二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- ポケットモンスター 魔王と救世の絆
- 日時: 2018/04/30 21:14
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: OiWubliv)
こんにちはこんばんはおはようございます。パーセンターです。
今回は紙ほか板から映像板に進出して、また懲りずにポケモンの二次小説を執筆したいと思っております。
今回は前作との繋がりはほぼ断ち切った完全新作です。
カウントすれば5作目になりますね。まだ向こうの「星と旋風の使徒」は完結しておりませんので、同時進行となります。
※注意事項(?)
・いつものことですがノープランです。更新のペースも早かったり遅かったりします。
・上でも述べていますが、前作までとの繋がりはほぼありません。まだ「星と〜」が完結していませんしね。
・登場するポケモンは第七世代までです。執筆中に第八世代が出てきたらまたその時に考えます
・上に関連して、パーセンターがよく使っているベガポケモンですが、今作では『出ません』。設定上は存在している設定ですが今作には出ません。
・ベガの技は普通に出ます。ついでにオリジナル技も結構たくさん出ます。オリ技の説明は随時公開するのでご安心ください。
・オリキャラとかオリ技の募集も近いうちにすると思います。皆さん協力お願いします。
それでは、新しい主人公の新しい物語が始まります。よろしくお願いします。
登場人物紹介
>>34
オリ技紹介
>>45
プロローグ
>>1
ハツヒタウン編——旅立ち
>>6 >>7 >>8
シュンインシティ編——経験
>>15 >>20 >>28 >>32 >>35 >>36 >>37
カザハナシティ編——ライバル
>>38 >>40 >>43 >>44 >>46
ヒザカリタウン編——出会
>>55 >>56 >>57 >>58 >>59 >>60 >>61 >>62 >>65
サオヒメシティ編——Evolution
>>66 >>70 >>71 >>72 >>73 >>74 >>76 >>77 >>78 >>79 >>80 >>81 >>82 >>83 >>84 >>85 >>86 >>91
ハダレタウン編——大会
>>92 >>94 >>97 >>98 >>99 >>102 >>103 >>104 >>106 >>108 >>109 >>110 >>111 >>112 >>113 >>114 >>117 >>118 >>119 >>120 >>121
カタカゲシティ編——試練
>>122 >>123 >>124 >>127 >>128 >>129 >>130 >>133 >>134 >>135 >>136 >>138 >>139 >>140 >>141 >>142 >>143 >>144 >>145 >>146 >>147 >>148 >>151
ノワキタウン編——友情
>>152 >>153 >>156 >>159 >>160 >>162 >>164 >>165 >>166 >>167 >>168 >>169 >>170 >>175 >>176 >>177
イザヨイシティ編——実力
>>178 >>180 >>181 >>182 >>183 >>184 >>185 >>186 >>187 >>188 >>189 >>190 >>191 >>192 >>195 >>196 >>197 >>198 >>199 >>200 >>202 >>203 >>204
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- 第50話 バトン ( No.104 )
- 日時: 2016/12/28 19:31
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: J/brDdUE)
- 参照: 多彩に織り交ぜたミオの戦術が、ハルを翻弄する!
「それじゃあ続けるよぅ。トゲチック、マジカルリーフ」
トゲチックが周囲に妖しい光を放つ葉を浮かべ、それをワルビルへと放つ。
「確か必中技だよね……ワルビル、シャドークローで防いで!」
飛来する葉を、ワルビルは影の爪を振り抜いて薙ぎ払う。
(トゲチックの上昇してる能力は素早さだけ。さっきのエアスラッシュを見るに、攻撃力はそんなに高くない。ワルビルの力で押し切る!)
