二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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ポケットモンスター 魔王と救世の絆
日時: 2018/04/30 21:14
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: OiWubliv)

こんにちはこんばんはおはようございます。パーセンターです。
今回は紙ほか板から映像板に進出して、また懲りずにポケモンの二次小説を執筆したいと思っております。
今回は前作との繋がりはほぼ断ち切った完全新作です。
カウントすれば5作目になりますね。まだ向こうの「星と旋風の使徒」は完結しておりませんので、同時進行となります。

※注意事項(?)
・いつものことですがノープランです。更新のペースも早かったり遅かったりします。
・上でも述べていますが、前作までとの繋がりはほぼありません。まだ「星と〜」が完結していませんしね。
・登場するポケモンは第七世代までです。執筆中に第八世代が出てきたらまたその時に考えます
・上に関連して、パーセンターがよく使っているベガポケモンですが、今作では『出ません』。設定上は存在している設定ですが今作には出ません。
・ベガの技は普通に出ます。ついでにオリジナル技も結構たくさん出ます。オリ技の説明は随時公開するのでご安心ください。
・オリキャラとかオリ技の募集も近いうちにすると思います。皆さん協力お願いします。

それでは、新しい主人公の新しい物語が始まります。よろしくお願いします。

登場人物紹介
>>34
オリ技紹介
>>45

プロローグ
>>1
ハツヒタウン編——旅立ち
>>6 >>7 >>8
シュンインシティ編——経験
>>15 >>20 >>28 >>32 >>35 >>36 >>37
カザハナシティ編——ライバル
>>38 >>40 >>43 >>44 >>46
ヒザカリタウン編——出会
>>55 >>56 >>57 >>58 >>59 >>60 >>61 >>62 >>65
サオヒメシティ編——Evolution
>>66 >>70 >>71 >>72 >>73 >>74 >>76 >>77 >>78 >>79 >>80 >>81 >>82 >>83 >>84 >>85 >>86 >>91
ハダレタウン編——大会
>>92 >>94 >>97 >>98 >>99 >>102 >>103 >>104 >>106 >>108 >>109 >>110 >>111 >>112 >>113 >>114 >>117 >>118 >>119 >>120 >>121
カタカゲシティ編——試練
>>122 >>123 >>124 >>127 >>128 >>129 >>130 >>133 >>134 >>135 >>136 >>138 >>139 >>140 >>141 >>142 >>143 >>144 >>145 >>146 >>147 >>148 >>151
ノワキタウン編——友情
>>152 >>153 >>156 >>159 >>160 >>162 >>164 >>165 >>166 >>167 >>168 >>169 >>170 >>175 >>176 >>177
イザヨイシティ編——実力
>>178 >>180 >>181 >>182 >>183 >>184 >>185 >>186 >>187 >>188 >>189 >>190 >>191 >>192 >>195 >>196 >>197 >>198 >>199 >>200 >>202 >>203 >>204

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http:// ( No.39 )
日時: 2018/05/02 12:37
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: vJF2azik)

「僕だって、ポケモントレーナーなんだ!」

ハル 男 14歳
容姿:髪はオレンジ色のショートヘアーで、瞳は澄んだ青色。白い模様の入った黄色のTシャツに、少し大きめの長いズボンを履いている。やや童顔で背も低め。
性格:そこまで活発な方ではなく、周りに流されやすい。ポケモンからよく懐かれる優しい性格。自己主張が苦手で内気な方だが正義感は強く、やる時はやる。
備考:今作の主人公。

手持ちポケモン

リオル→ルカリオ(♂)
特性:精神力⇔適応力
技:ボーンラッシュ、発勁、サイコパンチ、波導弾
備考:ミツイ博士から貰った、ハルの初めてのポケモン。人の感情を読むことができ、ハルのことは信頼している。サオヒメジム戦でルカリオに進化。メガシンカが可能。
戦術:長所であるスピードを活かして動き回り、強力な打撃技を叩き込む。何らかの条件が揃った時、波導を増幅させて爆発的な波導の力を扱えるようになる。その状態についての詳細は不明だったが、アリスとの戦いで絆の力だと判明する。
進化したことによって鋼タイプが付き、扱える波導の力はさらに強くなった。波導を使用した強烈な攻撃が持ち味で、ガンガン攻めて相手の守りを打ち崩す戦法が得意。メガシンカすればその攻撃性能は圧倒的なものとなる。
過去の技:岩砕き、電光石火、真空波

