二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- ポケットモンスター 魔王と救世の絆
- 日時: 2018/04/30 21:14
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: OiWubliv)
こんにちはこんばんはおはようございます。パーセンターです。
今回は紙ほか板から映像板に進出して、また懲りずにポケモンの二次小説を執筆したいと思っております。
今回は前作との繋がりはほぼ断ち切った完全新作です。
カウントすれば5作目になりますね。まだ向こうの「星と旋風の使徒」は完結しておりませんので、同時進行となります。
※注意事項(?)
・いつものことですがノープランです。更新のペースも早かったり遅かったりします。
・上でも述べていますが、前作までとの繋がりはほぼありません。まだ「星と〜」が完結していませんしね。
・登場するポケモンは第七世代までです。執筆中に第八世代が出てきたらまたその時に考えます
・上に関連して、パーセンターがよく使っているベガポケモンですが、今作では『出ません』。設定上は存在している設定ですが今作には出ません。
・ベガの技は普通に出ます。ついでにオリジナル技も結構たくさん出ます。オリ技の説明は随時公開するのでご安心ください。
・オリキャラとかオリ技の募集も近いうちにすると思います。皆さん協力お願いします。
それでは、新しい主人公の新しい物語が始まります。よろしくお願いします。
登場人物紹介
>>34
オリ技紹介
>>45
プロローグ
>>1
ハツヒタウン編——旅立ち
>>6 >>7 >>8
シュンインシティ編——経験
>>15 >>20 >>28 >>32 >>35 >>36 >>37
カザハナシティ編——ライバル
>>38 >>40 >>43 >>44 >>46
ヒザカリタウン編——出会
>>55 >>56 >>57 >>58 >>59 >>60 >>61 >>62 >>65
サオヒメシティ編——Evolution
>>66 >>70 >>71 >>72 >>73 >>74 >>76 >>77 >>78 >>79 >>80 >>81 >>82 >>83 >>84 >>85 >>86 >>91
ハダレタウン編——大会
>>92 >>94 >>97 >>98 >>99 >>102 >>103 >>104 >>106 >>108 >>109 >>110 >>111 >>112 >>113 >>114 >>117 >>118 >>119 >>120 >>121
カタカゲシティ編——試練
>>122 >>123 >>124 >>127 >>128 >>129 >>130 >>133 >>134 >>135 >>136 >>138 >>139 >>140 >>141 >>142 >>143 >>144 >>145 >>146 >>147 >>148 >>151
ノワキタウン編——友情
>>152 >>153 >>156 >>159 >>160 >>162 >>164 >>165 >>166 >>167 >>168 >>169 >>170 >>175 >>176 >>177
イザヨイシティ編——実力
>>178 >>180 >>181 >>182 >>183 >>184 >>185 >>186 >>187 >>188 >>189 >>190 >>191 >>192 >>195 >>196 >>197 >>198 >>199 >>200 >>202 >>203 >>204
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- http:// ( No.174 )
- 日時: 2017/05/22 21:29
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: VYLquixn)
技の方は特に問題ありません。
だきつくの方は使えるかどうか分かりませんが、すごいはねるはもしコイキングを出すことがあればネタ枠として使ってみようかなと思っています。
- 第100話 ジムバトル!ノワキジムⅣ ( No.175 )
- 日時: 2017/05/24 16:16
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: VYLquixn)
「ドラピオン、ミサイル針!」
