二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- ポケットモンスター 魔王と救世の絆
- 日時: 2018/04/30 21:14
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: OiWubliv)
こんにちはこんばんはおはようございます。パーセンターです。
今回は紙ほか板から映像板に進出して、また懲りずにポケモンの二次小説を執筆したいと思っております。
今回は前作との繋がりはほぼ断ち切った完全新作です。
カウントすれば5作目になりますね。まだ向こうの「星と旋風の使徒」は完結しておりませんので、同時進行となります。
※注意事項(?)
・いつものことですがノープランです。更新のペースも早かったり遅かったりします。
・上でも述べていますが、前作までとの繋がりはほぼありません。まだ「星と〜」が完結していませんしね。
・登場するポケモンは第七世代までです。執筆中に第八世代が出てきたらまたその時に考えます
・上に関連して、パーセンターがよく使っているベガポケモンですが、今作では『出ません』。設定上は存在している設定ですが今作には出ません。
・ベガの技は普通に出ます。ついでにオリジナル技も結構たくさん出ます。オリ技の説明は随時公開するのでご安心ください。
・オリキャラとかオリ技の募集も近いうちにすると思います。皆さん協力お願いします。
それでは、新しい主人公の新しい物語が始まります。よろしくお願いします。
登場人物紹介
>>34
オリ技紹介
>>45
プロローグ
>>1
ハツヒタウン編——旅立ち
>>6 >>7 >>8
シュンインシティ編——経験
>>15 >>20 >>28 >>32 >>35 >>36 >>37
カザハナシティ編——ライバル
>>38 >>40 >>43 >>44 >>46
ヒザカリタウン編——出会
>>55 >>56 >>57 >>58 >>59 >>60 >>61 >>62 >>65
サオヒメシティ編——Evolution
>>66 >>70 >>71 >>72 >>73 >>74 >>76 >>77 >>78 >>79 >>80 >>81 >>82 >>83 >>84 >>85 >>86 >>91
ハダレタウン編——大会
>>92 >>94 >>97 >>98 >>99 >>102 >>103 >>104 >>106 >>108 >>109 >>110 >>111 >>112 >>113 >>114 >>117 >>118 >>119 >>120 >>121
カタカゲシティ編——試練
>>122 >>123 >>124 >>127 >>128 >>129 >>130 >>133 >>134 >>135 >>136 >>138 >>139 >>140 >>141 >>142 >>143 >>144 >>145 >>146 >>147 >>148 >>151
ノワキタウン編——友情
>>152 >>153 >>156 >>159 >>160 >>162 >>164 >>165 >>166 >>167 >>168 >>169 >>170 >>175 >>176 >>177
イザヨイシティ編——実力
>>178 >>180 >>181 >>182 >>183 >>184 >>185 >>186 >>187 >>188 >>189 >>190 >>191 >>192 >>195 >>196 >>197 >>198 >>199 >>200 >>202 >>203 >>204
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- 第14話 ジムバトル! カザハナジムⅡ ( No.44 )
- 日時: 2016/11/02 09:39
