二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- ポケットモンスター 魔王と救世の絆
- 日時: 2018/04/30 21:14
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: OiWubliv)
こんにちはこんばんはおはようございます。パーセンターです。
今回は紙ほか板から映像板に進出して、また懲りずにポケモンの二次小説を執筆したいと思っております。
今回は前作との繋がりはほぼ断ち切った完全新作です。
カウントすれば5作目になりますね。まだ向こうの「星と旋風の使徒」は完結しておりませんので、同時進行となります。
※注意事項(?)
・いつものことですがノープランです。更新のペースも早かったり遅かったりします。
・上でも述べていますが、前作までとの繋がりはほぼありません。まだ「星と〜」が完結していませんしね。
・登場するポケモンは第七世代までです。執筆中に第八世代が出てきたらまたその時に考えます
・上に関連して、パーセンターがよく使っているベガポケモンですが、今作では『出ません』。設定上は存在している設定ですが今作には出ません。
・ベガの技は普通に出ます。ついでにオリジナル技も結構たくさん出ます。オリ技の説明は随時公開するのでご安心ください。
・オリキャラとかオリ技の募集も近いうちにすると思います。皆さん協力お願いします。
それでは、新しい主人公の新しい物語が始まります。よろしくお願いします。
登場人物紹介
>>34
オリ技紹介
>>45
プロローグ
>>1
ハツヒタウン編——旅立ち
>>6 >>7 >>8
シュンインシティ編——経験
>>15 >>20 >>28 >>32 >>35 >>36 >>37
カザハナシティ編——ライバル
>>38 >>40 >>43 >>44 >>46
ヒザカリタウン編——出会
>>55 >>56 >>57 >>58 >>59 >>60 >>61 >>62 >>65
サオヒメシティ編——Evolution
>>66 >>70 >>71 >>72 >>73 >>74 >>76 >>77 >>78 >>79 >>80 >>81 >>82 >>83 >>84 >>85 >>86 >>91
ハダレタウン編——大会
>>92 >>94 >>97 >>98 >>99 >>102 >>103 >>104 >>106 >>108 >>109 >>110 >>111 >>112 >>113 >>114 >>117 >>118 >>119 >>120 >>121
カタカゲシティ編——試練
>>122 >>123 >>124 >>127 >>128 >>129 >>130 >>133 >>134 >>135 >>136 >>138 >>139 >>140 >>141 >>142 >>143 >>144 >>145 >>146 >>147 >>148 >>151
ノワキタウン編——友情
>>152 >>153 >>156 >>159 >>160 >>162 >>164 >>165 >>166 >>167 >>168 >>169 >>170 >>175 >>176 >>177
イザヨイシティ編——実力
>>178 >>180 >>181 >>182 >>183 >>184 >>185 >>186 >>187 >>188 >>189 >>190 >>191 >>192 >>195 >>196 >>197 >>198 >>199 >>200 >>202 >>203 >>204
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- Re: ポケットモンスター 魔王と救世の絆 ( No.4 )
- 日時: 2016/10/25 22:40
- 名前: 竜 ◆CmqzxPj4w6 (ID: Rebn9tUA)
初めまして、映像や紙に行ったり来たりの大学生作者の竜です。
パーセンターさんの小説は紙版で毎日読んでました。まさか映像の方へ来てくださるとは・・・嬉しいです!
コメントは全くできていませんでしたが、これからはコメントさせていただきます!パーセンターさんの小説は大好きなので!
ベガ技は正直嬉しいですね・・。現在のポケモンに入れた方がいい技もあるので、しかも威力は強いものもありますし・・。正直自分でもやりたいぐらい。
まだプロローグですが面白くなる匂いがプンプンします!更新頑張ってくださいね!
(こっちはポケスペ×イナGOで日常小説クトゥルフを書いていますのでよければコメントください!)
