Re:愛してる

作者/おかゆ

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「・・・・伊藤・・今、」
「・・・っ!?・・!!」

私が呟いた途端、伊藤はしまったというような顔をして、そのあとすぐに自嘲的に笑った。

「あー・・、うん・・気にするな」

そしてまたぱらぱらと漫画をめくった。

「伊藤・・・あの、その・・今の話って・・」
「さて、そろそろ帰るか」

伊藤は私の話をさえぎるようにして席を立ち、帰るしたくをした。

「市川もそろそろ帰れば?だんだん暑くなってきたし熱中症になったら大変だろ?」

そして彼はいつもより早い時間でこの資料室をでた。


「・・・・・」


胸につっかえたような何か。

私に嫌な過去があるように、

伊藤にも何か思い出したくない、嫌な過去があったんだ。


「・・・・何か」

何か私に出来ることはないのだろうか。

(なんて、)

今まではそんなこと理紗以外の人間には思わなかったのに。


「・・・・あぁ、」

そっか。

伊藤にメールで『今日もお疲れ様』と来た時。
彼に私の過去の話をしたら、彼なりに私を励まそうとしてくれた時。


この気持ちは全部。




嬉しかったからなのか。


だから私は彼に


恩返しをしたいと思ったんだ。


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<ひまわりさんが入室しました>

心>>あ、ひまわりさん。

心>>久しぶりです。

ひまわり>>本当だ。久しぶりですね^^

ひまわり>>今日はゆーしさんいないですねw

ひまわり>>うるさい人がいないと落ち着くというか寂しいというか。

心>>寂しいんですねwわかりますww

ひまわり>>なんですかそれ(笑)

ひまわり>>まぁ実際、寂しいというか。多い方が落ち着くというか。

心>>あぁ、そういう時ありますよね。

ひまわり>>ちょっと知り合いと気まずい感じになったというか、何というか・・

心>>知り合い?

心>>友達じゃないんですか?

ひまわり>>いえ・・クラスメイトなんですけど、いろいろあって。

ひまわり>>今は知り合いなんです。

心>>喧嘩って訳でもないんですね。

ひまわり>>まぁそうですね。

心>>確かひまわりさんって高一でしたよね?

ひまわり>>はい。

心>>高一かぁ・・、まだまだ難しい時期なんだよな・・

ひまわり>>そういえば心さんは先輩でしたっけ。

心>>まぁ、少しだけ。

ひまわり>>実は私、中学校の時親友を裏切っちゃって。

ひまわり>>助けに行けなかったんです。いじめが怖くて・・親友を裏切っちゃったんです。

ひまわり>>それをその知り合いに話したんです。

ひまわり>>だから・・まぁ、もう・・知り合いじゃない・・というか・・

ひまわり>>でも・・知り合い、なんです・・今はまだ・・

ひまわり>>なんかよく分からないですよね・・

心>>いや、わかんなくてもいいと思いますよ。

ひまわり>>え?

心>>今はわかんなくても、お互い傷つき泣いたとして、すれ違ってしまっても、その気持ちは忘れないでください。

心>>いつか、分かる時がきて、そのときにその『知り合い』の人と『親友』になるくらい仲良くなってれば・・ってなんか自分でも言ってて意味が分からなくなりました(笑)

ひまわり>>いえ。

ひまわり>>ありがとうございます。

ひまわり>>なんか元気でました

心>>それはよかった^^

ひまわり>>じゃぁ私はこの辺で。

ひまわり>>本当にありがとう。


    <ひまわりさんが退室しました>

心>>ひまわりさんも大変だな・・

心>>ま、俺がとやかく言える立場でもないか・・

心>>今はひまわりさんがんばって欲しいですね。

心>>独り言乙って感じですが・・((汗





心>>―・・すべての若者に幸あれ。

心>>では。





    <心さんが退室しました>