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: VYLquixn)
- 参照: 進化したヒノヤコマの前に立ちはだかるは、ヒサギのエースポケモン。
ヒノヤコマのニトロチャージとアサナンの雷パンチが激突する。
だが、今度はすぐに均衡が破れた。ニトロチャージの追加効果によってスピードが上がっているヒノヤコマが、不安定な体勢から技を繰り出したアサナンに負けるはずはなく、アサナンを突き飛ばした。
「今だ! ヒノヤコマ、エアカッター!」
ヒノヤコマが翼を羽ばたかせ、風の刃を飛ばす。
躱すこともできずにアサナンは風の刃に切り裂かれ、目を回して床に倒れてしまった。戦闘不能だ。
「……アサナン、戻れ」
アサナンをボールへと戻し、ヒサギはハルの方を向く。
「やはり進化の力は侮れない。ポケモンが進化するのは、よく経験を積んでいる証拠でもあるからな」
だが、とヒサギは続け、
「バトルはここからだ。俺にはまだもう一体ポケモンが残っているぞ」
二匹目が入っている、モンスターボールを取り出した。
「来い……カポエラー!」
『information
カポエラー 逆立ちポケモン
コマのように高速回転しながら戦い
滑らかなキック技を繰り出す。遠心力の
パワーでキックの破壊力は10倍だ。』
ヒサギの二番手はカポエラー、コマをひっくり返したような形の顔をした格闘タイプのポケモンだ。
バトル場に立つと自信を鼓舞し、相手を威嚇するように叫ぶ。
「これがヒサギさんのエースか……だけどタイプ相性ならヒノヤコマの方が有利だよね」
ダメージは少なくないが、ヒノヤコマはまだ十分戦える。しかもニトロチャージによって素早さも上がっている。
「よし、行くよ! ヒノヤコマ、疾風突き!」
ヒノヤコマが嘴を突き出し、飛び出す。
スピードアップも重なって猛スピードで特攻し、嘴でカポエラーを突き飛ばす。
「よし、ヒノヤコマ、ニトロチャージ!」
ヒノヤコマが鼓舞するように大きく鳴き、その体が炎を纏う。
そのまま、ヒノヤコマはカポエラー目掛けて突撃していく。
だが。
「カポエラー、ブレイクスピン!」
カポエラーが動き出した。
瞬時に逆立ちして、頭のツノを軸に高速回転、そのまま突撃してヒノヤコマを迎え撃つ。
両者が正面から激突するが、ヒノヤコマが回転に巻き込まれて弾き飛ばされた。
「えっ……ヒノヤコマ!?」
唖然とするハルをよそに、
「カポエラー、メガトンキック!」
回転を維持したまま、カポエラーがヒノヤコマを追い、強烈な蹴りを叩き込んだ。
アサナン戦でダメージも重なり、ヒノヤコマの体力はいよいよ限界を迎え、戦闘不能になってしまう。
「ヒノヤコマ……ありがとう。休んでて」
ヒノヤコマを労い、ボールに戻す。
進化してきっちりアサナンを倒してくれたが、続くカポエラーには疾風突きを一発入れただけで倒されてしまった。
「やっぱり、ジムリーダーのエースは強い……」
だが、ハルにもポケモンはもう一匹残っている。
「最後は君だ! 出てきて、リオル!」
ハルの最後のポケモンはリオルだ。
だが、そのリオルを見て、ヒサギの表情が変化する。
「リオル……君は確か、フルールバッジを持っていたな」
「ええ、そうですけど」
ハルがそう返すと、ヒサギは興味深そうにリオルを眺め、
「実は……イチイさんに珍しい能力を持ったリオルを持つトレーナーと戦ったと聞いてだな。先日の大会に参加してくれると聞いて密かに注目していたのだが、リオルを使うトレーナーは君だけだった。格闘タイプ使いの身としては、どんな能力を持つのか、大いに興味がある」
「それが本当に能力と言えるものなのか、僕には全く分からないですけど——」
ハルはそこで一拍置き、
「僕とリオルで、ヒサギさんのカポエラーに勝って見せます!」
そう、宣言した。
「……いいだろう。それでは、行くぞ……! カポエラー、回し蹴り!」
素早く逆立ちして、カポエラーが高速回転を始める。
リオルへと回転しながら向かっていき、そのまま蹴りを繰り出す。
