二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- ポケットモンスター 魔王と救世の絆
- 日時: 2018/04/30 21:14
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: OiWubliv)
こんにちはこんばんはおはようございます。パーセンターです。
今回は紙ほか板から映像板に進出して、また懲りずにポケモンの二次小説を執筆したいと思っております。
今回は前作との繋がりはほぼ断ち切った完全新作です。
カウントすれば5作目になりますね。まだ向こうの「星と旋風の使徒」は完結しておりませんので、同時進行となります。
※注意事項(?)
・いつものことですがノープランです。更新のペースも早かったり遅かったりします。
・上でも述べていますが、前作までとの繋がりはほぼありません。まだ「星と〜」が完結していませんしね。
・登場するポケモンは第七世代までです。執筆中に第八世代が出てきたらまたその時に考えます
・上に関連して、パーセンターがよく使っているベガポケモンですが、今作では『出ません』。設定上は存在している設定ですが今作には出ません。
・ベガの技は普通に出ます。ついでにオリジナル技も結構たくさん出ます。オリ技の説明は随時公開するのでご安心ください。
・オリキャラとかオリ技の募集も近いうちにすると思います。皆さん協力お願いします。
それでは、新しい主人公の新しい物語が始まります。よろしくお願いします。
登場人物紹介
>>34
オリ技紹介
>>45
プロローグ
>>1
ハツヒタウン編——旅立ち
>>6 >>7 >>8
シュンインシティ編——経験
>>15 >>20 >>28 >>32 >>35 >>36 >>37
カザハナシティ編——ライバル
>>38 >>40 >>43 >>44 >>46
ヒザカリタウン編——出会
>>55 >>56 >>57 >>58 >>59 >>60 >>61 >>62 >>65
サオヒメシティ編——Evolution
>>66 >>70 >>71 >>72 >>73 >>74 >>76 >>77 >>78 >>79 >>80 >>81 >>82 >>83 >>84 >>85 >>86 >>91
ハダレタウン編——大会
>>92 >>94 >>97 >>98 >>99 >>102 >>103 >>104 >>106 >>108 >>109 >>110 >>111 >>112 >>113 >>114 >>117 >>118 >>119 >>120 >>121
カタカゲシティ編——試練
>>122 >>123 >>124 >>127 >>128 >>129 >>130 >>133 >>134 >>135 >>136 >>138 >>139 >>140 >>141 >>142 >>143 >>144 >>145 >>146 >>147 >>148 >>151
ノワキタウン編——友情
>>152 >>153 >>156 >>159 >>160 >>162 >>164 >>165 >>166 >>167 >>168 >>169 >>170 >>175 >>176 >>177
イザヨイシティ編——実力
>>178 >>180 >>181 >>182 >>183 >>184 >>185 >>186 >>187 >>188 >>189 >>190 >>191 >>192 >>195 >>196 >>197 >>198 >>199 >>200 >>202 >>203 >>204
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- 第44話 開会 ( No.94 )
- 日時: 2016/12/18 14:54
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: VYLquixn)
- 参照: ハダレタウンバトル大会、いよいよ開幕!
