二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- ポケットモンスター 魔王と救世の絆
- 日時: 2018/04/30 21:14
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: OiWubliv)
こんにちはこんばんはおはようございます。パーセンターです。
今回は紙ほか板から映像板に進出して、また懲りずにポケモンの二次小説を執筆したいと思っております。
今回は前作との繋がりはほぼ断ち切った完全新作です。
カウントすれば5作目になりますね。まだ向こうの「星と旋風の使徒」は完結しておりませんので、同時進行となります。
※注意事項(?)
・いつものことですがノープランです。更新のペースも早かったり遅かったりします。
・上でも述べていますが、前作までとの繋がりはほぼありません。まだ「星と〜」が完結していませんしね。
・登場するポケモンは第七世代までです。執筆中に第八世代が出てきたらまたその時に考えます
・上に関連して、パーセンターがよく使っているベガポケモンですが、今作では『出ません』。設定上は存在している設定ですが今作には出ません。
・ベガの技は普通に出ます。ついでにオリジナル技も結構たくさん出ます。オリ技の説明は随時公開するのでご安心ください。
・オリキャラとかオリ技の募集も近いうちにすると思います。皆さん協力お願いします。
それでは、新しい主人公の新しい物語が始まります。よろしくお願いします。
登場人物紹介
>>34
オリ技紹介
>>45
プロローグ
>>1
ハツヒタウン編——旅立ち
>>6 >>7 >>8
シュンインシティ編——経験
>>15 >>20 >>28 >>32 >>35 >>36 >>37
カザハナシティ編——ライバル
>>38 >>40 >>43 >>44 >>46
ヒザカリタウン編——出会
>>55 >>56 >>57 >>58 >>59 >>60 >>61 >>62 >>65
サオヒメシティ編——Evolution
>>66 >>70 >>71 >>72 >>73 >>74 >>76 >>77 >>78 >>79 >>80 >>81 >>82 >>83 >>84 >>85 >>86 >>91
ハダレタウン編——大会
>>92 >>94 >>97 >>98 >>99 >>102 >>103 >>104 >>106 >>108 >>109 >>110 >>111 >>112 >>113 >>114 >>117 >>118 >>119 >>120 >>121
カタカゲシティ編——試練
>>122 >>123 >>124 >>127 >>128 >>129 >>130 >>133 >>134 >>135 >>136 >>138 >>139 >>140 >>141 >>142 >>143 >>144 >>145 >>146 >>147 >>148 >>151
ノワキタウン編——友情
>>152 >>153 >>156 >>159 >>160 >>162 >>164 >>165 >>166 >>167 >>168 >>169 >>170 >>175 >>176 >>177
イザヨイシティ編——実力
>>178 >>180 >>181 >>182 >>183 >>184 >>185 >>186 >>187 >>188 >>189 >>190 >>191 >>192 >>195 >>196 >>197 >>198 >>199 >>200 >>202 >>203 >>204
