白雪姫はりんご嫌い はるた ◆On3a/2Di9o /作

【11】大嫌いなヒロイン
携帯小説や少女漫画みたいな、馬鹿みたいな恋愛が大嫌いだった。読んでるだけで思わずそれは無いだろと呟いてしまうことが多すぎるのと、大体誰にでも愛されるヒロインキャラに腹が立っていた。
そんな世界に生まれていたら、あたしでも人気者になれたのかな。そう溜息が出る。
教室の片隅で、一人で本を読んでいるような地味なあたしでも、よく見れば綺麗! みたいなキャラに位置づけされることは出来たのだろうか。
もしそうだったら、あたしは君にお似合いな女でいられたのかな。
太陽みたいに、あたりまで輝かせることの出来る明るい君。地味なあたしの憧れの存在。
君は優しいから、あたしにも普通に接してくれてるけど、実際はあたしのことなんて大して覚えて無いんでしょ。分かってるのそんなこと。
期待させないで、あたしはお話のヒロインみたいに安っぽい女じゃないの。分かるかな。
(大嫌いなヒロイン)

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