- http:// ( No.5 )
- 日時: 2016/10/25 23:38
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: VYLquixn)
>>竜さん
初めまして、コメントありがとうございます。
パーセンターが無謀にも映像に進出してまいりました。「星と〜」の方もちゃんと更新するのでご安心ください。
非公式の技は有用なのが多いですよね。
ダイヤブラストとか大成長とか使い勝手よくて好きです。表現もしやすいですしね。
まだ書き始めたばかりですが、頑張って面白くしていきます。
生憎自分はポケスペもイナGOもクトゥルフもさっぱりなのですが、とりあえず読んでみたいと思います。
- 第1話 マデル ( No.6 )
- 日時: 2016/10/26 01:45
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: VYLquixn)
- 参照: マデル地方でポケモントレーナーとなる、少年少女たち。
ハツヒタウンはマデル地方の南に位置する小さな町だ。
片田舎といったような感じで、自然を壊さずに人工物が建てられている。
唯一目立つものがあるとすれば、この町の中で最も大きな建造物、ハツヒタウンの北に立つミツイ博士の研究所だ。
「これが博士の研究所か……」
ミツイの家の一室を借りて一泊し、翌日、ハルは研究所を訪れていた。
「……失礼します」
ガラスの扉をゆっくりと開け、ハルは研究所に入る。
中はそこまで広くないが、部屋の奥には扉があり、研究所らしくハルの見たこともないような機械がいくつも作動している。
そして、部屋の中央には一つの人影が。しかし、ミツイではない。
「……? だあれ?」
向こうもこちらの存在に気づいたのか、ハルの方に振り向く。
少女だ。見たところ歳はハルと同じくらいか。桃色の髪をツインテールにしており、黒い服の上から赤いジャケットを着ている。
細身だが、活発な印象も相まって華奢さは感じられない。
「あ、えっと、僕は——」
「あぁ思い出した! パパが言ってた、今日新しく旅に出るハル君って、君のことだね!」
自己紹介をするよりも早く解決されてしまった。
「あ……うん、えっと——」
「よろしくね、ハル君! ハルって呼ぶね! 私はサヤナ! ハルと同じで、昨日初めてのポケモンを貰ったの! 今日から私も旅に出るんだよ!」
一方的にまくし立てられて口を挟む隙すらないハル。
どうやら、このサヤナという少女もハルと同じく、今日からポケモントレーナーになるようだ。
話を聞くに、ミツイ博士の娘なのだろうか。
「パパー! ハルが来たよー!」
部屋の奥に向けてサヤナが大声で呼びかける。
しばらくすると奥の扉が開き、ミツイが現れた。やはりミツイの子のようだ。
「ありがとうサヤナ。ハル君、お待たせしてすまないね」
ミツイはいくつかの箱を持っており、それらを近くの机の上に置くと、ハルとサヤナの方に向き直った。
「多分全部聞かされたと思うけど、一応紹介しておくよ。この子はサヤナ。私の一人娘で、今日からハル君と同じく旅に出るんだ。サヤナには昨日ポケモンは渡しているけど、他にも旅に必要なものがあるから、ここに来てもらったんだ」
「にひひー、一日だけだけど、私の方が先輩だね!」
紹介されてサヤナはにんまりと無邪気な笑みを浮かべる。
「そして、改めて自己紹介させてもらうよ。私はマデル地方の研究者、ミツイ。ポケモンの生態を研究しているんだ」
「ポケモンの、生態?」
ミツイの言ったことを復唱するハル。多くの研究者が研究していそうな分野だが、
「私の専門は生息区域ごとのポケモンの変化。例えば、コイルやラルトスのように生息する地方によってタイプを持っていたり持っていなかったりするポケモンの研究、アブソルやキリンリキのように特定の地方でないと進化しないポケモンの研究だね」
今挙げられたポケモン全てが思い浮かんだわけではないが、ミツイがどんな研究をしているのか、何となくだがハルには理解できた。
「さて、自己紹介も終わったし、早速ハル君にポケモンを渡したいんだけど……」
そう言って一つ目の箱を取り出したところで、ミツイは申し訳無さそうな表情になる。
「本当に申し訳ないんだけど、僕の不手際でね、用意するポケモンの数を間違えてしまったんだ。だから急遽別のポケモンを用意したんだけど、その関係で一匹しかポケモンを用意出来ていないんだ。もう何日か待ってくれれば準備出来ると思うんだけど、どうする?」
本来、ポケモントレーナーは旅立つ際に三匹のポケモンの中から一匹選ぶ。
しかしミツイが開けた箱の中には一個しかモンスターボールがなかった。
「いいえ、僕はこのポケモンと一緒に旅をします。早く旅をしてみたいし、それに、僕はどんなポケモンとでも仲良くなりたいです。僕のために間に合わせてくれてありがとうございます」
笑顔でそう返し、ハルはそのモンスターボールを手に取った。
「よかったよ。それじゃあ、早速これから君のパートナーとなるポケモンとご対面だ。真ん中のスイッチを押して、ボールを開けてみてくれ」
ミツイに促され、ハルは手にしたボールをじっと見据える。
(この中にいるのが、僕の初めてのポケモン……)
それはハルにとって、初めての地を旅する、初めてのパートナーであることを意味する。
期待を膨らませ、ハルはゆっくりと、ボールの中央をスイッチを押す。
ボールが半分に開き、眩い光が放たれ、ポケモンが飛び出した。
ワオンッ!