「ワルビル、燕返し!」
両腕を刀身のように白く輝かせ、ワルビルは地を蹴って大きく飛び出す。
一気にトゲチックとの距離を詰め、刀を振るうように腕を振り下ろし、トゲチックを叩き落とす。
「噛み砕く!」
撃墜されたトゲチックを狙い、ワルビルは大顎を開いて急降下する。
頑丈な牙を剥いてトゲチックへと襲い掛かるが、
「トゲチック、マジカルシャイン」
地面に落ちたトゲチックの体が白く輝き出し、眩い光が放出される。
突っ込んできたワルビルを光が飲み込み、逆に後方へと吹き飛ばした。
「続けてエアスラッシュ」
「っ、もう一度噛み砕く!」
トゲチックは再び浮上し、羽を羽ばたかせて空気の刃を飛ばす。
対して起き上がったワルビルは再び大顎を開き、飛来する空気の刃を噛み砕いた。
「ワルビル、シャドークロー!」
刃を砕くと、ワルビルは両手に影の爪を纏わせ、大きく飛び出す。
「トゲチック、躱してマジカルリーフ」
影の爪を振るうワルビルだが、素早さの上がっているトゲチックには躱されてしまう。
さらにトゲチックは光を放つ葉を放ち、無数の葉はワルビルを追尾して襲い掛かる。
「だったら、穴を掘る!」
トゲチックは飛行タイプだが、それを分かった上でハルは指示を出し、ワルビルは素早く地面に潜る。標的を見失ったマジカルリーフは、明後日の方向へと飛んでいった。
「トゲチック、気をつけて。何か仕掛けてくるよぅ」
トゲチックに穴を掘るが効かないのは分かりきったこと。ハルが何か狙っていることは、ミオにも分かる。
フィールドを見回すトゲチック。それに対し、ハルが動く。
「ワルビル、噛み砕く!」
ワルビルはトゲチックの真下から勢いよく跳躍し、そのまま大顎を開き、トゲチックへと牙を食い込ませた。
「地面に投げつけて、シャドークロー!」
ワルビルが大きく首を振り、トゲチックを床へ叩き落とそうとする。
しかし。
「トゲチック、マジカルシャイン」
ワルビルに噛み付かれたまま、トゲチックは体から眩い純白の光を放つ。
食らいついたままのワルビルを容易く光で覆い尽くし、ワルビルを床へと叩きつけた。
「っ、ワルビル!」
フェアリー技は、悪タイプのワルビルには効果抜群。
地面に落とされたワルビルは、戦闘不能となって倒れてしまう。
『おおっと! ミオ選手、スピードの上がったトゲチックを使って、タイプ相性で有利なワルビルを撃破! まずはミオ選手が先手を取りました!』
「ワルビル、お疲れ様。ゆっくり休んでて」
アナウンサーの声は気にせず、ハルはワルビルを労い、ボールに戻す。
「ミオ、さすがだね。今のところ、僕は君の戦術に押されっぱなしだよ」
「それはよかったよぅ。さぁハル君、ここからが勝負、だよねぇ? 僕の戦術、破って見せてよぅ」
「勿論さ。まだ、策はいくらでもあるよ」
ハルはそう返し、二番目のボールを取り出す。
「出てきて、ヒノヤコマ!」
ハルの二番手はヒノヤコマ。毒菱を警戒しただけではない。
「ヒノヤコマ、君のスピードなら、あのトゲチックとも互角以上に戦えるはずだ。頼んだよ」
「なるほど、空中戦だねぇ。でもそう簡単には倒されないよぅ」
「そうでなくっちゃ。それじゃあヒノヤコマ、行くよ! まずは疾風突き!」
嘴を伸ばし、目にも留まらぬスピードでヒノヤコマは動き出す。
一気にトゲチックとの距離を詰め、嘴で突き飛ばす。
「さすがに先制技は速いねぇ。トゲチック、エアスラッシュ」
トゲチックは素早く体勢を立て直し、羽を羽ばたかせて空気の刃を飛ばす。
「ヒノヤコマ、躱して火炎弾!」
ヒノヤコマは旋回し、空気の刃を躱しながら、無数の火の弾を吹き出す。
「トゲチック、神通力」