大会当日。
大規模な大会ということで、会場やその周辺はかなりの賑わいを見せていた。
元より観光名所として有名なこのハダレタウンでバトル大会となれば、これだけの人の数となるのも必然である。
「うわぁ、テレビ中継まで来てるよ!」
サヤナが指差した先にあるのは、テレビ局の中継車だ。『テレビ コトブキ』と書かれている。
「本当だ。あれシンオウ地方本部のテレビ局だよね」
「まぁ中継されるのはバッジ七、八個のランクの大会だろうけどね。オレとしてはああいうのが来てくれると相手が緊張してくれるからやりやすいんだけど」
「あはは、そうだね……」
ハルはそういうのが苦手な方ではある。おそらくスグリやサヤナは緊張など殆どしないタイプなのだろう。
そんな時、
「あら、ハルじゃない。貴方も大会に?」
後ろから声を掛けられ、振り返る。
そこにいたのは、
「エストレさん!」
以前ヒザカリ大会で戦ったトレーナー、エストレだった。相変わらず傍らには護衛のようにハッサムを連れている。
「ふふ、お久しぶりね。折角の大きな大会だし、私も出ようと思ってね。もし戦うことになったら、今回は本気で戦うから、覚悟しておきなさいよ?」
恐らくこのハッサムが出てくるのだろう。
「はい……お、お手柔らかに……」
引きつった笑顔でハルはそう返す。
そんな様子を見てエストレは微笑み、じゃあね、と手を振り、先に会場へ入っていった。
「……あのハッサム、かなり強いな」
そこで口を開いたのはスグリだ。
「え?」
「見て分かった。あのハッサム、相当鍛えられてる。正直、当たりたい相手ではないね」
口ではそう言っているが、スグリの表情は先ほどと比べて楽しげだ。
「さ、オレたちも行こう。目指すは優勝だ」
「そうだね。もうすぐ開会式が始まる」
「よーし、何だか燃えてきた! どこまで進めるか、楽しみだね!」
ハルたち三人も会場入りし、いよいよ、ハダレ大会が幕を開ける。
何度も言うが今回の大会は大規模なものであるため、本戦の前に予選がある。
開会式が終わった後、ハルは予選会場に移動し、早速、一試合目が始まろうとしていた。
ハルの最初の相手は分厚いコートを来て眼鏡をかけた大人しそうな少年だ。
「これより、予選第一試合、ハル選手対クラン選手の試合を行います。バトルは一対一! それでは、ポケモンを出してください!」
審判の声に従い、二人はポケモンを出す。
「頼んだよ、ヒノヤコマ!」
「出て来い、ニドリーノ!」
ハルのヒノヤコマに対し、対戦相手クランのポケモンは体に針をいくつも持つ紫色のポケモン。額の針は一際長い。
『information
ニドリーノ 毒針ポケモン
気性の荒いポケモン。頭の毒針を
武器として振り回しながら戦うが
鋭い爪からも毒を分泌している。』
「相手は毒タイプのポケモンか。ヒノヤコマ、あの角に気をつけて戦うよ。まずは火炎弾!」
先手を取ったのはヒノヤコマ。
口から無数の火の弾を吹き出し、ニドリーノへと放つ。
「ニドリーノ、振り払え! 毒突きだ!」
対してニドリーノは毒を帯びた角を振り回し、片っ端から炎の弾を弾き飛ばす。
「今だヒノヤコマ、疾風突き!」
その直後、ヒノヤコマは嘴を突き出し、目にも留まらぬ速度で突っ込む。
炎の弾を全て薙ぎ払い、一息ついたニドリーノの一瞬の隙を突き、嘴でニドリーノを突き飛ばす。
「ニドリーノ、立て直せ! 十万ボルト!」
すぐに体勢を整え、ニドリーノは飛び去るヒノヤコマに向けて高電圧の電撃を放つ。
「電気技……! ヒノヤコマ、躱して!」
咄嗟にヒノヤコマは飛行の軌道を変え、電撃から逃れる。
次々と電撃が襲い来るも、何とか全てを躱し切った。
「よし、ヒノヤコマ、ニトロチャージ!」
旋回しながらその身に炎を纏い、ヒノヤコマは再びニドリーノへと突撃を仕掛ける。
「ニドリーノ、毒突き!」
対してニドリーノも毒を帯びた角を構え、ヒノヤコマを迎え撃つ。
正面から二者が激突、威力は互角で互いにダメージを受ける。ここまでは同条件。
「ヒノヤコマ、もう一度ニトロチャージ!」
「ニドリーノ、こっちも毒突き!」
再びヒノヤコマとニドリーノは正面衝突し、互いに押し戻される。
しかし、
「ヒノヤコマ、疾風突き!」
次の瞬間、ヒノヤコマは猛スピードで一気にニドリーノとの距離を詰め、嘴でニドリーノを突き飛ばした。
「っ、速い……!」