両手の鋏と尻尾を伸ばし、ドラピオンは無数の針の弾幕を放つ。
普通であれば躱せる量ではないが、
「ワルビル、穴を掘る!」
対するワルビルは素早く地面に穴を掘り、地中へと身を隠して針を躱す。
そこから一気にドラピオンの足下まで接近、目の前から飛び出し、ドラピオンの顔に拳を叩き込む。
「やるじゃねえか。ポイズンクロー!」
だがドラピオンは体勢を崩すも、地に足をつけて吹き飛ばされることなく耐え切ると、両手の鋏に毒を纏わせ、腕を振り下ろす。
「だったらワルビル、シャドークロー!」
ワルビルも両腕に黒い影を纏わせて影の爪を作り出し、ドラピオンの爪を迎え撃つ。
お互いの両腕が激しく競り合うが、
「ドラピオン、捕らえろ!」
その次の動きはドラピオンの方が速かった。
ドラピオンの尻尾が伸び、ワルビルの胴体を挟み込んで拘束してしまう。
「しまった……ワルビル、抜け出せる!?」
ワルビルも両手でドラピオンの鋏を掴み、抜け出そうとする。
だが力自慢のワルビルのパワーを持ってしてもドラピオンの鋏から抜け出すことはできず、
「放り投げてミサイル針!」
空中へと放り投げられたワルビルは、無数の針をその身に叩き込まれてしまう。悪タイプのワルビルには効果抜群だ。
「ワルビル! 大丈夫!?」
地面に落ちたワルビルは、低く唸りながら起き上がり、ドラピオンを睨む。
「ワルビル、落ち着いて。勝てる手段は残ってる。熱くなりすぎちゃだめだよ」
昂ぶるワルビルをなだめつつ、ハルは思考を巡らせる。
(攻撃力はほぼ同じ、だけど相手の方が防御に厚い、しかも手数がこっちより多い。何せ手か三本あるようなものだからな……)
躱せない必中技でぶつかっても、受け止められてしまえば元も子もない。
「だったら……これが一番かな。ワルビル、穴を掘る!」
再びワルビルは地面に穴を掘り、地中へと身を潜める。
「隠れたか。ドラピオン、周りに気を配れ。どこから出てきても捕まえろ」
両腕と尻尾を展開させ、ドラピオンは周囲の様子を探る。
「……今だワルビル! 飛び出せ!」
ドラピオンが目を動かした瞬間、その死角からワルビルが飛び出すが、
「ドラピオン、斜め後方だ! 捕らえろ!」
すぐさま振り返ったドラピオンが尻尾を伸ばし、ワルビルの攻撃よりも早く尻尾の鋏でワルビルを拘束してしまう。
「想定内ですよ! ワルビル、噛み砕く!」
だがこれはまだハルの想定内だった。
捕まったままワルビルは大口を開き、牙をドラピオンの尻尾へと思い切り食い込ませる。
頑丈な顎の力に耐え切れず、尻尾の鋏の拘束が緩む。
「よし! 続けてシャドークロー!」
拘束を破り、ワルビルは腕に黒い影を纏わせる。
そのまま両手を振り抜き、鋭い影の爪でドラピオンを切り裂いた。
「燕返し!」
鋏の拘束はワルビルの牙で抜け出せる。そう判断したハルは、さらに追撃の指示を出す。
ワルビルも腕を刀のように白く輝かせ、ドラピオンへと突っ込んでいく。
「ドラピオン、受け止めろ! ポイズンクロー!」
対するドラピオンは鋏に毒を纏わせ、ワルビルの両腕を受け止める。
「噛み砕く!」
再びワルビルは大顎を開き、ドラピオンの腕に牙を突き立てようとする。
しかし。
「させねえ! ドラピオン、ミサイル針!」
ドラピオンが頭を屈め、尻尾を逆立てる。
尻尾の鋏の先がワルビルを向き、そこから大量の針が撃ち出される。
「っ、ワルビル!」
躱そうにも、ドラピオンに両腕を掴まれているために動くことができず、ワルビルは無数の針を叩き込まれる。
「ドラピオン、投げ飛ばせ!」
ワルビルを掴んで腕を振り、ドラピオンはハルの元へとワルビルを思い切り投げつける。
「そろそろとどめだ! ドラピオン、ポイズンクロー!」
地面に倒れるワルビルを視界に捉え、ドラピオンは両腕の鋏から毒を滴らせる。
「ワルビル! 大丈夫!?」
地面に落ちたワルビルは、腕を震わせて何とか立ち上がろうとする。
眼前には既に毒の鋏を構えたドラピオンがじりじりと迫り来る。
だが。
まだ、やれる。
ハルの期待に応えるべく、最後の力を振り絞り、ワルビルは吠えた。
その、刹那。
ワルビルの体が、膨大なエネルギーを込めた青い光に包まれる。
「ワルビル……!?」
「っ、マジかよ……!」
輝く青い光は、ワルビルに新たな力を与え、その姿を変化させていく。
やや細かった胴体はみるみるうちに太く頑強に変わっていき、それに伴って体つきも大きくなっていく。
光に包まれ、咆哮と共に、ワルビルは最終進化したその姿を解き放つ。
体を刻む黒い模様はそのままに、砂の色をしていた体は真紅に染まる。