対してトゲチックは光り輝く念力を発し、全ての炎の弾を防ぐ。
「今だヒノヤコマ! ニトロチャージ!」
ヒノヤコマが力強く鳴き、体に炎を纏い、一直線に突っ込んでいく。
「っ、トゲチック、躱して」
咄嗟に躱そうとするトゲチックだが完全に躱し切ることはできず、ヒノヤコマの纏う炎が足を掠める。
「アクロバット!」
旋回し、立て続けにヒノヤコマは軽快な動きで一気にトゲチックとの距離を詰める。
「トゲチック、マジカルシャイン」
トゲチックの体が輝き、純白の光が放出される。
果敢に挑みかかるヒノヤコマだが、光を突破することはできず、勢いを相殺されてしまう。
「神通力」
勢いが消えたところに、トゲチックは光り輝く念力の波を放ち、ヒノヤコマの体勢を崩すと、
「続けてマジカルリーフ」
ヒノヤコマへ、妖しい光を放つ必中の無数の葉を放つ。
「ヒノヤコマ、火炎弾!」
対するヒノヤコマは無数の火の弾を吹き出し、光の葉を焼き尽くすと、
「疾風突きだ!」
嘴を突き出し、高速で飛び出し、トゲチックを突き飛ばす。
「そのままニトロチャージ!」
「っ、マジカルリーフだよぅ」
さらにヒノヤコマは炎を纏い、体勢を崩すトゲチックへ再び突撃する。
トゲチックは体勢を崩しながらも、妖しい光を放つ無数の葉を飛ばす。
その後の回避は間に合わず、トゲチックはヒノヤコマの炎の突撃をまともに受けて吹き飛ばされる。
しかし、ヒノヤコマを纏う炎がなくなった次の瞬間、マジカルリーフがヒノヤコマを切り裂く。
「マジカルリーフは草技、そんなに痛くない! ヒノヤコマ、アクロバット!」
一気にトゲチックとの距離を詰め、ヒノヤコマは勢いよく翼を振り下ろす。
「トゲチック、神通力」
ヒノヤコマに対してトゲチックは光り輝く念力を放ち、振り下ろされる翼を食い止める。
「エアスラッシュ」
「疾風突き!」
トゲチックが羽を羽ばたかせようとするが、その前にヒノヤコマが飛び出し、トゲチックを嘴で突き飛ばす。
「速いねぇ……トゲチック、マジカルシャイン」
トゲチックの体が白く輝き出す。
そのまま純白の光を周囲へと放とうとするが、
「ヒノヤコマ、ニトロチャージ!」
それよりも早くヒノヤコマは炎を纏って全速力で飛び出し、トゲチックに激突し吹き飛ばす。
地面に叩き落とされたトゲチックは何とか起き上がり、再び飛び立とうとするもそこで力尽き、戦闘不能となって倒れてしまった。
「ダメだったかぁ。トゲチック、お疲れ様ねぇ」
トゲチックをボールへと戻し、すぐにミオは次のボールを取り出す。
「それじゃ、ペンドラー、もう一度頼んだよぅ」
ミオの繰り出すポケモンは再びペンドラー。攻撃技は二つしか持っていないが、
「ここでカビゴンにバトンタッチされるとカビゴンのスピードが上がる……何としてもペンドラーのうちに倒さないと」
加速をカビゴンに引き継がれると、高速で動くカビゴンが現れてしまう。
「行くよヒノヤコマ! ニトロチャージ!」
「じゃあペンドラー、こっちはメガホーンだよぅ」
炎を纏いながら、ヒノヤコマは全速力で突撃する。
対するペンドラーは角を突き出し、こちらも全力の突撃を仕掛ける。
- Re: ポケットモンスター 魔王と救世の絆 ( No.105 )
- 日時: 2016/12/28 19:39
- 名前: TX ◆Snv0OTU94o (ID: 9Yth0wr6)
To パーセンターさん
どうも、逃走中作者のTXです。
ヒノヤコマvsペンドラー!
相性的にはヒノヤコマが有利ですが、果たして・・・!?
宣伝ですが、僕の執筆する「逃走中」では現在プレイヤー(逃走者)を募集しています。
よろしれば参加してください!
では!
