守り手 ( No.251 )
日時: 2014/12/22 09:30
名前: ひとしずく (ID: 9kyB.qC3)

 フィロソフィア、イデアとの連続デュエルを終えた水葵は、イデアに与えられた自室にいた。
 自室、と言ってもそれは屋根裏部屋。天井から下ろした階段で登る。
階下は、倉庫扱いでこの時期に使わないストーブやコタツなど様々な物が置かれていた。

(んー。思ったより、デュエルは楽じゃないなあ)

 借りた布団の上に大の字になり、ため息をつく水葵。今は制服姿ではなくフィロソフィアのお下がりである、ピンク色のパジャマを着ていた。
天井を見つめる水葵は、イデアとフィロソフィアによるデュエルを思い出していた。遊戯王世界は強いカードさえ持ち込めば楽勝、とタカをくくっていたがそんなことはなかった。
 裁きの龍を出しながらドラゴン族封印の壺を出す、等向こうではそうそうやらないプレイングをしていたが。そういうことに目を瞑れば、フィロソフィアは恐ろしく強い。強力なカードを続けてドローする様は、もう天文学的な領域に突入しているんじゃないかと思う。彼女のような人間と戦い、果たして自分は勝てるのだろうか?

(異世界に戻るには、必ずデュエルが必要になるよね。……なら、もっと強くならないと)

 そのためには、どうすればよいだろう。水葵は、思い付く限り考える。
 デッキに、強いカードを入れる。ネットにある、大会上位で入賞した強いデッキのレシピを真似する。後は、

「……んあ」
「……う、ううん」

 そう考えを巡らせていた時、寝起きのような声がした。部屋は勿論、水葵一人。
 驚いて声がした方に視線を向ければ、ルビーとアメジスト・キャットがいる。
 いる、と言ってもその身体は幽霊のように透き通っていた。

「あー! アイシスだ!」
「ルビー! 無事だったのね」

 互いの顔を見るなり、嬉しそうに駆け寄り再会を喜びあう二匹。水葵にはなにが起きているのか、さっぱり分からない。

「る、ルビーとアメジスト・キャットさん?何か身体が透き通ってるけど」

 水葵が独り言を呟く。すると、水葵の存在に気が付いた二匹は振り向き、彼女の近くによってきた。

「ね、ねえ水葵。デュエルはどうしたの?」
「私、覚えてるわ。水葵はデスサイスに勝ったのよ。だから、ルビーと会えたのよ。水葵、助けてくれてありがとう」

 名乗っていないにも関わらず、アメジスト・キャットは水葵の名前を呼び頭を下げる。
 それを聞いたルビーは、赤い瞳を輝かせた。

「じゃあ、宝玉獣の使い手が奴らとのデュエルに勝てば、みんなが戻ってくるって言うエアトスの言葉は本当だったんだね!」
「な、なにがどうなってるの? まるで意味が分からないぞって気分だよ」

 勝手に仲間内で話を進められても、なにがどうなっているのやら。
 困惑する水葵を見た二匹は、顔を見合わせた。

「あなた、水葵にちゃんと事情を話したの?」

 ルビーは首を振る。

「デスサイスに追われてて、それどころじゃなかったの」
「じゃあ、きちんと話しましょう。二つ返事で済ませられることではないし」

 今までより重い顔付きで水葵に顔を向ける二匹。その顔には不安と恐怖がありありと見えた。
 そもそも水葵が異世界に飛ばされた要因の一つにルビーを拾ったことがある。そのためにデスサイスにデュエルを挑まれ、遊戯王世界に引き込まれた。そこまで考え、水葵には引っ掛かることがあった。

(宝玉獣が欲しいなら、あたしが気を失った時に奪えたはず。それなのにどうして)

 奴らは宝玉獣を欲しがっていたが、自分から奪うチャンスはいくらでもあったはず。
 特に異世界に飛ばされた際が一番の狙い目だったろう。あの時、水葵は完全に気を失っていたので宝玉獣を守る暇はない。その時に奪わない辺り、テラは何を考えているのか。