自慢の顎もより大きく、力強く変化し、両手の爪も長く鋭く変化している。
『information
ワルビアル 威嚇ポケモン
砂漠の生態系の頂点に立つポケモン。
双眼鏡のように遠くのものを拡大
して見ることができる瞳を持つ。』
「ワルビアル……進化、したんだ!」
喜ぶハルの方を振り向き、ワルビアルはニヤリと笑う。
「……大したやつだ。この局面でポケモンを進化させちまうとはなぁ。メガシンカをあれほど使いこなせるのも頷ける」
メイゲツの脳裏に蘇るのは、ハルとヴァレンの試合。メガシンカを遂げた、ルカリオの姿。
ハルが図鑑で確認すると、ワルビアルは新しい技も覚えている。
「よし、ワルビアル! ここから仕切り直しだ、行くよ!」
ハルの言葉に合わせて、ワルビアルは雄叫びを上げる。
「ワルビアル、地震だ!」
大地を踏みつけ、ワルビアルは地面を揺らす。
周囲一帯に衝撃波を走らせ、ドラピオンを吹き飛ばした。
「っ、格段にパワーが上がってやがる……ドラピオン、ミサイル針!」
両腕と尻尾を構え、ドラピオンは無数の針の弾幕を飛ばすが、
「ワルビアル、ストーンエッジ!」
拳を大地に叩きつけ、ワルビアルは地面から多数の岩の柱を出現させる。
岩の柱によって大量の針は全て阻まれ、直後、ドラピオンの足元から岩の柱が飛び出し、ドラピオンを突き上げ、貫いた。
「っ、ドラピオン!」
地面に落ち、ドラピオンは再び起き上がろうとするもそこで力尽きて地に伏し、戦闘不能となった。
「まさか俺が先に最後の一体を見せることになるとはな。ドラピオン、戻りな」
ドラピオンをボールに戻すと、メイゲツはいよいよ最後となるボールを取り出す。
「こいつで終わりだ! 出てきな、アブソル!」
メイゲツの最後のポケモンは、純白の体毛を持つ獣型のポケモン。額には死神の鎌のような漆黒の角が備わっている。
『information
アブソル 災いポケモン
額の角で災いを察知すると山を降り
人に危機を知らせる。昔は災害を
呼ぶポケモンだと誤解されていた。』
悪タイプのみを持つポケモン、アブソルだ。
「最後はアブソルか……最後に出てくるってことは、恐らくメイゲツさんのエースだ。ワルビアル、気をつけて」
低く唸って相手を威嚇するワルビアルに対し、アブソルは一言も発さず、じっとワルビアルを見据える。
「ワルビアル、地震だ!」
大地を踏みつけ、ワルビアルは地面を揺らし、衝撃波を起こす。
対して。
「アブソル、スプラッシュ!」
アブソルはその場で跳躍し、衝撃波を躱すと、額の鎌に水を纏わせる。
そのまま一瞬のうちにワルビアルとの距離を詰め、鎌を叩きつけ、ワルビアルを吹き飛ばした。
「速い……っ! ワルビアル!?」
吹き飛ばされたワルビアルは地面に叩きつけられ、一撃で戦闘不能になってしまった。
「強い……ワルビアル、よく頑張ったね。お疲れ様」
ワルビアルの頭を撫でてボールに戻し、ハルも最後のボールを手に取る。
「これで最後だ。出てきて、ルカリオ!」
ハルの最後のポケモンは、エースのルカリオ。それだけで試合は決まらないが、タイプ相性も有利。
「ルカリオ、相手はジムリーダーの切り札だ。最初から本気でいくよ!」
ルカリオに呼びかけ、ハルはキーストーンを填め込んだ右手を掲げる。
「僕と君の、絆の力に応えて! ルカリオ、メガシンカ!」
ハルのキーストーンに反応し、ルカリオのメガストーンが光を放つ。
七色の光に包まれ、ルカリオの姿形が変化していく。
黒い模様を身体に刻み、咆哮と共にルカリオはメガシンカの力を解き放つ。
「何度見てもすげえもんだな。それじゃ、こっちも……!」
不敵な笑みを浮かべ、メイゲツは右耳のピアスを軽く弾く。
するとピアスが開き、その中からはキーストーンが現れる。
「やっぱり……そのアブソルも……」
「ご名答」
アブソルの右前脚の足首には、メガストーンの填められた足輪が付けられていた。
「純白なる悪の力を、我が手に! アブソル、メガシンカ!」
メイゲツのキーストーンと、アブソルのメガストーンが反応する。
七色の光が繋がり、アブソルを包み、その姿を変えていく。
黒い角や尻尾は悪魔の翼のように形状を変え、さらにメガシンカの力を受けて白い体毛が伸びてゆく。
体毛を翼のように逆立て、アブソルがメガシンカを遂げる。
純白の翼からは凄まじいオーラが迸り、見るもの全てを威圧する。
「これが、アブソルのメガシンカ……!」
アブソルのメガシンカした姿、メガアブソル。迸るオーラは、全ての穢れを払うようにアブソルの全身を覆う。
「さあ、どこからでもかかってきな」
