二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- ポケットモンスター 魔王と救世の絆
- 日時: 2018/04/30 21:14
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: OiWubliv)
こんにちはこんばんはおはようございます。パーセンターです。
今回は紙ほか板から映像板に進出して、また懲りずにポケモンの二次小説を執筆したいと思っております。
今回は前作との繋がりはほぼ断ち切った完全新作です。
カウントすれば5作目になりますね。まだ向こうの「星と旋風の使徒」は完結しておりませんので、同時進行となります。
※注意事項(?)
・いつものことですがノープランです。更新のペースも早かったり遅かったりします。
・上でも述べていますが、前作までとの繋がりはほぼありません。まだ「星と〜」が完結していませんしね。
・登場するポケモンは第七世代までです。執筆中に第八世代が出てきたらまたその時に考えます
・上に関連して、パーセンターがよく使っているベガポケモンですが、今作では『出ません』。設定上は存在している設定ですが今作には出ません。
・ベガの技は普通に出ます。ついでにオリジナル技も結構たくさん出ます。オリ技の説明は随時公開するのでご安心ください。
・オリキャラとかオリ技の募集も近いうちにすると思います。皆さん協力お願いします。
それでは、新しい主人公の新しい物語が始まります。よろしくお願いします。
登場人物紹介
>>34
オリ技紹介
>>45
プロローグ
>>1
ハツヒタウン編——旅立ち
>>6 >>7 >>8
シュンインシティ編——経験
>>15 >>20 >>28 >>32 >>35 >>36 >>37
カザハナシティ編——ライバル
>>38 >>40 >>43 >>44 >>46
ヒザカリタウン編——出会
>>55 >>56 >>57 >>58 >>59 >>60 >>61 >>62 >>65
サオヒメシティ編——Evolution
>>66 >>70 >>71 >>72 >>73 >>74 >>76 >>77 >>78 >>79 >>80 >>81 >>82 >>83 >>84 >>85 >>86 >>91
ハダレタウン編——大会
>>92 >>94 >>97 >>98 >>99 >>102 >>103 >>104 >>106 >>108 >>109 >>110 >>111 >>112 >>113 >>114 >>117 >>118 >>119 >>120 >>121
カタカゲシティ編——試練
>>122 >>123 >>124 >>127 >>128 >>129 >>130 >>133 >>134 >>135 >>136 >>138 >>139 >>140 >>141 >>142 >>143 >>144 >>145 >>146 >>147 >>148 >>151
ノワキタウン編——友情
>>152 >>153 >>156 >>159 >>160 >>162 >>164 >>165 >>166 >>167 >>168 >>169 >>170 >>175 >>176 >>177
イザヨイシティ編——実力
>>178 >>180 >>181 >>182 >>183 >>184 >>185 >>186 >>187 >>188 >>189 >>190 >>191 >>192 >>195 >>196 >>197 >>198 >>199 >>200 >>202 >>203 >>204
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- 第66話 ジムバトル! カタカゲジムⅡ ( No.124 )
- 日時: 2017/01/20 00:45
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: VYLquixn)
- 参照: 吹き荒れる砂嵐に苦戦するハル。対抗する術は——
「それじゃワルビル、行くよ! シャドークロー!」
ワルビルが吼え、爪に黒い影を纏わせ、サナギラスへと向かっていく。
「サナギラス、悪の波動!」
対するサナギラスは悪意に満ちた黒い波動を撃ち出し、ワルビルの影の爪を撃ち破ろうとするも、
「ワルビル、躱して!」
ワルビルは前方へ勢いよく跳躍、悪の波動を飛び越え、一気にサナギラスとの距離を詰める。
そのまま腕を振り抜き、鋭い影の爪でサナギラスを切り裂いた。
「サナギラス、アイアンヘッド!」
「ワルビル、穴を掘る!」
目の前にいるワルビルへサナギラスが硬い頭を突き出すが、ワルビルは飛び退いてそれを躱し、着地と同時に地中へ潜り身を隠す。
「炙り出せ。ストーンエッジ!」
地中へ潜られても、カガチは焦りを見せない。