「リオル、岩砕き!」
リオルは岩をも砕く勢いで拳を突き出し、カポエラーを迎え撃つが、遠心力の乗ったカポエラーの方に分があり、リオルは押し負けてしまう。
「カポエラー、ブレイクスピン!」
さらにカポエラーは回転したまま、今度は体全体で突撃を仕掛ける。
「っ、リオル、躱して!」
立ち上がったリオルは跳躍し、カポエラーの回転攻撃を回避。
「真空波!」
回転を止めて一旦立ち上がったところに、リオルが腕を振り抜いて真空の波を飛ばし、カポエラーの額にぶつけた。
「いいぞリオル、電光石火!」
続けてリオルは目にも留まらぬスピードでカポエラーへと突っ込んでいく。
「ブレイクスピン!」
しかしカポエラーは再び逆立ちしてその場で猛回転、リオルが突撃してくるも、逆に弾き飛ばしてしまう。
「カポエラー、メガトンキック!」
弾かれて体勢を崩したところに、カポエラーの強烈な蹴りが叩き込まれ、リオルは吹き飛ばされる。
「リオル! 大丈夫?」
吹き飛ばされて床に倒れるも、まだリオルは立ち上がる。
「さあ……まだまだ行くぞ。回し蹴り!」
「だったらリオル、発勁!」
カポエラーが再び動き出す。
猛スピードで回転し、遠心力の力を受けた回し蹴りを放つ。
対してリオルは右手に波導を纏わせ、その掌を叩きつける。
リオルにも波導の力が上乗せされ、今度は威力は互角。
「岩砕き!」
その直後に、リオルはもう一度勢いよく右拳を突き出す。
「メガトンキック!」
カポエラーも蹴りを放とうとするが、カポエラーの攻撃は回転してから行われるため、リオルに比べてタイムラグが生じ、その結果、迎撃に間に合わずにリオルに殴り飛ばされた。
「リオル、真空波!」
「やるな……カポエラー、ブレイクスピン!」
腕を振り抜いて真空の波を放つリオルだが殴り飛ばされたカポエラーはなんと頭から着地し、それと同時に回転を始める。
高速回転によって真空波をも弾き飛ばし、そのままリオルへと突っ込んでくる。
「この技には何をしても弾かれるのか……リオル、ここは躱して!」
再び大きく跳躍して、リオルはもう一度カポエラーの回転を躱し、さらに、
「電光石火!」
回転が止まった直後に高速で動き出し、カポエラーを突き飛ばす。
「今だリオル! 発勁!」
カポエラーを追い、リオルが駆けだす。
その右手が青い波導に覆われ、カポエラーへと突き出される。
しかし、
「ブレイクスピン!」
またしてもカポエラーは逆立ちと同時に高速回転を始め、波導を乗せたリオルの右手をも弾き、さらに回転しながらの突撃でリオルを吹き飛ばしてしまう。
「リオル! くっ、また……」
どうしてもこの技を攻略できない。リオルの技の中で、ブレイクスピンを破れるものがない。
ハルが必死に考えを張り巡らせるが、
「そろそろ……最後の技を使う時か」
そこでハルは気づいた。カポエラーの回転が、さらに速まっている。
ここに来て。
ヒサギが、動き出す。
「カポエラー、ブレイズキック!」
カポエラーの足に、激しい炎が灯った。
回転したままカポエラーは突撃し、燃える炎のコマのように猛スピードでリオルへと迫る。
「っ……! リオル、躱し——」
ハルが指示を出すより早く、遠心力の乗ったカポエラーの炎のキック攻撃がリオルを捉え、吹き飛ばした。
「リオル……!」
ハルが叫ぶと、腕を震わせながら、何とかリオルは起き上がる。
まだ何とか戦闘不能までには追い込まれていないが、それでも大ダメージだ。もう一撃、耐えられるかどうか。
「さあ……ここで終わりか? 挑戦者ハル君。まだ終わらないというのなら、君と君のリオルの、その力をもっと見せてくれ……カポエラー、メガトンキック!」
一旦回転を解いていたカポエラーが再び逆立ちし、また回転を始める。
そのままリオルへと向かっていき、強烈な蹴りを繰り出す。
(諦めちゃダメだ……! リオルの闘志はまだ尽きていない。リオルが立っているなら、僕だって諦めない……最後まで!)
