Re:愛してる

作者/おかゆ

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「・・・・、」
「っ・・、」


2人が何分か沈黙する。



「お前、停学中じゃ・・」
「あ・・・っと・・」
「まぁ、じっとしてるとも思わなかったけど。でもここ乗り換えとかでもしかしたらお前の知ってる奴とか来る可能性だってあるかもしれんのに・・」



そこまで言って伊藤は止まった。


「・・・・降りる駅どこ」
「え?」
「だから・・・・っ、とりあえず次の駅で一緒に降りて」


それとほぼ同時に電車が来た。


「えっ?ちょっと、伊藤!?」
「いいから。俺からのお願い」
「・・・・・っ」


そして電車に乗った。



「・・・・いと、」
「・・・・・・・」


約二分間。

ついた駅の近くにある椅子にゆっくりと腰掛けた。



「・・・・で、何かあったの?」
「・・っ、別に何もないけど・・てゆーか私のじ」
「そっかー・・」
「私の話を聞け」


何がしたいんだコイツ。


「・・・・・・涙目だぞ。お前」





――――――――・・っ!!!!



「何があった?」
「べっ・・・つに・・」
「なら、いいんだけど」
「・・・・、」
「でも、言っとくとすっきりすることも、ある」
「・・・わざわざそれを言うために私をこの駅で降りさせたの?」
「そうだよ?だって親友が泣きそうなんだもん」
「親友って」
「俺らは親友なんだ」



むちゃくちゃな。



でも、そんなこと言ってくれた彼が。








たまらなく嬉しかったり。



「だから・・・・ってうおっ!?いちか、わ・・」
「うるさい・・何もしゃべるな・・」


嬉しすぎて、






こういうとき、どうすればいいのか分からなくなる。


それでも伊藤は。




「うん・・・・分かった」




どうしてそんなに優しくしてくれるんだろうか。


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「・・・・そっか」


話を一通り聞いた伊藤は小さく呟いた。


「会っちゃったか」
「・・・うん」
「で、お前は?」
「え?」
「お前はどうしたい?」
「・・・私は・・理紗にもう一回あって話したい」
「だろうな」


ゆっくりと落ち着いて話せるのは多分、

隣に伊藤がいたから。


「――・・自分でけじめ、つけなくちゃ」
「うん。それが一番いいな」


そして彼はまた綺麗に笑うんだ。


「あ、」


突然何か思い立ったように言葉を発した。


「俺もジャマにならない程度にそこにいていい?」

「はっ!?」

何言ってんだコイツ。

さっきまでのしんみりした空気返せ。



「俺がお前のストッパーになるから」
「ジャマにならない所で見てるのに?」
「そんときになったら絶対助けてやる」
「・・・馬鹿じゃないの?」
「大丈夫だから、な?」
「・・・・・・、」


――・・あぁ、私にそんな言葉をくれる人が、


そばにいるというだけで。





「・・・・・・ありがとう」





どうしてこんなに強くいられるのでしょうか。