すぐさまサナギラスが地面に体を叩きつけ、地中から無数の岩の剣を突き出させ、ワルビルを引きずり出そうとする。
しかし、
「今だ、ワルビル!」
地中でも正確に岩の剣を躱し、ワルビルはサナギラスの真下へ忍び寄り、地中から勢いよく飛び出し、強襲を仕掛ける。
拳を思い切り振り上げ、サナギラスを殴り飛ばした。
「……!」
サナギラスが放物線を描いて宙を舞い、そのまま地面に落ちる。
効果抜群の一撃を受け、戦闘不能となって倒れた。
「サナギラス、戻れ」
カガチはサナギラスをボールへと戻すと、カガチは特に何も言わず、次のポケモンを繰り出す。
「出番だ、バクーダ!」
カガチの二番手は、コブの代わりに火山の火口を背負ったラクダのようなポケモンだ。
『information
バクーダ 噴火ポケモン
怒りっぽい性格な上に怒ると
背中から炎を撒き散らす。コブが
震えだしたら噴火する合図だ。』
地面と炎タイプを併せ持つポケモンだ。
「え……?」
「どうした。何か気になるのか」
不思議そうな顔をするハルへ、カガチが声を掛ける。
「いや、炎タイプを持つワルビルには、バクーダは相性が悪いんじゃないかと思って……」
「フン、そんなことか。俺のようなジムリーダーは専門タイプを突き詰めた者たち。タイプ相性まで考えた上で、バクーダが一番有利に戦えると判断したまでのことだ」
そんなことより、とカガチは続け、
「さあ、バトルを再開するぞ。バクーダ、火炎放射!」
カガチの言葉と同時に、バクーダが口から灼熱の炎を噴き出す。
「背中の火山は使わないのか……ワルビル、躱して噛み砕く!」
素早く炎を躱すと、ワルビルは大顎を開き、牙を剥いてバクーダに襲い掛かる。
バクーダの脇を駆け抜け、横から胴体へと頑丈な牙を食い込ませる。
が、しかし。
「バクーダ、ダイヤブラスト!」
ワルビルの牙を受けても、バクーダは身動きしなかった。
次の瞬間、バクーダを中心として爆発が起こり、ダイヤのように青白く煌めく爆風と共にワルビルは吹き飛ばされた。
「ワルビル! 大丈夫!?」
ワルビルはすぐに起き上がると、バクーダを睨みつけて低く唸る。
「噛み砕くが、効いてない……?」
「全く効かないわけではないがな。だが俺のバクーダはスタミナには自信があってな。タイプ一致と言えど、その程度の攻撃ではびくともせんぞ」
カガチの言う通り、バクーダは噛み砕く一撃程度では怯むどころか顔色一つ変えていない。
「さて、どう攻略するかな。バクーダ、目覚めるパワー!」
バクーダが周囲に無数のエネルギーの球体を浮かべ、一斉にワルビルへと撃ち出す。
球体の色は水色。アリスのライボルトが使うものと同じ色、つまり氷タイプ。
「ワルビル、躱して燕返し!」
球体を飛び越え、潜り抜け、ワルビルは球体を躱しながらバクーダとの距離を詰めていく。
刀身のように白く輝く腕を振り下ろし、バクーダの脳天へ叩きつけた。
「バクーダ、火炎放射!」
しかし、やはりというかバクーダは顔色を全く変えないまま、すぐに灼熱の業火を吹き出して反撃する。
炎に巻き込まれてワルビルが吹き飛ばされた。致命傷には至っていないが、ダメージはかなり大きい。
「バクーダ、もう一度火炎放射!」
さらにバクーダはもう一度、灼熱の業火を吹き出す。
「ワルビル、躱してシャドークローだ! 周りを駆け抜けろ!」
炎を躱し、ワルビルは両手に影を纏わせる。
鋭い影の爪を作り上げると、バクーダの周囲を駆け回りつつ、爪を振るってバクーダを切り裂く。
「無駄だ! ダイヤブラスト!」
「来る……! ワルビル、穴を掘る!」
バクーダの周囲に淡く青白い光が迸る。
それを見てワルビルは素早く地面に潜ると、次の瞬間バクーダを中心として爆発と共に青白い爆風が巻き起こる。
「危なかった……何とか躱した」
ほっと一息つくハル、しかし、
「大地の力!」
バクーダが咆哮をあげると、大地が振動し、辺り一帯から土砂が吹き出す。
地中から吹き出す土砂は見境なく周囲を吹き飛ばす。当然、地中に潜んでいたワルビルもただではすまなかった。
吹き上がる土砂に巻き込まれ、ワルビルが天高く打ち上げられた。
「っ、ワルビル!?」
「バクーダ、火炎放射!」
花火のように打ち上げられたワルビルに対し、バクーダは灼熱の炎を噴いて追撃する。
それも口からではなく、背中の火口から、まるで噴火するかのようにワルビル目掛けて炎を噴き出した。
「ワルビル!」
業火に飲み込まれて吹き飛ばされ、ワルビルは天井に激突する。
重力に従って落下し、地面にぶつかってそのまま倒れ、早くもワルビルは戦闘不能になってしまった。
「そんな……くっ、ワルビル、お疲れ様」
悔しさを隠せないまま、ハルはワルビルをボールへ戻す。
これでハルのポケモンは残り一体。しかもカガチのバクーダにはさしたるダメージを与えられないまま最後の一体を迎えることになってしまった。
(くっ……いや、大丈夫。僕にはメガシンカの力がある。絶対ここから逆転して、勝ってみせる!)