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- 第90話 奪還戦 ( No.159 )
- 日時: 2017/03/06 11:03
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: VYLquixn)
ハルが連れて来られたのは、町中の広場。
ただ、広場とは言っても他の街にあるような、人々が集まってわいわいできるようなところではなく、とりあえずここなら人が何人も集まれるだろうという程度の広場だ。
ちなみにこの広場に来る前、ハルはポケモンセンターに連れて行かれた。メイゲツ曰く、
「傷ついたポケモンで戦って勝てるような奴じゃねえからな」
とのことだった。
こんな無法地帯でもポケモンセンターはちゃんとあり、ジョーイさんもいて、ポケモンの回復も何の問題もなくできた。
そして、それが終わるとハルは広場に連れて来られ、いよいよこの町一番の実力者とのバトルが始まる。
どこからそんな話を聞いたのか、周りには見物人がぞろぞろと集まってきた。皆この町に住む無法者なのだろう。
「行ってきな、ヴァレン」
メイゲツが名前を呼ぶと、すぐ近くにいた赤い髪の大柄な男が反応して顔を上げる。
以前見た魔神卿アモンには劣るが、それでもかなりの筋肉質で、背も2メートルくらいはある。
「このヴァレンはノワキタウンで二番目に強いポケモントレーナー、俺が最も信頼できる男だ。一番強いのは俺だがな」
メイゲツの紹介を受けて、ヴァレンと呼ばれた大男はハルの向かい側に進み出る。
「手加減は無しだ。いざ、尋常に勝負」
「……ええ。望むところです」
ハルとヴァレンは、同時にボールを取り出す。
「ネル、審判をやれ。公平にな」
さらにメイゲツに指名されたのは、眼鏡をかけた青髪ツインテールの少女。
「はい……それでは、これよりヴァレンさんと、ハルさん……でしたっけ? のポケモンバトルを行います。使用ポケモンは一体です」
「では私からポケモンを出そう。出番だ、ケンホロウ!」
ヴァレンのポケモンは、赤い派手なトサカを持つ雉のようなポケモンだ。
『information
ケンホロウ プライドポケモン
オスは頭に大きなトサカを持つ。
外敵への威嚇やメスへのアピールに
使われるが飛行の障害になることも。』
見た目通り飛行タイプのポケモン、ケンホロウだ。
「それなら、ルカリオ、出てきて!」
対して、ハルはエースのルカリオで迎え撃つ。
「それでは、バトルスタートです!」
審判の少女の声を引き金に、図鑑とターミナルを賭けたバトルが始まる。
「先手は頂く。ケンホロウ、フェザーガン!」
バトルが始まると同時にケンホロウは翼を開き、飛翔する。
舞踏のように華麗に舞い上がると、ケンホロウは上空から翼を羽ばたかせ、無数の尖った羽根を飛ばす。
「ルカリオ、弾き飛ばせ! ボーンラッシュ!」
対するルカリオは右手から波導を生み出して長い骨の形に変え、骨のロッドを振り回す。
矢のように放たれた無数の羽根は全て弾き飛ばされるが、
「ケンホロウ、アクロバット!」
攻撃が弾かれると、今度はケンホロウが猛スピードで接近、不規則な動きでルカリオを撹乱し、翼を振るって突き飛ばした。
「ケンホロウ、熱風!」
さらにケンホロウは激しく翼を羽ばたかせ、灼熱の風を放射する。
「っ、ルカリオ、躱して!」
起き上がったルカリオは大きく跳躍し、熱い風を躱すが、
「逃がさん。ケンホロウ、鋼の翼!」
翼を鋼鉄のように硬化させたケンホロウが、上空のルカリオへと突撃してくる。
「ルカリオ、発勁だ!」