ヤヤコマ→ヒノヤコマ→ファイアロー(♂)
特性:炎の体
技:ニトロチャージ、アクロバット、鋼の翼、ブレイブバード
備考:ハルが旅に出てから初めての自力で捕まえたポケモン。縄張りに入ったハルに自分からいきなり攻撃を仕掛けるなど、好戦的。カザハナジム戦でヒノヤコマに進化し、カタカゲジム戦でファイアローへと最終進化。
戦術:空を飛べることを活かして三次元的に飛び回って戦う。リオルと同じくスピードが持ち味だが、リオルと比べて火力は控え目なのでスピードで撹乱しながら戦う。
進化したことによってスピードがさらに上昇、不足していた火力もある程度増強された。持ち味のスピードをニトロチャージでさらに高め、自由自在にフィールドを飛び回って戦う。
さらに最終進化によってハルの手持ちの中ではトップのスピードを手に入れ、より強力な技を扱えるようになったおかげで火力にもさらに磨きがかかった。反動を受ける技が主力で弱点も多く、時には打たれ弱いこともあるが、それを差し引いてもかなりの実力を持つ。
過去の技:電光石火、火の粉、エアカッター、疾風突き、火炎弾

イーブイ→エーフィ(♀)
特性:マジックミラー
技:サイコショット、シャドーボール、スピードスター、マジカルシャイン
備考:ゴエティアから逃げていたところをハルに助けられ、自分から仲間になったポケモン。自分を助けてくれたハルによく懐いている。ヒザカリ大会でエーフィに進化。
戦術:電光石火や潜るなどで相手を翻弄しながら戦っていく。接近戦が主体だが、遠距離でもスピードスターである程度対応できる。素早さは申し分ないが耐久力が低く打たれ弱い。
進化してエスパータイプとなり、特殊技で戦うポケモンとなった。進化前から高かった素早さはそのままに火力が飛躍的に上昇、耐久力もある程度改善された。多彩な特殊技を駆使して戦う。
過去の技:電光石火、潜る、噛み付く

メグロコ→ワルビル→ワルビアル(♂)
特性:威嚇
技:地震、ストーンエッジ、ドラゴンクロー、噛み砕く
備考:サオヒメシティへ続く岩場で捕まえたポケモン。ハルと戦っている途中に進化するなど強力な個体で、縄張り意識が強く好戦的。ノワキジム戦でワルビアルに進化。
戦術:攻撃力が高く、頑丈な顎や爪を用いた接近戦に持ち込んで戦う。穴を掘って地中に隠れたり、必中技を使えたりとなかなか器用。特性の威嚇によって相手の攻撃力を下げられるため、近距離での殴り合いでは滅法強い。
最終進化によって自慢のパワーが底上げされた。得意の地面技も癖の強かった穴を掘るから安定した高威力技の地震に変化し、細身だったワルビルの頃と比べるとガンガン攻撃を仕掛けるだけでなくどっしりと構えた受けの戦いも可能となった。
過去の技:穴を掘る、燕返し、シャドークロー

(キバゴ)→オノンド(♂)
特性:型破り
技:ドラゴンクロー、瓦割り、炎の牙、シザークロス
備考:ノワキタウンへ続くマデルトンネル内で捕まえたポケモン。大規模なトンネルの一角を縄張りとしていた個体で、気性が荒く凶暴。ハルと出会った時点で既にオノンドに進化していた。
戦術:攻撃力に優れていたり接近戦が得意だったりするところはワルビルと似ているが、こちらはより優れた攻撃力により小細工なしの殴り合いに特化した戦い方を好む。その反面、搦め手は不得手。

第12話 スピード ( No.40 )
日時: 2016/11/04 21:15
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: F8Gg2X0Y)
参照: ハルの二回戦の相手は、強敵スグリ!