「まず私は、宝玉獣のアメジスト・キャット。アイシスって呼んでちょうだい。ねえ、水葵は私たちに何を聞きたい?」

 いきなり質問を投げ掛けられ、水葵は困った。ぱっと思い付くだけで、宝玉獣たちの事情、デスサイスやテラは何者なのか。聞きたいことは山のようにある。散々悩んだ末、

「ルビーとアイシスは、どうして透明なの?」

 関係ないことを聞いた。二匹には意外な質問なのか、目をしきりに瞬きしていた。

「ボクたちは、精霊だからね。この世界だと実体がないんだよ」

 遊戯王の世界では、精霊が宿る特殊なカードが存在する。
 今のルビーたちのように幽霊のような姿で現れるもの、力が強いが故にデュエル・ディスクを介さなくても自力で実体化できるもの。色々なタイプがいた記憶がある。
 そこまで言って、ルビーははっとした顔になる。

「そういえば、ここ。ボクたちがいた世界だ」

 彼らはアニメの流れからてっきり精霊だけが住む世界、精霊界から来たと思っていたが違うらしい。同時に、水葵が異世界に飛ばされたと言う現実が確定する。

「デュエルには勝ったけど、ここに飛ばされたの」
「多分、奴らはデスサイスを介して、『奈落の落とし穴』とか『異次元からの埋葬』のカードを使って水葵をここに引きずり込んだんだよ」
「どうやって?」
「あいつらは、デュエルモンスターズのカードの力を現実のものに出来るのよ。……私だって、ブレイン・コントロールの力で無理やりデュエルさせられたんだから」
(リサルダの一族は、サイコデュエリストってことね)

 サイコデュエリストは、超能力でカードの力を現実に、具体的には装備魔法を実体化させたり、ファイアー・ボールを使えば火の玉を現実に降らせることができる。

「私たち宝玉獣は、選んだたった一人のデュエリストにか扱えない。本来なら、他の人間がデュエル・ディスクを私たちを使ったって召喚できない」
「何となく分かった」

 本当なら色々と物申したいところだが、無理だ。リサルダの一族の力は実際に目撃しており、信じるしかない。
 アイシスはじっと水葵を見つめ、断言した。

Re: 遊戯王 七つの輝きと光の守り手 ( No.252 )
日時: 2014/12/22 09:41
名前: ひとしずく (ID: 9kyB.qC3)

「水葵の魂(バー)の輝きを見れば分かるわ。あなたなら、必ず宝玉獣を全員取り戻してくれるって」
「取り戻す?」
「あ、水葵はまだ僕らのこと知らなかったよね」

 頷くと、ルビーはゆっくりと語りだす。

「僕たち宝玉獣は、この世界で生きてたんだ。カードはこの世界のどこかに封印されていたから、こんな状態だけど」
「カードから、抜け出してこの街をみんなであちこち見たりしてね。楽しかったわ」

 アイシスは遠くに視線を投げ掛け、懐かしむような顔付きをする。
 仲間たちとの楽しかった暮らしを思い出しているのだろう。
 それと対象的にルビーはでも、と一言発した後しばし口をつぐんだ。

「けど、ある時。リサルダの一族が、ボクたちの肉体であるカードの封印を解いた。カードの封印が解ければ魂は、そこに帰るもの。仲間は、問答無用で奴らに捕まってしまった」

 その言葉に、水葵は言葉を発することができなかった。
 ルビーたちが抱える問題は、水葵にとってあまりにも重すぎてなんと声をかけてよいのか分からないのだ。

「しかも捕まった仲間は例の力で、無理やり奴らの手駒にされてる」
「僕は、たまたまあいつらが落としてくれたから逃げられた。けど、わざわざデスサイスをけしかけて来たんだ。きっと、諦めてない。それでね」

 ルビーは名前の通り、紅玉のような瞳で水葵を見据えた。
 真剣な眼差しに、水葵は思わず姿勢を正した。

「巻き込んで、こんなことお願いするのは図々しいって分かってる。けどキミしかいない。僕の仲間たちを、デュエルで取り戻してよ!」

 仲間を取り戻すよう、懇願するルビー。
 その瞳には必死さが溢れていた。ルビーの言う通り、彼らが頼れるのは使い手である水葵しかいない。
 断る気など、水葵にはなかった。
 
 追われているルビーたちを放り出す程自分は冷たくない。それに、リサルダの一族と戦えるなら万々歳である。
 あれこれ考えたが、異世界に連れ込まれ、黙っている訳にはいかない。
 水葵はリサルダの一族と戦うつもりでいた。
 デュエル至上主義なこの世界で、戦う手段は当然デュエル。剣や魔法ではないのだ。自分でもできる。連中に勝ち、異世界に戻る方法を教えさせる。可能性は限りなく低いが、やれるならやりたい。