- 第51話 反撃 ( No.106 )
- 日時: 2016/12/30 12:15
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: p3cEqORI)
- 参照: ルカリオ登場! メガシンカの力、果たしてミオ相手に通用するのか——
ヒノヤコマの炎の突撃と、ペンドラーの角の一撃が激突する。
僅かにペンドラーの方が強いが、それでもほぼ互角の威力だ。
「ヒノヤコマ、アクロバット!」
一旦下がり、ヒノヤコマは再びペンドラーとの距離を一気に詰め、翼を振り下ろす。
「ペンドラー、ベノムショック」
翼を叩きつけられたペンドラーは、すぐさま特殊な毒液を浴びせる。
「メガホーンだよぅ」
毒液を受けて動きを止めたヒノヤコマに対し、ペンドラーは角を振り回し、ヒノヤコマを叩き飛ばした。
「ペンドラー、もう一度メガホーンだぁ」
「ヒノヤコマ、ニトロチャージ!」
ペンドラーが高い金切り声を上げながら、角を構えて全力の突撃を仕掛ける。
ヒノヤコマも力強い鳴き声と共に炎を纏い、ペンドラーを迎え撃つべく飛び出す。
ペンドラーとヒノヤコマ、お互いの突進が正面から激突。
競り合った末に、せめぎ合う力は爆発を起こし、互いのポケモンを吹き飛ばした。
ペンドラーもヒノヤコマも、前のポケモンと戦ったダメージが溜まっており、爆発の衝撃に耐え切れず、両者共に戦闘不能となってしまった。
「ヒノヤコマ、よくやった。お疲れ様」
「ペンドラー、休んでてねぇ」
ハルとミオはそれぞれのポケモンをボールに戻し、お互いに最後のモンスターボールを手に取った。
(最後は恐らくカビゴン。例えカビゴンじゃなくても、僕の最後のポケモンは決まってる!)
「それじゃ最後、頼んだよぅ、カビゴン!」
「これで最後だ。出てきて、ルカリオ!」
ミオの繰り出すポケモンは、やはりカビゴン。そしてハルのポケモンは、エースのルカリオ。
「へえ、ハル君のポケモンはルカリオかぁ。タイプ相性だけなら不利だけど、僕のカビゴンにはそれだけじゃ勝てないよぅ」
「分かってるさ。例えカビゴンじゃなくても、僕はこのルカリオで勝つ。そう決めてたんだ」
ハルの言葉に、へぇ、とミオは笑みを浮かべて返し、
「それじゃあ、始めるよぅ。カビゴン、シャドーボール」
カビゴンは両手に黒い影の弾を作り上げ、ルカリオへと投げつける。
「ルカリオ、ボーンラッシュ!」
ルカリオの右手から波導が噴き出し、骨のロッドの形へと変化する。
骨のロッドを振り回し、ルカリオは影の弾を破壊すると、
「発勁だ!」
ロッドを波導として右手に纏い、一気にカビゴンとの距離を詰める。
「カビゴン、跳ね返してぇ」
波導を纏ったルカリオの右手が、カビゴンの腹へと叩きつけられる。
だが、その直後、バンパーのようにカビゴンの腹が膨れ上がり、ルカリオは弾き返されてしまった。
「カビゴンのお腹はとっても柔らかいんだ。さすがにダメージをゼロにはできないけど、相手の技の衝撃を押されられるよぅ。それじゃ、次はのしかかり」
カビゴンが地面を蹴り、大きく跳躍する。何度見てもその巨体に似合わない動きだ。
ルカリオの上を取り、そのまま重力に従って落下し、ルカリオを押し潰そうと迫る。
「ルカリオ、躱してサイコパンチ!」
ルカリオは素早く飛び退き、カビゴンの攻撃範囲から逃れると、すぐさま拳を構えてカビゴンへと飛び掛かる。
念力を纏った拳を突き出し、今度はカビゴンの額を捉えた。
「続けて発勁!」
さらにルカリオは右手に波導を纏わせ、カビゴンの顔面へと叩きつける。
カビゴンが呻き声を上げ、その体勢が崩れる。
しかし、
「カビゴン、地割れだよぅ」
