Re:愛してる

作者/おかゆ

13


「・・・・メアド?」
「そ。なにかと楽だろ?」
「・・・・・なんでそんなことしなくちゃいけないの」

授業が終わり、皆が帰る頃。

特に何もすることがない私はいつものように資料室にいた。
そしたら伊藤は何事もないようにここに入ってきて。

・・・・最初のくだりになるわけだが。

「・・私とあんたがかかわるのはここだけ。だからメールなんてする必要ないよ。何が楽なんだ何が」
「冷てぇなぁ・・お前今友達いないだろ?」
「大きなお世話。・・・・今もいるよ。『親友』が」
「親友?は?あいつらのことか?」
「馬鹿いわないで」
「じゃぁ誰だよ」
「・・・・・・、・・他校の子よ」
「ふぅん」


それ以上彼は何も聞かなかった。


「・・・・てちょっと!!何すんの!?」
「まぁまぁいいじゃん!使わなかったら使わないでいいし!あって損はない」
「・・・・・はぁ」



きっと一生使わない。
使う理由が見つからない。


「友達は多い方がいいだろ?」
「・・・勝手に言ってなよ」

そしてなれた手つきで赤外線を使いもとの位置に戻した。


「早・・」

思わず関心。


すると伊藤の携帯から音楽が流れる。

「・・・・お、佐藤だ」
「友達?」
「おー」
「・・メール?」
「まぁな」


そして彼は携帯を開き内容を見ると嬉しそうに文字を打った。


「・・・・・随分楽しそうね」
「あー、うん。見ろよ」

そして携帯を私に近づけた。

そこにはその佐藤という男子らしき人とまた違う伊藤の友達らしき人が変顔していた。


「・・・・っフフッ何これ」


思わず笑ってしまった。


「・・・お前、笑うと綺麗だな」
「・・・・・は?」
「・・・・・おぉ!!うんうん!!笑うと綺麗!てかよく見ると可愛い」
「・・なっ、何言ってん、の」
「なぁ、なんでもっと人と話さない!?本当は彼氏とかいるんじゃねぇのか!?絶対モテるだろ」
「っ、」



あまりにも彼が真剣な顔をして言うから思わず。




「・・・・・・・・・お前こういうの言われなれてないんだ。顔真っ赤」



伊藤に笑われるほど真っ赤になっていた。


14


「・・そっ、そもそも・・男子達もそんなどうでもいい事とかメールしたりするの?」

私は思ってたことを口にした。

「・・・?どうでもいい事って・・まぁ・・お前からしたらそうなるのかもな・・でもそのどうでもいい事でもわりとどうでもよくないというか・・」

口をもごもごさせて言うか言わないか迷っている。

「・・・・でもこういうのも大事だと思ってるんだけどなぁ俺は」
手を組んで思いっきり伸びをした。

「・・・・そう、なんだ・・」
「お前もしないの?それこそ女子がよくやるだろ」
「まぁ私も麗華たちと仲が良かったときはよくメールとかやってたな・・でもはっきり言ってどうでもいいことばっかだった・・と思う・・いちいちメールで話さなくてもよくない?みたいな・・でも・・・・伊藤が言うように麗華たちにとってそれが『大事』なことだったなら・・」



そこまで言って言うのをやめた。なぜだか言ってはいけない気がした。



「・・・まぁ・・人それぞれだと思うけど」
「・・・・・」


そしてまた携帯をいじりだす。


「・・・まぁ大事なこととか言いたいときはメールよりかは直で言ったり・・それこそ手紙の方がいいかもな」

ふと、伊藤が顔を上げて私に言った。


「・・・・たとえば?」
「たとえば・・まぁ感謝の気持ちとか・・謝りたい時とか・・こっ・・告白、とか・・」

とたんに伊藤の顔が赤くなった。

「・・自分で言ったくせに顔赤くなんないでよ」
「うるせ」

彼は大事なことはちゃんとしたいらしい。そんなとこも・・








私と似ている。