「追加効果だよ。ニトロチャージを相手に当てれば、スピードが上がる。さっきまでの真っ向勝負で、ヒノヤコマは普段より速くなってるんだ!」
ハルの言葉に合わせて、ヒノヤコマも力強く鳴きながら飛び回る。
「くっ……だったらニドリーノ、スマートホーン!」
体勢を立て直したニドリーノが角を硬化させ、ヒノヤコマに狙いを定めて飛び出す。
「ヒノヤコマ、躱して火炎弾!」
ヒノヤコマは素早くそれを躱そうとするが、ニドリーノがヒノヤコマの動きに合わせて正確に軌道を変え、ヒノヤコマを角で突き飛ばした。
「スマートホーンは必中技なんだ。いくら避けようとしても、この技は避けられないぞ」
つまり、どれだけスピードを上げてもスマートホーンを躱すことは出来ない。
「さあニドリーノ、もう一度スマートホーン!」
再び角を構えてニドリーノはヒノヤコマに狙いを定め、突撃する。
しかし、
「それならヒノヤコマ、ニトロチャージ!」
それに対して、ヒノヤコマは炎を纏いながら突撃していく。
ニドリーノの角とヒノヤコマの突進が再び激突するが、
「なっ!? ニドリーノ!」
今度はヒノヤコマが打ち勝ち、ニドリーノを吹き飛ばした。
ヒノヤコマは加速して勢いが強く、さらにニドリーノの使ったスマートホーンは鋼技のため炎には弱いのだ。
「いいぞヒノヤコマ、アクロバット!」
一気に加速してヒノヤコマはニドリーノに追いつき、吹き飛ぶニドリーノへ翼を振り下ろし、ニドリーノを床に叩きつけた。
「火炎弾!」
床に叩きつけられたニドリーノへ、ヒノヤコマは無数の炎の弾を噴き出す。
「っ、ニドリーノ、躱せ!」
何とか起き上がるニドリーノだったが、炎の弾を躱す余裕はなく、無数の炎弾を打ち付けられる。
「ニドリーノ!」
炎が消えた時、ニドリーノは体を黒く焦がし、戦闘不能となっていた。
「ニドリーノ、戦闘不能! ヒノヤコマの勝ち! 勝者、ハル選手!」
- Re: ポケットモンスター 魔王と救世の絆 ( No.95 )
- 日時: 2016/12/18 17:11
- 名前: マルガリータ ◆Ywb2SqBO2Q (ID: GqvoTCxQ)
前回、近日にコメントしますと言いましたが、修学旅行やら殿堂入りやらで遅れてしまいました。申し訳ありません
イーブイはエーフィに進化したんですね。個人的にはニンフィアを予想していましたが、アリスとの会話からエーフィに進化する伏線が立っていましたね
形成逆転し、優勝出来て良かったです
その後は何か胡散臭い宗教が敵として立ちはだかり、ピンチ(?)のところにアリスと再会しましたね。確かにあの実力とライボルトを連れているからにモブではないことは知っていましたが、ジムリーダーでしたか。しかもコルニポジションとは……!
メガシンカの使い手である彼女を追い詰めらエースとエースの対決……でリオルが進化ですか。メガライボルトを打ち破るとは……ハル君とルカリオが積み重ねた絆と実力は凄い
リオルが進化出来たことですし、その後は原作にハル君継承者になるんだろうなぁと察していましたが、ディントス教が黙ってはいられませんよね。悪の組織ってメガシンカや伝説ポケモンになると絡んできますからね……
キーストーン奪還作戦が始まり、ディントス教との対決で、『V』の正体はやはりゴエティアが関わっていましたか。ディントスをあっさりと切り捨てるとは……パイモン然りダン然り、今作の敵は侮れませんね
メガシンカは身体に負担を掛ける設定なんですね。確かに絆がないと出来ない現象ですし、ポケモン側もかなりのパワーを使うみたいですしね
それと、ミオの登場ありがとうございます。まさか登場するとは思わなかったので吃驚しました……
技構成や設定はパーセンターさんのご自由で構いません
寒いこの時期なので、お身体に気を付けて下さいね
- http:// ( No.96 )
- 日時: 2016/12/19 09:35
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: 7zVKYUQq)
>>マルガリータさん
いえいえ、コメントしていただきありがとうございます。
修学旅行とは懐かしい響きです。
設定初期はニンフィアにすることも考えてはいました。
しかし、やはり懐きという明確な描写点があること、あと単純に私がエーフィの方が好きだってこともあって、エーフィに進化させることにしました。
