ラバソウ 警視庁刑事部捜査一課第二強行犯捜査第四係

作者/ゆぅ



Mystery1【パーティをはじめる前でも落ち着いて】-17



「何で真山さんには何も言わないんすか」


「お前が来ときながら何で殺人なんて起きんねん」


陣内はそう言って持っている扇子で千尋の頭をはたいた。

千尋は軽く頭を抑えながら言う。


「だから何で真山さんに言わないんですか」


「ったく本当使いモンにならへんなお前は。いい加減にしときや」


「いやだから何で真山には言わないんすか!」


呼び捨てなのが勘に触ったのか、真山が突っ込んで来た。


「呼び捨てするなっ!」


真山は小声で怒鳴った。

千尋は真山をキッと睨む。


「真山さーん。すいませんねぇ、有明と一緒で」


陣内は急に媚を売るように言った。

腹が立つ奴だ。

だが真山はアホなので良い気になって答える。


「まったくですよ。先程もですね、僕がコピー機の異変に気付いたと言ったら自分もそう考えていただなんて事を言いだしましてねハハハッ!」


こいつも腹が立つ奴だ。

勝手に立場を逆転してやがる。


「つーか陣内さん、何しに来たんすか」


千尋も黙っちゃいない。


「何てお前、スケダチやないかー。お前が不甲斐ないアホだから来てやったんや」


陣内はイラッとしたように言った。


「どーせ暇だったんでしょ。通報があって暇なの陣内さんだけだったから来ましたみたいな。デクノボーのくせに。どーせ来るなら頭良い人連れてきて下さいよ」


千尋は彼をバカにするように言った。

というかバカにしているつもりで言った。


「何やお前!ワシをバカにするんかいな」


「別にバカにしてねーし」


「ホンマ腹立つやっちゃなー・・・」


それはお前だろ。

腹の中の言葉を言わず、千尋は言った。


「アホが二人揃われても困ります」


「誰の事やねんな」


「お前とお前だ!」


千尋はそう言って陣内と真山を指さした。

真山が言う。


「上司に対しては敬語を使え敬語を!」