空中で自由に動けないルカリオは、突っ込んでくるケンホロウへと波導を纏った右手を叩きつける。
鋼鉄の翼と、波導の右手が激突。お互いに一歩も譲らない。
「そこだルカリオ! 波導弾!」
ルカリオの右手を覆う波導が形を変え、念弾として放出される。
拮抗していたところに波導の念弾が撃ち出され、青い波導を浴びてケンホロウが押し戻される。
「ルカリオ、続けてサイコパンチ!」
「そうはさせんぞ。ケンホロウ、フェザーガン!」
拳に念力を纏わせ、一気に殴りかかるルカリオに対し、ケンホロウは素早く体勢を立て直すと、翼を羽ばたかせて無数の尖った羽根を飛ばす。
ルカリオに次々と羽根が突き刺さり、痛みでルカリオの動きが止まってしまう。
「熱風!」
翼を激しく羽ばたかせ、ケンホロウは熱い風を吹き付ける。
灼熱の風がルカリオの体力を蝕みつつ、ハルの元へと押し返す。
「なかなか強い……ルカリオ、僕たちも本気を出すよ!」
ハルの言葉にルカリオは振り返る。ハルの気持ちを感じ取っていたのだろう。
ルカリオと顔を見合わせ、両者は頷く。
「僕と君の、絆の力に応えて! ルカリオ、メガシンカ!」
ハルの腕輪のキーストーンとルカリオの腕輪のメガシンカが反応し、光を放つ。
七色の光に包まれ、ルカリオの容姿が変わっていく。
咆哮と共に光をなぎ払い、ルカリオはメガシンカを遂げる。
「ええっ……!?」
「ほぉ……!」
バトルを見物しているジゼやメイゲツ、他の者たちが驚きの声を上げる。
審判の少女、ネルも、手に口を当てて驚いたような仕草を見せる。
そして、
「貴様……メガシンカの使い手か!?」
何より一番驚愕しているのは、ハルの対戦相手、ヴァレンだ。
「ええ、勝負はここからですよ! ルカリオ、発勁!」
ルカリオの右手から、爆発的な波導が放出される。
波導を纏った右手を構え、地面を蹴って飛び出し、一気にケンホロウとの距離を詰める。
「っ! ケンホロウ、フェザーガン!」
慌てて翼を広げるケンホロウだが、その翼から羽根を撃ち出すよりも早くルカリオに波導の右手を叩きつけられ、ケンホロウは吹き飛ばされる。
「ルカリオ、波導弾だ!」
吹き飛ぶケンホロウに向けて、ルカリオは構えた右の掌から青い波導の念弾を放出する。
「ケンホロウ、アクロバット!」
波導の念弾に翼を叩きつけ、ケンホロウは波導弾を破壊し、
「フェザーガン!」
飛翔して上空から翼を羽ばたかせ、無数の尖った羽根を撃ち出す。
「ルカリオ、ジャンプだ! ボーンラッシュ!」
ルカリオが開いた掌に、長い骨のロッドが作り上げられる。
ロッドを地面に叩きつけ、ルカリオは棒高跳びのように大きく跳躍して一気にケンホロウに近づき、
「サイコパンチ!」
拳に念力を纏わせ、ケンホロウへと拳を突き出す。
「ケンホロウ、負けるなよ! 鋼の翼!」
対するケンホロウも硬化させた翼を振り下ろし、ルカリオの拳を迎撃する。
再び両者の攻撃が激突するが、
「熱風!」
今度はケンホロウの動きが早かった。
灼熱の風を吹き付け、ルカリオを吹き飛ばして地面へと叩き落とす。
「今だケンホロウ! アクロバット!」
「そうはさせない! ルカリオ、発勁!」
狙った獲物を仕留めるかのようにケンホロウが鋭い爪を突き出して急降下し、地面に落ちたルカリオは素早く起き上がると、青い炎の如き波導を纏った右手を突き出す。
- 第91話 奇襲 ( No.160 )
- 日時: 2017/04/27 18:09
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: mvR3Twya)
- 参照: 奪われたものを取り返すべく、ヴァレンと戦うハル。しかし……
