二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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ポケットモンスター 魔王と救世の絆
日時: 2018/04/30 21:14
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: OiWubliv)

こんにちはこんばんはおはようございます。パーセンターです。
今回は紙ほか板から映像板に進出して、また懲りずにポケモンの二次小説を執筆したいと思っております。
今回は前作との繋がりはほぼ断ち切った完全新作です。
カウントすれば5作目になりますね。まだ向こうの「星と旋風の使徒」は完結しておりませんので、同時進行となります。

※注意事項(?)
・いつものことですがノープランです。更新のペースも早かったり遅かったりします。
・上でも述べていますが、前作までとの繋がりはほぼありません。まだ「星と〜」が完結していませんしね。
・登場するポケモンは第七世代までです。執筆中に第八世代が出てきたらまたその時に考えます
・上に関連して、パーセンターがよく使っているベガポケモンですが、今作では『出ません』。設定上は存在している設定ですが今作には出ません。
・ベガの技は普通に出ます。ついでにオリジナル技も結構たくさん出ます。オリ技の説明は随時公開するのでご安心ください。
・オリキャラとかオリ技の募集も近いうちにすると思います。皆さん協力お願いします。

それでは、新しい主人公の新しい物語が始まります。よろしくお願いします。

登場人物紹介
>>34
オリ技紹介
>>45

プロローグ
>>1
ハツヒタウン編——旅立ち
>>6 >>7 >>8
シュンインシティ編——経験
>>15 >>20 >>28 >>32 >>35 >>36 >>37
カザハナシティ編——ライバル
>>38 >>40 >>43 >>44 >>46
ヒザカリタウン編——出会
>>55 >>56 >>57 >>58 >>59 >>60 >>61 >>62 >>65
サオヒメシティ編——Evolution
>>66 >>70 >>71 >>72 >>73 >>74 >>76 >>77 >>78 >>79 >>80 >>81 >>82 >>83 >>84 >>85 >>86 >>91
ハダレタウン編——大会
>>92 >>94 >>97 >>98 >>99 >>102 >>103 >>104 >>106 >>108 >>109 >>110 >>111 >>112 >>113 >>114 >>117 >>118 >>119 >>120 >>121
カタカゲシティ編——試練
>>122 >>123 >>124 >>127 >>128 >>129 >>130 >>133 >>134 >>135 >>136 >>138 >>139 >>140 >>141 >>142 >>143 >>144 >>145 >>146 >>147 >>148 >>151
ノワキタウン編——友情
>>152 >>153 >>156 >>159 >>160 >>162 >>164 >>165 >>166 >>167 >>168 >>169 >>170 >>175 >>176 >>177
イザヨイシティ編——実力
>>178 >>180 >>181 >>182 >>183 >>184 >>185 >>186 >>187 >>188 >>189 >>190 >>191 >>192 >>195 >>196 >>197 >>198 >>199 >>200 >>202 >>203 >>204

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第135話 猛火 ( No.214 )
日時: 2017/09/04 22:55
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: taU2X.e0)