回転するカポエラーのメガトンキックが、リオルを捉える。
その、刹那。
カポエラーが、吹き飛ばされた。
「……!」
「おぉ……」
吹き飛ばされるカポエラーだが、ヒサギは思わずリオルに目をやっていた。
リオルの全身を波導が纏い、さらにその右手が、炎のように噴き出した青い波導に覆われていた。
シュンインジムでも見せた、リオルの謎の能力。
しかし、今回はそれだけではない。
リオルをよく見ると、波導だけではなく、念力のようなものが右手を覆っている。
「これは……!」
ギリギリまで追い詰められたことで、この状況の打破のために、新しい技を覚えたのだ。
「……なるほど。これがイチイさんの言っていた、リオルの力……! それに今の技は、サイコパンチか……!」
笑みをこぼすヒサギ。ヒサギの湧き上がる闘志に呼応して、カポエラーが立ち上がる。
そして、ハルとリオルの闘志はそれをさらに上回る。
「ヒサギさん、勝負はここからです!」
「ああ……全力でかかってこい!」
それぞれの相手を見据え、二匹の格闘ポケモンは同時に飛び出す。
- オリジナル技一覧 ( No.45 )
- 日時: 2017/07/06 15:42
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: VYLquixn)
【オリ技紹介】
※登場に沿って随時更新
〈疾風突き〉
飛行・物理
目にも留まらぬスピードで近づき、嘴で突く。先制攻撃。
〈ポイズンボール〉
毒・特殊
毒素を固めた紫の弾を投げつける。威力は低いが毒を浴びせる確率が非常に高い。
〈必殺針〉
虫・物理
ありったけの力を込めた針で渾身の一撃を叩き込む。
〈ブレイクスピン〉
ノーマル・物理
高速回転の遠心力で破壊力を上げながら体当たりする。相手の防御力上昇を無視する。
〈アクセルフレア〉
炎・物理
炎を纏って高速で突撃する。先制攻撃。
〈サイコショット〉
エスパー・特殊
サイコパワーを一点に集め、念力の弾を放出する。
〈イビルスラッシュ〉
悪・物理
闇の力を込めた刃で瞬時に連続の斬撃を放つ。急所に当たりやすい。
〈サンダーブラスト〉
電気・特殊
衝撃波と共に体に纏う電撃を一斉に周囲へ解き放つ。一定の確率で相手を麻痺させる。
〈ロックスパイク〉
岩・物理
尖った岩の破片を素早く相手に放つ。先制攻撃。
〈ヘビーブレード〉
鋼・物理
重い剣の一撃を全力で振り下ろし叩き潰す。光の壁やリフレクターを破壊できる。
〈パルスビーム〉
ノーマル・特殊
音波と共に光の弾を放出する。光の弾は何かに着弾すると甲高いノイズを放つ。
〈メタルニードル〉
鋼・物理
鋼のように体の棘や針を硬化させ、またはそれを撃ち出す。
〈ニードルルート〉
草・物理
相手の足元やその近くの地面から尖った木の根を突き出す。
〈ファイアテール〉
炎・物理
尻尾に炎を纏わせ、相手に叩きつける。一定の確率で火傷状態にさせる。
〈フェザーガン〉
飛行・物理
翼を羽ばたかせて鋭く尖った羽毛を放ち、突き刺す。
〈ブラストファング〉
炎・物理
高熱を帯びた紅蓮の牙で噛み付き、牙が食い込んだ箇所に爆発を起こす。
〈アサシンソード〉
格闘・物理
相手の弱点を見抜き、鋭い爪や刃で切り裂く。この技は必ず急所に当たる。
〈四股踏み〉(竜さん作)
格闘・変化
その場で四股を踏み、集中力を高めることで攻撃力と命中率を高める。
〈八の字切り〉(霧風赤司さん作)
格闘・物理
相手を八の字に切りつける。相手の防御力を下げることがある。
〈バインドファング〉(マッドさん作)
悪・物理
相手にしぶとく噛み付き、その間ダメージを与え続ける技。
〈アクティベート〉(No@hさん作)
エスパー・変化
サイコパワーをより強め、自身の特攻を二段階上げる技。