急降下を仕掛けるケンホロウの蹴りと、ルカリオの波導を纏った右手が激突する。
火花を散らしながら、激しく拮抗するが、
「ルカリオ! 吹っ飛ばせ!」
渾身の力を込め、ルカリオは右手を力一杯振り上げる。
均衡が崩れ、ルカリオの力に遂に押し負け、ケンホロウは吹き飛ばされる。
「なにっ……!?」
「ルカリオ、波導弾!」
大きく吹き飛んだケンホロウを狙って、ルカリオは両手を構え、掌から青い波導の念弾を放出した。
波導の念弾は正確にケンホロウを捉え、青い波導が炸裂し、ケンホロウを地面へと撃墜した。
「っ、ケンホロウ!」
砂煙が晴れると、既にケンホロウは戦闘不能になっていた。
「……! け、ケンホロウ、戦闘不能です!」
驚きを隠せない様子で、審判の少女ネルはケンホロウの敗北を告げる。
つまり、ハルの勝利だ。
「やるではないか……私の相棒であるケンホロウを倒すとはな。ケンホロウ、戻れ」
悔しげな表情を浮かべながらもハルを賞賛し、ヴァレンはケンホロウをボールに戻す。
「さて、どうだったメイゲツ。この少年は」
「フン、お前なら分かってるはずだ。聞くまでもねえだろ」
ヴァレンは引き下がり、代わりにメイゲツが再び進み出る。
「お前、強えんだな。まさか、うちのヴァレンに勝つとは思ってなかったぜ」
「さあ、約束です。僕の図鑑とターミナルを、返してください」
「分かってるよ。だがそう焦るな。話くらいは聞いていけ」
急かすハルを黙らせ、メイゲツは話を続ける。
「俺が見てたのは、お前の強さじゃねえ。お前のポケモンの戦いだ。人間は嘘をつく生き物だ、善人のフリして人を陥れる極悪人だっている」
だが、とメイゲツは続け、
「トレーナーがどれだけ嘘をつこうが、ポケモンは嘘をつかねえ。悪人に育てられりゃ、そのポケモンには悪人が育てたような動きになる。当然だわな。そんで、お前のルカリオだが、一目見てすぐに分かった。どう見ても悪人が育てたポケモンじゃねえ。お前を信頼して動き、お前からの信頼に応える。深い絆があって初めて成せる技だ。今だから言うが、例えお前が負けても、あの機械はお前に返すつもりだった」
そこまで言うと、メイゲツは後ろを振り返る。
「ジゼ」
「は、はい!」
「その機械を、こいつに返してやれ」
「っ……分かりました」
緑の髪の少年、ジゼが、図鑑とターミナルを持って進み出てくる。
「……悪かったな。これは返すよ」
ばつが悪そうな顔をしながらも、ジゼは素直に頭を下げた。
奪った二つの機械を、ハルの元へと返す。
「ううん。返してくれて、ありがとう」
ハルは笑顔で図鑑とターミナルを受け取り、元の場所に仕舞った。
「ジゼはお前を悪意のある侵入者と勘違いしたんだ。俺たちに危害を加えない奴には、俺たちも危害は加えねえ。だがここにあるゴミの山、こいつらは俺たちのモンだ。人の住む町に勝手にゴミを捨てといて、お宝が眠ってるんで奪いに来ましたなんて、そんな馬鹿な話あるかってこったな」
そう語るメイゲツの口調は、とても無法者とは思えない真剣味を帯びていた。
そしてメイゲツは薬を取り出し、丁寧にルカリオを回復させる。
「さ、もう行きな。ここはお前みたいな輝いてる人間がいるには不釣り合いな場所だ。今度は道を間違えるんじゃねえぞ」
「はい、気をつけます」
しかし、今だにハルはどこで道を間違えたのか分からない。
ひとまずカタカゲシティに戻って、一旦出直そうか、などと考え、ハルは振り返ってトンネルへと足を運ぼうとする。
その瞬間。
ズドォン!! と。
ハルの行く手をふさぐ形で、炎の弾が地面へと直撃した。
「うわっ!?」
「何だ!?」
ハルは揺れに足を崩して尻餅をつき、メイゲツたちは慌てて空を見上げる。