ルカリオの着地点を正確に見定め、カビゴンはフィールドを思い切り踏みつけ、一直線に地面を叩き割る。
「まずい……! ルカリオ、ボーンラッシュで回避!」
慌ててルカリオは掌から骨のロッドの形をした波導を生み出し、ロッドで地面を突き、着地点をずらす。
「シャドーボール」
しかしそれも予測していたのか、ルカリオが着地した瞬間、二つの影の弾が飛来し、ルカリオに着弾した。
「さすがに手強いな……そうとなったら、こっちも本気だ。ルカリオ、行くよ!」
ハルの言葉に、ルカリオも頷く。新しく得た力を、いよいよ見せる時だ。
「僕と君の、絆の力に応えて! ルカリオ、メガシンカ!」
ハルがそう叫び、キーストーンを填め込んだ腕輪、メガリングを付けた右腕を掲げる。
キーストーンが輝くと同時、ルカリオの腕輪のメガストーンもそれに呼応し、七色の輝きを放つ。
双方の光は次々と一つに繋がり、光がルカリオを包み込み、その姿を変えていく。
やがて纏う光を吹き飛ばし、その中からメガシンカを遂げたメガルカリオが姿を現す。
『おおーっと! 何とルカリオ、まさかのメガシンカ! ハル選手、ここまで隠していた切り札を、準決勝のここに来て、遂に出してきましたぁ!』
急激にテンションを上げていくアナウンサーに続き、会場も一気に盛り上がりを見せる。
「……ハル君、メガシンカを使えたのかぁ。これはちょっときついかもねぇ。バトルはともかく、会場がハル君に味方してるよぅ」
ミオがそう呟くが、その口調は不安や焦りはなく、寧ろ楽しげだ。
「カビゴン、こっちも全力で行くよぅ。シャドーボール」
カビゴンが両手に影の弾を作り出してルカリオへと投げつけ、さらに口からももう一発影の弾を放つ。
「ルカリオ、躱して発勁!」
ルカリオが目を大きく見開くと、右手から燃える炎の如き青い波導が噴き出す。
影の弾を躱しつつカビゴンへと向かっていき、波導を纏った右手を思い切りカビゴンの腹部へと叩き込む。吹き飛ばせはせずとも、カビゴンを押し返した。
「さすがに跳ね返せないよねぇ。カビゴン、のしかかりだよぅ」
自身を鼓舞するようにカビゴンは吼え、大きく跳躍する。
「ルカリオ、躱してサイコパンチ!」
「カビゴン、シャドーボールだぁ」
カビゴンののしかかりを躱し、ルカリオは握り締めた拳に念力を纏わせる。
だが落下中のカビゴンの両手に影が集まり、影の弾が作り上げられ、ルカリオを狙って飛んでくる。
「仕方ない……ルカリオ、ボーンラッシュ!」
念力を解き、代わりにルカリオは骨のロッドの形をした波導を作り上げ、ロッドを振り回して影の弾を打ち消す。
その間に、落下攻撃を仕掛けたカビゴンは起き上がる。
「ルカリオ、発勁!」
右手に波導を纏ったルカリオが、再びカビゴンとの距離を一気に詰めていく。
「カビゴン、シャドーボール」
再びカビゴンの腹部に右手を叩き込むが、カビゴンもすかさず口から影の弾を放ち、ルカリオを吹き飛ばした。
「そこだよ。地割れだよぅ」
「躱してもう一度発勁!」
カビゴンが思い切り右足を踏み出し、一直線にフィールドに亀裂を作る。
対するルカリオは素早く起き上がると、ひとっ飛びでカビゴンとの距離を詰め、地割れを躱しながら波導を纏った右手をカビゴンへと叩きつける。
今度はカビゴンの顔面に直撃。カビゴンの巨体が、ぐらりと揺らぐ。
「よっし、効いてる! ルカリオ、サイコパンチ!」
「させないよぅ。カビゴン、シャドーボール」
続けてルカリオが念力を纏った拳を突き出すが、カビゴンは影の弾を盾のように構える。
ルカリオが触れた瞬間、影の弾は炸裂し、逆にルカリオを弾き飛ばす。
「一気に行くよぅ。カビゴン、のしかかり」
ルカリオが体勢を崩した貴重なタイミング。
それを逃さず、カビゴンは跳躍し、一気に勝負を決めるべく、ルカリオを押し潰しにかかる。