カザハナシティバトル大会、第二回戦が開始される。ハルの相手は、強敵スグリ。
「さすがハル君、二回戦まで上がってきたね。まぁ正直、ハル君なら上がって来れるとは思ってたよ」
「うん、まぁね。前回は負けたけど、今度は勝つよ」
口元を小さく緩ませてスグリはボールを取り出し、まだ緊張が解けないハルもボールを構える。
「ハル君まぁまぁ強いから……ジュプトル!」
「出てきて、リオル!」
スグリのポケモンはジュプトル、ハルのポケモンはリオル。シュンインでのリベンジマッチだ。
『さあ、二回戦が始まりました! スグリ選手はジュプトル、ハル選手はリオルを繰り出し、バトル開始です!』
アナウンサーの声が響き渡り、会場に歓声が響く。
『一回戦、スグリ選手は対戦相手のアメタマを一分もかけずに倒しています。一方のハル選手はタイプ相性を生かして終始有利に試合を進め、そのまま勝利。さぁ、この対戦カードはどうなるか!』
『二人とも素早さの高いポケモンを連れているな。スグリ君とは私もジムで戦ったが、あのスピードに押されて負けてしまった。ハル君のポケモンもスピードが高いが、一回戦のようにはいかないだろうな』
ハルとスグリのバトル。先に動き出したのはスグリのジュプトルだ。
「ジュプトル、燕返し!」
手足を刀の刀身のように白く光らせ、ジュプトルが駆ける。
「っ、リオル、躱して!」
ジュプトルが振るう右手をどうにか躱すリオル。だが間髪入れずに右足で蹴り飛ばされ、宙に打ち上げられる。
「リオル、反撃だよ! 真空波!」
宙を舞いながらもリオルは腕を振り抜き、真空の波を飛ばす。
以前とは違い、空中でもジュプトルを狙って飛ばせるようになったが、
「ジュプトル、電光石火!」
ジュプトルがその場から消える。一旦壁まで飛び出し、壁を蹴って高速でリオルまで接近して突き飛ばす。
「リオル、岩砕き!」
拳を握りしめ、岩をも砕く勢いでリオルが右腕を振るうが、
「遅い遅い、躱して二度蹴り!」
ジュプトルはその腕を躱して瞬時に二発の蹴りを放ち、リオルを蹴り飛ばした。
『スピードはどちらも優れるが、スグリ君のポケモンは攻撃前後の隙が非常に少ない。結果的に攻撃速度が高くなっていく』
ヒサギの言う通り、スグリのポケモンは攻撃の隙がほとんどない。
「っ、リオル、発勁!」
リオルが右手に波導を纏わせ、再びジュプトルに向かっていくが、
「ジュプトル、燕返し!」
ジュプトルもそれに合わせて突撃する。
リオルが腕を振り上げたところにジュプトルの白く光る右腕がラリアットのように食い込み、リオルを吹き飛ばす。
「くっ……リオル、真空波!」
まだ何とか立ち上がり、腕を振って真空の波を飛ばすリオルだが、
「ジュプトル、躱して二度蹴り!」
真空波を躱して一気にリオルとの距離を詰め、ジュプトルは瞬時に二発の蹴りを放ってリオルを蹴り飛ばす。
「これでとどめ! ジュプトル、リーフブレード!」
体勢が整わないうちにジュプトルが動き出す。
両腕に生えた葉を刃のように長く伸ばし、リオルを切り裂いた。
「リオル!」
立て続けに攻撃を受け続け、リオルの体力はついに限界に達し、戦闘不能となって倒れてしまう。
『二回戦第一試合、決着です! スグリ選手、今度はジュプトルで開始から約一分半と、またも試合を速攻で終わらせてしまいました!』
アナウンサーの声が響き、会場が湧き上がる。二人はボールにポケモンを戻し、ハルはスグリに声をかける。
「やっぱり強いね、スグリ君。また負けちゃったよ」
「まぁ、オレ強いしねー。一番警戒してたハル君に勝ったし、後はこのまま突っ走って、優勝しちゃうか」
「あ、あはは……頑張ってね」
相変わらず自信家なスグリだが、やはり強い。彼の言うようにこのまま優勝してもおかしくない強さだ。
だけどいずれ、スグリに勝ちたい。そんな思いをより強めつつ、後はサヤナとスグリの試合を見届けるだけだ。