 それに、と思う。

(宝玉獣の究極体、レインボー・ドラゴンはアニメで異世界への扉を開く力を持っていた)

 宝玉獣は、フィールドと墓地に七匹揃った時、真の力を発揮する。それが究極宝玉神レインボー・ドラゴン。
 三幻神の一角であるオベリスクと同じ攻撃力を持ち、場合によっては攻撃力が一万を超えることもあるまさに神と呼ぶのに相応しいモンスターだ。このレインボー・ドラゴンだが、アニメでは異世界に繋がる力を持っていたのは水葵もよく覚えている。
 もしかしたら、宝玉獣を集めれば元の世界に帰れるかもしれない。

「デュエルするだけで、本当に宝玉獣を取り戻せるの?」
「繰り返すけど、仲間たちは力で無理やり拘束されているだけなの。水葵がデュエルで勝てば、その力は解けるみたい。そうすれば、本当の持ち主である貴方のところに自動で戻ってくるってわけ」
(そうすれば、洗脳された人を倒すと正気に戻るっけ)

 再度確認すると、アイシスが丁寧に解説してくれた。
 アニメ通り、デュエルに勝てば洗脳は解けるらしい。

「デスサイスに勝てた水葵なら、大丈夫だよ」

 水葵はしっかりと頷いた。負けないよう努力はする。飛ばされた以上、じっとはしていられない。戦う覚悟はもうできている。
 水葵は二つ返事で了承した。

「分かった。あたし、あなたたちの仲間を取り戻すよ」

 その言葉を聞いた瞬間、ルビーとアイシスの曇った表情が一転した。水葵に断られたら、と不安がっていたがそれが消えたのだ。晴れ渡る空に似た、とびきりの笑顔を見せる。

「やったね、アイシス!」
「これでみんな戻ってくるわ!」

 ありがとう、とお礼を言うように二匹は水葵に近付く。ルビーは水葵の手に、アイシスは足に刷りよってくる。身体は透明なはずなのに、妙にくすがたかった。

「あなたたちって、全部で何匹いるの?」

 まさかとは思うが宝玉獣が増え、うん十匹になっていたりしたら大変な苦行だ。一応回収すべき宝玉獣の数は把握しておいた方がいい。

「んっとねー。僕らは、七匹でエアトスと後、守り手のみんなを足して……十二匹と一人だよ。助けて欲しいのは、合計十一」
「ちょ、なんか増えてない?」

 どうやら、宝玉獣そのものの数は自分が知るものと変わりがないらしい。
 宝玉獣は虹の七色に、それぞれ宝石を当てはめたモンスター郡。
赤は目の前にいるルビー。オレンジは、アンバー・マンモス。黄色はトパーズ・タイガー。緑はエメラルド・タートル。青はサファイア・ペガサス。藍色はコバルト・イーグル。紫色はアイシス。これで七匹だ。
だが水葵の知らないカードの名前が出てきた。
 エアトスは恐らくガーディアン・エアトスを指すと思われるが、宝玉獣と関わるモンスターではないはずだ。
 そして一番の問題は、守り手なる名前。モンスターなのか、はたまた魔法・罠か。

「守り手のみんなって?」
「んー、役割を言えばボクたち宝玉獣をサポートしたり、力を与えてくれるモンスターってエアトスが言ってた」
(あたしの青眼デッキで言う、青き眼の乙女に当たるモンスターかな)

 言葉から察するに、宝玉獣をサポートするモンスター郡なのだろう。
 現実にはなかったカードなので、どんな効果かワクワクしてしまう。

「エアトスって、ガーディアン・エアトスだよね。何者なの?」
「エアトスは、エアトスよ。私たちの仲間」
「んーっ、ボクたちを守ってくれるモンスターだよ」

 エアトスが何者か、ルビーやアイシスもよく分かっていないらしい。
 ルビーの発言から、宝玉獣を守る役割らしいが。

「ねえアイシス、エアトスなら水葵を元の世界に戻す方法を知ってるんじゃないかな?」
「そういえば前に、異世界がどうこう言ってたわね」
「え、本当?」

 二匹の会話に、水葵は瞬きする。予想外のところで異世界に帰る方法が出てきた。

「……でも、聞こうにもエアトスはデスサイスになっちゃった」
「あのデスサイス、あなたたちの仲間?」

Re: 遊戯王 七つの輝きと光の守り手 ( No.253 )
日時: 2014/12/22 20:24
名前: ひとしずく (ID: 9kyB.qC3)