〈リキッドブレード〉(No@hさん作)
水・物理
作り出した水の刃で切りつける。急所に当たりやすい。
〈テンタラフー〉(No@hさん作)
エスパー・特殊
特殊な超音波を浴びせて攻撃する。一定の確率で相手を混乱させる。
〈イグニッション〉(マッドさん作)
エスパー・変化
大規模な力を込めた光を身に纏う。特攻が最大まで上昇するが、力を扱う反動により最大HPの半分が削られる。
〈エレクトロボイス〉(No@hさん作)
電気・特殊
特殊な電磁波を乗せた音波を放つ。一定確率で相手を麻痺させる。
〈ポイズンクロー〉(No@hさん作)
毒・物理
毒を帯びた爪で相手を切り裂く。一定確率で相手を毒にする。
〈火炎弾〉(No@hさん作)
炎・特殊
無数の炎の弾を撃ち出す。連続して使うと威力が上昇していく。
〈チャージプラズマ〉(霧風赤司さん作)
電気・変化
特殊な電気を体に帯電させる技。コイル系統の専用技で、自分の特攻が上がる。
〈プラズマバーン〉(霧風赤司さん作)
電気・特殊
帯電させた特殊な電気を周囲へと一気に放出する技。コイル系統の専用技で、上がっていた特攻が下がる。相手の素早さを大きく下げ、さらに一定確率で麻痺させる。
〈スナイプリーフ〉(霧風赤司さん作)
草・物理
相手を追尾する草の刃を放つ技。必ず攻撃が命中する。
〈零下砲〉(マッドさん作)
水・特殊
非常に冷たい水の塊を砲弾のように放つ技。水タイプの技だが草タイプにも効果抜群となる。
〈ドラゴンブレス〉(マッドさん作)
ドラゴン・特殊
口内に青白い炎を溜め、それを炎の弾に変えて吐き出す技。ドラゴンタイプと炎タイプを併せ持つ。
※オリ技は常時募集中です!
- 第15話 ジムバトル! カザハナジムⅢ ( No.46 )
- 日時: 2016/11/03 21:19
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: z5Z4HjE0)
- 参照: 再び謎の力を発動させたリオル。カザハナジム戦の行方は——
「行くよリオル! 発勁!」
「気をつけろカポエラー……相手は格段にパワーアップしてるぞ! メガトンキック!」
右手に燃え上がる青い炎のような波導を纏わせ、リオルが地を蹴って飛び出す。
カポエラーも逆立ちして回転を始め、突撃しながら強烈な蹴りを繰り出す。
二者が同時に激突。だが、強化された波導の力を得たリオルの右手が、遂にカポエラーに打ち勝ち、カポエラーを叩き飛ばした。
「続けて電光石火!」
「……ブレイクスピン!」
全身に波導を纏ったリオルが突っ込んでくるが、カポエラーは頭から着地すると同時に猛回転、やはりリオルを弾き飛ばす。
「いくら強化されようとも、カポエラーの回転を破らなければ、君に勝ち目はないぞ。カポエラー、そのままもう一度ブレイクスピン!」
その回転スピードを維持したまま、カポエラーが突っ込んでくる。
「リオル、一旦躱して!」
大きく跳躍し、リオルはカポエラーの回転攻撃を躱す。
(この状態ならリオルの攻撃力は十分。あとはこの回転を突破するだけ……だけど、どうすれば……)
だが、
「着地を狙え……ブレイズキック!」
カポエラーの両足が炎を纏う。
空中のリオルが着地するその瞬間を狙い、炎の蹴りを叩き込む。
その瞬間。
(……分かった!)
ハルは思いついた。カポエラーの回転を、打ち破る方法を。
「リオル、発勁!」
向かってくるカポエラーに対し、リオルは炎の如き波導を纏った右手を叩きつけ、カポエラーの炎の蹴りを食い止める。
「リオル、真空波!」
「弾け……ブレイクスピン!」
リオルが波導を乗せた真空の波を放ち、対するカポエラーは猛回転して真空波を弾くと、再びリオルへと向かってくる。
(来た……!)