そんな威勢のいい鳴き声とともに現れたのは、青い体の小型の獣人のようなポケモン。
小柄だがしなやかで強靭な体をしており、掌からは僅かに青いオーラのようなものを出しているのが見える。
「わぁ……! これが僕の初めてのポケモン……!」
「その子はリオルというポケモンだ。格闘タイプのポケモンで、本来は初心者用ポケモンじゃないんだ。だけど比較的人懐っこい子だから、きっと君のいいパートナーになってくれるよ」
ミツイの説明を聞き、ハルはしゃがみこんでリオルと目を合わせる。
リオルは青いオーラを纏った右手を掲げ、何かを探っているようだったが、やがて笑顔を浮かべてその右手をハルの目の前に突き出した。
ハルはほんの少し戸惑うが、すぐにその意図を理解し、リオルと握手を交わす。
「うわぁ、ハルすごい! もうリオルと打ち解けてる!」
「うん、君たちはいいコンビになれそうだ。僕もリオルを用意した甲斐があったよ」
さて、とミツイは空っぽになった箱を戻し、二番目の箱から端末のような機械を取り出す。
「次はこれ。二人に私からのプレゼントだ」
「……? 何ですかこれ?」
ハルとサヤナに渡されたのは長方形の軽くて持ちやすいサイズの赤い機械。操作するためのキーがいくつかあるが、大部分は赤いモニターで占められている。
「これはポケモン図鑑。出会ったポケモンの情報がその図鑑の中に記録されていくのさ。ポケモントレーナーなら多くの人が持っているものだよ。試しにリオルを調べてごらん」
ミツイに促され、ハルとサヤナはきょとんとした表情のリオルへ図鑑のセンサーを向ける。
『information
リオル 波紋ポケモン
体から波導を発している。
生物の怒りや悲しみといった感情を
波の形として見分けることが出来る。』
二番目の箱も戻し、三つ目の箱を手に取るミツイ。
「これも渡さなきゃね。ポケモンを捕まえるために必要不可欠な道具、モンスターボール。ポケモンは弱らせてからボールを投げると捕まえやすいから、気に入ったポケモンに投げてみるといい。五個ずつあげよう」
ハルとサヤナに五個ずつモンスターボールを渡し、
「さて、これで最後だ」
四つ目となる、最後の箱を取り出した。
「これはアルス・ターミナル。名前が長いからみんなターミナルって呼ぶけどね。サヤナは知っているね、カントーのシルフカンパニーやホウエンのデボンコーポレーションにも並ぶマデル地方の企業、アルスエンタープライズが作った端末。基本的にメールとかテレビ電話に使えるし、それ以外にもいろんな機能があるんだ。新しい機能をインストールすることも出来るよ」
さて、とミツイは全ての箱を片付け、
「これで私から君たちに渡すものは全て渡した。最後に少し話しておきたいことがあるけど、その前に」
パンッ、とミツイは手を叩き、ハルとサヤナを交互に見据え、
「知っていると思うけど、ポケモンは戦うことで強く育っていく。ポケモントレーナーはポケモンにとって自分の力を引き出してくれるパートナーだ。つまり、ポケモントレーナーにポケモンバトルは不可欠」
そこで、とミツイは続け、
「今から、二人でポケモンバトルをしてみないかい? なに、最初は上手く出来なくたっていい。バトルの練習だと思って、やってみるといい」
「はいはい! やる! やる! ポケモンバトル、やってみたい!」
口を開く前に横からのサヤナの勢いに押されたが、
「僕もやってみたいです。ポケモントレーナーになったんだし、自分のポケモンと一緒に戦ってみたい……!」
ハルもその提案には賛成だ。
「よし、決まりだね。流石に研究所の中では出来ないから、一旦外に出ようか」
「にひひー、ハル、私負けないよ? 一日だけだけど私の方が先輩なんだからね?」
「僕だって負けないよ。折角トレーナーになれたんだ。初めてのバトル、勝ちたいからね」
初めてポケモンを貰った二人の、初めてのバトルが、今始まる。
- 第2話 勝負 ( No.7 )
- 日時: 2016/10/26 17:09
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: TZSGctBI)