「最後は頼んだよ、ルカリオ!」
ハルの最後のポケモンはルカリオ。タイプ相性的には不利だが、それはヒノヤコマでも同じ。何よりこの状況となれば、ハルの手持ちの中で最強のポケモンをぶつけるしかない。
「ルカリオ、最初から行くよ! メガシンカだ!」
ハルのキーストーンの光に、ルカリオのメガストーンが反応する。
七色の光に包まれ、波導の力とメガシンカのエネルギーが体内を駆け巡り、ルカリオがメガシンカを遂げる
「なるほど、それがアリスから継承したメガシンカか」
そして目の前でルカリオがメガシンカを遂げても、カガチはやはり表情一つ変えずに、ハルとルカリオをじっと見据える。
- Re: ポケットモンスター 魔王と救世の絆 ( No.125 )
- 日時: 2017/01/21 18:50
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: U7ARsfaj)
お久し振り……と言うべきなのか、どうなのか。ともかくお邪魔します、白黒です。
一通り、しっかりと本作品を読み終えることができたので、参りました。
ただ、元々冗長に語ってしまう癖があるので、ここまでの話全てに触れようとすると、大変な文章量になってしまいそうなので、全体的に軽く触れるコメントさせていただきます。申し訳ない。
まず最初に思ったのは、プロローグの異質さと言いますか、不思議な感じがしました。
どことなくXYを思わせる『王』や『キズナ』といった言葉……この昔話が、今作品に重要な意味をもたらすのでしょうかね。
そして次に、ハル君、主人公の最初のポケモンはリオルなのか、ということですね。
ポケダンなんかでも主人公候補にされるポケモンですし、適役ではありますが、なぜ普通の御三家ではなかったのだろうと思いましたが……後の進化のため、という意味が大きそうですね。またその時に触れますが。
第七世代で害鳥ではなくなったアローの雛……もといヤヤコマをゲットして、最初のジム戦は、草タイプですか。
イチイさんのポケモンは、スボミーとチェリムで、花屋さんらしいチョイスがいいですね。どっちもシンオウ初出のポケモンなので、なんとなくナタネを思い出しました。
ジム戦後は恒例の敵対組織の登場……『ゴエティア』、ですか。
グリモワールについては、まあ、自分の作品に出すくらいなのでそれなりには知っていますが、ソロモンの悪魔そのものについては、実はそんなに知らなかったり。七十二も連なる悪魔の名前から、七魔卿として七体だけを選択するというのも、少し驚きました。いやさ、流石に七十二も使えるわけがないんですけども。
ソロモンの悪魔の名前はわりと独特なので、魔神卿の名前も、ポケモンの世界観では異彩を放つ感じとなっていますね。新鮮で、謎な感じが引き立っているように感じます。
しかしパイモン、進化前のメタングを使ったり、スピアーで地形を変形させたり、凄まじい実力者ですね……底が見えないというか、不気味です。
ハルに興味を持ったという言葉の意味も、どういう意味なのか……彼らの動きも、気になるところですね。
騒動が終わった後は、カザハナシティでバトル大会ですか……こういう公式的な大会があると、ライバルキャラの成長度も自然に表現できるので、なかなかいいイベントですよね。
しかしスグリは、ヒサギさんのことをヒサギ兄と呼んでいるのですか……何気に彼がカザハナ出身だと知ってビックリです。まさか出身地を明かしてくれるとは。しかも、大会に出るためにジム戦を保留にするあたり、いい人ですねん、スグリ。ヒサギさんも、それほどに慕われているということでしょうか。
ヒサギさんは、ジムリーダーなのに人見知りというのがちょっと面白かったです。今まで、ジムリーダーでそういう人っていなかったので……キャプテンなら、ゲームのマーマネがそうでしたけども。しかも格闘タイプ使いというのが、なおさら。
シュンインジムでもそうでしたが、今回もリオルの波導の力で勝利……この波導というのも、ハル君とリオル、二人にとっての重要なものとなるのでしょいうか。
その後、イーブイを助けるためにまた『ゴエティア』と交戦しますけど……ダンタリオン。新しい魔神卿が出ましたか。
文字数制限が緩くなったとはいえ、人名で六文字はまだちょっとなれませんが、これはまた、口調と併せてすごいアクの強そうなキャラですね……使用ポケモンもゾロアークにゴースト。パイモンと同じく、進化前を連れているのですか。
しかも、パイモンと壮絶な喧嘩をしていますし。『ゴエティア』って、構成員どうしの仲は結構悪いんですかね……?
そういえばカザハナのバトル大会で、リオンという選手が出ていましたが、ダンタリオンと関係が……? 深読みかもしれませんが、後述するロノウェのことを考えると、ありそうな気がしてきました。
イーブイを仲間に加えて、アリスとバトルして、次はヒザカリシティですか。
今までなんとなく思ってましたが、街の名前の由来は、日盛……でしょうか? 春陰、風花と併せて季語ですね。
街の名前に関してとやかく言うつもりはありませんが、正直、意外です。白黒は俳句をやっていた経験がありますけども、俳句も季語も普通はなかなか触れない言葉だと思うので、それを用いるとは……ちょっと親近感湧きます。
そんな暑そうな街の名前の通り、炎タイプのジムですね。ポプラさん、名前は可愛らしいのに、凄いパッション溢れるジムリーダーですね……
エースのカエンジシですが、コラに使われる方じゃなくて、たくさん出て来る方の個体ですね……カエンジシはオスもメスもデザインとしてはわりと好きです。
ここでもリオルの波導の力で勝利を収めますが、ハル君、そこで自分のポケモンについて考えてて、良いですね。
バトル大会では、さらりとハル君、優勝してますね。
イーブイゲットに立ち会ったエストレさん戦で、イーブイがエーフィに進化するというのも、演出としては良かったと思います。
大会後はメグロコと遭遇して、バトル中にまさか相手が進化するとは……しかもそのまま捕まえてしまいますし……アニポケBWを思い出しました。
しかし、ワルビルとはなかなか渋いチョイスですね……いまいち好きでも嫌いでもないポケモンなので、今後どう活躍するのか、楽しみです。
ワルビルを仲間に迎え、サオヒメシティに来てジム戦かと思ったら……ディントス教?