決めるなら、ここだ。
リオルもそれを感じ取ったのか、ハルの指示を受けるより早く、ハルが思っていた通りに跳躍する。
「リオル! カポエラーの真上からサイコパンチ!」
波導を纏うリオルの右手を、さらに念力が覆う。
波導の力によって強化された念力の拳を、リオルはカポエラーの真上から思い切り叩き込んだ。
いくら回転で周囲からの攻撃を弾けたとしても、真上からの攻撃だけは防ぐことができない。ブレイズキックを使った時に、足に灯った炎がカポエラーの真上だけはカバーできていなかったのがその証拠だ。
「な……っ、カポエラー……!」
効果抜群のエスパー技の直撃を受けて、カポエラーは吹き飛ばされる。
二度、三度とバウンドして床に倒れ、そのまま目を回して戦闘不能となり、動かなくなった。
「君のリオルのその力、何とも不思議なものだ。格闘タイプ専門の俺でも、初めて見るものだった」
「ヒサギさんでも、この能力の詳細は分からないんですか……」
「ピンチに陥った時に発生するのかもしれないが、だとすれば大会の時に発生しなかったのはなぜかという疑問が残る。確かにリオルはピンチになると体から発せられる波導が強まるという特徴を持っているが、それとはまた別のようにも見える……ううむ」
格闘ポケモンのエキスパートであるヒサギでも、この力についてはよく知らないようだった。
「やはりポケモンというのは、まだまだ謎の多い生き物だ」
ともあれ、とヒサギは言葉を続け、
「決して最後まで尽きない、君と君のポケモンの闘志……見事だった。そう、闘志が尽きぬ限り、バトルの行方は最後まで決して分からない。最後までバトルを諦めず、勝利を収めた君に、カザハナジムのジムバッジを渡そう」
そう言って、ヒサギは小さな箱からバッジを取り出す。
拳を模したような、アルファベットのBの形をしているバッジだ。
「俺の格闘ポケモンたちを倒し、カザハナジムを制覇した証……その名もブレイクバッジ。受け取ってくれ」
「はい、ありがとうございます!」
リオルの能力について、詳細はやはり分からなかったが、これでハルは見事、二つ目のジムバッジを手に入れることができた。
その日の夕方に、サヤナもヒサギに勝利し、無事にジムバッジを手に入れた。
そんなサヤナに呼び出され、ハルはカザカリ山道の麓まで来ていた。
「どうしたの、サヤナ? もうすぐ日が暮れるし、ヒザカリタウンに行くなら明日まで待った方が……」
「ううん。その話じゃないんだ」
珍しく、といえば失礼だが、サヤナの口調と表情は今まで見た中では最も真剣味を帯びたものだった。
「ポケモントレーナーってさ、ポケモンを貰ってから一人で旅をする人が多いんだよ。全部のことを一人でやらないといけないわけじゃないけど、一人前のトレーナーになるためには、やっぱりある程度は一人で何でもできないとダメなんだね」
だから、とサヤナは続け、
「私たち、ここから別れて一人旅しよう」
「え……?」
あまりにも唐突だったため、ハルは思わず聞き返す。
「シュンインシティでポケモンを盗まれたでしょ? あの時、私一人では多分何もできなかった。ハルとスグリ君がいてくれたからどうにかなったけど、私、あの時からずっと思ってたの。もっと一人で何でもできるようにならなきゃって」
それに、とサヤナは言葉を続け、
「最初だけはハルに勝ったけど、その後はずっとハルの背中を追いかけてる気がするの。ジムだって先を越されたし。このまま一緒に旅をしてても、私はずっとハルに頼りきりになっちゃうと思う。だけど、それじゃダメなんだよね。だから」
「ここで、別れるんだね」
「うん。心配しないで、私だって駆け出しだけどポケモントレーナーだよ」
ハルはサヤナの目を見る。いつになく真剣味を帯びた、覚悟を決めたような眼差しだった。
「……分かったよ。それじゃ、一旦ここで別れよう」
