Re:愛してる
作者/おかゆ

3
「・・へぇ・・市川さんってただの喧嘩とかじゃない感じ?」
いつの間にか思い出にひたっていたらしい。高木さんに話しかけられていた。
「・・・あー・・うん」
ボソッと言った言葉が聞えていた。
「・・まぁうちたちも林さんたち少し怖くてあんま表立ったことは出来ないけど、うちに出来ることがあったら何でもいってよ」
そしてニコリと笑う。
「・・・ありがとう」
多分この先高木さんの力は使わないと思う。
それに、
どんだけいじめられても私はへこたれない自信があった。
* * *
「・・・今日はありがとう」
「ううん!!うちも楽しかった!また一緒にやろうね」
そういって彼女は他の友達の所へ行ってしまった。
「・・・・ふぅ」
誰もいない廊下で私は静かに携帯を開き、そしてなれた手つきでとあるサイトを開いた。
<ひまわりさんが入室しました>
ひまわり>>こんにちわーって、誰かいますかね?
偶然見つけたチャット。私含めて三人いるらしく、本当の自分をさらけ出せる数少ない場所だった。
心>>あ、こんにちわ。ひまわりさん
ゆーし>>なんだ来たのか。
ひまわり>>ゆーしさんひどいww
ゆーし>>あ?だって俺は心と楽しく話をしてたのにお前が急に入ってくるから。
ひまわり>>話してたっていったってチャットの中でしょ?
心>>まぁ俺はひまわりさんがきて嬉しいと思ってますよww
ひまわり>>ww←これはなんだww
このやり取りについ笑ってしまう。
どんなに悲しい事があったってここに来ると忘れてしまうんだ。
ひまわり>>てか何はなしてたの?
ゆーし>>ひまわりを消す方法
ひまわり>>え、ひどい
ゆーし>>冗談だよ
ひまわり>>知ってるよ
心>>wwwwwwwwww
ゆーしがへんなことを言って私が突っ込んで、心が間で仲裁して。
これをやることがいつの間にか楽しみになっていた。
4
「ねぇ、瑠璃。話しがあるんだけど」
麗華たちに連れられて人気のない場所に移動した。
「あたしたちが言いたいことって何かわかるよね?」
・・・めんどくさい。
「何がいいたいの?」
「はぁっ!?この間のやつだよ!!」
「お前が暴力振るってきただろ!」
・・・・私そんなことしたっけ。
あぁ、思い出せないんだ。
「・・・・ごめん、そのことなんだけど・・私覚えてないんだよね」
「おぼえっ・・はぁっ!?ふざけないでよ!!」
だって本当のことだし。
「まぁまぁ麗華落ち着きなって・・・瑠璃、もう一度あたし達のグループに入れてあげるよ」
田宮美沙。このグループの中で唯一キライじゃなかった子。
たまにイライラするときもあったけどこのなかではマシな子といってもいいだろう。
「・・・入れてあげるって・・どういうこと」
「いや、瑠璃も反省してるだろうし私達も鬼じゃないからさ。もう一度あたしたちのグループに入って一緒に遊ぼうよ」
・・・・お前らはグループに入らなきゃいちいち遊ぶことが出来ないのか。
ま、そんなのはごめんだけど。
「(反省・・ね)いや、もう私はいいよ」
「いや、でも瑠璃が一人でいるのは見たくないって言うか・・」
・・・・疲れる。
そんなバレバレの嘘をつかないで欲しい。
まだ『お前は使いやすい』だの『いじれる奴がいなくて退屈』だの言ってくれた方が楽だ。
・・実際言われても困るんだけど。
それに一人でいるのは見たくないって・・一人にさせてクスクス笑ってたのはあんたらだろ。
「・・・・ごめん、もう私あんたらと一緒にいる気ないからさ」
そういってその場を離れる。
「・・ちょっ、おい!!瑠璃!!」
「なんだよマジふざけんなよ!」
ふざけてるのはどっちだ。
「マジうぜー。調子のってない?」
なんとでも言えばいい。
別に、悲しくなんてない。
・・・・・あぁ、チャットもう少しやっていたかったな。

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