「……望むところです!」
メガシンカを遂げた両者が、互いを見据えて対峙する。
- 第101話 ジムバトル!ノワキジムⅤ ( No.176 )
- 日時: 2017/05/26 10:05
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: VYLquixn)
「行くよ! ルカリオ、発勁!」
ルカリオが右手を構えると、燃え盛る炎のように青い波導が噴き出す。
そのままルカリオは地を蹴って飛び出し、一気にアブソルとの距離を詰めていく。
「アブソル、ギガスパーク!」
対するアブソルはその場から動かなかった。
迸るオーラを溜め込んで巨大な電撃の砲弾を作り上げ、ルカリオへと放出する。
ルカリオの右手が電撃の砲弾を叩きつける。電撃の砲弾が破裂するが、ルカリオの波導の右手はアブソルには届かず、
「怒りの炎!」
続けてアブソルは憤怒の感情の如く燃え盛る灼熱の業火を放つ。
「炎技……っ! ルカリオ、ボーンラッシュ!」
咄嗟にルカリオは両手から波導を生み出し、長い骨の形のロッドを作り上げる。
ロッドを振り回し、ルカリオは周囲から迫り来る炎を何とか防ぎ切った。
だが、
「イビルスラッシュ!」
爆炎でルカリオの視界を塞ぎ、その上空からアブソルが襲い掛かる。
ルカリオの懐へと潜り込み、額の鎌を瞬時に振り抜き、ルカリオを切り裂いた。
「スプラッシュ!」
「サイコパンチで防いで!」
さらに額の鎌に水を纏わせるアブソルに対し、ルカリオは素早く体勢を立て直し、拳に念力を纏わせる。
エスパー技なのでアブソルにダメージは与えられないが、アブソルの水の鎌を防ぎ切り、
「波導弾!」
拳を開いて青い波導の念弾を零距離で放出し、アブソルを吹き飛ばす。
格闘技はアブソルに効果抜群。一撃で倒せるとは思っていないが、手応えはある。
「攻撃力は侮れねえな。アブソル、立て直すぞ」
やはりと言うべきか、波導弾を受けたアブソルはすぐさま体勢を整える。
「アブソル、ギガスパーク!」
立ち上がったアブソルは額の角に電撃を溜め込み、巨大な電撃の砲弾を作り上げる。
「ルカリオ、ボーンラッシュ!」
骨のロッドを携え、ルカリオが飛び出す。
電気技には地面技で立ち向かえばいい。放たれた電撃の砲弾を難なく粉砕し、その奥にいるアブソルに骨のロッドを叩きつけようとするが、
「遅いぜ。アブソル、スプラッシュ!」
既にそこにアブソルはおらず、直後、ルカリオの頭上からアブソルが襲い掛かり、水を纏った鎌をルカリオへ叩きつけた。
「続けて怒りの炎!」
「だったら、波導弾だ!」
アブソルが燃え盛る豪炎を放射し、ルカリオは両手から青い波導の念弾を放つ。
必中の波導弾は炎の中を突っ切り、アブソルを捉えるが、対するルカリオも灼熱の業火を受け、鋼の体を焦がされていく。
(三タイプの強力な技に加えて、悪タイプの主力技……攻撃面において全く隙がないな……)
メガアブソルの特徴は、何と言ってもこの圧倒的な攻撃性能だ。
攻撃力だけでなく、スピードも相当なもの。ハルの手持ちの中でも相当速いメガルカリオを持ってしても、アブソルに速度で上回られている。
(ここはやっぱり、初心に帰ってタイプ相性通り、きっちりと格闘技を当てていこう。決して勝てない相手じゃないはずだ)
「よし、ルカリオ、発勁!」
ルカリオの右手から炎のように青い波導が噴き出し、ルカリオはアブソルへ突撃していく。
「アブソル、イビルスラッシュ!」
振り下ろされるルカリオの右手に対し、アブソルは額の鎌を叩きつけて発勁を防ぐ。
「ルカリオ、ボーンラッシュ!」
右手を纏う波導を長い骨の形に変え、ルカリオが骨のロッドを掴む。
だが、
「イビルスラッシュ!」
骨を携えたルカリオへ、間髪入れずに二発目の斬撃が叩き込まれる。
黒い鎌を叩きつけられてルカリオは吹き飛ばされ、
「怒りの炎!」
アブソルが灼熱の爆炎を放出し、瞬く間にルカリオの周囲を火の海に変える。
「っ、ルカリオ、躱して! ジャンプだ!」
脚から波導を噴き出して大きく跳躍し、ルカリオは迫り来る炎の壁から脱出する。
「逃すな! スプラッシュ!」
「迎え撃つよ! 発勁!」
鎌に水を纏わせたアブソルがルカリオへと飛び掛かるが、ハルもこの追撃は予測していた。
右手に波導を纏わせ、アブソルが黒い鎌を振り抜くのに合わせて、右手を叩きつける。
「波導弾だ!」
ルカリオの右手とアブソルの鎌が拮抗するが、ルカリオの右手を纏う青い波導が念弾へと形を変え、掌から放出される。