- 参照: 初めてのポケモンバトル。勝つのはどちらか——
ミツイの提案で始まった、初めて同士のポケモンバトル。使用ポケモンは当然一体。一対一のバトルだ。
「リオル、頑張るよ」
ハルの声に応えてリオルが進み出る。
「それじゃあ私のポケモン! 頑張って、アチャモ!」
サヤナが繰り出したのはオレンジ色のひよこのようなポケモン。頭には三本の羽毛が跳ねており、非常に愛くるしい姿をしている。
『information
アチャモ ひよこポケモン
お腹に炎袋を持っているので
抱きしめるととても暖かい。周り
が見えなくなるため暗闇は苦手。』
「炎タイプのアチャモか……タイプ相性に有利不利はないね」
お互いのポケモンがバトルフィールドに立つ。準備は整った。
「それじゃ行くよ! アチャモ、火の粉!」
アチャモが嘴を開き、口から無数の火の粉を放つ。
「リオル、躱して!」
リオルは素早く横に移動し、まずはアチャモの火の粉を躱す。
「こっちも攻撃だ! リオル、発勁!」
リオルが右手の青いオーラを強め、アチャモへと向かっていく。
「アチャモ、つつく攻撃!」
リオルが突き出す右手に、アチャモは嘴で応戦する。
硬い嘴を叩きつけて、逆にリオルを押し返した。
「今だよ、火の粉!」
体勢が崩れたリオルに、アチャモの放つ無数の火の粉が襲いかかる。
回避が間に合わずに、リオルは火の粉を受けてしまう。
「発勁は格闘タイプの技だよね。つつくは飛行タイプの技だから、相性が悪いんだよ!」
そう言ってサヤナは得意げな笑みを浮かべる
「なるほど……リオル、大丈夫?」
火の粉を受けてよろめいたリオルだが、体勢を整えて構え直す。
「アチャモ、もう一度火の粉!」
「リオル、電光石火!」
再びアチャモが無数の火の粉を吹き出そうとするが、リオルの動きがそれよりも早かった。
目にも止まらぬスピードで突っ込み、アチャモにぶつかって突き飛ばした。
「電光石火は先制技なんだ。相手よりも早く技を出せるんだよ」
今度はハルが優位に立つ番。自慢げにそう言って、
「リオル、発勁だ!」
突き飛ばされて転んだアチャモを追って、波導を強めた右手を突き出す。
「わわっ、アチャモ、立って! つつく!」
何とかアチャモは起き上がり、嘴を突き出して迎え撃つ。
アチャモの技の勢いが先程より弱かったため、今度は相打ちだ。
「火の粉!」
しかしその次の動きはアチャモの方が早かった。
アチャモが息を吸い込んで無数の火の粉を吹き出し、リオルを押し戻す。
「くっ……リオル、電光石火!」
「そうはいかないよ! アチャモ、つつく!」
火の粉を耐え切って、リオルが飛び出す。
目にも留まらぬスピードで、一気にアチャモとの距離を詰める。
しかし火の粉を受けてからのタイムラグによって、アチャモの迎撃が間に合ってしまう。
突撃するリオルだが、逆にアチャモの嘴を叩きつけられて、吹き飛ばされてしまった。
「リオル!」
吹き飛ばされたリオルは、そのまま目を回して倒れてしまった。
「やったー! 初めてのバトル、大勝利!」
サヤナがアチャモと共に辺りを駆け回っている一方、
「……負けちゃった」
ハルは倒れてしまったリオルを抱き寄せると、そう呟き、へたりと座り込む。
「ごめんねリオル。もっと上手く君の力を引き出すことが出来てたら……」
ハルがリオルの頭を撫でると、目を覚ましたリオルは、気にするな、とでも言うかのように首を横に振る。
「ほら、サヤナ、落ち着きなさい。ハル君も元気を出して。二人とも、新人トレーナーにしてはなかなかいいバトルだったぞ」
ミツイが手を叩き、二人を注目させる。
「勝ち負けも勿論大事だが、バトルで一番大事なことは勝敗じゃない。そのバトルから何を学ぶか、そして、次にそれをどう生かすかだ。そういう意味では、負けから得るものの方が多い。だからハル君、負けたからって気を落としすぎないように。そしてサヤナ、勝って調子に乗りすぎないように。勝って兜の緒を締めよ、だ」
優しい笑みを浮かべながら、ミツイは二人に向けてそう言った。