水を纏ったブロスターが、ジェット噴射で黒い煙の中へ飛び込んだ。
「メガヤンマ、迎撃しろ。サイコキネシス!」
対するメガヤンマは動かなかった。その場でギチギチと軋むような音を立てて歯軋りを始め、念力を発生させる。
ブロスターが爆煙の中から飛び出してきた瞬間、メガヤンマが一点に集めた念力を操作し、ブロスターへと叩きつけた。
「えっ、そんなっ!? ブロスター!?」
念力の塊を叩きつけられ、ブロスターが床へと撃墜される。
驚くサヤナを見て、ジゼは得意げに笑う。
「虫タイプのメガヤンマは複眼の性質を持ってる。特性の方じゃなく体のつくりとしての複眼、つまり無数の細かい眼の集合体だ。無数の眼を持つメガヤンマなら、僅かな煙の動きを見れば、どこから攻めてくるか見極められるんだ」
さて、とジゼは続けると、
「一気に決めるぞ。メガヤンマ、ギガドレイン!」
メガヤンマの口元から、緑色の触手のような光線が飛び出す。
「っ、まだだよ! ブロスター、床へ水の波動!」
ブロスターは力を振り絞り、開いた右の大鋏を地面に突き当て、水弾を発射する。
水の弾が炸裂した衝撃でブロスターは飛び上がり、間一髪でギガドレインを躱すと、
「アクアジェット!」
体に水を纏い、遥か上空まですっ飛んでいく。
「今だよブロスター! 龍の波動!」
「上からか! メガヤンマ、虫のさざめきだ!」
上空で砲口の如き鋏を開いたブロスターを見て、メガヤンマは翅を振動させ始める。
しかし、
「いただきっ! ブロスター、突っ込めー!」
青色に輝く波動が放出されたのは、ブロスターの鋏のノズルだった。
「なにっ……!?」
鋏の後ろから波動を噴き出したブロスターは爆発的な速度で一気に急降下、そのまま大きな鋏で標的を捕らえて地面に激突、メガヤンマを地面へと縫い止めてしまう。
「水の波動!」
完全に動きを封じられたメガヤンマへ、ブロスターは容赦なく水の弾を発射する。
不可避の水弾がメガヤンマを捉えて炸裂し、メガヤンマは大きく吹き飛ばされる。
「メガヤンマ……!」
メガヤンマは地に落ち、床を数度転がり、そのまま戦闘不能となった。
『メガヤンマ戦闘不能! サヤナ選手、まずはブロスターで先手を取りました!』
『うんうん、見事な戦法だ。鋏のノズルから水を噴射して泳ぎ回るブロスターの特徴を上手く生かせていたね』
自身が専門とする水タイプのポケモンが活躍していたこともあってか、解説席のカイリも感心した様子で頷く。
「ちっ……メガヤンマ、よく頑張った。休んでな」
ジゼはメガヤンマを戻すと、迷いなく次のボールを手に取る。
「なかなかやるな。あんたほどの使い手なら、こいつを使うしかねえな」
サヤナとブロスターを見据え、ジゼは二番手の入ったボールを力強く突き出す。
「出て来い、リザードン!」
開いたボールから炎が噴き出し、炎の龍が姿を現わす。ジゼのエース、リザードンだ。
「やっぱりリザードンで来たね。だけど一回戦での活躍をよく見てたから、対策はちゃんと考えてきたよ」
「上等だぜ。その対策全て、こいつの炎で焼き払う! それじゃ始めるぞ!」
ジゼの言葉に呼応し、リザードンが咆哮する。
「リザードン、火炎放射!」
挨拶代わりと言わんばかりに、リザードンがいきなり灼熱の炎を噴き出す。
「ブロスター、躱してアクアジェット!」
対するブロスターは身軽に跳躍して炎を躱すと、その場で水を纏い、ミサイルのように突撃していく。
しかし、
「捕まえろ。リザードン、雷パンチ!」
リザードンの両手が、激しい電気を纏う。
猛スピードで突っ込んでくるブロスターを見据え、リザードンはその場から動かず、電撃を纏った両腕でブロスターを受け止めた。
「えっ……!?」
「そのまま叩きつけろ!」
電気を帯びたままの右手でブロスターを掴むと、リザードンは右手を思い切り振り下ろす。
火花とともにブロスターは大地へ叩きつけられ、床にめり込んで目を回し、戦闘不能となった。
『雷パンチが炸裂ぅ! ジゼ選手、リザードンの圧倒的なパワーで、あっという間に取り返した!』
ノーダメージでブロスターを撃破したことにより、これで戦局は再び五分五分。
「ブロスター、よく頑張ったね。ゆっくり休んでて」
屈んでブロスターを撫で、ボールに戻すと、サヤナは再び立ち上がってボールを手に取る。
「その強さから考えると、リザードン、ジゼ君の切り札だよね。それなら、こっちもエースポケモンで勝負だよ」
サヤナが手にしたボールから、次なるポケモンが出現する。

「お願い、バシャーモ!」

ボールが開くと同時、先ほどジゼがリザードンを繰り出した時と同じように、再び炎が飛び出す。
そしてその炎の中から、サヤナのエースが姿を現わす。
人型ではあるが嘴や鋭い爪、赤い体を覆う羽根など鳥の特徴を持ち、その姿はさながら鳥人のよう。細身ではあるが、かなり筋肉質な体つきだ。

