白雪姫はりんご嫌い はるた ◆On3a/2Di9o /作

【14】壊れかけのロミオ ★
このイライラをぶつける相手が分からず、僕はただただもがく。息すら上手く吸えなくなって、目の前が霞んでいく。そのせいでさらに苛立ちは募り、吐き出す方法すら分からずに君を壊す。
僕は酷い言葉で自分の気持ちをカモフラージュしていくんだ、だってそうしないと君が全て見透かして、僕のことを嫌いになってしまうから。
手首でも切って死んだ気になってみるか。呼吸を止めて、苦しんでみるか。いっそのこと薬でもやって気持ちよくなって見るか。馬鹿なことばかり考えて、実際は絶対そんなことしないのが僕だ。弱虫? ああその言葉がぴったりだ、否定はしない。
君の泣き顔なんて見たくないんだけど、笑顔は憎く感じてしまう。僕の心は荒んで隙間だらけでピースが足りない、コントロール部分は破壊されてる。
ねぇ、もうこの故障は君ですら治せないんだ。だからいっそのこと僕を壊して見せて。最後に愛の言葉でも囁いてみるから。
(壊れかけのロミオ)

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