Re:愛してる

作者/おかゆ

51


停学二日目。

今日はつい昼まで寝てしまった。
リビングに行くとラップしてあったご飯。

『冷たかったら温めてね』

走り書きの文字。お母さんが書いたものだ。



「……、」


自分が停学になったとき、お母さんは何も言わなかった。
でも一瞬悲しそうな顔は、した。


「何か言えばいいのに」


悲しそうな顔なんてしないで、



理由を聞いてほしかった。
怒ってほしかった。





何か話しをしたかった。





お父さんが事故で死んでからだんだん会話がなくなった。

父親との最後の別れなんてあっさりしすぎでいた。
交通事故で死んだという事実がいつまでもまとわりついていた。


お父さんが死んでしまった直後より、死んだ後のほうがよっぽど――…


「――っ!!」


こんなことになるならもっとお父さんと話せばよかった。
親孝行するだけしとけばよかった。



葬式のとき、嘘でもいいから。














泣いておけばよかった。










今でも気を抜けばよみがえる。
















(可愛げのない子)


52


停学三日目

一日目、二日目・・とただ、だらだらすごしていただけだった。

今日の分の課題も終わった。



「・・暇だ」

家には誰もいない。

思えば家から学校が遠い。だからこのあたりでは同じ高校の子はいなかった。

ちょっと家出てフラフラしてても・・・・




「(こういう時、皆はどうするのかな)」



考えること十数分。











「・・・行ってきます」


なるべく目立たない格好をして家を出た。





電車に乗って、しばらく歩いて、ついたのは公園。





「あ、」





昔、中学のころよく遊んでいた公園。

いつの間にか、無意識に来ていた。


「なつかしいなぁ」


そして近くにあったベンチに座った。


ゆっくりと横になる。







『瑠璃!!瑠璃!!』


――理紗。



『何があっても、友達だよね!?』



うん、友達だよ。



『じゃぁなんで裏切ったの?』




――――――・・っ!!!



『裏切らないで、見捨てないで』



見捨てないよ、だから理紗――・・、





『何があっても――』








「・・・・っ、」

懐かしくて、とても残酷な夢を見た。





「あたりまえじゃん」


小さくつぶやいた。

そしてこのあと、





私はとっても間抜けな声を出す。







「―――・・瑠璃?」




「・・・・・え?」











『ねぇ、瑠璃』
『私たち何があっても友達だよね?』




あたりまえでしょ?




そう、






「・・り、さ」











何があっても。