『ゴエティア』以外のの敵対組織が出て来るとは思わなかったので、これまた驚きました。しかも、言葉の端々から邪教としか思えなくて、こちらもまた不気味です。
ミョルとグングと交戦するのは、アリスさん……あぁ、やっぱりジムリーダーでしたか。なんとなくわかってました。
でもメガライボルト格好良いですね。白黒もクチートと出会う前は、メガライボが好きでした。縦に薄いですけど、あのたてがみが格好良いです。
名前も、植物由来の方もあるのかもしれませんが、父親と併せてアリス・リデルで面白いです。メガシンカという、今までとは別の世界を見せる役回りとしては、いいモチーフだと思います。
ジム戦後にプロフィールが明かされる演出も、彼女の特別性が滲み出ていていますね。
使用ポケモンは、思ったより無機質でしたが……電気タイプ使いならレアコイルはいるだろうと予想してましたが、マルマインはちょっと意外。
ただ、ここで邪魔してくるか、ディントス教……意外とすぐに再登場しましたね。
それに、やはり強いですね。ジムリーダーとも渡り合うディントス……でも、ハル君とアリスさんのコンビネーションで、ギルガルドを突破する流れは熱かったです。
しかし、ディントス教って、『ゴエディア』の下部組織みたいなものだったんですね……しかもミョルとグングは派遣社員だったのか……
なんだか展開が早いと思ったり、違う勢力が出たりと違和感がありましたが、すべての謎が解けました。
メガシンカの継承も終えましたが……波導の力については、まだ謎が残っていますし、その点がどう解明されているのか、楽しみです。
ハダレのバトル大会は……色々と壮絶ですね……
何気にカザハナのリオンさんが再登場してるのを見つけつつ、それぞれのバトルも熱戦ですね。
エストレさんをギリギリで打ち倒すスグリもそうですが、ミオとのリベンジマッチとなるハル君のバトルも、熱いです。
ただやはり、一番のインパクトは、大会に紛れ込んでいた魔神卿、ロノウェですね。
性格もそうですが、自分たちの脅威を見せつけるためとは……『ゴエティア』の目的って、本当になんなのでしょう? 王の復活とか、言っていましたけども……
しかしロノウェ、面白いですね。ジム巡りが間に合わなかったと素直に言っちゃうところとか。
アナウンサーとして紛れていたアスタロトも、『名前だけでも覚えて帰ってね!』という台詞が愛嬌あって好きです。性格的にこの人が魔神卿で一番まともなのでは……?
大会がお流れになって、ハル君とスグリの決勝戦をやりなおすという展開も、熱いですね。
フローゼルで有利を取るスグリに、メガルカリオとジュプトルのエース対決に持ち込むハル君。
結果はルカリオの勝ちでしたけど、ジュプトルにはまだ成長の余地が十分に残されているので、またあるかもしれない二人の対決を期待しています。
また次のジムかと思いましたけど、ここで『ゴエティア』のアジトが発見されるとは……いよいよ『ゴエティア』の内部事情も、判明してくるのでしょうか。
関係ないですが、パイモンらしき男の台詞にあるヴィネーの呼び方、ヴィ姐ってなんか面白いですね。掛詞っぽくて。
ディントスから得た情報を元に、アジトに突入するハル君たちですが……回想通り、しっかりと想定されていますね。
ここでも新しい魔神卿が……アモン、ですか。
フクロウというと最近お気に入りのジュナイパーが思い浮かびますが、巨漢の研究者というギャップが凄いですね。
しかも使うポケモンローブシンだし。頭脳戦をするような人には見えない……それとも、ソライトのように、結局最後は力、という考えを持っているのでしょうか。
と思いましたけど、二対一のバトルでも、数の不利があるにもかかわらず、うまく立ち回っていますね。意外と技巧派なんですね、アモンって。
一方、新キャラのパラレルは、ガバイトでハル君に挑みますか……
いや、誰? という感じではありますけども。グラジオのように、雇われていると自ら言っていますが、その目的とは……?
そもそもハル君となんの因縁があるのでしょうか……?
最後に、直接戦闘専門らしいベリアルが登場……あ、また進化前のジヘッドが出てますね。
パラレルのガバイトもそうでしたけど、意外と進化前がよく出ますね、今作。
アモン、ベリアルの登場で、これで七魔卿は出揃いましたかね……誰も彼も癖の強い人たちですね。
結局、大した収穫もないままアジト突入作戦を終えて、次はカタカゲシティですね。
最初に出て来たサーカス団が気になりますが、ともかくジム戦。
地面タイプ使いのカガチさん。なかなか厳つそうですね……兼業の赤煉瓦財団という名前のストレートさに、ちょっと笑ってしまいましたが。
先発のサナギラスが砂嵐で有利を取りつつエーフィを下し、続くバクーダもあっという間にワルビルを倒してしまうとは……強いですね、カガチさん。
パラレルも、ルカリオのメガシンカは強いけども、トレーナーの実力が追いついていない、というようなことを指摘していましたが、カガチさんも似たようなことを言っていて、章タイトルのように、ここがハル君自身に対する試練となりそうですね……
わかってはいましたが、4000文字を超える長文となってしまいました。だのに中身は、あまり深く突っ込んだことは言えず、申し訳ない……次からは、もっと抑えると思いますので、ご容赦ください。
それでは、失礼します。
- http:// ( No.126 )
- 日時: 2017/01/22 20:09
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: vJF2azik)
>>白黒さん
わああコメントありがとうございます!