そして迎えた決勝戦。
対戦カードは、スグリ対サヤナ。
スグリは二回戦と同じくジュプトル、サヤナはアチャモで戦っているが、現在、スグリはタイプ相性で不利なはずのアチャモを圧倒している。スピードを武器に上手く立ち回り、相性を覆しているのだ。
「アチャモ、炎の渦!」
「当たんない当たんない! ジュプトル、電光石火!」
アチャモが息を吸い込むが、炎の渦を吹き出すよりも早く動き出したジュプトルに突き飛ばされてしまう。
「うぅ、強い……アチャモ、こっちも電光石火!」
「ジュプトル、躱して二度蹴り!」
アチャモも同じように高速で突っ込んでいくが、ジュプトルには躱され、瞬時に二発の蹴りを叩き込まれる。
「っ、アチャモ、火の粉!」
アチャモは起き上がると、嘴を開いて無数の火の粉を放つが、
「電光石火!」
既にジュプトルはそこにはおらず、横から高速で突撃してきたジュプトルに弾き飛ばされる。
「これでとどめ! ジュプトル、リーフブレード!」
ジュプトルの両腕の葉が刃のように伸び、アチャモを切り裂く。
その一撃で、アチャモは戦闘不能になってしまった。
『決勝戦、決着ーーッ!』
試合終了の合図と同時にアナウンサーの大きな声が響き渡り、観客たちがより一層湧き上がる。
『スグリ選手、タイプ相性をものともせずサヤナ選手のアチャモを撃破! 試合時間はどの試合も二分掛かっておりません! 速攻のスグリ選手、カザハナシティ大会優勝です!』
『とんでもないトレーナーが現れたものだ。初めて戦った時にも感じたが、やはり今後の彼の活躍が楽しみだ』
試合を観戦していたハルの元へ、サヤナが戻って来る。
「あの人、本当に強いね……全く敵わなかったよ……」
「正直、スグリ君なら優勝してもおかしくはないとは思っていたけど……こんなに早く優勝を決めるなんて……」
アナウンサーも言っていた通り、驚くべきはスグリの試合時間の短さだ。全ての試合を二分以内で終わらせ、あっという間に優勝してしまった。
その後、スグリが優勝商品として用意されていた木の実の詰め合わせを受け取り、カザハナシティバトル大会は無事閉幕した。

Re: ポケットモンスター 魔王と救世の絆【オリ技募集】 ( No.41 )
日時: 2016/10/31 17:08
名前: マルガリータ ◆Ywb2SqBO2Q (ID: b9lAghYk)

ジムリーダーに打ち勝ち、今度は今作の敵、ゴエティアの登場ですか……。そしてその敵の一員であるパイモンとは、元ネタはグリモワールでしょうか? 気になるところですね
メタングにスピアーとは手強いポケモンを手持ちにしていますね。どのポケモンもメガシンカが出来ますし……

何とか退散出来た次には大会ですね。サヤナちゃんのポケモンが返ってきて何よりです
大会の解説者は何と格闘のジムリーダー、格闘となるとどうしても熱血系になってしまうんですが、こちらは無愛想な性格なので意外性を感じました……

第二回戦はいきなりの強敵、スグリ君。察してはいましたが負けてしまいましたか……何だか読んでいるこちら側も悔しくなってきました。ハル君も頑張って欲しい……
こうして読むと、パーセンターさんの小説はとある人と似ているので、とても懐かしいな〜と思いながら読ませて貰っています。本当に面白くて参考になります

話が反れて、お願い(?)というかお聞きしたいことがあります
ネタバレになってしまうんですが、今後連載予定SM小説の敵にも、ゴエティア(というかグリモワール)関係の名前が出てしまうんですが大丈夫ですかね? こちらもそういう系になってしまいそうなんですが、パーセンターさんのキャラとは被らないようには致しますので……。嫌でしたら断っても構いません。新しい敵を考え直しますので

http:// ( No.42 )
日時: 2016/11/01 09:32
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: ZmeEPhqX)

>>マルガリータさん
ポケモンといえば定番の敵対組織、今作の組織は『ゴエティア』です。
今回は悪の組織というよりは謎の組織感を出していくつもりです。今のところポケモン泥棒しかやってませんが。
そうですね。幹部的な立ち位置の魔神卿は、ソロモン七十二柱の悪魔から名前をもらってきています。
先陣を切って登場したパイモンもその中の悪魔の一体ですね。
七魔卿の名の通りあと六人出てきますので、楽しみにしていてください。

今作はちょくちょくこういったバトル大会を挟んでいくつもりです。今までの私の小説って敵組織やライバル、ジムリーダーとのバトルしかしてなかった気がしたので、こういうのを入れてみました。
ヒサギはなんだか無愛想ですがその実人見知りなだけだったりします。

ハルはまだまだ駆け出しのトレーナーですからねー。
今のところハルのずっと先を走っているスグリですが、いつかはリベンジを果たしてほしいところです。まぁ、書くのは私なんですけど。

一番最後の件に関しては、こちらとしては全く問題ございません。
グリモワールとかソロモン七十二柱の悪魔なんていろんな人の小説を探れば五万と出てきそうなネタですし、キャラの被りに関しても特に気にはしません。
パイモンなんて容姿はほぼ大元の設定そのものですしね。
そんな感じなので、是非気にせずにそのテーマで執筆なさってください。私も期待しています。