回避は、間に合わない。
「やるしかない! ルカリオ、波導弾!」
起き上がったルカリオは、両手を真上に構える。
身体中の波導を両掌の一点に集め、凝縮された波導の念弾を大砲の砲弾のように発射する。
カビゴンの全体重をかけたのしかかりと、ルカリオの全ての波導を乗せた念弾が激突。
その瞬間。
波導の念弾は爆裂し、青い爆発と共に、カビゴンを吹き飛ばした。
「まだ、やれるよねぇ……! のしかかりだよぅ!」
爆煙で見えないが、吹き飛んだカビゴンを信じ、ミオは指示を出す。
爆煙が晴れたその時、勝負は決まる。
- http:// ( No.107 )
- 日時: 2016/12/31 12:31
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: p3cEqORI)
>>TXさん
すいませんコメントに気付かず返信が遅れてしまいました。
ハル対ミオ、二番手はヒノヤコマとペンドラーですね。
仰る通り、タイプ相性ではヒノヤコマが有利ですが、どうなるでしょう……みたいなことを言いたかったのですが、もう最新話を投稿してしまいましたので話のネタがなくなってしまいました、申し訳ない。
逃走中はあまり見ないのですが、気が向いたら参加させていただこうと思いますね。
- 第52話 正体 ( No.108 )
- 日時: 2016/12/31 22:15
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: p3cEqORI)
- 参照: 準決勝第二試合、対戦カードはスグリvsロー!
ズシィィィン! と。
会場に轟音が響き、フィールドが揺れる。
「……ダメだったかぁ」
カビゴンが落下したのは、ルカリオの目の前。
波導弾を受け、体力の限界の中でルカリオをさらに狙おうとするも、あと一歩が叶わなかったようだ。
『決まったぁぁぁ! ハル選手、メガシンカの力を存分に振るい、今大会で猛威を振るったカビゴンを見事打ち破り、決勝進出! ミオ選手、惜しくもここで敗退となりました!』
会場が声援に包まれる中、二人はお互いのポケモンをボールへと戻す。
「カビゴン、お疲れ様。また特訓し直して、今度はリベンジしようねぇ」
「ルカリオ、よくやったね。頑張りすぎて僕もちょっと疲れちゃったよ」
ポケモンを戻すと、ミオはハルの元へと歩み寄る。
「まさか、ハル君がメガシンカを使えるとは思ってなかったなぁ。今回は僕の負けだねぇ」
「ミオも強かったよ。タイプ相性で有利なルカリオでも、かなり追い詰められた」
「ありがとうねぇ。だけど、今度バトルする時は僕が勝つよぅ。今度会ったら、またバトルしようねぇ」
「うん。望むところさ」
バトルを終え、再戦を約束して握手を交わすと、二人はフィールドを後にする。
この後はこちらも好カード。スグリ対謎のトレーナー、ローだ。
『さあ、間も無く準決勝、第二試合が始まります! 対戦カードは、スグリ選手対ロー選手!』
アナウンサーの紹介を受けて、二者がフィールドへ進み出る。
『まずは気取った実力派、スグリ選手! 一回戦の名勝負に見事勝利し、その流れに乗ってそのまま快進撃を見せています! 準決勝でも、その実力を余すところなく見せてくれるのでしょうか!』
次に、とアナウンサーは続け、
『お前は一体誰なんだ! 年齢、出身、その正体は一切不明! とにかく何にも分からない! 全てが謎の謎だらけ! ロー選手! ただ一つ分かることは、その飛び抜けた実力のみ! 先ほどのミオ選手と同じくポケモンはバクオング一匹しか見せていませんが、遂に他のポケモンを見られるのでしょうか!』