白黒さんにコメントをいただけるとは……とてもうれしいです。
確かに今回はプロローグから普段とはちょっと違う雰囲気を出して書いてみました。
今回の主人公、ハルの最初のポケモンに関してもそうですね。
やぅぱり私の書くポケモン小説は『天駆ける』を除けば内容自体はジムを巡って悪の組織と戦うというのが軸になってしまうので、今までと流れをどう変えていくかというのが大事になってくると思っています。
それに映画の主役、ポケダンの主人公候補、波導という明確な個性、進化方法、そしてメガシンカという個性揃いのルカリオに白羽の矢が立った訳です。
イチイのポケモンに関しては書いてる時には気づいてませんでしたが、確かにどちらもシンオウのポケモンですね。花屋の看板娘なので、かわいい花のポケモンを選びました。
今回の敵は『ゴエティア』、ソロモン72柱からの選出です。
正直7人だけを選んだのはこっちの都合ですね……流石に72人の魔神卿を出すことはできず、かといって他に都合よく7人の悪魔がいるわけもなく、苦肉の策として7人を選び抜きました。
やっぱり私には7人が一番合っているみたいです。
先陣を切って登場したパイモンからして飛び抜けた実力を持つ難敵です。独特な名前も合わせて、謎の強敵感を感じていただけたらなと。
ライバルキャラとのバトルを出す機会にはちょうどいいですよね、こういうバトル大会。
『星と旋風』だとアスカとレオのバトルが全然描けてなかったので、今回はバトル大会を導入しました。
ヒサギさんは無愛想ですけど、人見知りなだけで新人トレーナーや街の人に優しい、いいジムリーダーです。格闘タイプ使いで静かなキャラって珍しいですよね。
そして現れた二番目の魔神卿はダンタリオン、通称ダンですね。無数の顔を持つ悪魔という元ネタの設定を、変装という形で生かしています。
まぁこいつもこいつでやばいやつですね。ただし実力はパイモンに比べると幾分か劣ります。
ここまで仲が悪いのはパイモンとダンだけです。この二人は犬猿の仲なので。
救ったイーブイを味方につけて、次の街はヒザカリタウン、ジムリーダーは爆熱少女ポプラですね。
街の名前はその通り、季語から取っています。ふとした思い付きがきっかけですが、街の名前にちょうどいいかなと思いまして。
ちなみにポプラのポケモンを出す時の掛け声はキャンプファイヤーの歌の歌詞となっております、多分気付いている人はいないと思いますが。
ヒザカリ大会は、ハルの初優勝ですね。懐き進化は個人的には普通の進化と比べて特別だと思ってます。
ハルの四番目のポケモンはワルビルですね。
進化後のワルビアルが個人的には好きなポケモンなので、メグロコ→ワルビルをチョイスしました。
野生のポケモンなのにバトル中に進化させることで、普通の野生ポケモンよりも強いところを見せていけたらいいなと。
そしてサオヒメシティで登場するのは新たなる敵対組織、ディントス教です。
まぁ邪教ですね。危険な思想を持ち、片っ端からしつこい布教活動を行う危ないやつらです。
そしてここでアリス再登場です。ジムリーダーと予測されていたとは、さすがですね。
メガライボルトは前から見るとちょっと微妙ですけど横から見るとカッコいいですよね。
アリスに関しては植物の名前とは全く無関係に名前をつけています。父親と一緒にアリス・リデルですね。アリスのプロフィールの一番下には継承者を書きたかったので、ジム戦後という特殊な形となりました。
そしてメガシンカ継承となれば、ディントスたちが黙っていませんね。
キーストーンを奪い、教会でアリスたちを迎え撃ちますが、ハルとアリスのコンビネーションの前には敵いませんでした。
そして真の黒幕はゴエティア。ディントス教はただのゴエティアの下部組織に、ディントスはただの操り人形に過ぎなかった、ということです。
そしてメガシンカの継承も無事終わりましたね。まだ謎は残っていますが、メガシンカを得たハルを、今後も楽しみにしていてください。
ハダレ編は大会がメインなだけあって、かなり壮絶です。
一回戦からスグリとエストレという実力者同士の一戦、ミオとハルのリベンジマッチ。そして謎の黒装束のトレーナー、ロー。
やっぱりこいつが今大会一番の目玉ですね。魔神卿ロノウェ、少々抜けたところがありつつもその実力は本物。瞬時に会場を占拠できる統率性も兼ね備えた厄介な奴です。
そしてもう一人、魔神卿アスタロトは暴走しがちなロノウェのストッパーでもあります。順番が前後しますが、魔神卿の中で一番まともなのはアモンかアスタロトのどちらかでしょうね。
最後にハルとスグリの事実上の決勝戦。相変わらずの強さのスグリですが、メガシンカを得たハルが僅かに上回りました。とはいえほんの僅かな差ですので、明確にハルの方が強いとはまだまだ言えませんね。
次の街へ進む前に、アジト潜入ですね。
パイモンはヴィネーだけでなく、他の魔神卿を渾名で呼んでいます。ダンに関しては名前が長いので皆そう呼んでいますけどね。