青い波導が炸裂してアブソルを吹き飛ばし、地面へと叩き落とした。
「ルカリオ、ボーンラッシュ!」
手から波導を生み出し、長い骨の形に変えると、着地したルカリオは骨のロッドを握り、地を蹴って飛び出す。
一気にアブソルとの距離を詰め、骨のロッドを振りかぶる。
しかし。
「気張れよアブソル! 足元に怒りの炎!」
立ち上がったアブソルはルカリオの一撃を躱す素振りも見せず、自身の足元に燃え盛る爆炎を放出した。
爆発を起こして炎は燃え広がり、突っ込んできたルカリオを、自身諸共吹き飛ばした。
「なっ……!? ルカリオ!?」
炎の爆発に巻き込まれ、ルカリオが吹き飛ばされる。
自ら放った爆炎にアブソルも巻き込まれているが、アブソルと違い、ルカリオは炎技を効果抜群で受けてしまう。ダメージはルカリオの方が大きい。
「ルカリオ、大丈夫!?」
ルカリオは何とか立ち上がるが、その体毛や鋼の体は所々黒く焦げ付いている。
だがアブソルも無傷ではない。白い体毛は相変わらずオーラを迸らせて白く輝いているが、その表情には明らかに疲れが見て取れる。
「ルカリオ、まだ行けるよね……! この勝負、絶対勝つよ!」
ハルの力強い言葉に、ルカリオは振り返り頷く。
それと同時に。
「……おぉ!?」
メイゲツ、そして周りで観戦しているノワキタウンの住人が、驚きの声を上げる。
ルカリオの体を纏う波導が、さらに力を増していく。
「……なぁるほど。ピンチになればなるほど力を増す生命力、波導の力か。面白え、アブソル! こっちも負けてらんねえぞ!」
メイゲツの声に呼応し、アブソルも白き体毛を纏うオーラをさらに展開させ、ルカリオを威圧する。
「行くよ! ルカリオ、発勁!」
「上等! アブソル、ギガスパーク!」
激しく燃え盛る炎のような波導を右手に纏い、ルカリオが地を蹴って飛び出す。
対するアブソルは額に電気を込め、作り上げた電撃の砲弾を発射する。
波導の右手は電撃の砲弾を叩きつけ、競り合った末に砲弾を破壊する。
「ボーンラッシュ!」
「スプラッシュだ!」
ルカリオが右手を纏う波導を長い骨のロッドに変えると同時に、アブソルは額の鎌に水を纏わせ、突っ込んで行く。
流れるような骨の連続攻撃を叩き込むルカリオに対し、アブソルも水を纏った鎌を振り回し、両者とも互角に渡り合う。
「そこだ! アブソル、イビルスラッシュ!」
一歩も譲らず競り合う二体だが、一瞬の隙をメイゲツは見逃さなかった。
瞬時に額の黒鎌か振るわれ、ルカリオを叩き飛ばした。
「アブソル、次で決めるぞ。イビルスラッシュ!」
吹き飛ばされるルカリオを追い、アブソルは一気に距離を詰めて行く。
地面に落ちたルカリオに飛び掛かり、死神の鎌の如き黒い鎌を振るう。
その、直前。
「そこだ! ルカリオ、波導弾!」
地面に倒れたルカリオが、決死の力で右手を突き出し、青い波導の念弾を撃ち出した。
飛び掛かろうとしたアブソルの腹部に波導の念弾が直撃し、アブソルを宙へと打ち上げる。
「っ……な……!」
「これで終わらせるよ! ルカリオ、発勁!」
立ち上がると同時に、ルカリオは跳んだ。
渾身の力を込めて燃え盛る波導を纏った右手を振るい、アブソルを叩きつける。
「アブソル……!」
波導の右手を叩き込まれ、アブソルは地面に叩きつけられる。
地面に倒れ伏したアブソルの体を七色の光が包み、メガシンカが解除される。
すなわち。
「……あ、アブソル、戦闘不能です。よって……勝者、チャレンジャーのハルさん……!」
青い髪の少女、ネルが、恐る恐る口を開く。
地面に倒れていたアブソルは、完全に戦闘不能だった。
- 第102話 送別 ( No.177 )
- 日時: 2017/06/01 14:03
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: t4HkD1GO)
「……ハッ。やるじゃねえか、ハル。見事な腕前だな」
やり切った、そんな風にメイゲツが息を吐き、アブソルをボールへと戻す。
同時に、ルカリオの体を七色の光が包み、元の姿へと戻す。
「ジム戦は久々だったが、腕が鈍ってたわけじゃねえ。いいバトルだったぜ」
「ありがとうございます。メイゲツさんもとても強かったです。僕もルカリオも、ギリギリでした」
ハルの言葉を聞き、メイゲツはニヤリと笑う。
「そりゃ嬉しいねえ。さて、形式的とはいえど俺もちゃんとしたジムリーダーだ。つまり、俺に勝ったってことは……ヴァレン。あれを」
メイゲツが後ろを向いてそう言うと、ヴァレンが頷き、小さな箱を持ってくる。