「あのデスサイスは、エアトスがあいつらの力で変わり果てた姿なんだ。目の前で見たから分かるよ」

 そう呟くルビーの瞳には、うっすらと涙が浮かんでいた。
 水葵は知るよしもないがエアトスの叫び声が耳に蘇り、助ければ良かったと後悔の念に襲われているのだ。

「でも、エアトスは一番最初に捕まったはずよ」「あの後ね、エアトスの気配がしたから行ったんだよ。……そしたら、エアトスがデスサイスになって襲ってきた」
「ルビーを誘き寄せるつもりだったんだね。ひどいわ」

 取り逃がしたルビーを捕まえるため、エアトスを囮に使ったのだろう。許せない。非情なリサルダの一族を倒す理由がまた一つ増えた。
 ルビーの頭を撫でようと手を伸ばすが、水葵の手はルビーを突き抜けた。触れることが出来ないのがもどかしい。
 でも、とルビーは前足で涙を拭った。

「あの時、エアトスと約束したんだ。宝玉獣の使い手を見つけて、みんなを取り戻すって。泣いてなんかいられない」
「そうね」

 エアトスとの約束を思い出したルビーは、泣くのを止めた。
仲間の大半を失い、追われている絶望的な状況にも関わらず宝玉獣たちは諦めていない。頼りの綱である水葵を発見したことで、前に進もうと足掻いている。
 自分も負けていられないと、水葵は拳を握った。
 その時、階下のドアがノックされイデアが入ってくる。同時にルビーとアイシスは消えてしまった。下へ続く階段から顔を出すと、イデアがいた。俯いたまま、じっとその場に佇んでいる。
 不審に思った水葵は、階段を降りイデアの前に立った。

「イデアさん?」

 声をかけるが、イデアは反応を見せない。立ったまま寝ているのか、と水葵が首を傾げた時。
 突然イデアの手が、水葵に向かって伸びてきた。彼の手が、水葵の腕を捕まえようとした瞬間、二人の間に静電気のようなものが走る。

「きゃっ……」

 水葵は、悲鳴を上げながら身体を反らせ、イデアは熱いやかんに触れたように手を引っ込める。同時に顔をあげた。

「おや、水葵ちゃん」
「あ、あの。あたしに何か用ですか?」

 恐る恐る尋ねると、イデアは朗らかに笑う。

「おお、そうじゃ。実は学校のことを相談したいんじゃが、時間は大丈夫かの?」
「あ、はい。大丈夫です」

 先ほどの奇妙な様子は気になるが、イデアはただ寝ていただけだと水葵は結論付けた。最初から部屋にいたと勘違いしていたのだ。

「水葵ちゃん、戸籍は適当に何とかするが、このオセロシティに住むからには学校に通わんといかん」
「……そうですね」

 いくら設定上記憶を改竄されたとしても、水葵はまだ義務教育中。この世界でも、学校に行くのは当たり前のことだ。

「何年生か覚えとるかの?」
「中学二年生です」
「ふむ、ならば中学校に通うのか」
「この辺りは、どの中学校になるんですか?」

 水葵の質問に、イデアは首を横に振る。

「水葵ちゃんはもっとデュエルを学ぶべき。公立の中学校は相応しくないじゃろうて」
「へ?」

 イデアに私学を薦められた水葵は、さすがに目を丸くした。
 居候させる上により学費のかかる私学を薦めるなど、破格の扱いもいいところだ。

「公立の中学校では、デュエルは授業として週に何回かたしなむ程度。それでは物足りないじゃろ?」
「まあ、確かに……」

 控えめに答える。
 デュエルモンスターズが学校の一科目として君臨しているのに驚きを隠せないのはさておき。正直、毎日やれるなら毎日やりたい。

「ソフィから聞いたのじゃが、禁止カード使いの不良を青眼でオーバーキルしたそうではないか」
「負けたらデッキ没収ですから、必死だったんです」

 デュエリストにとって、デッキは大切なもの。
 あの時の水葵は、小遣いを注ぎ込んだ、愛着のある青眼デッキを盗られてはならないと必死になっていた。そのため、あれくらいは当たり前だと思っている。