すると、
「タイミングが悪りぃな、お前。こんな時にここに来るなんてよ」
「貴方はキーストーンを持っている。残念ながら逃すわけには行きません」
一組の男女が、それぞれのポケモンに掴まり、空からゆっくりと降りてくる。
純白の修道服を着た女に、赤黒いスーツ風の服を身に纏った男。
「お前ら……!」
どちらもハルが見たことのある者だ。魔神卿ヴィネーに、魔神卿ベリアル。
ヴィネーはシンボラーの念力を受け、ベリアルは三つの頭を持つ黒いドラゴンポケモンの足に掴まっている。
『information
サザンドラ 凶暴ポケモン
休むことなく空を飛び続ける。
目に入った生き物は全て敵と判断し
襲い掛かって三つの頭で喰らう。』
サザンドラ、アジトで見たジヘッドの進化系だ。
「……何だお前ら。何者だ」
騒然とするノワキタウンの住人たちを黙らせ、メイゲツが先頭に立つ。
「貴方がこの町のリーダー、メイゲツですね。私たちは『ゴエティア』の魔神卿です。早速ですが、覚悟していただきます」
魔神卿の二人組が地面に着地、ヴィネーがそう告げる。
「ゴエティア! この町に何の用だ!」
ハルもメイゲツの横に並び、魔神卿に対峙する。
「なに、今回は完全に俺たちの私用でな」
ハルの言葉に答えたのは、ベリアルだ。
「この町にキーストーンがあることを、俺とヴィネーが同時期に突き止めてよ。さてどっちが貰おうかとなったわけだが、ま、折角だから二人で勝負。負けた方が勝った方に一杯奢るのさ」
「そんな遊び感覚で、人の物を奪いに来たのか……!」
「ハッ、当たり前だろ。だって——」
ベリアルはそこで一拍置き、
「——俺たちは、悪党だからな」
その言葉と同時に、どこからともなく無数の黒装束の人間たちが現れる。
「……チッ。ハル、お前はこの町の行く末とは関係ねえ存在だ。上手く隙を見つけて、早く逃げろ」
ハルにそれだけ告げ、返事を待たずにメイゲツは振り返る。
「ヴァレン、お前はエースをやられてる。だから指揮を執って、全員で周りの黒いザコ共を蹴散らせ」
「了解した……だがメイゲツ、お前は」
「決まってんだろ」
ヴァレンからの言葉に、メイゲツは苛立ちを込めて即答した。
「こいつらは、俺一人で片付ける」
メイゲツの放つ気が、殺意にも似たものに変わっていくのをハルは明確に感じていた。
「ほぉ、こいつぁすげえな。ヴィネー、やるぜ」
「ええ。我らに仇なす愚かな異教徒を葬り去るのも、また一興ですね」
さらにそんなメイゲツの様子を見た上で、なお不敵な笑みを浮かべる人間が二人。
そして。
「……メイゲツさん。僕も戦います」
ボールを取り出し、ハルもゆっくりと進み出る。
「この間から、こいつらの悪事には苛立ってるんです。目の前に現れた敵、放っちゃおけません」
「好きにしろ。だが何かあっても自己責任だぞ。いいな」
「もちろんです」
メイゲツに並び、ハルもボールを構える。
「どうするよ、ヴィネー。俺としては協力しても二手に分かれてもいいが」
「そうですね。ダブルバトルも面白そうではありますが……今回は私たちの勝負で来てますからね。個々で戦いましょう。私は黒い人を」
「そんじゃ、俺はこのガキだな」
既に周りではノワキの住人と黒装束の下っ端たちが戦いを始めている。
対戦カードが決まった。メイゲツ対ヴィネー、ハル対ベリアル。
- Re: ポケットモンスター 魔王と救世の絆 ( No.161 )
- 日時: 2017/04/27 18:24
- 名前: 長山修平 ◆AvrkdgE7to (ID: BQLPhy3C)
長山です。
メイゲツさんたち4人はシングルバトルをするんですねww
果たして、勝負の行方は!?