第13話 ジムバトル! カザハナジムⅠ ( No.43 )
日時: 2016/11/01 20:53
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: F8Gg2X0Y)
参照: 二つ目のジムバッジを賭けた戦いが、始まる——

カザハナシティはそこまで大きな街ではないが、ポケモンバトルに力を入れている。
この街のジムリーダー・ヒサギが格闘タイプ使いなこともあってか、道場のような建物が多く立ち並び、街のショップにも戦闘に役立つ木の実やアイテムなどの品揃えが充実している。
また、隣町のヒザカリタウンとの間にはカザカリ山道という山道があり、他の道路と比べて道が険しい。



大会の翌日。
サヤナにじゃんけんで勝ったハルは早速、カザハナジムを訪れていた。
先程も述べたようにこの街には道場のような建物がいくつかあるが、その中で一番大きなもの。それがカザハナジムだ。
「失礼します……」
木製のドアを横にスライドし、ハルはジムの中を覗き込む。
内装はシュンインジムとは明らかに違っていた。バトルフィールドは硬い木製で作られており、フィールドの周りは畳で囲まれている。
壁には『全力』と書かれた大きな旗が掛けられている。
そして、フィールドの向かい側には、昨日大会の解説席に座っていた男。
青いシャツの上にベージュのベストを着ており、茶色の短髪はぼさぼさ。昨日もそうだったが表情が変わらず、何を考えているのかが分からない。
カザハナシティジムリーダー、ヒサギ。
「……おや。君は昨日の大会にも出場していた」
ハルの存在に気付き、ヒサギが歩み寄ってくる。
「ハルです。ジムに挑戦しに来ました」
「……なるほど。チャレンジャーか。俺はジムリーダーのヒサギだ」
大会の時とは一人称が違う。公的な仕事と使い分けているのだろう。
「専門は格闘タイプだ。……」
「……」
妙な空気が流れる。
ヒサギがそれ以上何も話そうとしないし、ハルも比較的内気な性格なので、こういう時に何を話せばいいのか分からない。
「……」
「……その」
ヒサギがようやく口を開いた。
「ええと……その、なんだ。バトルを始めようか」
「あ、はい……」
微妙な空気の中、ハルの二つ目のバッジを賭けたジム戦が始まる。



ルールはシュンインジムと同じ。使用ポケモンも二匹。
「来い、アサナン……」
まずはヒサギからポケモンを繰り出す。
人型の子供のようなポケモンだ。白い特徴的な頭の形をしている。

『information
 アサナン 瞑想ポケモン
 毎日瞑想の修行をすることで心が
 研ぎ澄まされていく。極限まで精神力を
 鍛えた個体のみが進化に到達する。』

「エスパータイプも持っているポケモンか。ならなおさらリオルは出せないから……出てきて、ヤヤコマ!」
対して、ハルは有利な飛行タイプのヤヤコマを繰り出す。
「……では始めるぞ。先攻は譲ろう」
「それじゃ、行きます! ヤヤコマ、電光石火!」
先に動いたヤヤコマが、猛スピードでアサナンへと突っ込む。
対して。