正直、ハルにとってもサヤナがいてくれた方が安心できる。初めて来た地方を一人で旅するのは、正直に言えば不安だ。
しかし、サヤナの言葉を聞いて考えれば、その不安を乗り越えてこそ、もっと成長できるのではないだろうか。それに、自分の知らないところで、サヤナはもっと強くなるかもしれない。ライバルが強くなれば、ハルもそれに刺激されてもっと強くなれる。
だから、ハルはそう返した。
「にひひー、心配しないで。一日だけだけど、私の方が先輩なんだからね! それじゃ、しばらくさよならだね。ハル、次に会う時は私、もっと強くなってるからね!」
「うん。僕も頑張るよ。次に会った時にはまたポケモンバトルしよう。今度は、僕が勝つよ」
そして翌日、二人はそれぞれの道を選び、カザハナシティを後にした。
これからはいよいよ、ハルとサヤナの、一人旅が始まる——
- http:// ( No.47 )
- 日時: 2017/05/24 19:59
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: VYLquixn)
「大事なことは自分が何をしたいか。人に決められた人生なんて退屈ですわ」
イチイ 女 21歳
容姿:桜の花びらの描かれたピンク色のドレスを着た、綺麗な顔立ちの女性。ピンクのロングヘアーに赤い実のような髪留めを付けている。
性格:おしとやかでポケモンや子供に心優しく、挑戦者に対しても面倒見のいい性格。丁寧なお嬢様口調で話すしっかり者で、立ち振る舞いや仕草の一つ一つに教養の高さや上品さを感じさせる。元は富豪の生まれだが、親に決められた人生を歩むのが嫌で家を飛び出し、ポケモントレーナーの道を選んだ。
異名:「花園生まれの姫君(ブロッサムプリンセス)」
備考:シュンインシティのジムリーダー。前述の通り元は富豪の家の生まれ。現在はシュンインシティの花屋の看板娘を務めている。
戦術:最初のポケモンで相手のポケモンを弱らせたり状態異常を撒いて準備を整え、前座のサポートを受けたエースで攻めていく。
ジムバッジ:フルールバッジ
手持ちポケモン
スボミー(♀)
特性:葉緑素
技:葉っぱカッター、スピードスター、ポイズンボール、日本晴れ
チェリム(♀)
特性:フラワーギフト
技:マジカルリーフ、ウェザーボール、日本晴れ、自然の力
- http:// ( No.48 )
- 日時: 2017/05/24 20:00
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: VYLquixn)
「いくら失敗したって構わない。だが……最後まで戦う闘志だけは忘れるな」
ヒサギ 男 20歳
容姿:青い服の上からベージュベストを羽織っており、茶髪のショートヘアは常にぼさぼさ。あまり表情を変えないポーカーフェイスだが、人と目を合わせているのが苦手。
性格:ぼそぼそとあまり大きくない声で喋り、必要以上のコミュニケーションを取ろうとしない。冷たい印象を持たれがちだが、単に人見知りをする性格であるだけであり、本人も自覚している。しかし血の気が多い格闘タイプの使い手だけのことはあり、ポケモンバトルにおいては熱い闘志を持っている。
異名:「静かなる闘志(サイレンスファイター)」
備考:カザハナシティのジムリーダー。同じ街出身のスグリのことを何かと気にかけている。
戦術:格闘ポケモンの得意な肉弾戦を主体とするが、ただ殴るのではなくアサナンの念力やカポエラーの回転のような戦法を織り交ぜて特殊かつ多彩な物理攻撃で戦う。
ジムバッジ:ブレイクバッジ
手持ちポケモン
アサナン(♂)
特性:ヨガパワー
技:猫騙し、発勁、バレットパンチ、雷パンチ
カポエラー(♂)
特性:威嚇
技:回し蹴り、メガトンキック、ブレイクスピン、ブレイズキック
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