その箱を受け取り、メイゲツは箱の中からバッジを取り出す。白いアルファベットのDの文字を、黒い悪魔の片翼で覆ったような形のバッジだ。
「こいつぁノワキジム制覇の証、デーモンバッジ。お前のバッジケースに飾っときな」
「はい、ありがとうございます!」
無法者の頭領、メイゲツに見事勝利し、ハルのバッジケースに六つ目のバッジが填め込まれた。
「あの、メイゲツさん」
と、そこで。
メイゲツに声を掛けたのは、緑髪の少年、ジゼ。
「あん? どうした、ジゼ」
「えっと、お願いがあるんです」
メイゲツから見たその時のジゼの目は、いつになく真剣に見えた。
「何だ? とりあえず言ってみろ」
「ハルとメイゲツさんのバトル。あんなに熱いバトルは初めて見ました。あんまり上手く言い表せないけど、本当にすごいっていうか、かっこいいっていうか……俺も、あれくらいすごいバトルが出来るようになりたいんです」
だから、とジゼは言葉を続け、
「俺も、ハルみたいになりたい。そのために、マデル地方の旅をしたい。この町を出て、旅に出させてください」
真剣な眼差しと口調で、はっきりとそう言った。
「……フッ」
ジゼの言葉を聞いたメイゲツは、小さく息を吐く。
「まさかジゼ、お前の口からそんな言葉が出てくるとはな。成長したじゃねえか」
微かに笑いながら、メイゲツは耳のピアスに手を触れる。
「……お前が自分の強い意志でそう言うなら、俺にはそれを邪魔する権利はねえ。分かった。この町を出て、広い世界を見てこい」
「……! メイゲツさん、ありがとうございます……!」
「それと」
触れられたピアスは左右に割れ、キーストーンが飛び出す。
そのキーストーンを外し、メイゲツはキーストーンをジゼへ差し出した。
「この町を代表して、俺からの選別だ。受け取れ」
「えっ……!? でも、これはメイゲツさんのメガシンカに……」
「言っただろ。俺にとっては、メガシンカよりも仲間の方が大切だ。その仲間が旅立とうってんなら、俺たちは全力で応援するぜ。このキーストーンは、離れていても仲間だと言うその証だ。受け取りな」
「……はい。ありがとうございます!」
一歩進み出て、ジゼはメイゲツから仲間の証、キーストーンを受け取った。
「ま、それでも俺がメガシンカを使えなくなることが気になるってんなら、旅の中で新しいキーストーンを見つけてこいよ」
冗談めかしくメイゲツは笑うと、
「俺の記憶が正しけりゃ、リザードンはメガシンカすることができるポケモンだ。そのキーストーンを持って、サオヒメシティのエボルヴタワーってとこを訪ねな。あそこの爺さんはメガシンカを研究してる。ついでに俺の名前を出せば、トレーナーカード、バッジケースも貰えるはずだ。メガストーンはただでは貰えないだろうがな」
メイゲツが言う爺さんとは、恐らくアリスの父親、リデルのことだろう。
「ポケモン図鑑は確か余り物があったから、後でそれも渡そう。そんじゃ、ジゼの旅立ちを記念して、今日は盛大に祝ってやんねえとな。送別会ってやつだ!」
メイゲツが叫ぶと、ノワキタウンの住人たちも歓声をあげる。
「おい、ハル」
「え? あ、はい」
急に話を振られたハルは慌てて返事を返す。
「ジゼはお前に憧れて旅に出たいって言ってるんだ。当然、お前も参加するよなぁ?」
「ぼ、僕なんかでよければ、是非……」
「何を縮こまってんだ。お前はこの町のために共闘してくれた俺たちの仲間だ。他所の人間は基本信頼しねえが、お前なら話は別だぜ」
そんなこんなで。
ノワキタウンの少年、ジゼが旅立つことになり、その日の夜はノワキタウンの住人全員で派手にパーティーが行われた。
そして次の日の朝。
「いよいよだな、ジゼ」
「はい、メイゲツさん」
町の出入り口となるトンネルの前にハルとジゼが立ち、メイゲツを中心とした町の住人が大勢で見送りに来た。
「ま、派手に送別会をやったとはいえ、ここはいつでもお前のホームだ。辛いことや困ったことがあったら、いつでも帰って来な」
「そうだ。離れていても、私たちの仲間ということは変わらない」
「大変なことも多いと思うけど、頑張ってね、ジゼ君」
メイゲツに続いてヴァレンやネルも激励し、他の町の者たちも、頑張れよ、などと言葉を掛ける。
「そんで、ハル。お前には色々と迷惑かけたな。済まなかった」
次にメイゲツはハルの方を向き、素直に頭を下げた。
「いいえ。そのお陰で、皆さんと仲良くなれましたし」
「そう言ってくれると、助かるぜ。お前も何か困ったことがあったら俺たちを頼ってくれてもいいんだぜ。お前ならいつでも大歓迎だ」
