ラバソウ 警視庁刑事部捜査一課第二強行犯捜査第四係
作者/ゆぅ

Mystery1【パーティをはじめる前でも落ち着いて】-21
その沈黙を破ったのは、陣内だった。
「わかった!犯人はその先生や!鍵を持ってるんは先生だけ。決まりや!宝生さん、その先生言う人は今どこに?」
「・・・先生は、先程屋敷を出られましたけど・・・・」
「は!?どういうこっちゃ」
「パーティが終わるのは午後九時・・・・。それまで出かけてくる、と・・・・」
美冬はそう言って俯いた。
「じゃあ松本さんを殺してすぐ出ていったんじゃないの!」
西野が怒鳴った。
「このたびは、こんな事になってしまい・・・・・」
ホールで美冬はマイクを使いながら言った。
だが愚痴を飛ばす奴がいない訳がなかった。
「ふざけんなよ!なんで俺たちがこんな目に遭わなきゃいけねぇんだよ」
「も、申し訳ありません・・・・・」
そう言って沈黙になった時、真山が言った。
「宝生さんに文句言わないで下さい。宝生さんが悪い訳じゃないんですから。恨むなら、犯人を恨みましょうよ。それ以上何か言ったら逮捕しますよ」
真山がそう言うと美冬は先程名前を知ったのであろう、「真山さん・・・・」と呟いた。
「ありがとうございます・・・・。かばって頂いて・・・・」
美冬は申し訳なさそうに真山を見た。
真山は笑顔で言った。
「いいえ。本当の事じゃないですか」
真山がそういったあと、美冬は不安そうに真山をみつめた。
千尋は「美人だからって媚売りやがって・・・」と呟く。
その時、一人の男が言った。
「何でこれだけで逮捕されるんだよ。たしかにそこのメガネの言うようにその女は悪くないかも知ん・・・・。だが、自分の屋敷で人が一人死んだってのに、誰もが尊敬する推理小説家はどこ行ったんだ?秘書に任せて自分はお遊びか」
「眼鏡かけてませんよ!」
と真山。

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