『information
 バシャーモ 猛火ポケモン
 戦闘の際には手首から炎を吹き
 出して勇敢に挑み掛かる。相手が
 格上でも決して臆することはない。』

アチャモの最終進化系、炎と格闘タイプを持つポケモンだ。
リザードンを見据えるや否や、図鑑の説明通り、バシャーモの手首から紅蓮の炎が噴き出す。
甲高い声で、しかしリザードンにも劣らぬ程に勇ましく、バシャーモが咆哮する。
「なるほど、同じ炎タイプのバシャーモか……こいつぁなおさら負けられねえぜ、リザードン」
タイプ相性を見れば、飛行タイプを持つリザードンが有利に見える。
しかし、
「一回戦、ちゃんと見てたよ。そのリザードン、飛行タイプの技持ってないよね」
「……あぁ。つまり、条件はほぼ互角ってことだ」
強力な炎ポケモン同士の勝負に、観客も湧き上がる。
「それじゃ、行くよ! バシャーモ、炎のパンチ!」
手首から噴き出した炎で拳を纏わせ、バシャーモが地を蹴って飛び出す。
「リザードン、火炎放射!」
対するリザードンはその場から動かず、口を開いて灼熱の炎を発射する。
双方の得意とする炎技が激突、際限無く炎を吐き続けるリザードンに対し、拳を構えたバシャーモも一歩も引かない。
「互角か……リザードン、飛べ! ドラゴンクロー!」
炎を吐くのをやめ、翼を広げてリザードンは飛翔する。
バシャーモの炎の拳は空を切り、直後、蒼い龍の力を腕に纏わせたリザードンが上空から襲い掛かる。
「バシャーモ、上から来るよ! ブレイブバード!」
上空を見上げたバシャーモの羽毛が、翼のように展開される。
燃える炎のようなオーラをその身に纏い、強靭な脚力を生かし、ジェット機のように飛び出す。
ドラゴンクローとブレイブバードが激突、だが今回はバシャーモの方が技の威力が高い。
競り合った末に、オーラを纏ったバシャーモの一撃がリザードンの龍爪を突き破った。
「飛び膝蹴りだよ!」
さらにバシャーモは空中で回転し、リザードンの腹部に膝蹴りを叩き込み、リザードンを床へと叩き落とした。
「やってくれる……ッ! リザードン、気合玉!」
唸り声を上げてリザードンが起き上がり、両手を構える。
全身の気を集めた気合いの念弾を作り上げ、バシャーモへと放つ。
「バシャーモ、躱して! マグナムパンチ!」
素早く気合玉を躱し、バシャーモが突撃する。
握り締めた拳をミサイルの如く突き出し、リザードンを狙う。
「リザードン、力じゃ負けてねえところを見せてやれ! 雷パンチ!」
リザードンが両手に電撃を纏わせ、どっしりと構えてバシャーモを迎え撃つ。
電気を帯びた両手でバシャーモの拳を正面から受け止め、
「投げ飛ばせ!」
そのまま腕を振るい、バシャーモを逆に投げ飛ばして地面に叩きつける。
「今だぜ、火炎放射!」
体勢を大きく崩したバシャーモへ、すかさずリザードンが灼熱の炎を放つ。
燃え盛る紅蓮の業火が、バシャーモへと襲い掛かる。

Re: ポケットモンスター 魔王と救世の絆 ( No.215 )
日時: 2018/02/13 12:22
名前: D8車 (ID: KzKevu2R)

初めまして。D8車です。

ポケモンの小説で検索したら、パーセンターさんの小説を見かけました。

お忙しいでしょうが、これからも執筆を頑張ってください。

Re: ポケットモンスター 魔王と救世の絆 ( No.216 )
日時: 2018/04/22 19:32
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: OiWubliv)