イーブイの時には物足りなかった火力も手に入れ、これからはハルの主戦力の一体となってくれることでしょう。
アリスはどこかで再登場すると睨んでいた人は多いと思いますが、ここまで重要な存在だと予測していた人は少ないんじゃないかと考えています。どれくらいの人に読んでもらえているかは分かりませんが。
その通り、彼女はXYでいうコルニポジションの人物です。継承者というものに関しては勝手な設定を付け加えていますが、そこは二次創作ということで。
そしてここに来て遂にリオルはルカリオへと進化ですね。ルカリオも懐きによって進化するポケモン、ここからもハルとルカリオの絆を感じていただけるかと。
伝説のポケモンやメガシンカとなれば、悪の組織は必ず出しゃ張ってきますよね。ということでここでディントス教登場です。
そして今回の黒幕である『V』こと魔神卿ヴィネーですが、こいつもこいつで使えない部下は容赦無く切り捨てる、パイモンやダンに劣らない実力を持つ一人です。今回はバトルこそしませんでしたが。
今回の敵キャラ、魔神卿はどいつもこいつもバケモノ揃いなので、楽しみにしていてください。
今作ではメガシンカはトレーナーにもある程度負担がかかるという設定です。アリスはもうそれに慣れきっているように、アニメのサトシゲッコウガほど重いものではありませんが。
ミオは個人的には扱いやすいキャラだったので、使用させていただくことにしました。
後これは個人的なお願いなのですが、今後の展開の関係でミオにメガシンカポケモンを持たせたいのです……。
なので一匹メガシンカできるポケモンまたはその進化前を追加していただけると、私としては大変嬉しいです。
ご検討よろしくお願いします……。
- 第45話 本戦 ( No.97 )
- 日時: 2016/12/20 11:04
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: VYLquixn)
「ワルビル、シャドークロー!」
ワルビルが腕に纏った影の爪を振るい、眼のような形をした触覚を持つ虫ポケモンを薙ぎ払う。
『information
アメモース 目玉ポケモン
四枚の小さな翅で上下前後左右
自由に飛び回ることが出来る。
触覚の目玉模様で敵を威嚇する。』
切り裂かれたアメモースはそのまま床に倒れ、戦闘不能となった。
ハダレタウン大会の予選リーグは三、又は四人一組の総当たり戦で、その中で一位となった者のみが本戦に出場できる。
そしてハルはたった今、二戦目を勝利で終えてきたところだ。
予選を終え、ロビーへと戻るハル。先に予選を終えた選手たちが、他にも続々と戻ってきていた。
二勝したので予選突破は確実だが、サヤナたちの結果が気になる。予選結果はターミナルに表示され、その後ロビーの画面にも予選通過者が表示される。
やがて、予選がすべて終わったのか、ターミナルから通知音が響き、通過者の名前が表示される。
「おぉハル君、予選突破したんだね」
すぐ近くから声を掛けられる。声の主は、近くにいたスグリだ。
「スグリ君! お互い予選突破できたね!」
「まぁ予選くらいらくしょーよ。ハル君かサヤナちゃんと決勝で会う約束してんだからさ」
そう返し、スグリはニヤッと笑う。
ターミナルの画面には、見慣れた名前が他にも並んでいた。
サヤナ、エストレ、そしてミオ。
そして、ロビーに設置された大画面に、本戦のトーナメントが表示される。
今回のトーナメントはシャッフルがないため、二回戦以降に戦う相手もある程度分析することができるのだ。
「僕はトーナメントの右側か……」
「オレは左側だ。サヤナちゃんもこっちだから、準決勝でサヤナちゃんに勝って、決勝でハル君に勝って優勝かな」
ハルとスグリがトーナメント表を見る。ミオはハルと同じ右側だ。お互いが勝ち進めば三回戦、つまり準決勝でぶつかる。
ちなみに、ハルの一回戦は以前の大会でも戦ったリオンという少女。。
そして、エストレが、
「スグリ君の相手、エストレさんだ」
「ああ——ハッサムを持ってたあのトレーナーね。当たりたい相手じゃないなんて言ってたら、一回戦から当たるなんて、ついてないな」
口ではそう言いながらも、スグリの表情は余裕を浮かべたままだ。
そして、顔写真で一際異彩を放つトレーナーが一人。
「なんだこの人、見たことない……名前は、ロー……?」
