Re:愛してる

作者/おかゆ

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停学期間が終わった。

久しぶりに制服を着る。

「(こんなんだったっけ)」

ちょっと変な感じがした。

そしてしばらく開かなかったサイトを開く。



<ひまわりさんが入室しました>


「・・・・久しぶりに開いたなー」

なんて呟きながら画面を見ていった。


   ・
   ・

心>>もうホント焦りましたよー・・

心>>あ、ひまわりさんじゃないですか!

ひまわり>>おひさしぶりです。

心>>最近見ないから心配しましたよー(汗

ひまわり>>ごめんなさい。

ひまわり>>ちょっとリアルのほうで忙しくて・・

ゆーし>>ハッ

ゆーし>>男だろ。

心>>ゆーしさん言い方がww

ひまわり>>男じゃありませんよ。

ひまわり>>あー、でも、それもあったかな・・?

ひまわり>>あ、でもでも!!決して恋愛とか!!そういうのじゃないですよ!?勘違いしないでくださいね!?

心>>わかりました^^

ひまわり>>ところで何の話をしてたんですか?

心>>昨日俺が体験した話です。

ゆーし>>こいつ携帯落としたんだとよww

ひまわり>>それは大変でしたね・・

ゆーし>>気をつけろよー(笑)

心>>そうですね・・二人も気をつけてくださいよー?

心>>あ、そろそろ最寄り駅に着くのでこの辺で。

ゆーし>>おー。

心>>今日も一日がんばって。

ひまわり>>ありがとうございます。

心>>では。



<心さんが退室しました>



「・・・・・変わってないなぁ」



何はともあれ、皆かわってなくてよかった。


朝から少し、楽しかった。


そんなことを思いながら私宅を済ませて、家を出た。





(どんだけくじけそうになっても、)

(変わらないものがそこにあったのならそれでもいい、なんて。)


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あぁ、嫌だなぁ。



*    *    *    *


「ねぇ、市川じゃね?あれ」
「本当だ・・退学したって聞いてたけど違ったんだ」
「ばっか、停学だよ停学。えっと、なんちゃら麗華って子に暴力振るったりしたらしいよ?」
「えー?何それいじめ?」
「じゃないかな」


朝久しぶりに教室に入ってみるとすぐこれだ。


みんなの見る目が変わってなくて。

でもそんなのいちいち気にしてるなんて馬鹿らしいからさっさと自分の席に着こうと思う。



「おはよ、市川」
「・・あぁ、伊藤。おはよ」


唯一伊藤だけは私に挨拶をしてくれた。


机の中には大量のプリント類。
その中にほんのわずかだけど、悪口の書かれている紙なんかがあった。


「・・・よくやるなぁ」


『死ね』 『人殺し』 『学校辞めろ』


まさかこんな漫画やドラマに出てくるようなことが実際、しかも今私の目の前で起こってるなんて考えると少し笑えてきた。



きっと、麗華だろう。


麗華が、一人で・・もしかしたらほかの子たちにも何か言ってみんなでこの紙を中に入れたのかもしれない。


でもこれはまだ軽いほうだ。


想像してたよりもずっと、軽い。



「まじ早くいなくなってほしいわーっ」


教室のすみで女子のグループが大きな声で言った。

私に対してだろうな。その中に麗華もいた。
絶対心の中で笑っている。


そして覚悟しなくちゃいけないのはこの先もっといじめがエスカレートしていくってこと。
もうほかのクラスに広まってるからまず私とかかわりたい人間は物好き以外いないってこと。



私は、理紗が無事ならそれでいいのだけれど。




麗華には絶対負けたくないから。




今できることは何だろうと考えたら。









(毎日学校通ってやる)












ここからはもう、面倒くさいはなしだ。