「アサナン……猫騙し!」

ヤヤコマがアサナンの眼前まで迫ったその時。
アサナンが、ヤヤコマの目の前で勢いよく手を叩いた。
「え……?」
予想外のアサナンの動きに戸惑うハル。
突然の衝撃にヤヤコマも驚いたのか、動きが止まってしまう。
「発勁!」
そしてそんな隙をジムリーダーが逃すはずもない。
アサナンが掌をヤヤコマに叩きつけ、弾き飛ばす。
「……猫騙しはバトルに出た最初の技以外では使えない技。その代わりに確実に先制し、相手の動きを確実に止める。序盤の流れを掴むのに最適」
ぼそぼそと小さな声でヒサギは説明する。
「なるほど……だけどもう使えないってことですよね。ならヤヤコマ、ここから立て直すぞ! 疾風突き!」
再び翼を広げて飛び上がり、ヤヤコマは嘴を突き出して突撃する。
「アサナン、バレットパンチ!」
アサナンが無数の弾丸のように連続で拳を繰り出す。
ヤヤコマの突撃のスピードにも負けない速度で拳を振るい、ヤヤコマを迎え撃つ。
「エアカッター!」
高速の突きが防がれるも、ヤヤコマは翼を羽ばたかせて風の刃を飛ばし、今度はアサナンを切り裂いた。
「なるほど……それならばアサナン、雷パンチ!」
立て直したアサナンの拳の周囲からバチバチと電流が走るような音が響き、その直後に拳の周りに電撃が迸る。
そのままアサナンはヤヤコマを狙って跳躍し、電撃を纏った拳を突き出す。
「電気技……! ヤヤコマ、躱して!」
飛行タイプのヤヤコマに電気技は効果抜群。慌ててヤヤコマは横に飛び、アサナンの拳を躱すが、
「逃がさん……バレットパンチ!」
空中だというのにアサナンは瞬時に方向転換し、弾丸のような連続パンチをヤヤコマに浴びせる。
「アサナンは短時間だが念力によって宙に浮くことができる……他のポケモンとは違い、空中でもある程度動けるぞ」
アサナンは一旦着地し、再び拳を構え直す。
「っ、ヤヤコマ、火の粉!」
ヤヤコマは嘴を開き、無数の火の粉を吹き出す。
「アサナン、発勁!」
アサナンは力を込めた右手を思い切り振り抜き、火の粉を一蹴すると、
「雷パンチ!」
再び拳に電撃を起こし、ヤヤコマへと向かっていく。
「ヤヤコマ、躱してエアカッター!」
「そうはさせん……連続で雷パンチ!」
殴りかかってくるアサナンを躱して、ヤヤコマは翼を羽ばたかせ、風の刃を飛ばす。
しかしアサナンは電撃の拳で空気の刃を全て破壊し、またも空中で方向転換すると、今度こそ電撃の拳をヤヤコマへと叩き込んだ。
「しまった……ヤヤコマ!」
拳の一撃を受け、ヤヤコマが地面に叩き落とされる。
ここで追撃が来たらもう避けられないが、空中浮遊が限界だったのか、アサナンは一旦着地した。
「危なかった……ヤヤコマ、まだいける?」
ヤヤコマは何とか立ち上がり、翼を広げる。
直後。

ヤヤコマの体が、青白い光に包まれる。

「え……な、なに!?」
初めての事態に戸惑うハル。
「……進化か」
対して、ヒサギの表情が僅かに変化した。小さく笑みを浮かべたのだ。
光に包まれたヤヤコマのシルエットが、変化していく。光が収まった時、そこにいたのはヤヤコマとは違うポケモンだった。
体つきに大きな変化はないが一回り大きくなり、翼もより大きくなった。目つきが鋭くなり、後頭部の羽毛が尖っているように見える。
「これ……は? もしかして……!」
「君は進化を見るのは初めてか。そう、今のはポケモンの進化だ。図鑑を確認してみるといい」
ヒサギに促され、ハルは図鑑を取り出す。

『information
 ヒノヤコマ 火の粉ポケモン
 体内の袋で炎を燃やす。火力が強く
 なるほど高速で飛べるようになるが
 最高速になるまでには時間がかかる。』

「ノーマルタイプが消えて、炎タイプになってる」
「……技も見てみるといい。進化すると新しい技を覚えることが多いぞ」
ハルはもう一度図鑑を確認する。ヒサギの言う通り、ヒノヤコマは新しい技を覚えていた。電光石火と火の粉を忘れたが、より強力な技へと変化している。
「……凄いよ、ヒノヤコマ。さあ、勝負はここからだよ。進化した君の力を見せてやろう!」
「これは楽しくなってきたぞ……さあ、どこからでもかかってこい」
ヒサギの口元が、明確に上がる。
「行きます! ヒノヤコマ、ニトロチャージ!」
ヒノヤコマが力強く鳴くと、その全身が炎に包まれる。
そのまま、ヒノヤコマはアサナンへと突撃していく。
「アサナン……雷パンチ!」
アサナンも真っ向から迎え撃つ。ヒノヤコマの突撃に合わせて、電撃を纏った拳を突き出す。
二者がぶつかり合う。激しく競り合った末、お互いに一歩退く。
「アクロバット!」
だがその後の動きはヒノヤコマの方が早かった。
素早くアサナンの背後に回り込み、アサナンを突き飛ばした。
「ッ、アサナン……!」
「ヒノヤコマ、もう一度ニトロチャージ!」
再びヒノヤコマは炎を纏い、よろめくアサナンへと突っ込んでいく。
「ぐっ……アサナン……雷パンチ!」
体勢を崩しながらも、アサナンは拳に電撃を纏わせ、ヒノヤコマへと殴りかかる。
再び、二者が正面から激突する。


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