そしてまた新しい魔神卿、まずはアモンですね。2メートルを超える巨漢ながら非常に頭が良く手先も器用で、ゴエティアの参謀を任されている男です。
さらにパイモンの雇った用心棒、パラレルも登場。シュンインシティ編でちらっとパイモンが部下を雇う的な話をしていました。
パラレルとハルが引き分けたところで、最後に登場するのはゴエティアの直接戦闘担当、魔神卿ベリアルですね。
今回はアモンに釘を刺されていたため大人しかったですが、会話から分かる通り困ったらとりあえず暴力で解決しようとする単純かつ危険な奴です。
ちなみに進化前を使っているのはこの時点で既に強いというのを強調するためでもありますね。
カタカゲシティでハルを待ち受けるのは、五番目のジムリーダー、カガチです。
ぶっきらぼうな男ですが、ポケモンバトルに関しては熱い男です。当然その実力も確かなものですね。
いきなりピンチに陥ってしまったハルですが、ここからどうなるのか。乞うご期待です。
コメントの量についてはそんなに気にしていません。寧ろコメントがいただけるだけで非常に嬉しく思っております。
今後もゆったり更新していきます、白黒さんも更新頑張ってください。
- 第67話 ジムバトル! カタカゲジムⅢ ( No.127 )
- 日時: 2017/01/23 15:04
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: jjKuEWqt)
- 参照: 追い詰められたハルとルカリオ。強敵カガチ相手に、策はあるのか——
フィールドにて対峙するのは、メガルカリオとバクーダ。
ハルは最後の一体、対するカガチはまだ二体目だ。
と、ここで効果が切れたのか、サナギラスの放った砂嵐が止む。
「ルカリオ、まずは波導弾だ!」
ルカリオが両手を構えると、掌から波導が噴き出し、青い波導の念弾が放出される。
「バクーダ、火炎放射!」
対するバクーダは炎を吹き出し、波導の念弾を消滅させると、
「大地の力!」
ルカリオの足元を狙って、多量の土砂を噴出させる。
「ルカリオ、突っ込め! ボーンラッシュだ!」
足元が揺れると同時に、ルカリオは前方へと勢いよく飛び出していく。
青い波導を骨のロッドの形に変え、噴き上げられる土砂を躱して一気にバクーダへと急接近し、骨のロッドを連続で叩きつける。
メガルカリオの高い攻撃力から繰り出される効果抜群の一撃。僅かにだが、初めてバクーダの巨体が揺れる。
「怯むなバクーダ! ダイヤブラストだ!」
だがそれでも反撃の速さはほぼ変わらない。爆発と共に青白く煌めく爆風が迸り、ルカリオを吹き飛ばした。
「火炎放射!」
「っ、波導弾だ!」
さらにバクーダが灼熱の炎を吹き出し追撃を仕掛ける。
対するルカリオは青い波導の念弾を放出し、何とか炎を防ぎ切った。
だが一息はつけない。なぜなら、
「大地の力!」
「やっぱり……! 発勁!」
ワルビルの時と同じように、すぐさま追撃が来るからだ。
再びルカリオの足元を狙って土砂が噴き上がるも、それよりも早くルカリオは右手に膨大な量の波導を纏わせ、バクーダへと突っ込んでいく。
「バクーダ、目の前に大地の力!」
バクーダが再び咆哮すると、今度はルカリオとバクーダとの間に壁を作る形で、大量の土砂が噴き出す。
ルカリオが右手を叩きつけるも、土砂の壁を崩すことはできず、
「目覚めるパワー!」
土砂の壁が消えた直後、水色のエネルギー球体が一斉に放たれ、ルカリオを押し戻す。
「くっ、全然動かない割になんて隙のなさだ……!」
その重すぎる質量のためか、バクーダは出てきた時から一、二歩ほどしか歩いていない。
ずっと一箇所にとどまりながら、この隙の無さだ。バクーダの能力はもちろん、トレーナーであるカガチの実力も相当なものだと分かる。
「バクーダ、火炎放射!」
バクーダが今度は上空に向け、背中の火口から勢いよく炎を噴き出した。
上空まで打ち上げられた炎は、やがて重力に負け、炎の雨となって一斉に降り注ぐ。
「そう来るなら……ルカリオ、ボーンラッシュ!」
波導を骨の形のロッドに変え、ルカリオは曲芸のように頭上で振り回す。
回転する骨のロッドが、降り注ぐ炎の雨を全て防ぎ切った。
「大地の力!」
「真下に発勁!」
上からの次は下から。ルカリオの足元が揺れてひび割れ、そこから多量の土砂が噴き出す。
対してルカリオは波導を纏った右手を思い切り地面に叩きつけ、これも食い止める。
「火炎放射!」
「躱してもう一度発勁!」
そして今度こそ直接狙って吹き出される灼熱の業火を躱し、ルカリオはバクーダとの距離を一気に詰めると、波導を纏った右手を思い切りバクーダの脳天に叩き込んだ。
これには流石のバクーダも余裕で耐え切るわけにはいかなかったようだ。うめき声を上げ、後ずさりする。
「バクーダ、反撃だ! ダイヤブラスト!」
「ルカリオ、離れて!」
