白雪姫はりんご嫌い  はるた ◆On3a/2Di9o /作



【7】花柄ワンピース



 あたしは、あなたのことを好きになって良いですか。
そんな告白をされたのは生まれて初めてだった。
その女の子は肩上で切りそろえられた茶色い短髪を、風になびかせてふんわりと優しい笑顔を見せた。
花柄のワンピースが、とてつもなく似合っていて、彼女のためにデザインされたのではないかと思うほどだった。

 何で、俺のことを? だって俺は君のこと知らない。
そう尋ねると彼女はんーとうめき声をあげ、丸く大きな目を細めてだってあたしはあなたに恋したいって思ったんです。いけませんか? そう笑った。
いけないだなんてとんでもない、俺はそう彼女に笑いかけた。

 あたしもあなたのことをこれから、もっともっと知っていきたいです。
彼女はそう言って照れたような顔をした。
彼女の花柄ワンピースが風に揺れていた。

(花柄ワンピース)