顔写真しか写っていないが、既に他の選手とは雰囲気が違う。
黒いまん丸の目に裂けたような黒い口が描かれた真っ白な仮面が、不気味さを放っている。
「変な仮面つけてるけど、ヒール役なのか、それともエンターテイナーか。二回戦でサヤナちゃんと当たるみたいだね」
ともあれ、一日目は予選で終了。
無事予選を突破し、明日は、いよいよ本戦だ。
『さあ、間も無く始まります、ハダレタウンバトル大会レギュラーカップ! 出場選手のバッジは四個から五個! 実況は私、テレビコトブキのアナウンサー、タロットが務めさせていただきます!』
本選当日。
タロットと名乗った若い女性アナウンサーが、テンションを上げて大会開始を告げる。
『今回は私がマイク一本で盛り上げていきますので、皆さんも盛り上がってまいりましょう! さあ、それではいよいよ! ハダレ大会レギュラーカップ、第一回戦の開幕です!』
アナウンサーの声に合わせて、会場からも歓声が上がる。
『それでは、選手の入場です! 一回戦第一試合! ハル選手とリオン選手の入場です!』
控え室を立ち、ハルはバトルフィールドに立つ。対戦相手のトレーナー、金髪のツインテールの少女リオンは、カザハナシティバトル大会でも一回戦で当たった相手だ。
「久しぶりだね。今度こそ私が勝つよ! お願い、モルフォン!」
「よろしくお願いします! 頼んだ、ヒノヤコマ!」
ハルが選んだポケモンはヒノヤコマ。
対するリオンのポケモンは、薄紫の巨大な蛾のようなポケモン。バタバタと翅を羽ばたかせ、鱗粉をばら撒いている。
『information
モルフォン 毒蛾ポケモン
夜になると目を覚まし動き出す。
翅の鱗粉は色が濃いと毒を与え
薄い色のものは相手を痺れさせる。』
コンパンの進化した姿、モルフォンだ。以前のコンパンが進化したのだろう。
「行くよ! ヒノヤコマ、まずは疾風突き!」
嘴を突き出し、ヒノヤコマが速攻の突撃を仕掛ける。
目にも留まらぬ速度でモルフォンの腹部へと突っ込み、嘴で突き飛ばす。
しかし、
「モルフォン、受け止めて!」
ヒノヤコマの嘴の一撃を受けた瞬間、モルフォンが脚を一斉に動かし、ヒノヤコマを捕まえる。
「毒々の牙!」
動きを止めたヒノヤコマへ、モルフォンは猛毒を帯びた牙を突き刺し毒を送り込み、そのまま投げ飛ばした。
「ヒノヤコマ! 大丈夫!?」
幸い毒状態にはならなかったようで、ヒノヤコマはすぐに飛び上がり、力強く鳴く。
「なら、これならどうだ! ヒノヤコマ、ニトロチャージ!」
ヒノヤコマがその身に炎を纏い、炎弾の如く飛び出す。
「モルフォン、銀色の風!」
流石に炎を纏ったヒノヤコマを受け止めようとはせず、モルフォンは翅を羽ばたかせて銀色の鱗粉を乗せた風を吹かせる。
鱗粉の乗った風が、ヒノヤコマを覆う炎を吹き消すと、
「毒々の牙!」
牙から猛毒を滴らせ、ヒノヤコマへ飛びかかる。
「っ、ヒノヤコマ、火炎弾!」
対してヒノヤコマは口から無数の火の弾を噴き出す。
迎え撃とうとするモルフォンだが、小さい口で全ての炎を食い破ることは出来ず、残った炎の弾を受けてしまう。
「ヒノヤコマ、続けてニトロチャージ!」
「やるね……っ、モルフォン、サイコショット!」
ヒノヤコマが再び炎を纏って、モルフォンへと突っ込んでいく。
体勢を立て直したモルフォンはサイコパワーを溜め込み、向かってくるヒノヤコマへ念力の弾を放つ。
「ヒノヤコマ、躱して!」
高速で突っ込むヒノヤコマは、その軌道を変えて念力の弾を躱してそのまま突撃、今度はモルフォンを突き飛ばした。
「いいぞヒノヤコマ、続けてアクロバット!」
ニトロチャージの追加効果により、素早さが上がる。
さらに加速しながら、ヒノヤコマは軽快な動きで一気にモルフォンとの距離を詰めていく。
「モルフォン、銀色の風……っ!」
咄嗟に鱗粉を乗せた風を起こすモルフォンだが、
「っ、速い……!」
既にヒノヤコマはモルフォンの背後まで回り込んでいる。
そのまま翼を振り下ろして叩きつけ、モルフォンを床へと叩き落とす。
- 第46話 好カード ( No.98 )
- 日時: 2016/12/21 09:47
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: VYLquixn)
- 参照: 一回戦最終試合は、名勝負の予感——!
