ラバソウ 警視庁刑事部捜査一課第二強行犯捜査第四係

作者/ゆぅ



Mystery1【パーティをはじめる前でも落ち着いて】-2



土曜日――。


二人はバスに揺すられ、服装はスーツで、来ていた。

人気小説家・河山英寄の自宅は二人の想像を遥かに超えるほどの大豪邸だった。



大きな吊り橋を渡ると、まず表札が飾ってある立派な門があった。

その門の目の前には大きな噴水が。

その奥には広くキレイな庭が。

その庭の間に通っている大きな道を抜けると、大きな扉が。

二人はその豪邸に足を踏み入れた。




中も外観と同じように豪華で、入った途端レッドカーペットだ。

そして正面に大きな階段。


右側から人の声がきこえるので会場は恐らくそこだ。

真山は大きく息を吸ってから大きな両開き扉を開けた。

中を見ると、思った通りだった。


中はパーティ会場のようで、派手な料理と派手な服装の人たちがたくさん見える。


「すっごーい・・・」


千尋は小さくそう呟いてから会場に足を入れた。


見ると、やはり皆スーツかドレス、あるいはハカマや着物の人間しかいない。


「お荷物をお預かり致します」


女の声がきこえ、千尋は斜めがけバックを預けようとしたが結構大事なものが入っていそうな気がしたので預けず会釈をし、真山も特にないので左手を女の前に差し出した。女はうなずいて二人に会釈した。


「・・・何すればいいんすかー、今。何待ちですかコレ」


千尋はそう言いながらカバンからミルク味のお菓子【ミルクケーキ】を一つだし、それを口にくわえた。




※ミルクケーキは実際に売られているミルク味の堅いプレート形のお菓子です。

「僕にきくな」


真山はこちらを向こうともせず言う。


「・・・はーい」


千尋はそう言いながら口にくわえたミルクケーキをブラブラと動かした。


「・・・とにかく情報収集でもするか」


真山はそう言うと千尋から目を離し、歩きはじめた。


「情報収集?」


千尋はそう呟きながら真山のあとに続いた。






「真山さーん、誰に何をきくんですか?」


千尋は歩きながら真山に訊いた。

真山は千尋の方を見ることなく歩きながら答える。


「さっき言ってたろ。『殺人予告』があったって。その事を訊くんだ。君も捜査はあまりした事がないだろう。だから勉強になるいい機会だ」


「ああー。真山さん、じゃあその間あたしはどっかカフェでも行ってるんで、終わったら言って下さい」


と千尋。


真山は立ち止った。そんな真山に、千尋は目を向る。


「いいから行くぞ」


真山はそう言って千尋の襟を掴み、ひきずり歩いた。


「その『殺人予告』と言うのは具体的に誰がいつどこでどのようにして見たものかわかるか」


「・・・さあ。って言うかあたしに訊かんでもらってもいーですかー。知らんすよ、そんな事ー」


千尋はやる気のないような、あるような顔で言う。


「君に言った僕がバカだった」


「バカなのは百億年と三日くらい前から知ってまーす」