【お知らせ】

どうも、お久しぶりofお久しぶりです。『ポケットモンスター 魔王と救世の絆』作者、パーセンターです。
この度、ずっと放置することになってしまっていたこの小説の更新を、少しずつではありますが再開していきたいと思います。
それに伴い、この作品は近々総合・ルビ板へ移動させることにいたします。
読者の方がどのくらいいらっしゃるか私には分かりませんが、沢山のコメントいただけるとパーセンターはとても嬉しいです。とてもやる気が出ます。
(逆にコメントが全くないとモチベーションが続かなくてまた更新が止まるかもしれないです)

それでは、今後とも『ポケットモンスター 魔王と救世の絆』をよろしくお願いします。

Re: ポケットモンスター 魔王と救世の絆 ( No.217 )
日時: 2018/04/22 19:34
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: OiWubliv)

>>D8車さん
二ヶ月も前にコメントをいただいていたのに返信が遅くなってしまって申し訳ありません。
リアルの事情もありますので高頻度の更新というわけにはいかないかもしれませんが、また頑張りたいと思います。

第136話 烈火 ( No.218 )
日時: 2018/04/24 12:45
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: k67I83SS)

地面に投げ飛ばされたバシャーモへ、さらに灼熱の業火が迫る。
「そうはいかないよ! バシャーモ、地面に炎のパンチ!」
不完全な体勢を取りながらも、手首から噴き出した炎で拳を覆い、バシャーモは床を殴りつける。
直後、炎の拳の衝撃を受けた床が爆発。バシャーモとリザードンの炎を遮る形で、爆炎の壁が出現した。
爆炎の壁はリザードンの火炎放射を遮り、灼熱の業火はバシャーモには届かない。
「やるじゃねえの……っ! リザードン、気合玉だ!」
渾身の炎が防がれたと見るや、リザードンはすぐさま追撃に出る。
両手を突き合わせて光の迸る気合の念弾を作り上げ、立ち上がったバシャーモに向かって放出する。
「バシャーモ! ブレイブバード!」
自身を鼓舞するが如く咆哮するバシャーモの羽毛が青いオーラを纏い、翼のように展開される。
初速からトップスピードを叩き出し、バシャーモが気合玉と激突、それを打ち破りさらにリザードンへと一気に迫る。
だが、
「今だぜ! 火炎放射!」
対するリザードンも全く臆さず、バシャーモを瞳に捉えて灼熱の業火を放射する。
一歩も引かずに激突する両者だが、
「……っしゃ! 押し戻せ!」
徐々に均衡が崩れていく。まるで底無しかのように全く威力を落とすことなく放たれ続ける紅蓮の炎が、遂にバシャーモの力を上回り、オーラを纏ったバシャーモを少しずつ押し戻す。
「畳み掛けろ! 雷パンチだ!」
翼を大きく広げ、リザードンが飛翔する。
握り締めた両拳に火花散る電撃を纏い、バシャーモへ急接近し殴りかかる。
「さっきは力負けしたけど……もう一度! バシャーモ、受け止めて! 炎のパンチ!」
サヤナの指示を聞き、任せろと言わんばかりに小さく笑うと、バシャーモはその手首から吹き出す灼熱の炎をさらに強化させる。
正面切って飛来する雷の力を携えたリザードンと真正面から激突し、再び一歩も譲らない攻防となる。
「リザードン、さっきと同じだ! 投げ飛ばして叩き伏せろ!」
ジゼの指示に呼応してリザードンが吼え、バシャーモを投げ飛ばさんと腕を振るう。
しかし、
「同じ手は、効かないよ! バシャーモ、飛び膝蹴り!」
今度はバシャーモの方が動きが早かった。
リザードンにぶん投げられるよりも速く、バシャーモの飛び膝蹴りがリザードンの下顎を捉えた。
顎に強い衝撃を受け、リザードンが一時的に目を回してふらつく。
「ここだよバシャーモ! 炎のパンチ!」
バシャーモの両手を覆う業火が、さらに勢いを増す。
その腕を振るい、バシャーモはリザードンへと渾身の力で拳を叩きつけ、その巨体を殴り飛ばした。
「くっ、リザードン……! まだ終わらねえぞッ!」
立て続けに打撃を叩き込まれ、それでもまだリザードンは倒れない。
「火炎放射だ!」
カッと目を見開き、リザードンが激しい灼熱の業火を放つ。
「これで……決まって! バシャーモ、ブレイブバード!」
身体に纏わせた青い炎の如きオーラを翼のように展開させ、バシャーモがジェット機のごとく飛び立つ。
何度も何度も正確に狙いを定めて放たれる業火を掻い潜り、バシャーモの全力の突撃が遂にリザードンを捉えた。
「リザードン……ッ!」
ブレイブバードの直撃を受け、リザードンが吹き飛ばされる。
勢いよく壁まで叩きつけられ、そのまま床に崩れ落ち、目を回して戦闘不能となった。
『決着が着いたぁ! 炎タイプ同士の熱い熱い激戦を制したのは、サヤナ選手とバシャーモ! サヤナ選手、三回戦進出です!』
実況の声を受け、会場からは炎の熱気にも負けないような歓声が上がる。
『いやぁ、いいバトルだったね。二匹とも攻撃力が高いせいで試合時間が短かったのがとても残念に思えるくらいさ』
カイリも拍手し、二人のバトルを高く評価する。
リザードンを倒したバシャーモも、勝敗が決まった直後、膝をついてしまう。リザードンを破ったとはいえ、受けたダメージは大きかったのだろう。
「やったー! バシャーモ、ありがとう! お疲れ様だよ!」
それでも、笑顔で駆け寄ってくるサヤナに対し、得意げな笑みを浮かべて応える。
「負けたか……リザードン、よくやったぜ」
一方、ジゼは悔しそうに唸るリザードンをなだめる。
「俺だって悔しいさ。お前の力をもっと引き出せるようにならなくちゃな。鍛えて出直そう、相棒」
リザードンの頭を撫で、ボールへ戻すと、ジゼはサヤナの元へ歩み寄る。
「俺たちはここまでだった。だけどお前とバシャーモの炎の力、この目にしっかりと焼き付けた。いずれまた戦おうぜ、次にやる時には俺もリザードンたちも今日の5倍は強くなってるからな」
「もちろん! だったら私とバシャーモたちは今日の10倍強くなって、待ってるからね!」
サヤナの言葉を聞いてジゼはニヤリと笑い、そのまま小さく右手を上げると、バトルフィールドを去って行った。