「さて、それじゃあ一旦研究所に戻ろう。二人のポケモンを元気にしてあげないとね」
リオルとアチャモを回復させ、ミツイは二匹をそれぞれの持ち主へ渡す。
「さて、これで二人は晴れてポケモントレーナー。これからは自分のやりたいことをやるといいよ。マデル地方を巡ってポケモンと一緒に思い出作りをするもよし、ポケモンとの絆を深め合うもよし、自分が思う道を進んでいくといい……と言われても、ピンとこないかもしれないね」
ハルとサヤナが思っていたことを、ミツイは正確に突いてくる。
「だから私からアドバイスだ。二人ともポケモンジムは知っているね? ジムを回るといい」
ポケモンジムとは、トレーナーが目指すポケモントレーナーの最高峰、ポケモンリーグに至るまでの通過点。全ての町では無いが、各町に一つジムがあり、そのジムを取り仕切るジムリーダーという存在がいる。そのジムリーダーに勝利することでジムバッジが貰え、これを八個集めることでポケモンリーグに出場することができる。
「一口にトレーナーと言ってもいろいろな人がいる。だからまずは、スタンダードにバトルの腕を磨いていくといい。そのうちいずれ、自分のやりたいことが見えてくる」
「はい、分かりました」
「分かったよ! パパ、ありがとう!」
ハルはまだマデル地方のことすら何も知らないし、サヤナもポケモントレーナーについてはよく理解していない。だから、旅の中でそれを学ぶところから始める必要がある。そのために、やはりポケモンと共に戦い、腕を磨いていくことが大事なのだろう。
「とりあえず、ここから一番近い街はシュンインシティだね。歩いていくとそれなりに掛かるけど、そこで新しいポケモンを捕まえたり、ポケモンを鍛えていくといいよ」
それじゃあ、とミツイは改めて二人を交互に見て、
「二人とも、頑張れよ」
最後の一言を告げ、新人トレーナーの二人を送り出す。
「よし! それじゃハル! 早速シュンインシティに行くよ!」
「えっ!? うわっ、サヤナ、ちょっと待ってよ!」
サヤナがハルの手を引いて走り出し、慌ててハルも後に続く。
ハルとサヤナ、二人の新人トレーナーが、今、新たに旅立った。
- 第3話 出発 ( No.8 )
- 日時: 2016/10/28 00:11
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: PUqaVzEI)
- 参照: いよいよ旅に出る、ハルとサヤナ。
シュンインシティを目指し、ハルとサヤナは二人で道路を進んでいく。
「ねえ、ハル」
ハルの横に並んで歩くサヤナが、口を開いた。
「折角ポケモントレーナーになったし、自分の力で新しいポケモンを捕まえたいよね」
「うん。多分ポケモンジムも、ポケモン一匹だけじゃ太刀打ち出来ないだろうし……」
ポケモンジムではジムリーダーと戦うことになる。恐らくポケモンが一匹だけでは勝てないだろう。
「だよね。多分この道路にも何種類かポケモンが住んでるし、まずはもう一匹ポケモンを捕まえようよ!」
「あ、いいね! それじゃあ、先に捕まえた方が勝ち、っていうのはどう?」
「さんせーい! それじゃ、捕まえたらここに戻ってこようか! 先に戻って来た方が勝ちね!」
二人は一旦別れ、ポケモンを探しに向かう。
「うーんと、まずはどこを探そうか……」
とりあえず定石通り、ハルは草むらに入り込んで野生のポケモンを探す。
だが、ハルが草むらに足を踏み入れたその瞬間。
ガサッ! と音がし、草むらの中から矢のようにポケモンが飛び出してきた。
「っ!? なに!?」
びっくりして尻餅をついたハルは、座り込んだままポケモン図鑑を取り出す。
目の前に襲撃者が飛び出してきた。赤い顔をした小柄な鳥ポケモンだ。
『information
ヤヤコマ コマドリポケモン
さえずる声が美しく人懐こいので
多くの人に人気。縄張り荒らしには
容赦しない荒々しさを見せる。』
「ノーマル・飛行タイプのヤヤコマか……タイプ相性が不安だけど、リオル、頼むよ!」
立ち上がり、ハルはリオルを繰り出す。ヤヤコマを捕まえる考えだ。