ヒノヤコマの翼の一撃を叩きつけられ、モルフォンが地面に落とされる。
「まだよ! モルフォン、サイコショット!」
地面に落ちたままだが、モルフォンはサイコパワーを集めた念力の弾を真上に放出する。
しかし、
「ヒノヤコマ、躱してニトロチャージ!」
炎を纏い、ヒノヤコマは念弾を躱すとそのまま急降下攻撃を仕掛ける。
モルフォンに激突し、爆発と共にモルフォンを床へとめり込ませた。
「モルフォン!」
爆煙が晴れた時には、モルフォンは体を焦がし、目を回して戦闘不能になっていた。
『決まったぁぁ! ハル選手のヒノヤコマ、相性で有利なモルフォン相手に終始有利に立ち回り、スピードで圧倒! ハル選手、二回戦進出でぇす!』
女性アナウンサーの声が響き渡り、会場に歓声が湧く。
「よし、一回戦突破……ヒノヤコマ、お疲れ様」
腕に留まったヒノヤコマの嘴を撫で、ボールへと戻すと、ハルはバトルフィールドを後にする。
ハルの試合の何試合か後、ミオも難なく一回戦を突破。
さらに、サヤナも危なげなく一回戦を突破した。
そして。
一回戦最後の試合にして、今大会注目の選手同士が初っ端から戦う好カード。
『さぁ! 一回戦最後の試合が、間も無く始まります! 第一回戦、最終試合! スグリ選手とエストレ選手の入場です!』
アナウンサーが名を告げると同時、会場が大きく湧き上がる。
それもそのはず、
『今大会注目の一戦! 両選手とも、別の大会で数回の優勝経験を持つ実力派! この二人が当たる場としては、一回戦のこの場は、あまりにもはやすぎやしないだろうか!?』
この二人、別の街の大会でも何度か優勝しているのだ。
優勝候補同士が一回戦から激突。観客にとっては注目の一戦になること間違いなしだ。
「いやぁ、まさか一回戦から優勝候補とあたるなんてさ。まぁいずれどこかで当たると考えたら、早めに勝っておくに越したことはないね」
「あら、随分と余裕だわね。ま、その意見には私も同感だけど。貴方に勝てば、ここから先が楽になりますわ」
お互いに軽く挑発を挟んだ後、同時にポケモンを繰り出す。
「出てこい、エレザード!」
「行ってきなさい、ボーマンダ!」
スグリのポケモンは、細身の体に襟巻を持つ二足歩行のトカゲのようなポケモン。
対するエストレのポケモンは、巨大な赤い翼を持つ、頑強な体つきの青いドラゴンポケモン。地に足をつけ、どっしりと構えている。
どちらも、ハルが初めて見るポケモンだ。
『information
エレザード 発電ポケモン
100mを5秒で走り抜く脚力を
持つ。砂漠に生息するが湿地でも
生きられるほど適応能力が高い。』
『information
ボーマンダ ドラゴンポケモン
気性が荒く怒ると周囲へ見境なく
炎を吹き出し暴れ回る。熟練者でも
手なづけるのはかなり難しい。』
エレザードは電気とノーマルタイプ、ボーマンダはコモルーの進化系でドラゴンと飛行タイプだ。
「あれ、ボーマンダで来たかぁ。てっきりハッサムで来ると思ってたんだけど」
「ハッサムを重く見て鋼技の通りが悪いフローゼルを予想していたけど、電気タイプのエレザードも持っていましたのね」
どうやらお互いに読みが外れたようだが、ともあれ、二人のポケモンは出揃った。
「それじゃあ始めますか! エレザード、まずは十万ボルト!」
いよいよバトルが始まる。
いち早くエレザードが動き出す。顔の周りに襟巻を広げて電気を作り出し、高電圧の強力な電撃を放つ。
「ボーマンダ、大文字!」