「ハッサム! メタルブラスト!」
真紅の虫ポケモン、ハッサムが、両手の鋏から鋼エネルギーの砲撃を放ち、対戦相手のポケモンを派手に吹き飛ばす。
『決着ぅ! エストレ選手、二回戦をハッサムの一体で難なく突破! エストレ選手が三回戦に進出したことにより、ベスト8が出揃いました!』
二回戦最後の試合。
エストレのハッサムが二体抜きを決め、三回戦への最後の切符を手に入れた。
『さて、これで三回戦進出者が出揃ったね。全員とも見事な試合を見せてくれたツワモノだけど、誰が勝ち進んでいくのかな。楽しみだ』
『さあ、明日からは三回戦が行われます! その対戦カードは……こちらですっ!』
女性アナウンサー、アマネの声に合わせて、会場の電光板に対戦カードが映し出される。
同時に、選手のターミナルにも対戦相手の情報が送られる。
ハルの次の相手は、
「……!」
アサツキだ。
アリスの友人。ウチセト地方でジムリーダーを務めている、折り紙つきの実力者。
「げっ……」
隣のサヤナもなんだか苦い顔をしている。
「サヤナ、対戦相手は?」
「うーん……ここで当たるとは……」
苦い顔のままターミナルを差し出すサヤナ。そこに映る写真は、同じくジムリーダーを務める女性、アリスだ。
「僕の相手もアサツキさんだよ……でも、どうせ遅かれ早かれ当たることにはなってるんだ。僕たちだって強くなってる。やってやろうよ」
そう。優勝を目指すなら、必ずどこかで戦わなければいけない相手。
確かに格上の相手ではあるが、ここまで進んできたという条件は同じ。怖気付いても何も変わらない。
「……そうだね。ここでネガティブになっても仕方がない。がんばろ!」
サヤナも、いつもの調子を取り戻す。
明日はいよいよ三回戦。
ポケモンバトル大会イザヨイリーグは、まだまだ続く。


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