スグリとローがフィールドに立つ。
「さあ、始めようよ。このバトルも勝って、決勝戦でハル君と勝負しなきゃいけないんでね。サクッと倒して、その仮面を剥いでやるよ」
「……」
スグリの挑発に対しても、ローは一切応答しない。身動きすら見せない。
「……まぁいっか。それじゃあ、まずはこいつだ」
「……」
スグリとロー、同時にボールを手に取る。
『それでは、試合開始!』
「出て来い、ニューラ!」
「バクオング」
スグリの一番手、ニューラに対し、ローはまたしてもバクオング。
「やっぱしバクオングか。先手は貰うよ! ニューラ、冷凍パンチ!」
ニューラが地を蹴り、先手を取って動き出す。
高速かつ不規則な動きで軌道を読ませずにバクオングへ近づき、冷気を纏った拳をバクオングの額に叩き込む。
「バクオング、瓦割り」
バクオングは目を細めて後退りするが、すぐさま手刀を振るって反撃する。
「遅い遅い! ニューラ、八の字切りだ!」
しかしニューラは素早くバクオングの背後に回り込み、後ろから鋭い爪で八の字にバクオングを切り裂く。
「地震」
「ニューラ、離れろ!」
バクオングが空気を吸い込んだのを見て、ニューラは咄嗟にバクオングから距離を取る。
直後にバクオングが空気を揺さぶり、大地を揺らす爆音を放つも、ニューラは大きく跳躍し、地震の衝撃波を回避した。
(しかし、瓦割りか。さっきとは技が変わってるから、要注意ってとこかな)
「っし、ニューラ、地獄突き!」
着地するとニューラは再び不規則な動きでバクオングに近づき、バクオングの腹部を思い切り突き刺す。
バクオングの表情に苦痛が生まれる。同時に、その声量がかなり小さくなる。
「地獄突きは追加効果でしばらくの間相手の音の技を封じる。ハイパーボイスは使えなくなるし、バクオングのその感じだと地震も使えないかもね」
本来は声を出す技を防ぐのだが、このバクオングは大声によって地面を揺らしているため、地震も封じた可能性が高い。
「悪いけど、対策はバッチリだよ。ニューラ、冷凍パンチ!」
今度はニューラは猛スピードで一直線にバクオングへ近づき、氷を纏った拳を繰り出す。
しかし、
「バクオング、噛み砕く」
バクオングも大きく口を開き、ニューラの腕に噛み付き、冷凍パンチを防ぐと同時にニューラを捕らえてしまう。
「瓦割り」
そして腕を大きく振り上げ、勢いよく手刀を振り下ろす。
機動力の高いニューラと言えど、動きを封じられてはどうしようもない。
格闘技は二重に効果抜群、耐え切れるはずもない。
しかし。
「ニューラ、カウンター!」
バクオングの手刀が振り下ろされた次の瞬間、ニューラはそれを受け流し、返す刀で拳を突き出し、バクオングを大きく吹き飛ばした。
カウンターは自分が受ける物理攻撃のダメージの二倍のダメージを相手に与える技。ニューラの体力はそこまで高くないため、一撃では沈まないが、
「八の字切り!」
吹き飛ぶバクオングを猛スピードで追い、ニューラはバクオングを八の字に切り裂く。
八の字切りは格闘タイプの技、つまりバクオングには効果抜群。
予想もしない大ダメージを受け続け、あろうことかバクオングは開始早々戦闘不能となってしまった。
『な、なんということでしょう! スグリ選手、猛威を振るっていたバクオングを多彩な戦略でいとも容易く撃破! こんな展開を想像していた人など、いるのでしょうかぁぁぁ!』
観客全体も驚愕している。無理もないだろう。
「スグリ君、すごい……!」
「さすがはスグリ君だね……地獄突きで音技を封じたのも、瓦割りを誘導するためだったのか」
驚いているのは勿論サヤナとハルも例外ではない。
「あんなトレーナーに負けたんなら、悔いは無い……今の試合運び、お見事ですわ」