威嚇しても縄張りから離れないハルとリオルを外敵だと認識したのか、ヤヤコマは今度こそ本気で突っ込んできた。
「っ! リオル! こっちも電光石火!」
ヤヤコマが電光石火を繰り出したのに気付き、リオルも同じく電光石火で迎え撃つ。
「リオル、発勁!」
お互いに競り合う中、リオルが右手に青い波導を纏い、右拳をヤヤコマに叩きつけて殴り飛ばす。
「よし! リオル、真空波!」
さらにリオルはその場で拳を振り抜き、真空の波を飛ばす。
しかしヤヤコマも動きが早い。すぐに体勢を整え、羽ばたいて上昇し、真空の波を躱す。
そのまま旋回し、ヤヤコマは嘴を突き出し、全速力で再び突っ込んで来た。
「また来たか! リオル、電光石火!」
再びリオルも目にも留まらぬスピードで突っ込んでいく。
二者が再び正面からぶつかる。ここまでは同じ。
しかし。
先程と違い、リオルが押し戻された。ダメージが大きい。
「えっ……? もしかして、技が違う?」
慌ててハルは図鑑を取り出し、今の技を調べる。
「ええっと……“疾風突き”……? 飛行タイプの先制技か!」
電光石火と挙動がよく似ていたが、どうやら違う技のようだ。
「気をつけなきゃ……だけど、ますます欲しくなった! リオル、頑張るぞ! 発勁!」
体勢を立て直し、リオルは右手に青い波導を纏って突っ込む。
対するヤヤコマは口から無数の火の粉を吹き出すが、サヤナのアチャモのものよりは弱めだ。
右手を突き出して火の粉の中を突っ切り、リオルは波導を纏った右手をヤヤコマに叩きつけた。
強い衝撃を食らって、ヤヤコマが空中でふらつく。
「今だリオル! 電光石火!」
それを見逃さずに、リオルは跳躍し、一気にヤヤコマとの距離を詰め、ヤヤコマを地面に叩き落とした。
「よし、これで……! いけっ!」
地面に落ちたヤヤコマを狙って、ハルはモンスターボールを投げる。
ボールがヤヤコマに当たると、ボールがひとりでに開き、ヤヤコマがその中に吸い込まれる。
ボールが地面に落ち、赤い光を点滅させながら揺れる。
しばらくカチカチと揺れ続け、最後に一度だけカチッと音がし、揺れは止まった。
「……やった! ヤヤコマ、ゲット!」
初めてのポケモンゲット、無事成功。
ポケモントレーナーになったということを改めて自覚し、ハルはスタート地点に戻る。
ポケモンゲット対決はハルの勝ちだった。
サヤナ曰く、狙った一匹目に逃げられたらしい。
「バトルで負けて、ゲット勝負で勝ったから、これでおあいこだね」
「うぅ、一匹目を捕まえられてたら勝ってたのにー!」
腕をバタバタさせながら悔しがるサヤナ。
「ちなみに、サヤナはどんなポケモン捕まえたの?」
「えっとね、この子だよ! 出ておいで、コフキムシ!」
そう言いながらサヤナが出したポケモンは、頭に三本の白い毛、首にふさふさの体毛を持つ、黒い芋虫のようなポケモン。
『information
コフキムシ 粉吹きポケモン
体のまわりの毛や粉が体温を調節
するため高い適応能力を持つ。外敵に
対しては毒の粉を撒き散らして対抗する。』
コフキムシという、虫タイプのポケモンのようだ。
「ハルのも見せてよ! どんなの? かわいい?」
「もちろん。僕が捕まえたのは、こんなポケモンだよ」
ハルもモンスターボールを取り出し、先程捕まえたばかりのヤヤコマを出す。
「わぁ、かわいい! だけど、私が一匹目に見つけた鳥ポケモンとは違うね」
そう言ってサヤナはポケモン図鑑を取り出した。
「ほらこれ。私が見つけたのは、このポケモンなんだよ」
サヤナの図鑑には、確かにヤヤコマとは別のポケモンが表示されていた。
図鑑によると、マメパトというポケモンらしい。
「ま、このコフキムシも気に入ったし、結果オーライよね」
にひひー、とサヤナは笑い、コフキムシの頭を撫でてボールに戻す。
「さ、それじゃポケモンも捕まえたし、シュンインシティまで急ぐよ!」
「わ、だから、待ってってば!」
再びサヤナが駆け出し、慌ててハルもヤヤコマをボールに戻し、急いでその後を追う。
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