「はい! メイゲツさんも、ジム戦ありがとうございました!」
ハルの言葉を聞いてメイゲツはフッと笑うと、
「ジゼ、とりあえずまずはハルと一緒にイザヨイシティに行きな。あそこはマデル地方の最先端を行く街だ。そこで情報を色々得て、そこからは自分の行きたい街に行くといい」
そこでメイゲツは一拍起き、
「それじゃ、暫くさよならだ。行ってきな」
「はい! 皆さんも、お元気で!」
メイゲツたちに見送られ、ハルとジゼは次なる街、イザヨイシティを目指す。
……だが。
「メイゲツさん! ちょっと待ってください!」
ふと後ろの方から、そんな声が聞こえた。住人の中の誰かだろう。
「あぁん? どうしたんだよ、このいい時によ」
そう言いながらメイゲツは後ろを振り向く。人混みを掻き分け、背の高い男が走って来た。
「た、たった今、ニュースを確認したんですが……これを、見てください」
そう言いながら、その男は携帯の画面をメイゲツへと見せる。
そして、こう言った。
「イザヨイシティが、ゴエティアを名乗る組織に乗っ取られたそうです……!」
- 第103話 占領 ( No.178 )
- 日時: 2017/05/28 22:37
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: VYLquixn)
「なに……?」
驚きを隠せない様子のメイゲツ。
当然、その言葉はハルとジゼの耳にも入って来た。
「えっ……嘘でしょ……?」
「イザヨイシティが、乗っ取られた……!?」
慌ててジゼがメイゲツの近くに駆け寄り、携帯の画面を覗き込む。
ハルはアルス・ターミナルを起動させ、テレビニュースに接続する。
『臨時ニュースをお伝えします。つい先ほど、ゴエティアと名乗る組織に、イザヨイシティが占領されました。現在、イザヨイシティの管理システムは全て制圧され、連絡が取れない状態となっており——』
どうやらガセネタではないようだ。テレビニュースにまでなっているところを見ると、ゴエティアは本当にイザヨイシティを乗っ取ってしまったらしい。
「っ……マジかよ。まさかのこのタイミングでか……ハル、ジゼ。出発は遅らせな。とりあえず暫くこの町で様子を——」
流石のメイゲツも慌てた様子で、二人を止めようとする。
しかし。
「メイゲツさん。力を貸してくれませんか」
ハルの様子が、いつもと違う。
「は……?」
思わず、メイゲツは聞き返す。
対して。
「力を貸してください。さすがにゴエティアにやられたい放題で頭に来ました。僕は今からイザヨイシティに行きます。街の解放を、手伝ってください」
明確な怒りを込めた口調で、ハルはそう言った。
メイゲツはしばし呆然としていたが、
「……ハッ」
やがて、小さく笑う。
「困ったことがあったら何でも頼れ。俺もさっき、そう言ったばっかりだったな」
ハルの方に向き直り、そう言った。、
「俺たちも奴らにやられっぱなしってのは性に合わねえ。分かった、完璧に解放されられるかどうかは分からねえが、やれるだけのことはやろう」
「はい、ありがとうございます」
「ただ」
さらにメイゲツは言葉を続け、
「勇気と無謀は違うってことだけは忘れるな。相手の戦力が桁違いに高けりゃ、さすがに無理だ。もしそんな状況だったら、その時は諦めて解放されるのを待て。それだけは約束しろ」
「……分かりました」
ハルの返事を聞き、メイゲツは頷くと、
「よし。それじゃ、少し待ってろ。俺に考えがある。ヴァレン、腕の立つ人間を何人か集めろ」
「うむ、分かった」
ヴァレンに指示を出すと、メイゲツは再びハルの方を向き、
「まずは情報収集だ。さっきも言ったが、相手の戦力がどんなものか調べておく必要がある」
「調べられるんですか?」
どうやって調べるのか、ハルには分からなかったが、
「この町には、イザヨイシティに繋がる裏道がいくつかあるんだ」
ハルの疑問にジゼが口を挟む。
「そそ。ほとんど向こうの住人にバレて潰されちまってるが、まだ生きてる通路が二つある。そこから少人数で忍び込み、ゴエティアの下っ端を攫い、情報を吐かせる。それまでお前たちはここで待機だ。情報を聞き出し次第、次の動きを考える」
ここまでメイゲツが説明したところで、
「メイゲツ。このくらいでいいか」
ヴァレンが三人の男を連れてきた。
「そうだな。俺たち含めて五人いれば充分か。よし、それじゃ行ってくるぜ。それまでこの町で待機だ。いいな」
「分かりました。お気をつけて」
メイゲツ率いる五人が、行動を開始する。
「いやー、すっげえもんだな」
しばらくして、メイゲツたち五人が戻って来た。