エストレも、ただただ感心するのみ。
「ここまでの試合は全部見てきてる。分析も完璧。言ったよね、対策はバッチリだってさ」
会場全体が驚く中、スグリだけが余裕の笑みを浮かべていた。
しかし。
「バクオング、戻れ」
一番驚くべきはずのローに、感情の変化がない。ただ淡々とバクオングを戻し、次のボールを手に取る。
と、そこで。
「……そろそろ、もういいか」
唐突に、ローの仮面の下から声が響く。
ポケモンの指示以外で、ようやくローが口を開いたのだ。
「あん?」
「やっぱそろそろもうダメだ。そもそも、俺様が無言で戦うこと自体無理があったんだ。もうダメだ。我慢の限界だ」
画面の奥から聞こえる声は、単調だったものから、段々勢いを増していく。
「もういいだろ。そろそろ、正体現すぜ! さあカメラ! 俺様を中心に写せ!」
真っ黒なローブから腕が飛び出し、自身の顔を隠す仮面を掴む。
「お前は一体誰なんだ! 年齢、出身、その正体は一切不明! とにかく何にも分からない! 全てが謎の謎だらけ! そんな謎だらけの男、ロー! その正体はぁ!」
どよめいていた会場が、ローの叫びを受けて、静寂に包まれる。
仮面とローブを脱ぎ捨て、遂に、ローがその正体を現した。
「俺様は破壊と破滅を呼ぶ者! ゴエティア七魔卿が一人、魔神卿ロノウェ! 災厄の呼び声、その脳に深く刻み込めぇ!」
深い緑色の髪を立たせ、真っ赤な単眼が描かれた黒いバンダナを巻き、濃いビジュアル系メイクを纏った恐怖を煽る顔。
服もチェーンを付けたバンドマン風の真っ黒な服装で、背中には黒と赤を基調としたエレキギターを背負っている。
ロー——ロノウェがパチンと指を鳴らすと、会場全体の扉が固く閉ざされてしまう。
『……ちょ、ちょっと! 何するのよ! きゃああっ!?』
女性アナウンサーの金切り声が響く。
実況席を見上げれば、真っ黒な装束を着たゴエティアの下っ端が、アナウンサーを連れ去っていった。
「さぁぁぁて! これでお前たちはこの会場から出られねえ! 電波は全てこっちで遮断してっから、助けも求められねえぜ! 会場の野郎共! 手持ちのポケモン全てを! ゴエティアに差し出しな!」
ローを名乗っていた時とは打って変わって、ロノウェはテンション爆上げで叫ぶ。
会場にざわつきはない。観客席全体を、黒装束の男たちに囲まれているからだ。
しかし。
「さあ、次のポケモンを出しなよ」
そんな会場の様子など気にも留めず、スグリはロノウェへと言葉を投げる。
「……あぁ?」
「ポケモンを差し出せってさぁ、そういうのはこの会場にいる全員より強いことを証明してからやることじゃないの? オレに勝って、ハル君に勝って、初めて成り立つ命令じゃないの、それ。それとももしかして、負けるのが怖くて会場の雰囲気を変えた、とか?」
魔神卿を相手にして、スグリは一歩も引かない。
無表情でそんなスグリを見据えるロノウェだが、やがて口を釣り上げて大きく笑う。
「ヒハハハハハハ! いいねえ、面白いこと言うじゃねえのよ! よっしゃ、その話乗った! この話の続きをするのは、お前とハルをぶっ倒したその後だ! テンション上がってきたぜぃ! ヒャッハァ!」
ギュイイイイイイイン!!! とエレキギターを掻き鳴らし、ロノウェは雄叫びを上げる。
「だが後悔すんなよ!? ゴエティア魔神卿に楯突いたことを! この俺様を挑発したんだ、どうなっても知らねえぞ!?」
「御託はいいから、かかって来なよ。勝つのはオレさ」
スグリのその言葉を聞き、再びロノウェは引き裂くような笑みを浮かべると、ボールを取り出す。
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