バクーダもすぐさま攻撃を仕掛けようとするが、脳を揺さぶられて行動が遅れる。
青白い爆風がバクーダの周囲を薙ぎ払った時には、既にルカリオはバクーダと距離を取っている。
「よし、やっとまともにダメージを与えられた。ここから巻き返すぞ」
今の今まで打点がなかったが、ここに来てようやく強烈な一撃を与えられた。
「ルカリオ、ボーンラッシュ!」
骨のロッドを携え、ルカリオは再びバクーダへと向かっていく。
「バクーダ、目覚めるパワー!」
対するバクーダは水色の無数のエネルギー球体を周囲に浮かべ、一斉に発射する。
大量のエネルギー球が迫り来るが、ルカリオは骨のロッドを振るい、球体を次々と弾き飛ばしていく。
しかし、
「火炎放射!」
エネルギー球を全て弾き飛ばし、ルカリオに出来たほんの一瞬の隙。
まさにそれを狙い、バクーダが灼熱の業火を吹き出す。
前進の勢いを止められず、ルカリオは回避が遅れ、業火に飲み込まれてしまう。
「なっ!?」
鋼タイプを持つルカリオに効果は抜群。何とか持ちこたえたが、大ダメージは免れないだろう。
「くっ……ルカリオ、立て直して! 波導弾!」
起き上がったルカリオは両手を突き出し、掌から波導を噴き出して青い波導の念弾を作り上げるが、
「バクーダ、大地の力!」
波導弾が放たれたと同時、ルカリオの足元から大量の土砂が噴き出し、ルカリオを上空へと打ち上げてしまう。
このタイミングでルカリオを狙えば、波導弾の被弾は避けられないはずなのだが、
「火炎放射!」
波導弾の直撃など気にも留めず、バクーダは吹き飛ぶルカリオに向けて、背中の火口から噴火のように炎を放出した。
宙を舞うルカリオに炎を躱すことなど出来ず、再び灼熱の業火を諸に浴びる。
「ルカリオ……」
炎を浴びたルカリオが、力なく地面に落ちる。
次の瞬間、七色の光がルカリオを包み、メガシンカ前の元の姿へと戻す。
このジム戦のルールは、三対三。
つまり。
「俺の勝ちだな」
カガチの最後の一体すら見る事ができず、ハルの敗北となった。
敵わなかった。
思えば、最初から完全にペースをカガチに握られていた。
「フン、アリスがメガシンカを継承したトレーナーって聞いたもんで、いざ戦ってみればこの程度か。興醒めだな」
「え……?」
「俺からお前に言うことは一つだけだ。お前は、弱い。あのアリスの目が節穴なのかと疑うほどにな。ここは敗者がいつまでも居座っているところじゃないぞ」
負けたハルに、カガチの辛辣な言葉が深々と突き刺さる。
倒れたルカリオを目の前にしては、何も言い返すことなど出来なかった。
「……ありがとう、ございました」
ルカリオをボールに戻し、ハルはがっくりとうなだれ、とぼとぼとジムを出て行った。
今までもポケモンバトルにおいて負けることは少なくなかった。
しかし。
ハルが本当の敗北というものを知ったのは、この時が初めてなのかもしれない。
- 第68話 試練 ( No.128 )
- 日時: 2017/01/24 11:08
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: VYLquixn)
「ハル! おかえり……ど、どうしたの!?」
ポケモンセンターに戻ると、サヤナが出迎えてくれた
だがハルの暗く沈んだ表情はさすがに予想外だったようで、驚きを隠せずにいる。
「……ああ、サヤナ。カガチさんってすっごく強いんだね。負けちゃったよ……」
生気の全くない顔と声で、ハルはそう返す。
よっぽどひどい負け方をしたのだろうか、とサヤナは勝手にそう考える。
しかし想像できない。盗まれたポケモンを取り返してくれたり、メガシンカの力を得たりと、自分より一歩先を進んでいたと思っていたハルが、ここまで落ち込む負け方をするだろうか。
カガチは確かにベテランのジムリーダーだが、それでもサヤナが勝った相手だ。ハルがどうして負けたのか、バトルを見ていないため当然といえば当然だが、サヤナには理解できなかった。
そして、
「……はぁ」
ハルもハルで、どうしようもないくらい落ち込んでいた。
最後にカガチから告げられた言葉が、ずっとハルの頭の中でぐるぐると渦巻く。
思えば、ゴエティアの魔神卿には今まで手も足も出なかった。
その用心棒であるパラレルにすら勝つことは出来ず、ディントスにだってアリスの助けがなければ勝てなかった。
メガシンカを得てスグリに勝って喜んでいたが、スグリは魔神卿の一人とほぼ互角に渡り合っている。
「ねえ、ハル」
突然、後ろから声を掛けられる。
「ハルが何でそんなに落ち込んでるのかは分からないけど、いつまでも落ち込んでたって何も始まらないよ」
声の主は、サヤナだ。すっかり元気をなくしたハルの目を見て、にっこりと微笑む。
「でも、何をしたらいいか……」
「負けたってことは、相手の方が強かったってこと。だったらやることは一つしかないよ」
そう言って、サヤナはモンスターボールを取り出す。