「セキュリティも起動してねえし電光掲示板も移動床も機能停止だ。街全体が完全にやられてるぜ」
その後ろには、縄で拘束された三人の黒装束が引きずられていた。
どうやら、最初の作戦は上手く行ったらしい。
「さあ、情報を聞かせてもらうか」
ゴエティアの下っ端たちは縛られたままノワキタウンの群衆の真ん中に放り投げられ、メイゲツとヴァレンが三人に詰め寄る。
「お、俺たちに、何の用だ……!」
下っ端の一人が、怯えた様子で口を開く。
メイゲツは屈み込み、下っ端を睨むと、
「今から俺たちの質問に答えてもらう。嘘偽りなく答えろ。もし嘘を吐いたと分かれば……分かってるな? 何のために三人も連れて来たのか。二人までは喋れなくしちまっても平気ってことだ。俺たちに手を汚させるなよ」
その光景を見ているハルも少しだけ背筋が凍る。メイゲツが無法者と恐れられる所以が、ハルには分かった気がした。
「それじゃ、まず一つ目。なぜイザヨイシティを占領した」
「う、上からの命令だよ。目的は聞かされてない……アスタロト様にイザヨイシティを制圧しろと命令を受けて、そ、それに従っただけだ」
「アスタロト? 誰だそれは」
「ご、ゴエティアの幹部だよ。魔神卿って言われてる……」
まず一人目の魔神卿の存在が分かった。
交戦こそしていないが、ハルはその存在を知っている。
「なるほど。では二つ目の質問。イザヨイシティに魔神卿は何人いる」
「え、えっと……確か、今回動員されていたのは三人のはずだ」
「名前は」
「あ、アスタロト様と、パイモン様。あとは、えっと……そうだ、ロノウェ様。ロノウェ様が街中の見張りで、アスタロト様とパイモン様は、し、白い大きな建物に、入って行ったのを見た」
「白い大きな建物……アルスエンタープライズか」
メイゲツの隣に立つヴァレンが口を開く。
アルスエンタープライズ。カントーのシルフやホウエンのデボンと並ぶ規模を持つ、マデル地方のトップ企業だ。日用品や各種モンスターボール、ハルが持っているアルス・ターミナルなど、様々な商品を開発している。
「となると、奴らの目的はアルスの技術だな……とりあえず、敵の戦力と本拠地は把握した。ハル」
メイゲツは立ち上がり、ハルを呼ぶ。
「お前、今名前の上がった三人のことは分かるか」
「あ、はい。三人とも見たことはあります。アスタロトは姿を見たことがあるだけですけど、パイモンとロノウェはかなりの強敵です。ただ」
「ただ?」
「理由は分からないんですけど、パイモンは僕に対しては積極的に攻撃をしてきません。お気に入りとか何とか言って。だから、アルスエンタープライズの建物には僕が行きますよ」
パイモンが相手なら都合がいい。
気に入られているのならそれを逆手に取って、ハルが出向く。
「ハル、俺も行くよ」
そこで、ハルの後ろにいたジゼも進み出る。
「そのパイモンってやつはいいとして、建物内にはもう一人いるんだろ。俺とリザードンで、ハルをサポートする。メイゲツさん、ここは俺にも行かせてください」
「……しゃあねえ。だが無理だと思ったらすぐに戻れ。それは約束だ」
「了解です」
真剣な眼差しで、ジゼは頷く。
「ヴァレン。お前はハルとジゼより先に建物に入って暴れろ。下っ端構成員を出来るだけハルとジゼから遠ざけるんだ。ヤバくなったら逃げろ。残ったメンバーは俺と一緒に、街中を荒らし、街中の下っ端やもう一人の魔神卿、ロノウェとやらを引きつける」
作戦は決まった。
その後、メイゲツはイザヨイシティに出撃するメンバーと、万が一に備えてノワキタウンで待機するメンバーを分ける。
「たまには慈善活動も悪くねえな。それじゃあ、行くぜ。クソ共の手から、イザヨイシティを奪還してやろう」
メイゲツを先頭にして、ハルたちは隠し通路を通り、イザヨイシティへと向かう。
通路の先は、イザヨイシティの外れ、使われていない倉庫のような建物の中だった。
壊れたドアから顔を出し、外の様子を伺う。近未来的な建物がいくつも並んでいるが、噂に聞いていた移動床などのシステムは全て停止しており、代わりに街中を黒装束の人間たちがが闊歩している。
「よし。俺たちが先に出て囮となり、奴らを引きつける。その隙に、お前たちはアルスエンタープライズに忍び込め」
「分かりました」
「それじゃ、作戦開始だ」
ハルとジゼを倉庫内に残し、メイゲツたちノワキタウンの者たちがひっそりとイザヨイシティ内に侵入を開始する。
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