対するボーマンダはその場から動かず、大きく息を吸い込み、大の字型の巨大な炎の弾を噴き出す。
炎の弾が電撃を押していくも、エレザードまでは届かず、やがてお互いの技は打ち消される。
「攻撃力じゃ負けてるな……だったら」
ボーマンダの攻撃力を確認すると、スグリは次の手に出る。
「スピードで勝負だ! エレザード!」
エレザードの後ろ足の筋肉が、一瞬膨張する。
筋肉を電撃で刺激し、次の瞬間、エレザードは地を蹴って飛び出し、恐ろしいほどのスピードで一瞬のうちにボーマンダのすぐ横を駆け抜けていく。
「何てスピード……! ボーマンダ、気をつけて……!」
「今だエレザード、ドラゴンテール!」
素早さで撹乱し、ボーマンダがエレザードの位置を見失ったその隙を突き、エレザードは龍の力を帯びた尻尾を勢いよくボーマンダへ叩きつける。
「っ、ボーマンダ、飛びなさい!」
ボーマンダもなかなか硬い。エレザードの攻撃を受けても怯まず、大きな翼を羽ばたかせ、宙へと舞い上がる。
「ボーマンダ、ドラゴンクロー!」
前足の爪に龍の波動を纏わせて輝く爪を作り出し、ボーマンダは翼を一振りさせて飛び出し、エレザード目掛けて光の爪を振るう。
「遅い遅い! エレザード、悪の波動!」
対してエレザードは地面を蹴って横っ跳びし、ボーマンダの斬撃を躱しつつ、悪意に満ちた闇の波動を撃ち出す。
「それはどうしから? 大文字!」
しかしそれを予測していたのか、ボーマンダはエレザードの位置を捉え、すぐさま大の字型の炎を撃ち出す。
炎の弾が悪の波動を打ち破り、その奥のエレザードを捉えた。
「そう簡単に隙は作らないわよ。私を倒すというのなら、その程度の実力ではないでしょう? もっと本気を見せてくださいな!」
「へっ、上等だ。エレザード、炎のパンチ!」
刹那、煙の中から猛スピードでエレザードが飛び出す。
一気にボーマンダの眼前まで迫ると、炎を灯した腕を振り上げ、ボーマンダの顎にアッパーカットを叩き込み、
「続けてドラゴンテール!」
「食い止めなさい! 噛み砕く!」
さらに龍の力を帯びた尻尾を振るい、対してボーマンダは大口を開き、頑丈な牙でエレザードの尻尾を受け止める。
「十万ボルト!」
「大文字!」
エレザードの尻尾から電撃が放出されるのと、ボーマンダが口から炎を噴き出すのはほぼ同時だった。
電撃を受けてボーマンダの体がぐらりと傾き、炎の弾の直撃を食らったエレザードは大きく吹き飛ばされる。
「くっ……なかなかやるじゃないの。ボーマンダ、まだ行けますわよね」
「そっちこそね……エレザード、こっからが本番だぞ」
砂煙の中から唸り声をあげてボーマンダが首を上げ、エレザードはゆっくりと立ち上がると首を振って体勢を整える。
「ボーマンダ、大文字!」
ボーマンダが赤い翼を広げて飛び上がり、首を下げながら床と平行に巨大な大の字型の炎の弾を飛ばす。
「エレザード、躱して十万ボルト!」
後ろに下がって躱せないとなれば、エレザードは地面を蹴って大きく横に飛び、炎を躱すと、間髪入れずに襟巻を開いて高電圧の強力な電撃を放つ。
「ボーマンダ、ドラゴンクローで防いで!」
空中のボーマンダは前足に龍の力を纏い光の爪を作り上げ、それを振るって電撃を撃ち破る。
お互いの強力なエネルギーを持った一撃は激しくぶつかった末、力の行き所を失い、爆発を起こす。
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