「特訓するしかないよね! にひひー、一日先にポケモンを手に入れた先輩として、私がハルの特訓に付き合ってあげるよ!」
ポケモンを回復させた後、ハルとサヤナは交流所やバトルフィールドが用意されているいつものセンター地下へ移動する。
「とりあえず、最初は一対一ね! それじゃ、いっくよー! ワカシャモ!」
サヤナが繰り出すのは、エースのワカシャモ。
「……出てきて、ルカリオ!」
バトルということで、空元気でも気合いを入れなければ始まらない。
無理やりに大きな声をあげ、ハルはルカリオを出す。
「それじゃあルカリオ、行くよ——」
と、ハルがそこまで言ったところで。
——お前は、弱い。あのアリスの目が節穴なのかと疑うほどにな——
カガチの言葉が、ハルの頭の中をぐるぐると渦巻く。
「——いや、だめだ」
掲げようとした腕を、キーストーンを下げる。
「ルカリオ、このままで戦うよ」
ルカリオは波導によって相手の心を読み取ることができるポケモン。
ハルの心の内を知ってか、それともただ指示に応えただけか、とにかくルカリオはハルの言葉に逆らう様子は一切見せず、ただ静かに頷く。
「ワカシャモ、火炎放射!」
先に動いたのはワカシャモ。手始めに大きく息を吸い込み、灼熱の業火を吹き出す。
「ルカリオ、波導弾!」
対するルカリオは右手を突き出し、掌から波導を生み出し、青い波導の念弾を放つ。
「中々の威力だねえ……ワカシャモ、アクセルフレア!」
ワカシャモが一声上げると、その体が炎を纏う。
炎に身を包んだまま、ワカシャモは高速の炎弾の如く勢いよく飛び出し、一瞬のうちに距離を詰め、ルカリオを突き飛ばした。
「続けて! マグナムパンチ!」
「それなら……こっちはサイコパンチだ!」
ミサイル砲のように勢いをつけ、ワカシャモはさらに殴り掛かってくる。
対してルカリオは拳に念力を纏わせ、ワカシャモを迎撃すべく念力の拳を突き出す。
互いの拳がぶつかり合うも、念力を纏っていた分ルカリオの方が強く、ワカシャモを押し返した。
「ルカリオ、ボーンラッシュ!」
波導の形を変えて骨のロッドを作り上げ、それを構えてルカリオが飛び出す。
「来るよ! ワカシャモ、火炎放射!」
ワカシャモが息を吸い込み、灼熱の炎を吹き出す。
掻い潜りながら接近しようとするルカリオだが、しつこく迫る炎の迎撃を躱し切れずに炎を浴びてしまう。
「マグナムパンチ!」
ルカリオが炎を受けたところに、ワカシャモが拳を構えて殴りかかる。
「っ、ルカリオ、躱して波導弾!」
ミサイルのような拳の一撃を何とか躱し、ルカリオは掌から波導を生み出して青い波導の念弾を放つ。
拳を外したところに必中の波導の念弾がワカシャモを捉え、吹き飛ばす。
「ルカリオ、発勁!」
右手から波導を噴き出し、ルカリオが地を蹴って飛び、一気にワカシャモとの距離を詰めていく。
しかし。
「ワカシャモ、オウム返し!」
ルカリオがワカシャモの懐まで飛び込んだ次の瞬間、ワカシャモが波導の念弾を掌に作り上げ、それを直接掌底打ちの要領でルカリオへ叩きつける。
自らが扱う波導の力と同等の力を叩き込まれ、フィールドとほぼ平行に、ルカリオが派手に吹き飛んで行った。
「オウム返しは最後に使った相手の技をそっくりそのまま使う技だよ! 波導弾は格闘タイプの技、ルカリオには効果抜群だよね」
ロー——ロノウェのバクオング戦でも見せた技だ。あの時は、バクオングに効果抜群となる気合玉を返していた。
「やるね……ルカリオ、まだここからだよ。頑張って」
波導弾を受けても、まだ戦闘不能にはなっていない。
ルカリオは立ち上がると、再び構え直す。
しかし、
「……ハル、何をそんなに焦っているの?」
唐突に、サヤナの声色が変わった。
「ん……どうしたの、サヤナ? 僕は別に、何も……」
「嘘だよ。ハル、絶対焦ってるって。今までと全然戦い方が違うもん」
「えっ……?」
今度こそ本当にハルはサヤナが何を言っているか分からなかった。
確かに、カガチに敗れて焦りはあった。だがそれだけ。ハルとしては、ただ普通に戦っているつもりだったからだ。
「ハル、明らかに無理してる。ううん、ハルだけじゃないよね。ルカリオもだよ」
さらにサヤナは言葉を続ける。
「今までのハルは、ポケモンのことを一番に考えてポケモンと一緒に戦うトレーナーだった。でも今はなんだか違う。っていうか、大会の頃からちょっとおかしかったよ。私、そういうの分かるんだよね。ポケモンよりも自分が一番だって、そんな風になってる気がするの」
そんなことはない。ハルはそう言い返そうとした。
だが、言えなかった。言い返すことができなかった。
自分の心を覗けば、もう答えは出ていたからだ。
「ねえ、ハル」
そんなハルに、さらにサヤナが詰め寄る。
「ハル、カガチさんに、何を言われたの?」
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