ではまた
- 第92話 暴火 ( No.162 )
- 日時: 2017/04/30 12:06
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: VYLquixn)
- 参照: ハルの相手となるのは、ゴエティアの戦闘専門、ベリアル。
「そんじゃ始めるか……おい、そんな身構えんなよ。確かに俺は直接戦闘専門だが、今回は私用だ。お前をぶっ殺してまでキーストーンを奪い取ろうとは思わねえよ。機嫌のいいうちはな」
手の中でモンスターボールを弄びながら、ベリアルが笑う。
「暴火を、ヘルガー!」
ベリアルが繰り出したのは、漆黒の体に悪魔のような角と尻尾を持つ、番犬のようなポケモン。
『information
ヘルガー ダークポケモン
夕暮れ時になると不気味に咆哮を
上げる。それを聞いたポケモンは
慌てて自分の巣へと逃げ帰る。』
「悪と炎タイプ……だったら、出てきて、オノンド!」
対して、ハルが出したポケモンはオノンド。炎技に強く、こちらは瓦割りで弱点を突いていける。
「なら、行くぜ。ヘルガー、火炎放射!」
ヘルガーが大きく息を吸い込むと、その口から灼熱の業火が放射される。他のポケモンのものと比べて、炎が赤黒い。
「オノンド、躱してドラゴンクロー!」
素早く炎を躱すと、オノンドは腕に龍の力を込め、蒼く輝く光の爪を纏い、ヘルガーへと飛びかかっていく。
「おおっと! ヘルガー、躱しな!」
勢いよく連続で振るわれる龍の爪を、ヘルガーは身軽に次々と躱していき、
「悪の波動!」
一瞬の隙を見計らって悪意に満ちた波動を放ち、オノンドを黒い波動の渦に巻き込む。
「続けろ! 放電だ!」
オノンドへ向けて、ヘルガーはさらに電撃を撒き散らす。
「オノンド、一発耐えてシザークロス!」
ドラゴンタイプのオノンドには、電気技は効果今ひとつ。
降り注ぐ電撃を耐え切り、即座にオノンドは地を蹴って飛び出す。
「ヘルガー、押し返してやれよ。火炎放射!」
ヘルガーが再び赤黒い灼熱の業火を吹き出すが、オノンドは跳躍してその炎を躱すと、一気にヘルガーまで接近、二本の牙で瞬時に二度ヘルガーを切り裂いた。
「オノンド、続けて瓦割り!」
体勢を崩すヘルガーに対し、オノンドは叩き割るかのように牙を叩きつける。
だが、
「させねえっつの。ヘルガー、ブラストファング!」
叩きつけられる牙にヘルガーが噛み付く。
その瞬間爆発が起き、オノンドが吹き飛ばされた。
「っ、オノンド!?」
吹き飛ばされたオノンドが起き上がると、その牙が黒く焦げていた。
「どうだい、こいつのブラストファングの威力は。効果今ひとつだからって、何発も受けられるもんじゃねえぜ」
薄ら笑いを浮かべるベリアルとは対照的に、ヘルガーは低く唸り、怒っているような印象を受ける。
「オノンド、あの牙に気をつけて戦うよ。ドラゴンクロー!」
オノンドは頷き、腕に龍の力を纏う。
「どっからでもかかって来いよ。ヘルガー、悪の波動!」
真正面から勢いよく突撃するオノンドに対して、ヘルガーは悪意に満ちた黒い波動の渦を放つ。
執拗に放たれる波動を飛び越え、掻い潜り、オノンドの龍爪がヘルガーを切り裂く。
「ヘルガー、離れろ! 火炎放射!」
体勢を立て直したヘルガーは素早くオノンドから距離を取り、大きく息を吸い込み、灼熱の業火を吹き出した。
「オノンド、躱してシザークロス!」
二本の長い牙を構え、オノンドが突っ込んでいく。
ヘルガーの赤黒い炎を躱しつつ、オノンドへと切りかかるが、
「バカが。ヘルガー、ブラストファング!」
大きく首を振ってオノンドの牙を躱し、ヘルガーがオノンドへと噛みついた。
ヘルガーの牙が食い込むとそこで爆発が生じ、オノンドを大きく吹き飛ばす。
「悪の波動!」
ヘルガーが悪意に満ちた黒い波動の渦を放出する。
体勢を崩すオノンドは、さらに黒い波動に巻き込まれた。
「くそっ、強い……オノンド、大丈夫?」
オノンドは起き上がり、苛立ちを込めたように低く唸る。
「へえ、まだ立ち上がるのかぁ……いいねぇ、潰し甲斐があるってもんだ! さあ、かかって来いよ! まだまだそんなもんじゃねえんだろう?」
