Re:愛してる
作者/おかゆ

29
「・・・・伊藤・・今、」
「・・・っ!?・・!!」
私が呟いた途端、伊藤はしまったというような顔をして、そのあとすぐに自嘲的に笑った。
「あー・・、うん・・気にするな」
そしてまたぱらぱらと漫画をめくった。
「伊藤・・・あの、その・・今の話って・・」
「さて、そろそろ帰るか」
伊藤は私の話をさえぎるようにして席を立ち、帰るしたくをした。
「市川もそろそろ帰れば?だんだん暑くなってきたし熱中症になったら大変だろ?」
そして彼はいつもより早い時間でこの資料室をでた。
「・・・・・」
胸につっかえたような何か。
私に嫌な過去があるように、
伊藤にも何か思い出したくない、嫌な過去があったんだ。
「・・・・何か」
何か私に出来ることはないのだろうか。
(なんて、)
今まではそんなこと理紗以外の人間には思わなかったのに。
「・・・・あぁ、」
そっか。
伊藤にメールで『今日もお疲れ様』と来た時。
彼に私の過去の話をしたら、彼なりに私を励まそうとしてくれた時。
この気持ちは全部。
嬉しかったからなのか。
だから私は彼に
恩返しをしたいと思ったんだ。
30
<ひまわりさんが入室しました>
心>>あ、ひまわりさん。
心>>久しぶりです。
ひまわり>>本当だ。久しぶりですね^^
ひまわり>>今日はゆーしさんいないですねw
ひまわり>>うるさい人がいないと落ち着くというか寂しいというか。
心>>寂しいんですねwわかりますww
ひまわり>>なんですかそれ(笑)
ひまわり>>まぁ実際、寂しいというか。多い方が落ち着くというか。
心>>あぁ、そういう時ありますよね。
ひまわり>>ちょっと知り合いと気まずい感じになったというか、何というか・・
心>>知り合い?
心>>友達じゃないんですか?
ひまわり>>いえ・・クラスメイトなんですけど、いろいろあって。
ひまわり>>今は知り合いなんです。
心>>喧嘩って訳でもないんですね。
ひまわり>>まぁそうですね。
心>>確かひまわりさんって高一でしたよね?
ひまわり>>はい。
心>>高一かぁ・・、まだまだ難しい時期なんだよな・・
ひまわり>>そういえば心さんは先輩でしたっけ。
心>>まぁ、少しだけ。
ひまわり>>実は私、中学校の時親友を裏切っちゃって。
ひまわり>>助けに行けなかったんです。いじめが怖くて・・親友を裏切っちゃったんです。
ひまわり>>それをその知り合いに話したんです。
ひまわり>>だから・・まぁ、もう・・知り合いじゃない・・というか・・
ひまわり>>でも・・知り合い、なんです・・今はまだ・・
ひまわり>>なんかよく分からないですよね・・
心>>いや、わかんなくてもいいと思いますよ。
ひまわり>>え?
心>>今はわかんなくても、お互い傷つき泣いたとして、すれ違ってしまっても、その気持ちは忘れないでください。
心>>いつか、分かる時がきて、そのときにその『知り合い』の人と『親友』になるくらい仲良くなってれば・・ってなんか自分でも言ってて意味が分からなくなりました(笑)
ひまわり>>いえ。
ひまわり>>ありがとうございます。
ひまわり>>なんか元気でました
心>>それはよかった^^
ひまわり>>じゃぁ私はこの辺で。
ひまわり>>本当にありがとう。
<ひまわりさんが退室しました>
心>>ひまわりさんも大変だな・・
心>>ま、俺がとやかく言える立場でもないか・・
心>>今はひまわりさんがんばって欲しいですね。
心>>独り言乙って感じですが・・((汗
心>>―・・すべての若者に幸あれ。
心>>では。
<心さんが退室しました>

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