 むしろ、グラファ裁き開闢のオーバーキルを作り出したフィロソフィアに比べれば可愛いものだとは、思っても言わない。

「水葵ちゃんは、デュエルが大好きなようじゃ。なら、わしとしては、それをとことん極めるのを勧めたい。そこで、デュエルがより盛んな私学を薦めるがどうじゃ?」
「でも学費は?」
「なんじゃ、中学生とは思えない程謙虚じゃの」
「私学は大体うん百万かかるし……」
「それは水葵ちゃん次第。私学ならどこも入学試験の成績が優秀なら、特待生として学費は一年免除されるからの。成績を維持できれば、三年間無料も夢ではない」

 水葵は目眩に近いものを感じる。
 特待生と簡単に言うが、勉強は並程度で、お世辞にも優秀とは言えない。

「……あ、あたし数学と理科が苦手で特待生の成績なんかとても」

 その言葉を聞いたイデアは笑い飛ばす。

「大丈夫、試験の内容は、デュエルモンスターズのことしかでないぞ」
「それならまだ行けるかも……」

 難しいチェーンや調整中の裁定はからっきしだがカードの知識なら、多少の心得がある。
 少なくとも数学や理科よりは、遊戯王の方が遥かに自信がある。母親には無駄な知識と罵られていたが、やっておいてよかった遊戯王。

「ただ、今は四月の終わり。どこももう学校は始まっておる。となると編入試験になるが、この辺りで編入試験をやっておるのは一つしかない。後でパンフレットや資料を上げるから、受けたいか考えてみなさい」
「ありがとうございます」

 それだけ言うと、イデアは部屋を出ていき、しばらくするとパンフレットを持ってき、寝ると言って自分の部屋に帰る。
 水葵は、寝転がりながらパンフレットをパラパラと開いてみる。

 生徒たちの笑顔が移ったページ、校長の挨拶、校舎の紹介。ビルのような校舎は、中学校と言うより大学のようだ。

「オセロシティ学園ね。ほんとだ。特待生の項目にデュエルの成績がよいものってある」

 カリキュラムのページには、特待生のことも書かれていた。
 年度末の実技試験、デュエルの成績が五段階評価四以上で、一年間授業費無料とのこと。成績4、なんて中々とれるものではない。イデアは簡単そうな口振りだったが、思った以上にハードな要求である。

(……まあ、くよくよしても仕方ないか)

 嫌いな数学や理科がない分、マシと言うやつだ。パッと見た感じ、よさそうな学校だし受けてみよう。水葵は軽く考えていた。

Re: 遊戯王 七つの輝きと光の守り手 ( No.254 )
日時: 2014/12/22 20:39
名前: ひとしずく (ID: 9kyB.qC3)

独り言

 とりあえず一章完結までPCで修正しました。
 また、PCでこのSSを見たら参照がFGDの攻撃力と同じ数値を記録していて驚きました。皆様、ありがとうございます><
 尚、登場人物の一部がドン千によって書き換えられました。
 
>午前の麦茶
 名前がややこしいやorz
 
 環境がインフレ化してだいぶ離れているみたいだからね。今回もインフレで離れるとか離れないとかちらほら聞くけど。
 
 ハーピィ大勝利?噂だけ聞いて見てないから、グーグル先生に教えてもらってくる。ハーピィも初期を代表するカードだし、やっぱり初代の人取り戻そうとしてるのか…

 そういえばユーゴのカード?クリア・ウィング・シンクロドラゴン出るんだってね。面白そう。

Re: 遊戯王 七つの輝きと光の守り手 ( No.255 )
日時: 2014/12/22 21:49
名前: 午前の麦茶 ◆s5/dFsxZtI (ID: EoZogUA7)

修正乙&参照おめ!

歴史改変かな?(イリアステル並の感想)

カードを良く見て楽しく禁止令!()

9期でそろそろついてけなくなりそう
あまり結果を残してない竜星霊獣ファーニマルノイドだって少し前なら環境クラスだろうし

息が長いテーマだけどハーピィとアマゾネスはどこで差が付いたのだろうか…。
初代の人の方が今の環境をそういうものだと受け入れれるのかも?続けてるとインフレを感じる

クリアウィングは月華とガイザーの良い所取りだね。最近の縛りなし☆7S充実したね。
TF6だと黒薔薇ぶっぱ以外に27打点デスデーモン、微妙バーン24打点ウォリアーくらいしか居ない

あとARC-VのドラゴンのOCG版の相性が面白い。
オッPはクリアウィング相手に効果使わず相打ちになれてP召喚で復活する
クリアウィングはリベで対象に取ると返り討ち
リベはオッPを一方的に戦闘破壊してP召喚で復活しても打点で上回る
オッP→クリアウィング→リベ→オッP以下ループ


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