「上等だよ……オノンド、瓦割り!」
立ち上がったオノンドは、勢いよくヘルガーへと突っ込んでいく。
一気にヘルガーとの距離を詰め、飛びかかって硬い牙をヘルガーへと叩きつける。
しかし。
「そう来ると思ったぜ。ヘルガー、火炎放射!」
ヘルガーが赤黒い灼熱の業火を吹き出し、突っ込んできたオノンドを逆に炎の中に飲み込んだ。
炎の勢いに押し負け、オノンドは逆に吹き飛ばされてしまう。
「終わりだ。ヘルガー、ブラストファング!」
それでもまだ起き上がろうとするオノンドへ、ヘルガーは容赦なく牙を突き刺した。
爆発が起き、オノンドは爆風に吹き飛ばされ、体を黒く焦がして戦闘不能になってしまった。
「っ、オノンド、お疲れ様。よく頑張ったね」
ハルはオノンドの体の煤を払い、ボールへ戻す。
「お前のオノンドの技は全て接触技だ。俺のヘルガーみたいな特殊技主体の相手には正面切って突っ掛かって来ねえとまともに攻撃すら出来ねえってこった。つまり、俺様はお前を挑発して攻撃させて、あとは待ってるだけで勝てるんだよ」
不敵な笑みを浮かべるベリアルの口調は、余裕も余裕といった感じだった。
「っ……だったら、次は君だ。頼んだよ、ワルビル!」
ハルが二番手に選んだのはワルビルだ。タイプ相性だけを見ればこちらが有利。
「おいおい、また血の気の多そうなやつが来たが……そいつも接触技主体のポケモンだろ」
「それは、どうかな。やってみなきゃ分かんないよ」
そうは言っても、ワルビルも接近戦を得意とするポケモンであることは間違いない。
しかしワルビルには、確実に接近できる技がある。
「まぁいいか。それじゃあ今度はこっちから行くぜ。ヘルガー、火炎放射!」
大きく息を吸い込んで、ヘルガーが赤黒い灼熱の炎を吹き出す。
「ワルビル、躱して!」
対するワルビルは素早く横に逸れ、炎を躱すと、
「穴を掘る!」
地面に穴を掘ってその中に潜り、地中へと身を隠す。
「チッ、なるほどな。面倒なことしやがる。ヘルガー、爆破しろ! ブラストファング!」
悪態をつきながらも、ベリアルの指示は早かった。
ヘルガーは頭を下げ、熱を帯びて赤く光る牙を地面へと突き刺す。
次の瞬間、ヘルガーの周りの地面が爆発し、周囲を纏めて吹き飛ばした。
しかし、
「……あ?」
大地を纏めて吹き飛ばしたはずが、ワルビルはどこにもいない。
そして、
「今だワルビル! 行けっ!」
直後、ヘルガーの真下、足元からワルビルが強襲し、ヘルガーを殴り飛ばした。
「流石に足元の地面まで爆破したら自分もダメージを受ける。だから足元は安全、思った通りだ! ワルビル、噛み砕く!」
体勢を崩すヘルガーを狙ってワルビルは大口を開き、頑丈な牙を食い込ませる。
そのまま顎の力だけでヘルガーを持ち上げ、思い切り地面に叩きつけた。
「舐めてんじゃねえぞ! ヘルガー、悪の波動!」
だがそれでもヘルガーは倒れず、怒りの形相を浮かべて悪意に満ちた黒い波動の渦を放ち、ワルビルを押し戻す。
「近付けさせねえぞ。火炎放射!」
「来るよ! ワルビル、躱して!」
ヘルガーが放つ赤黒い業火を、ワルビルは身を捻って躱していく。
だが際限なく繰り出される炎についに動きを捕捉され、ワルビルが炎を浴びて吹き飛ばされる。
「逃がさねえ! ヘルガー、ブラストファング!」
牙を紅蓮に滾らせ、血走った目を見開き。
体勢を崩すワルビルへ、ヘルガーが牙を剥いて襲い掛かる。
- http:// ( No.163 )
- 日時: 2017/04/30 12:09
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: VYLquixn)
>>長山さん
すみませんコメントに気づかず返信が遅れてしまいました。
魔神卿二人は一緒に来ていますが、今回は二人の賭け事も兼ねていますからね。その結果ダブルバトルではなく、それぞれのシングルバトルとなっています。
どちらの魔神卿とも強敵ですが、今後の展開をお楽しみに。
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