ラバソウ 警視庁刑事部捜査一課第二強行犯捜査第四係

作者/ゆぅ



Mystery1【パーティをはじめる前でも落ち着いて】-5



「宝生さん」


真山は千尋から目を離し、美冬を見て言った。


美冬は「はい」と言って真山を見た。


「こちらのお屋敷にですね、『殺人予告』が届いたと言うのは確かでしょうか」


「・・・答えなければいけないですか」と美冬。


「届いたんですね?」


真山がそう言うと、美冬は少しためらったあとに言った。


「・・・はい。でもそれが何か」


「いえ。それがどうこうと言う訳ではないのですが。ちょっと小耳にはさんだものですから」


「・・・どこの誰が漏らしたんでしょう。・・・・何かききたい事があるんですよね?何ですか」


美冬がそう言うと、真山に代わって千尋が言った。


「では訊かせて頂きます。宝生美冬さん『殺人予告』の事は河山さんに言っていますか」


「・・・・いいえ」と美冬。


「では質問を変えます。それはいつ届いたものですか」


「一ヵ月程前ですが」


「では『殺人予告』はメールですか、手紙ですか。河山さんに言ってない所を見ると手紙かと思えわれますが」


「貴方の推測通りです」


「文字はワープロでしたか、直筆でしたか」


「ワープロです」


「わかりました。話はそれだけです。申し訳ありませんがその『殺人予告』見せて頂けないでしょうか」


「すいません。なくしてしまったので、見つけ次第お見せいたします。それでいいですか」


「結構です。お時間取らせて申し訳ありませんでした。それでは」


千尋はそう言うと出口へと歩き出した。


「真山」千尋がそう言い、真山は「呼び捨てするな」と言って部下である千尋について行った。


そして千尋がドアを開けたところで「あの」と美冬の声がした。

二人は振り返って彼女を見る。


美冬は少し黙ったあとに二人を見て言った。